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秩父はウィスキーの隠れた名産地!その銘柄や現地の工場紹介!

秩父はウィスキーの隠れた名産地!その銘柄や現地の工場紹介!
投稿日: 2017年10月29日最終更新日: 2020年10月8日

秩父ウイスキーは、世界でも有数のウイスキーであることはご存知でしょうか。秩父ウイスキーのメーカー「ベンチャーウイスキー」で作られる「イチローズモルト」は、受賞歴があり、売切続出。そこで、秩父の名産であるウイスキーの銘柄や工場についてご紹介していきます。

秩父ウイスキーは世界的ウイスキー見出し

日本のウイスキーは、ジャパニーズウイスキーと呼ばれ、世界5大ウイスキーの産地でもあります。その中でも、秩父にある酒造「ベンチャーウイスキー」で作られる、秩父名産ウイスキー「イチローズモルト」は、小規模な蒸留所でありながらも、世界で認められている大変人気のあるウイスキーです。そこで、そんな秩父ウイスキーについてご紹介していきます。

秩父ウイスキーについて知ろう見出し

秩父ウイスキーは、世界でも大変人気のあるウイスキーです。秩父名産ウイスキーは「イチローズモルト」というブランドで世に出ています。大手のウイスキーを抑え、何度もイギリスの「ゴールドアワード」に選ばれています。希少なウイスキーのため、海外の愛好家が求めて秩父を訪れるほどです。いまや秩父ウイスキーは、秩父の名産となっているのです。

秩父ウイスキーの会社「ベンチャーウイスキー」見出し

世界で数々の賞を受賞する秩父名産のウイスキーを作る工場は、「ベンチャーウイスキー」という酒造の秩父蒸留所。実は日本で1つだけの、ウイスキー専門の酒造です。こう聞いただけでも、ウイスキーに対する情熱が感じられます。「ベンチャーウイスキー」は、2004年設立のまだ若い酒造です。

このウイスキー工場が稼働を始めたのも2008年と日が浅いですが、前身は、埼玉県羽生市の東亜酒造が所有していた「羽生蒸留所」です。「ベンチャーウイスキー」の創業者、肥土伊知郎(あくといちろう)さんの実家の酒造でした。1625年から続く老舗の酒造でしたが、肥土さんの父の代で経営困難に陥ってしまいました。

関西の酒造メーカーに救われたものの、ウイスキーの原酒400樽を廃棄を支持され、ウイスキー造りの撤退寸前まで追い込まれてしまいました。社長の肥土さんは、東京農業大学醸造学科を卒業後、サントリーの社員として働いていました。倒産に直面し、社長に就任した肥土さんは、ウイスキーの原酒を守るため、さまざまな酒造に頼み込みます。

結果として、福島の「笹の川酒造」にその原酒を預かってもらうことができ、羽生蒸留所の魂を守り抜くことができました。通常原酒を保管するだけでも免許が必要になってくるので、大変な苦労があったことが想像できます。

そして、その原酒をもとにウイスキーを作る酒造、「ベンチャーウイスキー」が誕生しました。肥土さんは、日本中のバーを訪れて、営業活動をおこないました。また、メルシャンの軽井沢蒸留所で経験を積み、スコッチウイスキーの本場であるスコットランドにも出向いてウイスキー造りを視察しました。

秩父ウイスキーの工場「秩父蒸留所」見出し

秩父名産のウイスキーが生み出される工場である「秩父蒸留所」は、社長の肥土さんの大変なこだわりが詰まっています。ウイスキーの蒸留所と言えば、ポッドスチル(蒸留器)が頭に浮かびます。ポッドスチルは、各蒸留所で形が異なっており、ここでウイスキーの個性がでてくるところです。

秩父蒸留所のポッドスチルは、肥土さんが設計し、ウイスキーの本場、スコットランドの老舗企業の職人に手作業で作ってもらったものを使用しています。設計があれば日本でも作ってくれるところはありますが、現地のエンジニアと一緒に設計しました。ポッドスチルは、ほんわずかな形の違いでも味に大きく影響するからです。

