奥大井湖上駅へ行こう！行き方や時刻表・観光スポットなど紹介！

静岡県を走る大井川鐵道はご存知ですか?SLを年間300日以上運行している大変珍しい鉄道です。大井川鐵道の、千頭駅から先を走るのは、アプト式という山岳地帯を走る電車。その列車でしか行くことのできない「奥大井湖上駅」は、テレビでも紹介されたことのある大変有名な秘境駅です。そこで、「奥大井湖上駅」への行き方や、時刻表、周辺観光スポットについてご紹介していきます。

奥大井湖上駅は、大井川鐵道の井川線、愛称は南アルプスあぷとラインの駅です。テレビで幾度も取り上げられる有名な秘境駅です。長島ダムによってできた、接岨湖(せっそこ)の中間あたりにある突き出た山の部分にあります。それはまるで、湖に浮かんでいるかのよう。観光スポットの1つになっています。あまりの珍しさに、「中部の駅100選」にも選ばれています。

なぜこんな所に駅があるのかと言うと、かつては人が住んでいたためここに駅が作られたそうです。今では誰も住んでいる人はおらず、駅も無人で観光用の駅として利用されています。ホームには、「風の忘れ物」というベルがあり、待合所にはこの駅を訪れた人が書き記す「駅ノート」があります。そのほかには、コテージ風の休憩所や、無料の双眼鏡なども設置されています。周辺には遊歩道があり、散策することも可能です。

奥大井湖上駅について知る前に、簡単に大井川鐵道について説明します。大井川鐵道は、2つの区間に分かれており、静岡県島田市にある「金谷駅」から静岡県榛原郡川根本町の「千頭駅」までの区間を「本線」、「千頭駅」から終点「井川」までの区間を「井川線」と呼びます。「井川線」の愛称は、「南アルプスあぷとライン」と呼ばれています。

本線である金谷駅の隣の新金谷駅から千頭駅間は、年間300日もSLが運行しており、SLに比較的乗りやすい路線です。千頭駅から井川駅までの「南アルプスあぷとライン」は、日本唯一のアプト式のトロッコ列車が走る区間がある路線です。アプト式列車は、スイスの山岳地帯を走る列車で、アプトさんが開発したもの。歯車を噛み合わせることで、奥大井の急勾配を登っていくことができます。

乗ってきた列車と同じ進行方向の次の列車が来るまでは1時間以上ありますので、時刻表をよく確認した上でコテージで休憩したり、周辺を散策して過ごすのがおすすめです。周辺には絶景スポットがありますので、そういったところを散策してみるのもよいでしょう。

奥大井湖上駅への行き方は、列車でも車でも可能です。そこで両方の行き方をご紹介します。大井川鐵道はローカル線のため、時刻表を見ても電車の本数が少ないのが特徴です。もし日帰りで奥大井湖上駅を楽しみたいという方は、車での行き方を選択したほうがよいでしょう。一泊二日の場合は、SLなども楽しみながら時刻表を確認の上、旅行してみましょう。

時間にゆとりのある方は、ぜひ列車を利用して奥大井湖上駅まで行きましょう。大井川鐵道の始まりは「金谷駅」です。JR東海道本線「金谷駅」にて、大井川鐵道のホームへと乗り換えます。もしSLに乗りたい場合は、金谷駅の次の「新金谷駅」でSLに乗り換えてください。金谷駅から千頭駅までは、普通電車で1時間15分かかります。新金谷駅から千頭までSLを利用すると、1時間15分です。

千頭駅からは南アルプスあぷとラインに乗り換え、いよいよ奥大井湖上駅へ。千頭駅から奥大井湖上駅までは、おおよそ1時間5分程度かかります。途中眼科にみえる大井川の風景や、「アプトいちしろ駅」から先のアプト走行は必見です。南アルプスあぷとラインは1日にたったの5本しか運行していないため、時刻表はしっかりチェックしましょう。

なお、新幹線が止まる最寄駅の静岡駅から奥大井湖上駅までは、電車で3時間以上かかります。日帰りでも行けないことはないのですが、かなり慌ただしい行程になってしまいます。列車のみで訪れる場合は、なるべく一泊二日することがおすすめです。もし日帰り列車旅をするならば、時刻表をしっかりと確認して乗り逃すことのないよう計画を立ててください。

車での行き方は、新東名高速道路の静岡スマートICをおり、国道362号線をずっと走ります。次に、千頭駅付近まで着いたら県道77号線を走ります。県道77号線をしばらく走ると、温泉地で有名な寸又峡方面と、大井川沿いを走る388号線への分岐があらわれます。そこで388号線へ曲がり道なりに進み、不動トンネルを通り抜けます。

