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鶴林寺は加古川の名所!公園散策もおすすめ!地元が誇る国宝を見に行こう

鶴林寺は加古川の名所!公園散策もおすすめ!地元が誇る国宝を見に行こう
投稿日: 2017年11月9日最終更新日: 2020年10月8日

加古川にある鶴林寺は、聖徳太子に起源をもち、「西の法隆寺」とも呼ばれる古刹です。たくさんの国宝や重要文化財があり、見どころもたくさん。鶴林寺へのアクセス、見どころ、そして鶴林寺公園の見どころについても調べてみました。歴史の息吹に触れてください。

鶴林寺は国宝が見られる?見出し

国宝がある寺社は多くありますが、建物そのものがそうであるという場合はともかく、仏像などの場合は実際に見ることができないという場合も多いものです。鶴林寺も国宝があるお寺ですが、実際に見ることはできるのでしょうか。鶴林寺へのアクセスや見どころについて調べてみました。

鶴林寺はどんなお寺?見出し

鶴林寺(かくりんじ)は兵庫県加古川市にある天台宗のお寺で、山号は刀田山(とたさん)です。先ほど国宝の話を出しましたが、たくさんの文化財がある寺で、「西の法隆寺」とも呼ばれ、見どころが多いという点で、播磨地方でも有数の古刹です。

鶴林寺へのアクセス見出し

鶴林寺へのアクセスは、電車で行くルートが二系統あります。JRの場合は最寄り駅が「加古川」駅になります。この駅は新快速が停まる駅なので、それを使うと比較的早く到着することができます。駅からは徒歩だと25分ほどかかります。

加古川駅からアクセスする場合は、バスを利用することができます。利用できるのは加古川市ゾーンバス(かこバス)で、別府ルートを使い、「鶴林寺」で降りるとすぐです。もしくはかこバスの東加古川ルートか、神姫バスの安田東行に乗り、北在家東口で降りても比較的近いです。

もう一つは山陽電鉄を使うアクセスです。最寄り駅は尾上の松駅です。こちらは駅からは徒歩で15分ほどかかります。山陽電鉄は兵庫県神戸市から姫路市までの間を走り、途中の複数の駅でJRと接続します。JR、山陽電鉄、どちらでもアクセスしやすい方を選ぶといいでしょう。

鶴林寺の歴史見出し

鶴林寺の歴史についてですが、実はそれほど知られているわけではありません。一般的に寺の歴史を語るものというといわゆる寺伝のほかに古い瓦や礎石などが証拠としてあげられますが、鶴林寺の場合は寺伝のみが残ります。

鶴林寺の寺伝は江戸時代に書かれた「鶴林寺縁起」なのですが、次のような話が伝わります。高麗出身の僧、恵便法師という人物が、蘇我氏と物部氏の争いを避けて、播磨に隠れていました。この恵便を慕ったのが有名な聖徳太子で、太子は恵便を探して播磨にやってきます。そして589年、秦川勝に命じて、ここに三間四面の精舎を建立し、刀田山四天王寺聖霊院と名づけました。これが鶴林寺のはじまりです。

606年、聖徳太子が法華経を講義し、その功で太子には播磨国に水田百町が与えられました。鶴林寺そのものかどうかは不明ですが、少なくとも聖徳太子と播磨国との間に関連があったということが、このことから推測されています。

その後、718年に武蔵国の大目である身人部春則が聖徳太子の遺徳を顕彰するために七堂伽藍を建立しました。さらに9世紀の初めになると、円仁が入唐の際に立寄り、薬師如来を彫って国家の安泰を祈念したといわれています。

さらに1112年、この寺は鳥羽天皇の勅願所となりました。それを機に、寺名が「鶴林寺」となります。鶴林とは釈迦が入滅する際にこの沙羅双樹の木が鶴の羽のように真っ白になったことから、「沙羅双樹の林」を意味します。鶴林寺の前庭には沙羅双樹の木があります。

鶴林寺は太子信仰が高まるのにつれて最盛期を迎え、鎌倉・室町時代には2万5000石にもおよぶ寺領を持ったと言われます。戦国時代にも当時の姫路領主だった黒田職隆、官兵衛父子により織田信長派につくことで無事に生き延びました。

その後、信長、豊臣秀吉の政策や、江戸時代の政策で領地は減らされますが、その後の明治の廃仏毀釈もなんとか乗り越えて、現在に至ります。国宝や多くの文化財が残ったのは、このような歴史的背景があるからなのです。

鶴林寺の見どころ見出し

このように、鶴林寺は戦国時代の戦火をうまく逃れたことで、歴史的に貴重な文化財を現代に伝えることができました。現在でも最盛期ほどではないものの、主要な堂塔だけで16ある大伽藍を持ち、加古川市のすべての文化財のうちの半数近い文化財が鶴林寺に所蔵されています。国宝2点については後述するとして、ここでは重要文化財に指定されているものを紹介します。

