府城牛肉湯は深夜も営業してて嬉しい！時間を気にせず旅先で食べられる人気店

牛肉湯は台南の名物B級グルメとして外せない料理ですが、「府城牛肉湯」は観光客のみならず地元の人にも人気のおすすめ牛肉湯屋さんです。こちらではそんな「府城牛肉湯」の牛肉湯に関してや、お店のこだわり、営業時間などの様々な情報をご紹介していきます。

台湾の観光地は台北だけではありません。台南は台北に台湾の首都機能が移されるまで台湾の首都として大変繁栄していた場所です。また、オランダ、日本、中国と様々な国に統治されてきた激動の歴史の中で、育まれた独特の食文化は台湾をB級グルメの国として有名にしました。

また、台南は亜熱帯気候で寒暖の差が小さくマンゴーなどの南国のフルーツの名産地であることや、高雄近辺の漁港から獲られる新鮮な魚が豊富なことから、台湾の中でも特にグルメの街であり、台南発祥のB級グルメは台南小吃として台湾の人のみならず、観光客からも大変人気があります。

台南小吃の特徴は美味しくて、安くて、早いというのがポイントです。とにかく手軽にいただけるものが多く、1人前の量も少なめです。これは台湾の人たちが、台南小吃を食事というよりもちょっと小腹がすいた時に、空腹を満たすためのおやつや軽食のように考えているからです。観光客としては量が少ないと、逆に多くの種類の台南小吃がいただけますので、うれしいポイントです。

数ある台南小吃の中で常にTOP5に入るほどの人気の台南小吃がこの「牛肉湯」です。そして牛肉湯の人気店として有名なのが府城牛肉湯です。台湾語(中国語)では「湯」はスープを指すため、牛肉湯は「牛肉スープ」となります。牛肉スープというと、ビーフシチューのようなドロドロと煮込まれた濃い味付けのスープを想像するかもしれませんが、台湾の牛肉スープはそれとは全く違います。

台南の牛肉スープは新鮮な薄切りの生の牛肉を器に入れ、その器の中に熱々のスープを入れることで生の牛肉に火を通し出来上がるという、逆しゃぶしゃぶのようなスープです。しかもこの熱々のスープは牛コツや野菜などをぐつぐつ煮だして作った、いわばビーフコンソメスープのようなものです。

熱々のビーフコンソメスープに熱を加えられた真っ赤な生の牛肉は、ピンク色に色を変えます。さっと熱を加えた形ですので、お肉は柔らかく、スープはコクがありながらさっぱりとしたスープです。牛肉湯はあまり台北では台南ほど多くお店はありませんので台南でいただけるB級グルメとして大変おすすめです。

実は台湾ではあまり牛肉を食べません。その理由としては、昔から農業が盛んだった台湾では、牛は人と一緒に働くための動物であり、食べるものであるという感覚があまりなかったからだそうですが、欧米文化の流入によりハンバーガーやステーキなどを若い人が食べるようになり、その感覚は少しずつ変わってきているそうです。

そんな台湾の台南で牛肉湯が定着したのは台南には牛肉の産地もあったからです。台南の周辺には食肉工場が多くあり、その食肉工場から新鮮な牛肉は毎日仕入れることが可能だったために発達した食文化だと言われています。新鮮な牛肉に多くの手をかけずに素早く出来上がる牛肉湯はまさに台南小吃の神髄です。

新鮮な牛肉だからこそおいしいミディアムレアの牛肉はさっぱりとしていて、臭みは全くありません。おいしい牛肉湯は新鮮な牛肉を使うのが一番のポイントですので、人気のある牛肉湯のお店はその日に売り切る分の牛肉しか仕入れませんので、時間帯によっては売り切れてしまうこともありますので、ご注意ください。

府城牛肉湯のスープは牛骨と野菜をぐつぐつと煮込んで作ります。スープは基本的には薄味なのですが、牛骨の旨みと深みが後から追いかけてくるようなコクのあるスープです。もちろんお店によって牛骨と一緒に煮込む野菜や調味料が違いますので、食べ比べをしてみるのも良いでしょう。食べ比べは台南小吃の醍醐味です。