また、ウィスキーの原材料を発酵させる発酵槽にもこだわりが詰まっています。現在のウイスキーの発酵槽は、ステンレススチール製のものが多いのですが、秩父ウイスキーの発酵槽は昔ながらの木製の発酵槽です。そして、ここで使用している材木がポイントで、日本古来の木である「ミズナラ」の木を使用しています。ミズナラ使用の発酵樽は、ここだけの世界唯一の発酵槽です。

また、熟成樽もミズナラで手作りされたものを使用しています。社長の肥土さんが直接北海道まで出向いて買い付けてきた木材を、樽職人がパンチョン加工し、自社のシングルモルトを貯蔵するという、ベンチャーウイスキー独自の方法を採用しています。ミズナラ樽で貯蔵されたウイスキーの香りは、まるでお香のようなオリエンタルな香りで、世界の愛好家に人気があります。

秩父ウイスキーはなぜおいしい?見出し

秩父名産のウイスキーはなぜおいしいのでしょうか。もちろん社長の土肥さんの努力がありますが、その理由のひとつとして、工場のある秩父の厳しい寒暖の差や、恵まれた自然環境があります。蒸留所のある場所は、市街地からは車で30分離れた丘の上。秩父の気候は、夏は大変な高温多湿で35度を記録することがありながらも、冬は氷点下10度を記録する厳しさです。

人間が暮らすのには厳しい環境ですが、しかしながら、この寒暖差がウイスキーにとっては大変良いのです。寒暖差が大きいほど熟成の進みがはやく、短時間でも味に深みが出ます。同じ年月を熟成させた海外のウイスキーよりも、味に深みが増し、おいしくなるのです。秩父の気候が、世界的に人気のウイスキー造りに一役買っているのです。

秩父ウイスキーの味と香り見出し

秩父名産の「イチローズモルト」の味と香りについてですが、社長の肥土さんは「神社仏閣の香り」と表現しています。ミズナラで熟成されたオリエンタルな香りで、なんとも日本らしい香りです。味は秩父の厳しい寒暖差のおかげで、フルーティーでバランスのよい味です。

しかし、ウイスキーは奥深いので、一概にすべてのイチローズモルトの銘柄がこうであるとは言えませんが、このような日本らしいオリエンタルな香りと味が、世界のウイスキー愛好家にも人気があり、愛される秘訣です。

秩父ウイスキーの種類と銘柄見出し

秩父名産ウイスキーの「イチローズモルト」と一口に言ってもたくさんの種類がありますが、大きく分けて4つに分けることができます。「カードシリーズ」「リーフラベルシリーズ」「秩父シリーズ」。そして、ブレンデットウイスキーの「イチローズモルト&グレーンチチブブレンデッドシリーズ」があります。順に各銘柄のおすすめ商品をご紹介していきます。

おすすめの秩父ウイスキー1「カードシリーズ」見出し

「カードシリーズ」は、大変希少なため、人気があり、おすすめのウイスキーです。「カードシリーズ」の54種すべて揃ったものが、香港のオークションで4800万円で落札されています。54種すべて揃ったセットは世界でも1セットか2セットしかないと言われています。

この「カードシリーズ」は、羽生蒸留所の最後の原酒からつくられました。切り札という意味を持ちます。カードシリーズは、熟成樽ごとに瓶詰めするシングルカスクですので、1シリーズあたり200~500本しかボトリングできません。そのため、大変希少なウイスキーとなっています。

中でも特に希少なのが、カードシリーズ最後の54枚目である、「イチローズモルトカードジョーカー」です。ラベルがカラーの「ジョーカーカラー」と、モノクロの「モノクロジョーカー」があります。羽生蒸留所最後の仕込みであるという理由もありとても人気で、大変高価な価格で取引されています。もし飲める機会があれば飲んでみたいおすすめの一本です。