聖観音立像

銅製。播磨随一の名宝とされ、飛鳥時代後期(白鳳期)の作です。第二次世界大戦前後にドイツやアメリカで日本古典美術展が開催されたとき、代表的な日本の仏像として出品されたものです。白鳳期らしい気高く軽やかな印象の仏像です。

ちなみに、この仏像は「あいたた観音」と呼ばれているのだそうです。昔、盗人がこの仏像を盗み出し、溶かして儲けようとしたところ、仏像が「あいたた」と言ったので、盗人は改心してお寺に返したという話が残っています。

薬師三尊像及び両脇侍像

本堂の本尊で、平安時代の作とされます。60年に一度しか開扉されることがないという秘仏で、次の開扉は2057年になるとのことです。前の開扉の際に調査が行われ、平安時代のものであることがわかりました。

三重塔

室町時代に建立されたもので、加古川のシンボルタワーと言われる見どころポイントです。江戸時代に大修理が行われているほか、1976年に放火に遭い、内部が焼けましたが、1980年に修理が完成しています。尾上街道や鶴林新道からその朱塗りの塔が見えます。

鶴林寺の国宝見出し

本堂

入母屋造、本瓦葺の、鶴林寺で最も大きな建造物です。堂内の厨子の棟札に1397年の銘があり、これが建築年代とされています。和様と禅宗様が加味された折衷様式の建物として、観心寺本堂(大阪府河内長野市)と並ぶ代表的なものとされています。鶴林寺一の見どころと言えるでしょう。

太子堂

宝形造、檜皮葺で、本堂の手前にあります。本来は「法華堂」と呼ばれ、常行堂と対をなしています。屋根板の墨書から1112年の建築物であることがわかり、前述した鳥羽天皇の勅願所となったときに作られたと考えられています。

なぜ太子堂と呼ばれるかというと、東側壁面に聖徳太子の像が描かれているからです。この像は中世から厨子に覆われており、1977年に重要文化財に指定されたものの、現在も秘仏扱いとされ、写真などは公開されていません。さらに本尊の背後の壁にも九品来迎図と仏涅槃図が描かれていることが赤外線写真により発見されました。いずれも平安時代のものであり、歴史的に貴重なものです。

鶴林寺にはパワースポットも?見出し

このように、歴史的に貴重な国宝や文化財が多い鶴林寺ですが、最近、パワースポットができました。それは「ふりきる門」です。これは宝物館の前の一石一字塔の前に設置されており、悪縁や嫌な思いを断ち切ることができるとされます。新たな見どころとして、多くの参拝者が訪れています。

まず、振り切りたい思いを観音堂内の用紙に記入します。そしてそれをムクゲの木に結びつけてから、コの字の石門をくぐります。くぐった先の塔の裏手にはマニ車があり、邪念を振り落としながらマニ車を回すと、悪縁が立ちきられ、新たな未来に出発できるのだそうです。

マニ車とはチベット仏教で使われる仏具で、サンスクリット語で陀羅尼経が彫られています。一回で立ちきれないときは二回、三回と回すとよいのだそう。鶴林寺に参拝した時にでも、ぜひパワーをいただいて、輝く未来をつかみたいところです。

鶴林寺の公園も忘れずに見出し

鶴林寺には公園があります。鶴林寺の南側以外の周辺が鶴林寺公園という公園になっていて、家族連れでも楽しめる場所となっているのです。屋根つきの休憩所や芝生の広場、滑り台なども設置されているので、ここでピクニックをするのもおすすめです。

この公園の見どころとしてあげられるのは、入口のところです。蒸気機関車C11が展示されているのです。この機関車は1946年に製造され、播但線のC11さよなら列車を曳くなど、ずっと姫路周辺ではたらいていたものなのだそうです。

なぜこの蒸気機関車がここにあるのかというと、実はJRが国鉄だった時代、国鉄高砂線というのがあり、ここに鶴林寺駅という駅があったからなのだそうです。公園の周辺にはその歴史をうかがわせるものもあるかもしれません。

鶴林寺の周辺観光スポット見出し

尾上神社

アクセスのところで、最寄り駅で「尾上の松」駅をあげましたが、その近くにある神社です。鶴林寺とは山陽電鉄を挟んで反対側になります。尾上の松は謡曲「高砂」にも謡われており、古くからよく知られていました。現在の松は5代目で、樹齢100年になります。

鶴林寺で歴史にひたろう見出し

鶴林寺は電車のアクセスが比較的よく、歴史的にも古くから知られた寺院です。国宝や重要文化財が多く、「西の法隆寺」とも言われるほど、見どころが多いところです。列車好きな方なら、鶴林寺公園の蒸気機関車も興味深いでしょう。ぜひ、鶴林寺を参拝して、歴史の息吹に触れてください。

投稿日: 2017年11月9日最終更新日: 2020年10月8日

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