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安平樹屋はまさに「天空の城ラピュタ」!ガジュマルに侵食された廃墟とは?

安平樹屋はまさに「天空の城ラピュタ」!ガジュマルに侵食された廃墟とは?
投稿日: 2017年10月5日最終更新日: 2020年10月8日

台湾の観光スポットは台北だけでなく台南にも数多く存在します。「天空の城ラピュタ」のようにガジュマルの木に覆われた『安平樹屋』は今台南で人気の観光地です。こちらではそんな『安平樹屋』に関してその歴史やアクセス方法などについてご説明します。

安平樹屋は台南の人気観光地!見出し

台湾の観光地は台北だけではありません。台南は台湾の古都と呼ばれ、歴史ある建造物や台湾グルメの発祥の地でもあります。そんな台南で今人気なのがこの「安平樹屋」です。まるで、あの人気アニメ「天空の城ラピュタ」のように、ガジュマルの木が建物を覆う様子は必見です。こちらではそんな安平樹屋に関する情報をご紹介していきます。

まるで"ラピュタ"のような「安平樹屋」とは?見出し

「安平樹屋」とは読んで字のごとく台湾の"安平"にあるガジュマルの木で覆われた建物のことです。元々ここはイギリスの貿易会社の倉庫だったのですが、それが使われなくなってからしばらくするとガジュマルがこの倉庫を覆い始めます。そして最終的には屋根が口落ち、ガジュマルの根がまるで屋根のようになった倉庫の廃墟が完成しました。

安平の歴史見出し

安平樹屋のある"安平"(アンピン)という土地はオランダ時代に「大員」と呼ばれた台湾最古の町です。オランダ統治から鄭成功に統治されたとき(1661年に)安平という名前になりました。安平は約三百年にわたってオランダ、鄭氏、清朝、日本などの国に統治された激動の歴史を持つ場所でもあります。

台湾は1858年に清朝が英仏米露と結んだ天津条約に基づいて安平(台南)と淡水(台北)を開港しました。するとまもなくヨーロッパ諸国の貿易会社は競うように安平に洋行(貿易会社)を建てました。安平は当時海上貿易により非常に繁栄した町だったのです。この安平樹屋も倉庫として一時は重要な役割を果たしていた建物でした。

それを象徴するように、様々な統治国の影響を受けた建物や港町特有の海外文化を取り入れたモダンな建物が安平(台南)の魅力です。また台南は1624年から300年以上首都であったことから台湾のB級グルメの発祥地としても有名です。

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安平樹屋と德記洋行見出し

台南には5大洋行と呼ばれるイギリスの徳記洋行、怡記洋行、和記洋行、ドイツの東興洋行、が存在していました。そして安平樹屋はかつてこのイギリスの徳記洋行の倉庫でした。イギリス人たちは台南を拠点に茶、樟脳、砂糖などの輸出を行っていました。ちなみにこの5大洋行のうち現存するのは、徳記洋行と東興洋行だけです。

倉庫(安平樹屋)の隣にある、かつて徳記洋行の事務所だった建物はは白亜のヨーロッパ風の建物で美しくアーチ式の回廊とオレンジの色のレンガのコントラストは大変優雅です。後に徳記洋行はその拠点を台北に移し、現在も営業中ですが、この建物は日本統治時代には「大日本塩業会社」の営業所として利用されたり、日本の撤退後は「台南鹽場」の事務所や宿舎として使われていました。

その後補修などが行われた後、現在は「台湾開拓史料蠟像館」として公開されています。中は台湾の歴史が蝋人形で再現された資料館になっています。こちらの蝋人形館、蝋人形のクオリティーが非常に高く、表情も細かく再現されているので、今にも動き出しそうな人形たちにどきどきします。

台湾人とガジュマル見出し

熱帯地方を生息体とするガジュマルの木は平均樹高は20Mです。ガジュマルの語源は沖縄地方から生まれた言葉で、幹が分岐して垂れ下がる木根が複雑に絡みついた様子から「絡まる」という言葉から来たとか、『風を守る』が『かぜまもる』、そして『ガジュマル』になったとも言われています。

気根は発生当初はとても細いのですが、成長すると太くなり幹のようになります。さらに、太くなった木根は生命力が強く、アスファルトやコンクリートを突き破るほどです。また絡みつきの力が強いので、土台となってしまった木は枯れてしまいます。

ガジュマルは沖縄では真っ赤な髪で子どもの姿をしたキジムナーという精霊が棲むといわれ、「多幸の木」と言われていますが、台湾の人たちはガジュマルの木は「陰」だと信じているため、倉庫(安平樹屋)にはあまり近寄ることがないまま歳月が過ぎて自然とこのような廃墟になったそうです。

