大阪の新今宮は治安が悪い？現在の状況や観光で気を付けたいポイントを紹介

「真の大阪が楽しめる」と言っても過言ではない、大阪のディープな街「新今宮」近辺ですが、地元の方や年配の方から「あの付近は治安が悪くて危険」と言われたことがある方もいるのではないでしょうか。大阪の観光地としてますます進化する新今宮近辺、本当に現在も危険な街なのかどうか、気になるスポットと一緒にご紹介します。

そもそも新今宮はどこにあるのでしょうか？ 新今宮は浪速区、天王寺区、西成区に囲まれています。新今宮駅は「南海本線」「南海高野線」「南海特急」「JR大阪環状線」「JR大和線」が通っています。大阪からは環状線か、御堂筋線を利用して「動物園前駅」で降りるとたどりつきます。地下鉄堺筋線の「恵比寿町」も最寄りの駅です。

大阪といえば思いつくものが大抵そろっているのが新今宮近辺です。通天閣、新世界の串カツ屋、朝から飲んでいるコテコテの関西弁のおじさん、天王寺動物園などなど。

一駅ですのであべのハルカスもよく見えます。USJや道頓堀に行かれる方も多いですが、もう少し南に下ったこの新今宮が一番大阪のディープなところを味わえるのです。

最近、新今宮や西成近辺では治安向上を目的にアート活動をされる方が話題になっています。高架下の薄暗かった通りがカラフルなウォールアートでいっぱいになっており、作品を見て一人歩きするだけでもとても楽しい景色が増えています。

もともと、落書きや不法投棄の問題が多い地域ですが、そういった場所をきちんと許可を得たうえで作品を描き、子どもたちも気持ちよく過ごせる街を目指した活動によってアート作品が増えたといいます。カラフルなウォールアートの背景はまさにインスタ映え。写真を撮りに来る方も増えたといいます。

もちろん、昭和を感じる残された町並み自体にも芸術的な箇所を発見することが多いでしょう。通天閣付近のカラフルな町並みも見事ですし、看板の文字などに注目して歩くのも楽しい散策になります。お昼間なら一人歩きでも大丈夫ですが、くれぐれも地元の方や通行人の方に注意して、写真撮影を行ってください。

新今宮は観光スポットに近いので、ホテルが多くあります。驚くような値段で泊まれるホテルもありますが、一人で安すぎるホテルに宿泊するのは少し注意してください。施錠がしっかりできないことや、妙に隣がうるさいなどトラブルに巻き込まれる可能性があります。ノックをされても安易にドアを開けないようにするなど注意が必要です。

こちらの「福田屋本館」のような簡易宿泊施設は雰囲気たっぷりかつ安心して泊まれますが、予約などのシステムがなく、当日行ってみて空いていれば一人部屋に案内して頂けるようです。

ホームページの情報が古いままのホテルも存在しますので、新今宮で泊まる際は最新の情報や口コミをしっかり調べる必要があります。

「ホテルサンプラザ」は新今宮の駅近で安いホテルとして有名です。2015年にリニューアルされ、館内も綺麗とのこと。ただ、海外の観光客の方が多く、壁が薄いのもあり、お値段以上の期待はしないほうが良さそうです。それでも2000円以下で泊まれ、女性専用フロアもあるなど、じゅうぶんな設備とサービスを利用できるホテルです。

古き良き町並みばかりが現在の新今宮の姿ではありません。新世界の飲み屋街の中にかわいいピンクのカフェ「THE MARK COFFEE SUPPLY OSAKA」があります。異色の存在を放つこのカフェでは、20種のサワーやコーヒーをかわいい店内で頂けます。店外のピンクのドラム缶もおしゃれで、一緒にかわいくドリンクを撮影できます。

こちらは「T-GREENS 新世界店」という2017年の8月にオープンしたおしゃれなカフェです。こちらも同じ新世界、天王寺動物園側の入り口付近にお店を構えています。夜はワインや変わったビールなどのお酒も頂けます。このように、女性でも安心して一人歩きして入れるお店が増えているのが現在の新今宮近辺なのです。