おすすめの秩父ウイスキー2「リーフシリーズ」見出し

秩父蒸留所の樽には、ひとつひとつ個性があります。シングルカスク向きの原酒や、ブレンド向きの原酒などがありますが、その中でも、ブレンド向きの原酒をキーモルトとして、ブレンドしたものが「イチローズモルトリーフシリーズ」です。葉っぱのラベルが目印です。世界で賞を受賞したこともある、おすすめの秩父名産ウイスキー「リーフシリーズ」を順にご紹介します。

「イチローズモルトダブルディスティラリーズ」は、2009年に「ワールド・ウイスキー・アワード」を受賞しています。羽生蒸留所と秩父蒸留所の原酒をブレンドしたもので、羽生蒸留所の原酒のスイートさと、秩父蒸留所のオリエンタルさが絶妙なウイスキーです。

「イチローズモルトミズナラウッドリザーブ」は、リーフシリーズの中でも、秩父蒸留所のミズナラ樽での熟成に重点を置いたものです。羽生蒸留所の原酒をキーモルトとし、数種類のモルトをヴァッティングさせ、ミズナラ樽で熟成させています。ピーテッドモルトを多めに使用しており、スイートさが感じられます。

赤いリーフのラベルが目を引く「イチローズモルトワインウッドリザーブ」は、羽生蒸留所の原酒をキーモルトとし、数種類のモルトをヴァッティングし、フランスオーク製の赤ワイン樽で熟成させたウイスキーです。ワールドウイスキーアワードでは、2011年に受賞しています。

おすすめの秩父ウイスキー3「秩父シリーズ」見出し

「秩父シリーズ」は、「リーフシリーズ」と並ぶ人気の看板商品です。まだ稼働したばかりの、秩父の工場で仕込まれた原酒からつくられたウイスキーです。「秩父ザファースト」は、秩父蒸留所のファーストリリースのシングルモルトウイスキーです。ファーストリリースのウイスキーは一生に一度しかないため、大変人気があります。

ウイスキーと呼べる世界的な熟成年数である3年を待ってリリースされました。しかし、秩父の厳しい気候が、3年とは思えないほど味わい深い出来になっています。秩父らしさを味わうになら、「秩父ザファースト」がおすすめです。

「秩父シリーズ」には、スモーキーな味わいが楽しめるピート(泥炭)で原材料である麦芽を乾燥させた「秩父ピーテッド」という銘柄があります。ピーテッドウイスキーは、個性が強いため、好みがはっきりと分かれるところです。現在の主流はノンピートですが、そこにあえて挑戦した「秩父ピーテッド」。ウイスキーに慣れたらぜひ味わいたいおすすめの一本です。

イチローズモルト&グレーンチチブブレンデッドシリーズとは見出し

ブレンデッドウイスキーとは、大麦を原材料とした原酒であるモルトウイスキーと、トウモロコシや小麦などが原材料のグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーのことを言います。秩父名産ウイスキー「イチローズモルト」のブレンデッドウイスキーは、「イチローズモルト&グレーンホワイトラベル」と「イチローズモルト&グレーンブラックラベル」の2種類があります。

「イチローズモルト&グレーンホワイトラベル」は、価格が高騰している秩父ウイスキー「イチローズモルト」の中でも、比較的買いやすいお値段です。入手することも難しくなく、普通にネットでも買えます。初めてイチローズモルトを飲むビギナーさんは、ここから入るのがおすすめです。柑橘系の香りと、軽い飲み口が特徴です。

「イチローズモルト&グレーンブラックラベル」は、秩父蒸留所のブレンド向きの原酒をキーモルトに、10の蒸留所のモルトと3の蒸留所のグレーンをブレンドさせたウイスキーです。ホワイトとは違い、見た目も飲みごたえも重厚感があります。秩父ウイスキーを飲み慣れた方におすすめです。ブラックはホワイトと比べると手に入りづらくなっています。