安平樹屋の野鳥たち見出し

自然が美しい台湾にはおよそ400種類の野性鳥類が生息すると言われています。安平樹屋はよくその外観からアニメの「天空の城ラピュタ」を思い起こさせると言われますが、アニメの中のように、建物に木の根が絡まり、その木々に鳥が止まりさえずる様子はまさに"ラピュタ"の世界です。季節により種類が変わる渡り鳥のバードウォッチングができるのも安平樹屋の醍醐味です。

安平樹屋での注意点見出し

足元&頭上注意

自然に成長したガジュマルですので、倉庫の中で人が通るばしょを横切って枝が伸びているというような光景もしばしばあります。足元や頭上に注意して歩きましょう。小さなお子様は特に走り回ると危ないですので、気を付けましょう。

まるでジャングルの中のような安平樹屋では温暖で湿気が多い木陰が廃墟などを好む蚊が多くいます。虫よけスプレーや万が一刺されてしまった場合の虫刺されは勿論、絶対に刺されたくないと言う人は肌の露出を抑えて少し厚めの服を着るのがよいでしょう。

安平樹屋へのアクセス見出し

安平樹屋は台南に存在します。台湾へ観光に行く場合、ほとんどの方は台北の空港(桃園空港)を利用し、台北を中心に観光をするでしょうから、台北を起点とした場合の安平樹屋への最速のアクセス方法をご紹介します。

台北から台南(台鉄台南駅)へのアクセス

台北から台南へアクセスには台湾高速鉄路(台湾新幹線)が便利です。日本風に説明すると車両は自由席、指定席、グリーン車の3種類から選べます。"標準車廂"と呼ばれる指定席ですと片道1350元ほどです。切符は台北駅の地下1Fの"當日票"と書いてある売り場で購入できます。

高鉄台北駅から、高鉄台南駅までは約1時間40分ほどです。鉄台南駅には台鉄沙崙線が接続されていて、台南市内(台鉄台南駅)まで約20分でアクセスできます。また、台湾高鐵のウェブサイトではチケットのインターネット予約をすることができます。割引情報なども持っていますので必見です。

台鉄台南駅から安平樹屋までのアクセス

台南市内は台北のように地下鉄が発達していません。そのため観光地を回るためにはバスに乗る必要があります。安平樹屋に行くためには「88安平線」か「99台江線」にのります。台南の駅前からバスに乗って「德記洋行/安平樹屋」というバス停で下車します。またこちらの2路線は台南の観光地を巡る、観光バスのようになっていますので、1日乗り放題券80元で台南の観光名所を満喫するのもおすすめです。

安平樹屋近のカフェ「樹屋珈琲」見出し

安平樹屋の廃墟探検で一汗かいたら、すぐ近くにあるこちらのカフェがおすすめです。安平樹屋のすぐ裏にあるこちらの樹屋珈琲はトタン屋根のような入口ですが中は漆喰の白い壁と木の内装がおしゃれな空間になっており、ポストカードや台湾製の雑貨などのお土産を買うことができます。

また、こちらで一番のおすすめは正興街の蜷尾家とコラボしている蜷尾家のソフトクリームです。人工香料など添加物は一切使用せず自然の素材だけで作ったソフトクリームは台南でも大人気で、正興街のお店はいつも行列です。そんな蜷尾家のソフトクリームを是非お試し下さい。

安平樹屋近くの有名観光地見出し

台湾最古の都市安平には安平樹屋だけでなく、その激動の歴史を物語る多くの建造物や街並み、廃墟などが存在します。せっかく安平に来たのであれば、ぜひ回っていただきたい安平樹屋付近の観光名所をいくつかご紹介します。

安平古堡

安平古堡は1623年のオランダ統治時代、オランダ人が建てた要塞です。オレンジ色のレンガの外観が特徴的で、鄭成功の時代には住居として使われていたこともありました。現在は台湾城残蹟の名称で国家一級古蹟に指定されています。建物自体を楽しむこともできますし、敷地内には、史料館もあります。

廃墟めぐり

安平地区は廃墟の宝庫です。また安平の廃墟の面白いところは、様々な国に統治されたことを物語るように、オランダ風のレンガの廃墟、中国式の家の造りの廃墟、日本家屋の廃墟といったように各国の特徴を残した廃墟が一度にみれるところです。安平は廃墟マニアにはたまらないおすすめスポットでもあります。

安平樹屋は自然が生んだ人気観光スポット見出し

実はこの安平樹屋は"Anping Treehouse"としてミシュラングリーンガイドで2つ星を獲得した名観光(廃墟)スポットです。ラピュタを知っている人もラピュタを知らない人も建物を包み込む巨大な生命力とジャングルのような散策路にわくわくします。台湾最古の都市安平を魅力を満喫してください。

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投稿日: 2017年10月5日最終更新日: 2020年10月8日

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