新今宮近辺で明るいうちに行って楽しみたい場所と言えば、やはり「天王寺動物園」は外せません。動物を見たり、直接触れ合ったりするだけではなく、秋は紅葉など緑あふれる園内で季節を感じることもできます。天王寺方面出口の「てんしば」という広場ではイベントを行っている時もあり、家族連れも多く、一人歩きでも安心です。

しかし、夜の閉園後は雰囲気がガラッと変わってしまいます。なかなか一筋縄ではいかない課題を抱えている地域ですし、夜間になって付近で寝泊まりする方々に驚いてしまうかもしれません。そのせいか、決して大変危険というわけではないのですが、人通りが極端に減ってしまいますので、夜間の一人歩きは控えたほうがよさそうです。

夜間は逆に、昔は危ないと言われていた通天閣付近のネオンや飲み屋さんを楽しんでみてはいかがでしょうか。

昼間に限らず、夜も仕事帰りの方が飲みに来るなどとても賑わうエリアですので、大きな通りを中心に一人歩きするなら夜でも問題ありません。もちろん、どこの場所でもそうですが、酔っぱらいの方には気をつけてください。

通天閣には和風モダンな庭園が2017年の10月に開設されたばかりです。昼間もとても綺麗ですが、21時まで営業しているので夜間のライトアップされた庭園の景色も美しく魅力的です。案外登ったことがないという方も多い地元大阪の方も、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

比較的安全な場所が増えたと紹介しましたが、一人歩きには向かない危険な地域と言われる場所も新今宮近辺にはやはり存在しています。よく名前が挙がるのは「あいりん地区」「飛田新地」といった、環状線より外側の地域になります。この付近は現在も路上生活をしている方が多く、興味本位で立ち入るのはやはり失礼ですし、危険です。

現在は終了していますが、天王寺動物園のナイトズーなど夜間のイベントの際、遅くなった場合は気をつけて避けたほうが無難でしょう。「飛田新地」は現在も残る遊郭街で、近くに警察署もあるので危険というわけではありませんが、意味なく一人歩きしたり立ち入ったりするのはやめたほうがいいでしょう。

特にこういった地域で避けたほうがよい行為は「写真撮影」です。普通に知らないおじさんに怒られることもあります。また、「飛田新地」内では撮影禁止というルールがあります。なぜか追いかけられる、急に怒鳴られる、路上での喧嘩なども見られるとのことですので、観光気分でひやかしに訪れるのは禁物でしょう。

新世界付近のネオン街など夜も魅力的な新今宮ですが、やはり深夜遅くまで一人歩きするのは初めての方には特におすすめできません。できれば昼間から日暮れ近くまで楽しんで頂き、遅くなってどうしても上記に挙げた治安的に危険な地域を通る必要がある場合は、タクシーなど乗り物を利用して移動すると安全です。

危険な箇所として紹介した付近もありますが、実は2017年の今年、驚くようなニュースが飛び交ったのをご存じでしょうか。あの高級旅館などを手がける「星野リゾート」が新今宮駅目の前にホテルを建設することになったのです。特に大阪の方は先入観もありますし驚かれた方も多く、関西の番組でも大きなニュースになりました。

しかし、考えてみれば新今宮は交通の便も非常に良く、大阪の誇りとも言える観光地へのアクセスにはもってこいの地域です。昔ながらの雰囲気が変わってしまう寂しさもありますが、リゾートが完成すれば新今宮の今後の治安はますます安定するでしょう。

大阪のアートな街、観光の街、アンダーグラウンドな街、とさまざまな顔を持つ新今宮近辺は再開発により日々進化しています。実は避けていた地元の関西の方も、大阪をとことん味わいたい府外の方も、安全には気をつけながら、この機会にぜひディープな街を楽しんでみてはいかがでしょうか？