甲州弁特集！「ありがとう」など山梨の面白い方言の言い回しを紹介！

山梨県で一般的に話されている方言「甲州弁」。人気テレビ番組「月曜から夜更かし」にて「ブサイク方言ワースト1」として紹介された甲州弁ですが、ブサイクどころか可愛くて面白い言い回しの方言で溢れているんです。山梨県のとっても珍しい方言、甲州弁。「ありがとう」などをはじめ、甲州弁の面白い言い回しの方言をご紹介していきます。

「甲州弁」という方言を知っていますでしょうか。甲州弁とは、山梨県で一般的に話されている方言のことを指しています。同じ日本語でありながらもなかなか理解するのが難しいと言われている方言のひとつに沖縄の「うちなー方言」がよく挙げられますが、山梨県の方言である甲州弁も、まさにこのうちなー方言のような部類の方言にあたります。

山梨県で一般的に話されている甲州弁は大変クセが強く、甲州弁の知識がゼロの状態でガッツリと甲州弁を話す山梨県の人と会話することになってしまうと、その4割ほどしか理解することができないなどと言われているんです。同じ日本人で日本語を使った会話でありながらも、まるで外国人と話しているような気分になるのだそう。

難易度の高い方言のひとつとして知られている山梨県の方言、甲州弁ですが、そんな甲州弁が人気テレビ番組「月曜から夜更かし」で紹介されたことがありました。出演者であるマツコ・デラックスさんや村上信五さんらが全国方言問題について取り上げるというコーナーで、なんと甲州弁が「ブサイク方言ワースト1」に選ばれてしまったのです。

甲州弁についての知識が全くない人であれば、ガッツリと甲州弁を話す山梨県の人と会話することになると一体何の話をしているのか、きっとニュアンスでしか伝わってこないはず。しかし「ブサイク方言ワースト1」などというレッテルが貼られてしまった甲州弁ですが、ブサイクどころか面白い言い回しに溢れている非常に魅力的な方言です。

人気テレビ番組「月曜から夜更かし」の全国方言問題についてのコーナーにて「ブサイク方言ワースト1」というレッテルを貼られてしまった甲州弁。これを受けて、日頃から甲州弁を話している山梨県の人々からの意見が話題となっていました。「甲州弁がワースト1位ということで、恥ずかしがらずもはや堂々と使うことができる」という意見も。

「日本一ブサイクな方言環境で過ごしていることによって、他県の方言に毎回ときめくことができる。甲州弁に感謝したい。」などといった意見もありました。しかし、他県の人々からは「ワースト1位って言うけど、甲州弁は個人的には可愛いと思う」「甲州弁の言い回しが面白い。もっと知りたい。」など、前向きな意見が挙がっていました。

「ブサイク方言ワースト1」に選ばれてしまった山梨県の方言、甲州弁。一方では「可愛い」「面白い」「もっと知りたい」などと前向きな意見が上がり印象がアップしている甲州弁。全国の方言の中でも、最近特に話題になっている山梨県の甲州弁とは一体どんな方言なのでしょうか。例としていくつか甲州弁の言い回しを見ていきましょう。

まず最初にご紹介するのがこちら「ありがたいこんでごいす」です。ありがたいこんでごいすは、甲州弁で「ありがとうございます」を意味する方言になります。ありがたいこんでごいすの他「ありがとごいす」といった言い回しを使っている人たちもいるそうで、こちらも「ありがとうございます」を指し、印象とは違い丁寧な言い回しになります。

丁寧に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える場合には「ありがたいこんでごいす」や「ありがとごいす」といった言い回しを使いますが、カジュアルに「ありがとう」と言いたい場合には「わりぃじゃんねぇ」といった言い回しを使うそうです。こちらは「ごめんね」の意味もあり、その前後のニュアンスによって意味が変わってきます。