そこから200メートルほど先の脇道を右に入ると、奥大井湖上駅へと続く遊歩道の駐車場があります。ここは9台停めることができます。奥大井湖上駅は湖に浮かんでいるような駅ですので、駅の目の前に車を停めることはできません。電車に乗って奥大井湖上駅でおりるか、この駐車場に車を停めて、「湖上遊歩道」という遊歩道を歩いて行く行き方になります。駐車場から遊歩道を経由して、およそ15分から20分で到着です。

不動トンネルの手前の脇道を右に入った所にも、2台ほど停められるスペースがありますが、こちらは土日はあまりおすすめでません。この脇道はかなり細くてすれ違うのがやっとだからです。奥大井湖上駅全体を上から見ることができるビュースポットになっているので、空いている時ならよいでしょう。

駐車場から奥大井湖上駅へ行く際に通る湖上遊歩道ですが、駅に向かう途中にレインボーブリッジという橋を渡ります。このレインボーブリッジですが、お台場にあるレインボーブリッジよりも、命名されたのは先です。なんと大井川鉄道の線路のわきを歩きながら、湖の上を渡ることができる橋で、ものすごい絶景が広がっています。

電車が通る時間を事前に時刻表で確認しておきましょう。間近で湖上を走る電車が見られる絶景スポットです。駐車場からの遊歩道は、トンネルを迂回するようにできているので、階段も多く険しい道が続きます。小さいお子さまやお年寄りなどは注意しましょう。もちろん電車できた時も、レインボーブリッジは渡れますので、ぜひ渡っておきましょう。時刻表を確認のうえ、周辺をできる限り散策するのがおすすめです。

奥大井湖上駅に来たら必ず立ち寄っておきたいのが、「レインボーブリッジ展望台」。奥大井湖上駅からは遊歩道を通り、徒歩20分程度で到着します。奥大井湖上駅と接岨湖(せっそこ)を挟んで対岸にあります。

ここに来ると、冒頭でも使われている写真のような、奥大井湖上駅と赤いレインボーブリッジが全体に収められた様子を見ることができます。写真を忘れずに撮っておきたいスポットです。往復で40分くらいかかるので、時刻表を見て余裕を持って行動しましょう。

ここのレインボーブリッジ展望台に向かう途中は、階段も多く、結構険しい道を歩きます。アプト式列車が走るくれらいの山の中ですから仕方ありません。覚悟して向かいましょう。その代わり素晴らしいビュースポットが待っています。

奥大井湖上駅の裏側にある階段を登っていくと、「レイクコテージ奥大井」と言う名の2階建てのログハウスがあります。秘境の地にぴったりな木の家で、冒険心をくすぐります。ここは無料の休憩施設で、売店などもなく無人なので事前に食べ物や飲み物を買って持っていきましょう。時刻表を見て次の列車が来るまでの時間つぶしにおすすめです。

1階にはテーブルと椅子とトイレがあります。ここで持参した昼食をとることが可能です。コテージからの眺めも大変よい穴場観光スポットですので、素晴らしい眺めを見ながらお弁当を食べるのも素敵です。2階からは奥大井湖上駅を見下ろすことができるので、ぜひ2階へも上がってみましょう。無料の望遠双眼鏡があるのでこれもぜひ覗いてください。湖の対岸に大井川鐵道の古い線路があるので、ぜひ双眼鏡を使って探してみてください。

奥大井湖上駅は恋が叶う駅との噂が。その名をもじって「奥大井恋錠駅」。駅のホームには「ハッピー・ハッピー・ベル」という鐘が設置されており、鳴らすと幸せを呼ぶと言われています。静岡県の恋愛・結婚・子宝に関する「ふじのくにエンゼルパワースポット」にも登録されており、何度もここで結婚式がおこなわれています。

2016年6月12日から、大井川鐵道の千頭駅、奥泉駅、新金谷駅前プラザロコ売店にて、「愛の恋錠」というものが発売されました。ハート形南京錠1個と鍵が2個ついた記念切符です。この記念切符には、奥大井恋錠と印字されており、2枚セットになっています。価格は950円です。

この恋錠は、奥大井恋錠駅の指定された場所に2人で飾り付けます。3年間は奥大井恋錠駅に飾られ、その後は川根本町で縁結びのお堂さんとして親しまれている「水川阿弥陀堂」に奉納されます。また、川根本町内のお店や観光施設などでこの記念切符を提示すると割引などの特典が受けられます。

