寄木細工は箱根の伝統工芸!歴史ある職人技で作る一点モノと出会おう

2020年6月12日 (2020年6月13日最終更新)

寄木細工は、箱根に育つ樹木の種類の豊富さ故に、様々な木の色を織り交ぜながら作られてきた箱根伝統の工芸品です。寄木細工は、インテリア小物や秘密箱、からくり箱など、職人の表現力とアイデアによって生まれるクオリティーの高い工芸品です。

目次

  1. 寄木細工の魅力をご紹介!
  2. 寄木細工とは?
  3. 寄木細工の模様と材料
  4. 寄木細工の幾何学模様
  5. 寄木細工のおすすめ民芸品
  6. 寄木細工が体験できる場所
  7. 箱根で自分だけの寄木細工と出会おう

寄木細工の魅力をご紹介!

温泉や観光地として名高い箱根には、古くより伝統工芸の寄木細工が根付いています。寄木細工は、カラーや材質の異なる種々の木々を組み合わせてできる幾何学模様の鮮やかさが特徴となる工芸品です。

ここではそんな箱根の寄木細工について、伝統工芸の歴史や民芸品、手作り体験、職人などの情報を交えながら紹介します。

寄木細工とは?

寄木細工は、種々の木材が持つ材色や木目を寄せ併せてきめ細かな幾何学模様を作り、これを大きな鉋(かんな)で薄く削り、そのまま加工して製品にしたり、小箱などに貼り併せたりして作り上げる手作りの工芸品です。

薄く削った模様を木製品の外側に貼り付ける技法を「ツク貼り」と言い、寄せ併せたベースの種板を加工して製品を創る技法は「ムク作り」と呼ばれています。

温泉で有名な箱根の伝統工芸

寄木細工は、樹木の豊富な箱根の伝統工芸品として、古くから箱根に根付く種々の民芸品店の職人たちによって作られ販売されています。

山に囲まれた箱根は、東京からアクセスの良い景勝地であり、温泉地としても親しまれていますが、豊富な樹木を利用した寄木細工の町としても知られています。

寄木細工の歴史

「ツク貼り」、「ムク作り」と呼ばれる技法は江戸時代末期の箱根町畑宿から始まっており、現在に至るまで技術の継承が行われ続けています。

箱根、小田原地方が唯一の産地であるこの寄木細工は、昭和59年に、当時の通産大臣により、「伝統工芸品」として指定を受けています。

寄木細工の魅力

秘密箱やからくり箱で知られる寄木細工の一番の魅力は、何と言っても幾何学模様が織りなす独特のデザインにあります。

この寄木の手法自体が日本の伝統技術として認知されており、国内のみか、世界でも高い評価を得ています。

寄木細工の種類

寄木細工はいくつもの木材が持つそれぞれの材色や木目を活かしつつ、寄せ併せることによって精緻な幾何学模様を作り出します。

寄木細工にはその幾何学模様を使った様々な製品があります。ひみつ箱やからくり箱は有名ですが、その他にも、文箱や引き出し、宝石箱、お盆、コースター、お菓子箱、花瓶など、様々な生活用品として、また民芸品として根付いています。

寄木細工の模様と材料

寄木細工は種々の模様や材料によって造られています。模様の多くは連続しており、縁起の良いものがしばしば使われています。

寄木細工の材料となる樹木には、桜やケヤキなどの丈夫でしなやかな木々が使われており、深みのある色合いの神代木が使われることもあります。

寄木細工の模様には意味がある

寄木細工の模様にはそれぞれ意味があります。円満を表す七宝と魔除けを表す矢羽根が組み合わされた七宝矢羽、江戸中期の歌舞伎役者の袴に使用されたことから人気の出た市松、縁起の良い亀をモチーフにした亀甲など、歴史が長いだけあって、それぞれが意味を持ち、箱根の伝統工芸に色合いを添えています。

縁起の良い「七宝矢羽」

七宝(しっぽう)模様と矢羽根模様を組み合わせたものが七宝矢羽根と呼ばれる歴史のある技法です。七宝は、同じ大きさの円を4分の1ずつ重ねていく手法で、調和や円満といった意味を持ちます。