次にご紹介するのがこちら「っつーこんずら」です。っつーこんずらは、「ということでしょ」というときによく使われる言い回しになります。疑問や同意を求める際に使われています。「っつーこん」の部分を伸ばさずに「つこん」と言ったり、「てこん」と言う人もいるそうです。これらについては地域によって若干の差が見られると言われています。

「っつーこんずら」という言い回しの「ずら」を付けずに「っつーこん」だけだと「なんだよ」といった表現に変わります。「ずら」を除いた「っつーこん」は、比較的若い人たちのあいだで使われている言い回しなのだそうです。「ずら」という方言は甲州弁としてのインパクトが強いです。しかし、「ずら」は現代の若い人たちはあまり使いません。

続いてご紹介するのがこちら「おまん こっちんこうし」です。おまん こっちんこうしといえば、甲州弁が紹介される際には必ずと言っていいほど例文として挙げられるフレーズのひとつです。おまん こっちんこうしは「おまえ(あなた)、こっちにおいでよ」という意味を指しています。家族や友人同士、カップルでもよく使われているフレーズです。

「おまん こっちんこうし」というフレーズで知られていることが多いですが、「おまえ(あなた)」を指す言葉である「おまん」という方言も日常的によく使われている言い回しです。標準語で女性が「おまえ」というと少しイメージが悪い部分がありますが、甲州弁の「おまん」には「あなた」という意味も含まれているため、女性も一般的に使います。

そして次にご紹介するのがこちら「ほーけー」です。ほーけーは「そうなの」という意味を指していますが、「それを聞いて驚いた」といったニュアンスも含まれていると言います。そこに含まれている驚きのニュアンスを伝えるためか、ほーけーの言い方としては、「ほー」を上がり調子で言い、そして「けー」を下がり調子で言うのだそうです。

先にご紹介した「おまん こっちんこうし」と合わせ、「ほーけー。おまん こっちんこうし。」は「そうなの?おまえ(あなた)、こっちにおいでよ。」といった言い回しもよく使われているといいます。ほーけーという方言に関しては、特に会話中でよく使われているため、山梨県の人と会話する機会があればもしかすると聞くことがあるかもしれません。

そして続いてご紹介するのがこちら「ちょびちょび」です。ちょびちょびは「調子に乗る」「いい気になっている」などと言った意味を指している言い回しになります。その言葉通り、相手が怒っているときなどに聞く可能性の高い言葉なので、可愛らしい響きですがもしかすると怒られている可能性もあるので、この方言が出たときには要注意。

「ちょびちょび」という方言が使われるときは、一般的に「ちょびちょびしてちょ」や「ちょびちょびしてるとしょうずけるぞ」といったフレーズで使われることが多いようです。ちょびちょびしてちょは「いい気になっているな」という意味、ちょびちょびしてるとしょうずけるぞは「あんまり調子に乗っていると怒るぞ」という意味になります。

そして最後にご紹介するのがこちら「かじる」です。かじるは、山梨県の人々が標準語であると勘違いしていることが多いという甲州弁のひとつです。かじるとは「(かゆいところを)掻く」という言葉を意味している言い回しになります。最も意味を勘違いされるであろう甲州弁ランキングがあれば1位、2位を争う言葉であるだろうと言われています。

背中を掻いてもらいたいときに「背中をかじって」と言ってしまったり、「足をかじりすぎちゃって血が出ちゃった」などと言ってしまったり、また手をガリガリと掻いている人に「あんまりかじっちゃだめだよ」と注意してしまったりするなどして、誤解を招いていることも少なくないのだそう。「かじる」も方言であると知っておきましょう。

いかがでしたでしょうか。「ありがとう」などをはじめとし、山梨県の方言である「甲州弁」の面白い言い回しをまとめてご紹介しました。人気テレビ番組「月曜から夜更かし」にて「ブサイク方言ワースト1」として紹介された甲州弁ですが、ブサイクどころか可愛くて面白い言い回しの方言で、溢れている魅力的な方言であることが分かりました。ぜひ旅行に行かれた際などに、よく耳を傾けて聞いてみて下さい。