カンボジアの国旗の歴史や意味は?旅行前に特徴や由来も知っておこう!

2019年4月25日 (2019年4月30日最終更新)

カンボジアの国旗には過去の戦いの歴史や宗教的な意味が込められています。カンボジアは過去に何度も国旗のデザインを変えていますが、アンコールワットをあしらっている点だけは一貫しています。立憲君主国としてスタートした1933年からは現在のデザインが使われています。

目次

  1. カンボジアの国旗の歴史や由来を知ろう!
  2. カンボジアの基本情報
  3. カンボジアの国旗の特徴
  4. カンボジアの国旗の歴史・由来
  5. カンボジア国旗の変遷にまつわる歴史的特徴
  6. 関連はある?カンボジアの国旗と似ている国旗
  7. カンボジアの国旗のようにデザインが複雑な国旗
  8. 旅行前に国旗を通してカンボジアの知識を深めよう!

カンボジアの国旗の歴史や由来を知ろう!

カンボジアでは、9世紀から14世紀までの長きに渡りアンコールワットを居城としたクメール王朝が栄えていましたが、その後、隣国のアユタヤ朝やフランス、日本に侵略されるなどの忌まわしい歴史が長く続きました。カンボジアの国旗は国の政権が大きく変わる度にそのデザインが変わっています。

カンボジアは第二次世界大戦後に独立を果たしますが、その後も内戦による虐殺や虐待の歴史が長く続き、平和を取り戻したのはごく最近になってからです。

ここではそんなカンボジア国旗について、旅行に出かける前に知っておいた方が良い知識の一助として、国旗の持つ意味や特徴、由来、歴史などを含めて紹介します。

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カンボジアの基本情報

カンボジアは低地の平野やメコン川のデルタ地帯、山岳地帯、海岸線など自然美溢れた地形を持つ東南アジアの国で、カンボジアの首都プノンペンには、アールデコ調の中央広場や、華麗な宮殿、歴史や考古学の展示が観られる国立博物館などがあり、国の北西部には、クメール帝国時代に石によって築造された巨大な遺跡・アンコールワットがあります。

カンボジアの地理

カンボジアの面積は約18万平方キロメートルほどで、日本の半分程度の大きさを持つ国です。カンボジアに接する隣国はタイ、ラオス、ベトナムの3国です。南側はタイランド湾に接していますが、後の3方は低い山々に囲まれ、中心部は平で盆地のような低地となっており、雄大なメコン川や広大なトンレサップ湖によって耕作のための水が供給されています。

カンボジアの民族

カンボジアの正式名称はカンボジア王国と言い、立件君主制の国です。カンボジアに住む民族の内、クメール人が人口の9割を占めています。その他にチャム族やベトナム人、華僑、その他の民族も、少数派ではありますが暮らしています。国土の大部分は森林に覆われ、耕作のできる面積は20%程度しかありません。

カンボジアの宗教

カンボジアの宗教は仏教です。仏教の寺院に代表されるカンボジアのアンコールワットは、世界的にも知られた遺跡で、日本からも多くの旅行客が訪れます。この遺跡は、観光旅行で訪れる旅行者のほとんどすべての人を満足させるに足る壮大で華麗な寺院の遺跡です。カンボジアにはその他に、少数ですがイスラム教徒やカトリック教徒もいます。

カンボジアの言語

カンボジア人の公用語はクメール語です。ただし、以前フランスの植民地だったこともあって、フランスの影響が色濃く残っており、フランス語を話したり聞くことのできる人たちも多いようです。また、ビジネスなどでは英語が使われる他、近隣国のタイ語、ベトナム語、中国語などの言葉を話す人も多く存在します。

カンボジアの国旗の特徴

現在のカンボジアの国旗は、カンボジア内戦前の王国時代と同じデザインのものが制定されています。カンボジア国旗は1993年の王政復古の時に採用され、現在も使われています。青、赤、青の地の中央に白いアンコールワットが配されているこの国旗には種々の意味が込められています。

アンコールワットのデザイン

現在のカンボジア国旗は、1993年の王政復古の時に制定されています。青、赤、青の地の真ん中に、国のシンボル的な遺跡・アンコールワットが白色で配置されています。過去の歴史の変遷により、国旗は何度も変更されていますが、アンコールワットだけはどの時代の国旗にも施されています。

