妻沼聖天山は埼玉の小日光！ご利益や名物のいなり寿司など徹底ガイド！

「妻沼聖天山」(めぬましょうでんざん)は、日本3大聖天の1つです。埼玉県の熊谷市にあり、平成24年には国宝に指定されました。埼玉の日光と称されており、おすすめのお寺です。縁結びのご利益があるといわれており、御朱印をいただきにやってくる女性も増えています。ご利益が得られる妻沼聖天山の見所とおいしいグルメをご紹介します。

国宝に指定されたのは妻沼聖天山の本殿「歓喜院聖天堂」(かんぎいんしょうでんどう)です。日光の東照宮に勝るとも劣らぬ絢爛豪華な建物で、妻沼聖天山が埼玉の日光と呼ばれるのも頷けます。「歓喜院聖天堂」が建てられたのは今から約250年前の宝暦10年（1760年）です。見所は色鮮やかな彩色技術と、数々の彫刻の見事な出来映えです。

建てられたのがちょうど日光東照宮から100年後で、江戸の装飾建築が花開いた時期の代表作です。日光東照宮の建立にたずさわった棟梁や、修理に参加した職人たちの手によって「歓喜院聖天堂」は作られたのです。特に見逃せないのは南側と北側にある一対の「鳳凰」（ほうおう）です。拝観料は700円、午前10時から午後4時までです。

住所:埼玉県熊谷市妻沼1627 電話番号:048-588-1644（寺務所）

妻沼聖天山の見所の1つが「貴惣門」（きそうもん）です。この門は歓喜院聖天堂が完成してから100年後に建てられています。妻沼というエリアには利根川の大河が流れており、しばしば洪水が発生しました。そのためお寺もたびたび被害を受けたのです。その修理にやってきたのが岩国の有名な錦帯橋の架け替えを行った長谷川重右衛門です。

重右衛門は歓喜院聖天堂を見て感動し、これにふさわしい門が必要と思って設計したのです。その100年後にようやく完成したのが「貴惣門」です。この門の最大の特徴は屋根です。破風（山型の屋根）が3層になっており、このような珍しい屋根は全国に4例しかないといわれています。門にほどこされた獅子と龍の彫刻も一見の価値があります。

妻沼聖天山の境内にはおすすめの見所が色々とありますが、「仁王門」(におうもん)もその1つです。境内は県道を挟んで北側と南側に分かれていますが、北側の貴惣門を抜けて進むと「仁王門」があります。その奥が国宝に指定された本殿です。「仁王門」は万治元年（1658年）に創立されたといわれており、門の左右に2体の仁王像があります。

門の左右には仁王像（金剛力士）が配置されており、その迫力に圧倒されます。大修理によって見事な色彩が復元されています。向かって右側には口を開けた「ア」形が立ち、左側には口を蒸すんだ「ウン」形がにらみをきかせています。あうんの呼吸と言いますが、2体の仁王像から生まれた言葉です。妻沼聖天山の見所の1つでおすすめです。

妻沼聖天山は縁結びのご利益があるパワースポットとしても有名です。縁結びといえば出雲大社ですが、妻沼聖天山のご利益もなかなかのものがあります。日本3大聖天の1つなので、そのパワーは出雲大社にも負けていません。境内のパワースポットとして人気なのが「夫婦の木」です。仁王門をくぐると右側に庭園があり、その中にあります。

「夫婦の木」は左がエノキで右がケヤキの大木ですが、仲良く寄り添って根元がからみ合っていることから縁結びのご利益があるとされています。ケンカをしているカップルも、この木にお参りをすると元通りの仲良しになれます。縁結びのご利益があるというので、婚活プロジェクト「逢いむすび」というイベントが開かれることもあります。

全国のお寺や神社を巡って御朱印を集める寺社ガールが注目されています。彼女たちは妻沼聖天山の御朱印を求めてやってきます。自分だけのお気に入りの御朱印帳を持っており、妻沼聖天山の御朱印をいただくのです。境内の納経所で御朱印をいただけますし、オリジナルの御朱印帳を購入することもできます。社寺ガールにおすすめです。

縁結びのパワースポットとして有名な妻沼聖天山ですが、ぜひ買って帰りたいのが「縁結び最中」です。聖天門前には「梅月堂菓子匠」というお店があり、「縁結び最中」130円を販売しています。片思いの相手のお土産にすれば、愛が叶うかもしれません。ケンカ中のカップルも最中を食べれば仲直りできます。創業70年の老舗の味です。