矢羽は、魔除けの破魔矢や、的を射る、などの意味があり、縁起の良い模様として重宝されています。

多くの作品に使用されている「市松」

ルービックキューブなどでもお馴染みの市松模様は、色違いの正方形を交互に並べた模様で、寄木細工ではしばしば使われる技法です。

この技法には、江戸中期の18世紀に活躍した歌舞伎役者・佐野川市松氏が袴にこの模様を施したことから市松と呼ばれるようになったという歴史があります。

吉祥模様の「亀甲」

亀甲は、亀の甲羅をモチーフとして六角形に繋ぎ合わせた模様です。鶴や亀は昔から縁起物として愛されている動物です。

六角形は連続していて途切れないという意味合いから、また、長生きで知られる亀は縁起の良い生き物であることから、亀甲は吉祥模様として大事にされています。

寄木細工の主な木材

寄木細工で使用される木材は、それぞれの色彩や木目の違いから、鮮やかで目を惹く色合いのデザインが作り出されます。

木材としては、桜やケヤキ、神代木などが使われ、素材は硬くしなやかで、磨くと艶の出るものが尊ばれます。

日本の国花「桜」

桜は箱根の寄木細工の材料としてよく使われる樹木の1つです。日本の国花である桜は日本を代表し象徴する樹木です。

桜の木はやや硬さがありますが、粘り気があってしなやかな特徴を持っているため、繊細な加工が施しやすく、サンドペーパーで磨くことにより光沢も出ます。

幅広く使用できる「ケヤキ」

重くて硬い性質を持つケヤキは、構造材や装飾材など、広葉樹林の中で最も用途の多いという優れた特徴を持っています。

淡い黄褐色や紅褐色などの色を持つケヤキは、強度、耐久性、美観と3表拍子が揃っており、肌目は粗いものの、磨けば程よい艶が出ます。

深みのある色合い「神代木」

神代木(じんだいぼく)は、何百年、何千年も前の火山の噴火などにより地中に潜った木材のことを言います。

自然の災害によって生み出された神代木は、通常の樹木と異なり、歴史を感じさせる落ち着きのある深い色を湛えています。無傷のものは少ないだけに、希少価値があります。神代木の種類には、神代ケヤキ、神代杉、神代カツラ、神代タモなどがあります。

寄木細工の幾何学模様

幾何学とは、空間の物体や図形の性質を研究する数学の分野の1つですが、ナイル川の度重なる氾濫に対処するため、測量術が発達したエジプトが起源のようです。

幾何学模様は、直線や曲線、三角形や菱形、円などを使って描かれます。線や図形を組み合わせることでパターンができ、それを規則的または不規則的に繰り返すことによって様々な模様が作られます。

その模様は様々で、中には平面に描かれながら立体的に見えたり歪んで見えるものもあります。幾何学模様は、寄木細工のみでなく、建物の外壁や着物、ステンドグラスなど、種々の分野で見ることができます。

寄木細工のおすすめ民芸品

寄木細工には様々な民芸品があります。最も良く知られているのが何度もスライドさせないと開かない秘密箱です。そしてそれを進化させた民芸品がからくり箱です。

また、子供が喜ぶ組み木パズルや主婦たちが喜ぶキッチン雑貨にも多くの寄木細工が使われています。

順番通りにスライドさせないと開かない「秘密箱」

箱根寄木細工で最も良く知られる秘密箱の原型は江戸後期の1830年代が起源と伝わっています。明治中期の1894年には、箱根湯本の指物職人・大川隆五郎氏によって、より複雑なものが秘密箱という名称で考案されました。

秘密箱は、箱の側面や前面を順番通りにスライドさせて開けますが、回数が多いほど難しくなります。単純なものでは、7回程度で開く秘密箱が3900円程度で、回数の多いものでは72回もスライドさせる秘密箱があり、54000円ほどで購入できます。秘密箱は海外にも数多くのコレクターがいます。

秘密箱が進化した「からくり箱」

からくり箱は秘密箱の進化した形の1つで、からくりオルゴールやからくりドア、からくりキューブ、ひっかけ箱など、秘密箱よりも更に込み入ったからくりが楽しめます。

中には、木樽やラッパ、踏切、海老など、形の面白いからくり箱も多数あり、意外性のある複雑なからくりが堪能できる民芸品となっています。

子どもが喜ぶ「組み木パズル」

子供が喜ぶ組み木パズルは、主にヒノキ材を使って作られるものが多いようです。例えば寄木細工専門店である「箱根丸山物産」の箱根パズルは、5つのピースを使って箱根町章の山を作るパズルで、45種類のパターン集付きで税込み価格1800円となります。

「箱根丸山物産」では、その他にも球やピラミッド、立方体などの組み木パズルが1100円、かごが1200円など、種々の組み木パズルが展示、販売されています。

豊富なキッチン雑貨も!