色が意味するもの

現在のカンボジア国旗のカラーは、上からブルー、レッド、ブルーの地となっており、中央にホワイトのアンコールワットが配されています。ブルーは王室の権威を、レッドは国民の忠誠心を、ホワイトは仏教をシンボル化しているものです。カンボジアの国旗は、国の歴史や変遷に大きく関わっています。

カンボジアの国旗の歴史・由来

カンボジアでは、旅行客を虜にして止まないアンコールワットの幻想的な遺跡などが目につきますが、その歴史を知るほどに、カンボジア人の虐待と苦悩の暗澹(あんたん)たる過去を学ぶことになります。そしてその歴史はカンボジア国旗の持つ特徴や意味、変遷にも多大な影響を及ぼしています。
 

カンボアジアは、自国民からはカンプチャと呼ばれていますが、国名の由来となったのは3世紀頃のインドの名僧で、その僧の名前がカンプーと呼ばれていたことによるそうです。そして、カンプチャは「カンプーの子孫」という意味を持つそうです。

カンボジアは、インドシナ半島のメコン川流域に繁栄している国で、この国には世界文化遺産に登録された巨大遺跡アンコールワットがあります。

9世紀から14世紀にかけて、カンボジア一帯では、アンコールワットを中心とした密林の王国「クメール王朝」が繁栄していました。長い間栄えてきたクメール王国でしたが、やがて隣国のアユタヤ王朝に滅ぼされ1863年にはフランスの保護国となりました。

第二次世界大戦の最中、カンボジアは日本に占領されましたが、第二次世界大戦末期には、残存していたフランス駐留軍は解体し、1945年3月、カンボジアは独立国となります。日本が敗戦した後、カンボジアは再びフランス領とされますが、1953年にはカンボジア王国として事実上の独立国となりました。

1863年 カンボジアの国旗の始まり

カンボジアは隣国のアユタヤ王朝に滅ぼされ、1863年にはフランスの保護国となり、その年にアンコールワットのあしらわれた国旗が制定されました。この国旗は現在の国旗に似たデザインでしたが、相違点は現在の国旗が上下に青が配されているのに対し、その当時の国旗は青色が全体を取り囲んでいるデザインでした。

1970年 クメール共和国時代の国旗へ

ベトナム戦争末期の1970年代はロン・ノル政権の時代となります。ロン・ノルは親米派だったこともあり、国旗のデザインが星条旗を意識して作られていたようです。ブルー地の右上部分に横一線3連星が入れられており、左上には赤地に白いアンコールワットがあしらわれていました。

1970年代後半になって、ロンノル政権が終わりポル・ポト政権、ヘン・サムリン政権の時代が来ると、カンボジア国旗のデザインは変更されます。

新中国派のポルポト政権では、赤地の真ん中に黄色いアンコールワットががあしらわれ、ベトナムの息がかかったヘン・サムリン政権下では、ベトナム国旗と同じデザインの国旗が採用されました。

1989年 金のアンコールワットの国旗へ

1989年には、わずか2年間でしたがカンボジア国旗のシンボルとも言うべきアンコールワットのデザインが金色だった時代があります。その時の国旗は、上の赤、下の青地を背景に金のアンコールワットが描かれ、美しいデザインと評判を呼んだそうです。

1989年は、カンプチア人民共和国が「カンボジア国」と改称、国旗や国家、軍旗が変更されました。この年はベトナム軍が完全に撤退した時期です。1990年9月には、シアヌーク氏を議長としてカンボジア最高国民議会が発足し、国連による和平案が受諾されました。

また、1991年10月にはパリ和平協定により、紛争当事者と関係18か国による調印が行われ、「カンボジア紛争の包括的な政治解決に関する協定」が結ばれました。

1993年 現在のカンボジアの国旗へ

カンボジアの国旗は、1993年の王政復古の際に、カンボジア内戦前の王国時代と同じデザインで、現在使われている国旗が制定されました。つまり、1948年にフランスからの独立時に制定された国旗が、現在の国旗と同じデザインとなったわけです。

