長春祠の廟から渓谷に流れる滝は圧巻の眺め！太魯閣国家公園で見学！

長春祠(チョウシュンシ)は太魯閣国家公園(タロコこっかこうえん)内にある祠のことです。太魯閣国家公園内の東西横貫公路という自動車道の工事中に事故で亡くなられた212名の方が亡くなられました。この212名の霊を弔うために1958年に建てられたのがこの長春祠です。閉ざされることはなく、誰でも自由に見学することができます。

太魯閣国立公園は台湾東部にある国立公園です。花蓮県、台中県、南投県の3県に属しており、総面積はなんと92000ヘクタールもある広大な広さを誇る公園です。タロコとは台湾原住民族の言葉で「連なる山の峰」という意味があると言われています。長春祠も含め、太魯閣国家公園内はすべて無料で見学することができます。

太魯閣国家公園へはバスを利用するのがおすすめです。付近の花蓮駅前から太魯閣国家公園の入口、そして終点の天祥までのバスが一時間に一本ペースで出ています。長春祠を含む主な見学スポットにはそれぞれバス停が設置されており、気になる所を通り過ぎることなくゆっくり見学することができます。

車でのアクセスも可能です。駐車場も完備されているだけでなく、太魯閣国家公園内のさまざまな場所も車が走れるように整備されているので、車に乗ったまま見学もできます。また昼食や現地民族の踊りなどもセットになった現地ツアーもあり、そちらは全ての見学スポットを制覇できるようになっています。

太魯閣国家公園には見学スポットがたくさんありますが、一番のおすすめは長春祠です。中国式の廟、渓谷や滝など、建物も眺めも日本では味わえない魅力がたくさんあります。そこで今回は太魯閣国家公園内の長春祠の魅力を余すことなくご紹介していきます。

まず長春祠へ向かうには、まるで洞窟のような遊歩道や吊り橋を渡って行かなければなりません。長春祠へ向かう道のりだけでも長時間遊べそうです。人によっては少し怖いと感じるかもしれないこの遊歩道ですが、実はここや吊り橋から早くも絶景が眺められるんです。

その眺めがこちらです。太魯閣国家公園の絶景ポイントである長春祠に着く前からこの渓谷の眺めを存分に味わうことができます。このような景色を長春祠に着くまでずっと眺められるんです。歩きながら流れる景色を眺めていれば、あっという間に長春祠に到着します。

長春祠の廟は伝統ある中国式の廟で、廟の色合いと周りを囲む山々の色合いが素晴らしいと人気を集めています。中央の廟の下を通り、滝の水が勢いよく噴き出す様はまさに圧巻の一言です。この滝は海や川からきたものではなくすべて湧き水であるということも長春祠の人気を高める要因となっています。台湾でも有数の山水庭園です。

全体像はこちらです。3つの廟で構成されています。現在は落石の危険性があるため廟の中に入って見学したり、廟に近づいたりすることは禁止されています。ですが遊歩道からの見学のみでも見る価値あり、と人気が衰えることはありません。少し遠いですがバス停からも眺めることができます。

長春祠の廟からとさらにその横からも、溢れんばかりの滝が渓谷に降り注いでいます。廟から渓谷に流れ落ちる滝はまさに神秘的で心が洗われる、と廟と合わせて人気の見学スポットとなっています。この滝は長春祠の名にちなんで「長春滝」と呼ばれており、多くの観光客に親しまれています。

長春祠の滝は湧き水であるがゆえ、水量によって眺めが変わるという点も魅力のひとつです。降水量が多ければ増水し、降水量が少なければほぼ干からびる、という天気任せで大幅に変わる珍しい滝です。その分行くたびに違う景色として見せてくれるので、何度見ても楽しめる素晴らしい滝です。

長春祠の廟や滝をさらに遠くから見た様子がこちらです。断崖絶壁に建っていることがよくわかります。この渓谷も長春祠の魅力を語るには外せないスポットです。落石の恐れの原因は、廟のすぐ隣の崩れてきているところにあるのですが、この雰囲気も素晴らしい、またいつ崩れるか心配と何度も見に来る方も多くいるそうです。