奥大井湖上駅周辺には観光スポットがたくさんあります。奥大井湖上駅とあわせて行っておきたいのが、「夢の吊り橋」です。夢の吊橋は、寸又峡の象徴とも言える吊り橋です。長さ90メートル、高さ約8メートルの吊り橋で『死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊橋』第10位にも選ばれたことのある美しい吊り橋です。

天気にもよりますが、エメラルドグリーンに輝く湖がとても美しく、「夢に出そうな幻想的な橋」「渡るのが怖くて夢に見そうな橋」という2つの理由から「夢の吊橋」と名付けられたそうです。安全のため、一度に10人ずつしか渡ることができません。そのため、混雑時には1時間以上待つことがあります。

奥大井湖上駅に続いてここも恋の願いが叶うスポットでもあります。夢の吊り橋の真ん中で恋の願い事をすると、その恋が叶うと言われています。混んでいる時はゆっくり渡れないので、多少の怖さを我慢して渡りましょう。紅葉の時期は紅葉が大変素晴らしいスポットでもあります。その時期に夢の吊り橋を訪れる際は、朝一番を狙って行きましょう。

夢の吊り橋への行き方は、列車とバスを利用する方法と、車で直接向かう方法があります。まず列車とバスで向かう方法ですが、大井川鐵道「千頭駅」または「奥泉駅」からバスが出ていますが、夢の吊り橋にバス停があるわけではありません。千頭駅または奥泉駅から「寸又峡温泉」のバス停に向かいます。千頭駅から「寸又峡温泉」まではおよそ40分、奥泉駅からは30分で到着します。

車で向かう場合は、寸又峡温泉には全部で5つの駐車場があるので、ここを目指します。駐車場は無料ですが、トップシーズンは有料になります。車で来た場合もバスで来た場合も、夢の吊り橋へは、寸又峡温泉からハイキングコースを歩いて行きます。寸又峡温泉には3つのハイキングコースがありますが、「寸又峡プロムナードコース」を歩きましょう。片道30分から40分で夢の吊り橋に到着です。

この「寸又峡プロムナードコース」ですが、階段が304段と急な下り坂があり、動きやすい格好で行くことをおすすめします。足に自信のない方は、吊り橋をおりずに、その先にある「飛龍橋」もおすすめです。夢の吊り橋と渓谷を真下に眺めることができます。

夢の吊り橋のスタート地点である「寸又峡温泉」も、奥大井湖上駅周辺の有名な観光スポットです。10軒ほどの旅館があり、一泊二日で奥大井湖上駅を観光する時は、ここに宿泊するのがおすすめです。寸又峡温泉は、ぬるぬるした感じの温泉が特徴で、入ると美肌になるということから「美女作りの湯」として知られています。日替わりの町営温泉があり、大人は400円で温泉に入る事ができます。

寸又峡温泉は、「日本一清楚な温泉地」と言われています。寸又峡温泉には三原則があり、芸者やコンパニオンをおかない、ネオンサインをつけない、山への立て看板を設置しないという3つの約束を守り抜いており、安心安全で清楚な温泉地となっています。大井川鐵道を走るトーマス号もありますので、お子さま連れでも安心です。

奥大井湖上駅から千頭駅方面に3駅進むと「長島ダム駅」があります。長島ダムは特別大きいダムというわけではありませんが、『地域に開かれたダム』に指定されているため、ダムの設備や周辺施設にさまざまな工夫がされており、広く一般公開されているのが特徴です。平日と月1回日曜にダムの内部見学会が開催されています。平日、日曜ともに要予約ですが、日曜開催があるときは、当日受付も可能です。

長島ダムに貯められた水は、茶畑や生活用水として送られます。また、長島ダムは大井川水系で唯一、洪水調整をおこなっているダムです。大井川流域の人々の生活を守るためになくてはならない存在です。またダムの天端が展望台になっており、ダムの対岸を走る大井川鐵道のアプト式列車を見ることができるスポットにもなっています。

奥大井湖上駅とその周辺の観光スポットについてご紹介しましたが、奥大井はここには書ききれないほど魅力たっぷりの観光地です。車でアクセスするのがおすすめですが、大井川鐵道にはぜひ乗ってみたいもの。もし列車やバスを利用して見て回る際は、時刻表を十分に確認の上、しっかりと計画を立てて見て回りましょう。有意義な旅になること間違いなしです。