現在の国旗の特徴を挙げると、上から青、赤、青のストライプ地が1対2対1の割合であしらわれ、その中央には白のアンコールワットが配されており、青色は王室の権威あるいは自由と協力を意味し、赤色は国家と国王に対する国民の忠誠心を、白色は仏教徒を意味しています。

この赤や白地の色は、東南アジアで伝統的に親しまれてきたカラーで、タイやシンガポール、マレーシア、インドネシアなどでも用いられている、東南アジアに特有の特徴的なカラーです。

カンボジア国旗の変遷にまつわる歴史的特徴

カンボジア国旗の移り変わりがカンボジアの歴史を映し出していると言っても言い過ぎではないでしょう。

第二次世界大戦時にはカンボジアは日本の統治を受けていました。その頃に制定された国旗は、赤の地の中央に白い正方形が描かれ、その中に更に小さな白い正方形が配されていました。

これは真上から見たアンコールワットを意味しているものと思われますが、どことなく日章旗を彷彿とさせる特徴を持っています。

1970年代にはロン・ノル政権の時代が到来します。この頃はベトナム戦争末期でもありましたが、ロン・ノルは親米派のためか、国旗のデザインはブルー地の右上に横一線3連星が配され、左上には赤地に白いアンコールワットが描かれていました。このデザインにはアメリカの星条旗を強く意識していたものとみられる特徴が随所に見受けられます。

1970年代後半にはポルポト政権、ヘン・サムリン政権と続きます。ポルポト政権は親中国だったため、赤地の真ん中に黄色のアンコールワットがデザインされるという特徴を持っていました。

また、その後のヘン・サムリン政権は親ベトナムだったため、ベトナム国旗に酷似した特徴の国旗が作られています。

現在のカンボジア国旗は1993年の王政復古の際に制定されたもので、青は王室の権威を、赤は国王に対する忠誠心を表し、中央に仏教徒を象徴するアンコールワットが描かれています。これは、1953年にカンボジアがフランスから独立した際に制定された国旗と同じデザインとなっています。

関連はある?カンボジアの国旗と似ている国旗

苦難の歴史を乗り越えてきたカンボジア近隣のラオスや北朝鮮の国旗は、カンボジアの国旗と似ています。共産主義国家・ラオスの国旗は赤、青、赤のストライプ地が施されており、青、赤、青のストライプ地を配した北朝鮮の国旗もカンボジアの国旗とよく似ています。

それぞれの国の事情は異なるものの、他国の支配や長い内戦の末に勝ち得た独立国家が制定した国旗には流した血の色や未来への希望といった意味や由来があるようです。

ラオス人民民主共和国の国旗

ラオス人民民主共和国の国旗はカンボジアの国旗によく似ています。ラオスの現在の国旗は、1975年にラオス人民民主共和国が誕生した際に制定されたもので、上から赤、青、赤のストライプ地が配され、中央に白丸がデザインされています。

ラオス国旗の由来を調べてみると、赤は独立戦争で流された血の色を、青は国の豊かさを表しており、中央の白丸はメコン川に昇る月を表しています。ラオスの国旗は共産主義による国の統一を象徴しているそうです。

朝鮮民主主義人民共和国の国旗

北朝鮮の国旗もストライプ地の配色がカンボジアの国旗に似ています。上から青、赤、青が配され、赤地の両脇には細い白のラインが引かれています。そして中ほどの左サイドにある白丸の中に赤星が配されています。社会主義を名乗る国の国旗の多くが赤地を基本にしており、北朝鮮も例外ではありません。

北朝鮮の国旗は1948年に制定されたもので、共和国旗と呼ばれており、朝鮮民族の伝統色とされる青と赤が基調となっています。

国旗の由来を紐解いてみると、青は社会主義国家の建設を表し、白は光明と純潔を象徴しています。白い円は宇宙を表し、赤い星は社会主義を表現するとともに陰と陽をも象徴しています。

カンボジアの国旗のようにデザインが複雑な国旗

世界には、カンボジアの国旗同様に複雑なデザインや模様のあしらわれている国旗が多々あります。それらの国旗にはその国の深い歴史や様々な意味が込められています。

複雑な絨毯文様が配された中央アジアのトルクメニスタン国旗や、アラビア文字がイラスト化された中東の大国・サウジアラビア国旗、モスクや剣、麦などが中央にデザインされたアフガニスタン国旗、アステカの首都がシンボル化されたメキシコ国旗など、複雑なデザインを採用している国々があります。