妻沼聖天山の楽しみの1つは、年間を通して色々なイベントがあることです。春季例大祭では子ども相撲大会が行われ、華やかな稚児行列を見ることができます。石舞台では舞踊などのイベントも見ることができます。また秋季例大祭では「柴燈大護摩･火渡り式」が開かれて、行者が火の中を渡る荘厳な儀式が行われます。

行者の火渡りは滅多に見られないので一見の価値があります。山伏たちが火のついた松明を手に持って動くさまを見ると、不思議な感動が込み上げてきます。その他にも秋の大祭では境内に色々な出店や屋台が並んで、買い物客や食べ歩きを楽しむ人々で賑わいます。豆まきの行われる節分には、ホラ貝を吹きながら山伏が境内を練り歩きます。

最も楽しいイベントが「手づくり市」の開催です。年に1回、妻沼聖天山と縁のある妻沼町の商店街が一緒になって、手づくりの作品が並びます。露天もたくさん出るので、食べ歩きも楽しめます。色々な手づくりの商品を見て歩くだけでも楽しい催しです。また春には桜、秋には紅葉が見事です。なお、妻沼聖天山本殿の拝観料は700円です。

妻沼聖天山の周辺にはおすすめのグルメのお店があります。最も有名なのがいなり寿司ですが、「茶の西田園」はかき氷で有名なお店です。熊谷市は夏の気温が日本一高くなることで知られていますが、暑さ対策として誕生したのが「雪くま」というかき氷です。このお店の「雪くま」は熊谷の水で作ったかき氷で、とてもおいしいと評判です。

こちらの「雪くま」は冬でもおいしいかき氷です。おすすめは「抹茶と玄米のキャラメルミルク」680円で、抹茶の苦みとキャラメルのコクとミルクのさわやかさが渾然一体となっています。「黒みつきなこミルク」680円もおすすめです。一緒に出されるジャスミン茶と良く合います。午前8時30分から午後7時30分まで営業、月曜は休みです。

住所:埼玉県熊谷市妻沼1523 電話番号:048-588-0304

妻沼聖天山周辺の甘味処といえば「大福茶屋さわた」です。店内は心安らぐ昔なつかしい古民家の雰囲気があふれています。2階には窓際にカウンター席があり、外の景色を眺めながら食事ができます。座敷には2人用のちゃぶ台が並んでいるので、カップルにもおすすめです。ランチには「麦とろ御膳」のとろろごはんと冷や汁も人気があります。

このお店でも「雪くま」が人気メニューになっていますが、おすすめは「琥珀ジュレ」550円です。ジュレのさっぱりとした甘さがやみつきになります。季節によって果実のジュレがメニューに並びます。「白玉ぜんざい」500円、「クリームあんみつ」600円もグルメには見逃せません。午前10時から午後7時まで営業で、月曜はお休みです。

住所:埼玉県熊谷市妻沼1537-2 電話番号:048-589-1124

妻沼聖天山のグルメで最も有名なのがいなり寿司です。いくつかのお店がありますが、特に「聖天寿し」のいなり寿司は行列ができるほどの人気です。妻沼聖天山の境内から2分ぐらいの場所にあり、情緒と風情のある店構えが歴史を感じさせます。午後になると売り切れになってしまうことが多いので、確実に食べたいのなら午前中が狙い目です。

ワンパックには3本のいなり寿司と4つののり巻きが入っており、460円です。妻沼聖天山のいなり寿司は太くて長いのが特徴で、味付けは濃いめです。60年以上の歴史がある老舗なので、伝統の味が堪能できます。メニューはいなり寿司だけですが、リピーターが多いのも納得のおいしさです。営業は午前9時から売り切れまで、月曜は休みです。

住所:埼玉県熊谷市妻沼1515 電話番号:048-588-0162

妻沼聖天山は国宝に指定されながらも、庶民的な楽しさがたくさんあるお寺です。カップルには縁結びのご利益が、寺社ガールには御朱印帳が、グルメにはおいしいかき氷といなり寿司が待っています。年末年始には多勢の参詣客で混雑しますが、春や秋には自然を楽しみながらゆったりと散策できます。一度は参拝してみたいお寺です。