秩父ウイスキーの工場見学見出し

秩父ウイスキーの工場である、ベンチャーウイスキー秩父蒸留所。ぜひ見学をしてみたいところですが、一般向けの見学会は行っていません。通常は、酒販店や飲食関係のプロ向けのみです。しかし、一般の方でも工場内に入るチャンスが年に1度だけあります。「秩父ウイスキー祭り」の前日におこなわれる「秩父蒸留所オープンデイ」です。

工場見学をするなら、この「オープンデイ」がおすすめです。社長の肥土さんが工場の中を案内してくれます。ウイスキー好きにはたまらないツアーです。イチローズモルトの試飲などのお楽しみもあります。参加するには、事前にチケットの購入が必要になりますが、非常に人気があるため、発売開始後数分で売り切れてしまうほどです。

秩父ウイスキー祭りに行こう見出し

秩父蒸留所の見学ができなくても、秩父ウイスキーと触れ合えるおすすめのイベントがあります。それは、「秩父ウイスキー祭り」です。このお祭りの始まりは、2011年にベンチャーウイスキーの秩父蒸留所のリリースパーティーが開催されたのがきっかけで、2014年から始まりました。秩父神社と秩父地場産センターが会場です。

入場料は前売り券が3000円で、会場内ではウイスキーの試飲がし放題のイベントです。なお、当日券も5000円で販売ありと書かれていますが、事前にすべての入場券が売り切れてしまうほどの人気があるイベントなので、必ず早めに前売り券を購入してください。チケットはインターネット、もしくは協力店で購入できます。

「秩父ウイスキー祭り」の当日は、秩父名産ウイスキー以外にも、国内外のメーカーや輸入業者がブースを構え、ウイスキーの試飲を振る舞います。また、各種ウイスキーのセミナーも開催されます。ベンチャーウイスキーの社長肥土さんのセミナーもあるので、セミナー受講もおすすめです。しかし、セミナーを受けなくても十分楽しめるおすすめのイベントであることには間違いありません。

完全秩父産の秩父ウイスキーを目指して見出し

社長の肥土さんは、「完全秩父産のウイスキー」を作りたいという目標を持っています。現在は大部分を輸入に頼っている大麦ですが、いずれは完全に秩父産の大麦を使いたいとのこと。国産大麦を使ったウイスキーは国内には無いそうで、ここにも肥土さんのこだわりと挑戦が感じられます。また、樽に使うミズナラもすべて「秩父産」を目指しています。

2016年についに秩父産の大麦を使ったウイスキー造りが始まったそうです。早ければその3年後には、秩父産大麦のウイスキーが飲めることになります。きっとそのウイスキーも、世界で人気のウイスキーになるのではないでしょうか。完成が楽しみです。

秩父の名物・名産一挙紹介!料理やお土産にも最適なおいしいものは? | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
秩父の名物・名産一挙紹介!料理やお土産にも最適なおいしいものは? | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
埼玉県秩父市は実はグルメの宝庫なんです。そのことを県外の方にはあまり知られていないため、今回は秩父の名物・名産を一挙にご紹介いたします!地元で食べれるおいしい秩父の名物料理も盛りだくさんです。お土産を買う参考にもされてくださいね。

新名産秩父ウイスキーを堪能しよう見出し

秩父名産のウイスキーである「イチローズモルト」と、その工場である「秩父蒸留所」を中心にご紹介しました。なぜ秩父名産のウイスキーが世界で人気があるのか、なぜそんなに高騰しているのかがお分かりいただけましたでしょうか。工場見学は滅多にできませんが、気になった方は「秩父ウイスキー祭り」に足を運んでみてください。きっと秩父ウイスキーのよさを体感できるでしょう。

投稿日: 2017年10月29日最終更新日: 2020年10月8日

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