トルクメニスタンの国旗

トルクメニスタンの国旗は、白の三日月と5つの星が真ん中上部に配され、緑地の左側に赤色の帯が配され、複雑な絨毯文様がデザインされた国旗です。ソビエト連邦が崩壊し、トルクメニスタンが独立した後の1992年に、現在のデザインに近い国旗が制定されました。現在の国旗は2001年に制定されたものですが、世界で最も複雑な国旗と言われています。

国旗の由来を調べてみると、緑地に三日月と星はイスラム教の象徴で、5つの星は国の礎となっている5つの地方を表しています。左側の模様は伝統産業である絨毯の柄を図案化しており、各部分がトルクメニスタンの主な5部族をシンボル化したものです。

なかなか観光旅行で訪れる機会の無いトルクメニンスタンですが、この国にも興味深い歴史がありそうです。

サウジアラビア王国の国旗

サウジアラビアの国旗は緑地に聖句と剣が描かれており、聖句が用いられているために、半旗掲揚を行わないのが特徴です。

その由来を調べてみると、緑地はイスラム教の聖なるカラーで、アラビア文字は、「アラーの他に神は存在しない。マホメットはアラーの預言者である。」というコーランの冒頭の聖句が記されています。また、剣には聖地メッカを守る意味が込められています。

サウジアラビアの国旗は中欧の東に位置するモルドバや南米のパラグアイの国旗と同様、表と裏でデザインが違っています。具体的には、文字の向きは同じですが、剣の向きが逆になっています。サウジアラビアは観光旅行ではなかなか行くことができない国ですが、機会があれば訪れてみたいアラビアの大国です。

アフガニスタンの国旗

アフガニスタンの国旗は、左から黒、赤、緑地の三色の真ん中に国章が施されています。その由来となる中央のエンブレムには、イスラム教の五行の1つのシャハーダ(信仰告白の意)である「アラーの他に神は無く、モハメッドはアラーの使者。」という言葉と、イスラム教の寺院であるモスクなどが描かれており、それらの周りに麦の穂と剣が配されています。

アフガニスタンはイギリスとの3度の戦争を経て、1919年に独立しました。しかし、その後もソ連の進駐やイスラム原理主義の新興勢力となるタリバンの台頭など、国の治安は安定せず、内戦は現在でも続いています。
 

アフガニスタンの国旗の黒地は過去、赤地は独立のために流された血、緑地は未来への希望を象徴しています。

メキシコの国旗

メキシコの国旗は、緑、白、赤の縦三色の中央に国章がデザインされています。緑地は「民族の運命における国民の希望」を表し、白地は「カトリックや宗教的な純粋さ」を象徴、赤地は「国に殉じた愛国者の血」を表しているそうです。中央の国章は、1325年に創設された、アステカの首都「テノチティトラン」をシンボル化したものです。

メキシコの国旗は1968年に制定されたもので、緑、白、赤はそれぞれ、国家の独立、カトリックの信仰、民族の統一を象徴しています。また、中央の国章に描かれている鶯は、メキシコの国鳥で、アステカ建国の伝説に由来しています。

いくつかの国の国旗を取り上げてみましたが、その中でメキシコは、最も人気があり観光旅行で訪れる人の多い情熱的で友好的な国です。カリブ海沿岸のリゾート地・カンクンもメキシコ南東部に位置し、旅行で訪れてみたいスポットの1つです。

旅行前に国旗を通してカンボジアの知識を深めよう!

ベトナムやラオス、タイと国境を接するカンボジアは、長い歴史の中で常に他国からの侵略や内戦に苦しんできました。政権が変わる都度国旗も変更されてきたため、国旗にはその時期の政権のカラーが色濃く反映されています。

ここではそんなカンボジアの国旗について、その意味や特徴、由来、歴史など、旅行をする前に知識として知っておいた方が良いと思われる情報を取り入れながら説明してみました。

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この記事のライター
南真州

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