府城牛肉湯では注文すると新鮮な牛肉の塊から肉をスライスしてくれます。そして熱々のスープをかけたものを提供してくれます。それまでに薬味を用意しましょう。テーブルには銀色のペール缶のようなものに山盛りの千切りショウガ、見るからに辛い真っ赤のタレと茶色の甘いタレがあります。日本人には甘いタレがおすすめです。

小さなお茶碗のようなものがあるので、そこにショウガとタレを入れて準備しておきます。箸などもここで準備しておきます。牛肉湯はまずそのままスープを飲んで牛骨スープのコクを楽しみます。中のミディアムレアの薄切り牛肉はそのまま食べても柔らかくて美味しいのですが、先ほどお茶碗に取ったショウガを巻き、甘いタレを付けていただくのが台湾風です。

シンプルな素材で、シンプルな味付けのB級グルメですので、ショウガを巻いて牛肉をいただくと、ショウガの爽やかな香りと、シャキシャキとした歯ごたえがたまりません。スープにショウガを浮かばせてショウガスープのようにして飲むのもおすすめです。このショウガの薬味があるだけで、味の変化をつけられ、あっという間に平らげてしまいます。

府城牛肉湯の店頭には府城牛肉湯の自慢のメニューが書かれています。牛肉湯をはじめすべてが牛肉を使用した料理です。牛肉に対するこだわりと自信を感じるラインアップです。日本では少し珍しいものばかりですが、どれもとてもおすすめなので少しご紹介しましょう。注文は台湾式に注文票がありますので、言葉に不安があっても大丈夫です。

こちらの牛肉燴飯は日本風にいうと「牛肉のあんかけご飯」です。台湾では豚肉そぼろのかかった魯肉飯が有名ですが、こちらは白ご飯の上にとろみのかかった牛肉の煮込みのようなものがたっぷりとかけられています。スパイスが結構効いていて、日本ではあまりお目にかかれない料理ですが、日本人でも食べやすい料理です。

コチラは牛肉のチャーハンです。チャーハンは日本人にはとてもおなじみの料理ですが、具材に牛肉を使うというのは少し珍しいですね。また、いわゆるチャーハンのパラパラした御飯の感じよりもすこし水分が多い感じがしますが、牛肉湯はスープですので一緒にいただくご飯ものとしてはとてもおすすめです。

牛肉湯は台南の有名なB級グルメですので府城牛肉湯以外のお店でも扱っているところは大変多いのですが、中でも府城牛肉湯をおすすめする理由は、その営業時間の長さにあります。そして特に牛肉湯を提供するお店は、営業時間が深夜にわたっていることが良くあります。

例えば府城牛肉湯の営業時間は、夕方の4時から朝の5時までと深夜の営業がメインです。また同じく牛肉湯の有名店である文章牛肉湯の営業時間は、夕方の5時から深夜をまたぎ、次の日のお昼の2時までです。日本でもファミレスの深夜営業が減っているなかで、深夜も営業をしているというのは便利です。

台南はお食事もおいしく、台湾ビールや焼酎も美味しいので、ついつい飲みすぎてしまってもこんな深夜まで営業しているのなら、〆にスープを一杯いただいてから帰るというのも贅沢ですね。牛肉湯は他の台南小吃と比較すると少しお高めですが、深夜料金が加算されていると考えるとお得です。

また、深夜営業であっても営業時間中は気を抜くことなく、牛肉の新鮮さにこだわる府城牛肉湯ではなんと開店時の午後4時、21時半、1時と牛肉の仕入れは1日3回するのだそうです。やはり台南の牛肉湯は近隣に食肉工場があるからこその絶品料理です。

元々台南で牛肉湯が発祥したのは台南が牛肉の産地であり、多くの食肉工場があったからというのが理由なのですが、昨今の食肉の鮮度を保持しながらの輸送システムや保存技術の向上により台北でも、牛肉湯をいただく事が出来ます。台南の食べ物ですので、台南の府城牛肉湯などの名店でいただくのが一番おすすめですが、もし台北で牛肉湯を食べたいならばこちらの「台牛牛肉湯」をおすすめします。

いかがでしたでしょうか。台湾の人気B級グルメの牛肉湯は食肉工場が近隣にある台南だからこそ生まれた料理です。朝から晩までめい一杯台南を観光して食べ歩いた後でもこちらの府城牛肉湯ならまだまだ深夜営業の真っ只中です。台南に行った際にはぜひ府城牛肉湯で牛肉湯を食べに行きましょう。