長春祠の渓谷は人気の見学スポットだけあり、ずっと見ていたいと思えるような圧巻の眺めです。見るものすべてを魅了する、そんなこの渓谷は見学だけではなく、最も人気のある写真撮影スポットとなっています。長春祠前だけでなく長春祠に向かう遊歩道でも写真を撮影される方がたくさんおられます。

長春祠の廟の後ろには一本の石段があります。その石段は折り曲がりながら上に続いており、その石段は「天梯」と呼ばれています。天梯とは「天へと続く様子」という意味で、上り続けると観音洞に、さらに上ると鐘楼に到着します。上の写真は天梯を上った最も上にある鐘楼です。

観音洞は洞窟のような場所です。その中には東西横貫公路の際に使用された横断道路施工全図が展示されています。それだけではなく、東西横貫公路の工事中に事故で亡くなられた212名を弔うための石像が三体祀られています。こちらも長春祠の歴史を感じられる神秘的かつ神聖な場所です。

長春祠の魅力は伝わったでしょうか？廟や滝、渓谷など、長春祠は建造物と自然が作り上げたものとが見事にマッチしており心が洗われるような景観です。実は太魯閣国家公園には長春祠以外にもおすすめの見学スポットがまだまだあるんです。ここからは長春祠に負けず劣らずのおすすめ見学スポットをご紹介していきます。

九曲洞(キュウキョクドウ)は太魯閣国家公園内で最も美しい渓谷が眺められる場所です。上の画像は九曲洞から眺めた渓谷です。九曲洞の九という文字は「たくさん」という意味で、たくさん曲がる道があることからこの名前がついたそうです。九曲洞は素掘りのトンネルになっており全長約1220ｍ、徒歩だけでなく車でも通ることができます。

九曲洞は太魯閣国家公園で最も狭い場所と言われており、岩壁を至近距離で眺めることができます。しかしこの九曲洞は落石や土砂崩れの危険性があり、こちらを通る際にはヘルメットの着用が義務付けられています。また天候や修復作業の立入禁止になっていることもあるので、入りたい方は事前の確認が必要です。

燕子口(エンシコウ)は建物ではなく岩壁のことです。この岩壁の小さな空洞に無数のツバメが巣を造ったことから燕子口と名付けられました。またツバメの多さから「百燕鳴谷」とも呼ばれています。燕子口と呼ばれるようになった頃と比べると数は減ったそうですが、主に春から夏にかけて燕子口に集まるツバメを見ることができます。

慈母橋はすべて大理石で造られている真っ赤な橋です。渓谷と山が合流する地点のため「合流」とも呼ばれています。慈母橋の横にある青蛙岩という岩はカエルの形に見えると言われており、多くの観光客の見学スポットとなっています。バスの場合はここを素通りしてしまうので見学したい方は要注意です。

慈母橋という名前の由来は諸説あります。この付近で川に流されて亡くなった息子を母親が毎日この場所に来て帰りを待っていた、この場所を建設中に息子にお弁当を届けに来た母親が川に流されて亡くなってしまった、などがあります。母親が自分の子を思う心がこの橋の名前の由来とされおり、愛の溢れる場所となっています。

錐麓大断崖はこれまでの渓谷や岩壁、トンネルとは違い、すべて大理石でできた一枚岩です。錐麓大断崖は両端を岩壁で圧迫されながらも垂直に立っています。その高さは200ｍもあり、大理石の一枚岩では世界最大級と言われています。さらにパワースポットとしても知られており、多くの観光客が立ち寄る人気スポットです。

天祥はバスの終点であり始点でもある場所です。太魯閣国家公園観光の中心地とも言われており、天祥のシンボルである天峯塔をはじめ、宿泊施設や飲食店などが並んでいます。観光客に嬉しいインフォメーションやコンビニもあります。太魯閣国家公園観光の休憩所として多くの方が利用しています。

長春祠は一見の価値ありの廟や圧巻の眺めの滝、渓谷など魅力満載です。広大な面積の太魯閣国家公園には長春祠だけでなくさまざまな場所があります。すべて無料で見学できるマイナス要素なしの太魯閣国家公園、台湾旅行に行かれる際に立ち寄ってみてはいかがでしょう。