キッチン雑貨としては、コースターや箸、菓子器など多くの寄木細工が作られており、主婦層を中心に人気を集めています。

「箱根丸山物産」では、5個の箸置きが税込み価格で3300円、江戸唐木箸が2500円、八角菓子器亀甲が6600円で販売されています。

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寄木細工が体験できる場所

箱根では、寄木細工を体験できるお店や美術館がいくつかあります。その中でもおすすめの工房を3か所ほど取り上げて紹介しましょう。

1つ目は秘密箱作りにチャレンジできる「箱根丸山物産」、2つ目はコースター作りが体験できる「本間寄木美術館」、そして3つめはやはりコースター作り体験ができる「金指ウッドクラフト」です。

職人技の秘密箱が作れる「箱根丸山物産」

寄木細工専門店の「箱根丸山物産」では、秘密箱の体験工作ができます。この体験工作は社員による指導の下、毎日10時から15時の間で行われており、約40分で秘密箱をつくることができます。

人数は2名から15名までの範囲で、秘密箱工作の料金は、小が1名につき2000円、大が3540円となります。前日までに予約を入れると200円の割引きとなります。また、5名以上の場合は電話での予約が必須となります。

「箱根丸山物産」では、秘密箱以外にもコースターの体験工作も実施しており、1000円から1200円で体験できます。

基本情報

「箱根丸山物産」は江戸幕府によって造られた箱根関所跡に建つ寄木細工のお店で、様々な箱根寄木細工が並んでいます。

このお店では、寄木細工の技法とパズルのような組み木の技術を駆使した、からくり仕掛けの作品が多数、展示、販売されています。

住所 神奈川県足柄下郡足柄下郡箱根町箱根17
電話番号 0460-83-6604

「本間寄木美術館」の体験教室

「本間寄木美術館」の1階ではコースター作りの体験教室が行われています。数種類の木片セットのなかから好きなものを選び、まず、木片をコースターの形に組んでいきます。

次に寄木細工で良く使われる麻の葉柄を作ることができる木片を12枚揃えて組み合わせます。木片同志をボンドで接着し、太い輪ゴムで留めます。

濡れタオルではみ出た部分のボンドを拭き取り、ボンドが乾いたら輪ゴムを外し、ヤスリをかけると、なめらかな手触りのものに仕上がります。最後にニスを塗って完成です。

コースの受付時間は8時45分から17時で、コースの所要時間は50分、料金は1000円、2名からの受付となります。体験のためには予約が必要となります。

基本情報

箱根湯本に店舗を構える「本間木工所」は、1階が寄木細工の販売を行う店舗、2階が「本間寄木美術館」となっています。美術館には、扉付きの収納具の厨子(ずし)や、タンスなど、風格のあるものが多く、寄木細工が江戸期から生活に密着した工芸品だったことが良くわかります。

美術館の奥の天井部分も寄木細工で作られているというのは驚きです。展示品は季節に合わせて、例えば1月には七福神や琴が、春にはお雛様などが並びます。

住所 神奈川県足柄下郡箱根町湯本84
電話番号 0460-85-5646

「金指ウッドクラフト」でコースター作り

畑宿にお店を構える「金指ウッドクラフト直売店」でもコースター作り体験ができます。このお店は、無垢の寄木細工作品を手掛け、木のクラフトコンペ大賞など、数々の賞に輝く金指勝悦(かなざしかつひろ)氏の経営するお店です。

コースター作り体験は、菱型28個、三角形12個を好きなように並べて、オリジナルコースター作りに挑戦するものです。

予約は直接電話で行います。体験は9時半から15時の間で行われ、所要時間は約1時間です。人数は1人から100人まで可能で、コース料金は1000円となります。

住所 神奈川県足柄下郡箱根町畑宿180-1
電話番号 0460-85-8477

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箱根で自分だけの寄木細工と出会おう

東京都心からもアクセスの良い箱根では、古くからの伝統工芸である寄木細工が現在でも変わらぬ人気を誇っています。寄木細工は、秘密箱やからくり箱、インテリア小物など、職人の表現力豊かなアイデアと緻密な技巧によって生まれます。

ここではそんな箱根の寄木細工について、伝統工芸の歴史や民芸品、職人、手作り体験などの情報を取り入れながら説明してみました。箱根にお出かけの折は是非、寄木細工店にお立ち寄りください。

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この記事のライター
南真州
長野県出身の南真州と申します。仕事の関係で国内、海外の販売や商品企画の業務に携わってきました。その間、大阪、福岡、ドバイ、香港等への転勤を含め、種々の地域や国を廻ってきました。読者の皆さんには、今までの経験を生かしつつ、各地の新鮮な情報をお届けしたいと思います。

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