福井の猫寺こと御誕生寺に行ってみよう！アクセスや御朱印情報もご紹介！

御誕生寺(ごたんじょうじ)は福井県越前市にある曹洞宗の禅寺です。山号は萬象山。曹洞宗大本山總持寺の御開山・瑩山禅師(けいざんぜんじ)の生誕地とされる御由緒により建立されました。御住職が捨て猫を保護して以来、猫のお世話をするようになった御誕生寺。境内にはかわいい猫がいっぱい。御誕生寺の魅力や御朱印、アクセスをご紹介します。

昭和23年(1948年)、大本山總持寺の御開山・瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)の生誕地とされる越前市帆山町に、上田全之師が御誕生寺を建立。その後荒廃しすべての建物は消失しましたが、寺籍だけは残されていました。

平成11年(1999年)1月、板橋興宗(いたばしこうしゅう)和尚が大本山総持寺の貫首に就任すると、武生の実業家・宇野煕(うのひろし)氏から寄進された土地に御誕生寺の小堂を建立。境内の整備工事や仮本堂、庫裡などの建設が始まりましたが、平成14年(2002年)5月宇野氏が急逝されてしまいます。

しかし全国の曹洞宗寺院や篤信者からの支援により建設は順調に進み、平成20年(2008年)8月30日には本堂と坐禅堂の上棟式を執り行いました。同年10月28日に御本尊釈迦如来を奉安。曹洞宗宗務庁より修行道場「専門僧堂」として公認され、平成21年(2009年)6月7日本堂と坐禅堂の落慶法要が行われました。

御開山瑩山禅師、二世を上田全之師とし、開基として宇野煕氏をお迎えしました。板橋興宗和尚は、大本山總持寺より中興の称号が授与され三世となり、修行道場としての御誕生寺の歴史が始まりました。平成25年(2013年)5月12日には寺内・慈仏堂の落慶法要と寺祭・誕生祭が行われています。

猫寺(ねこでら・ぬこでら)としても知られている御誕生寺では、保護した数十匹の捨て猫や傷病猫を境内などで飼育。寺の建立時に4匹の捨て猫を保護して以来、多い時は約80匹、2017年現在は約30匹の猫の世話を行っています。

里親探しのほか、生まれたばかりの子猫を家族の一員として迎えるボランティア「キティウォーカー」の募集、無闇な繁殖を防ぐための去勢・避妊手術、健康福祉センターによって保護されている猫の境内での譲渡会などを行っています。昨今の猫ブームもあり、猫の撮影や見学のツアーも受け入れているそうです。

猫の保護と飼育は、御住職や修行僧による日々の世話、檀家さんや参拝客の寄付などによって行われており、勝手に境内に猫を捨てる行為は動物愛護法違反となります。絶対にやめましょう。

御誕生寺では、猫の健康維持のため医療募金を行っています。猫の繁殖を防ぐための去勢・避妊手術やワクチン、病気の治療にかかる医療費は、御誕生寺で負担。保険が効かないため高額な費用がかかってしまいます。

寄付の方法は簡単。寺務所にて1000円以上の寄付を行うと、1000円ごとに「にくきゅう御守り」や「招き猫御守り」、「おにゃん珠ストラップ」のいずれかがいただける仕組みです。通常の招き猫おみくじは、200円以上の御志納をすることで一枚ひくことができます。

振込による医療費の寄付も可能です。下記メールアドレス宛てに氏名・郵便番号・住所を書いて送信すると、寄付用の郵便振替用紙が送られてきます。キャットフードや猫砂などの支援も可能。病気感染防止のため、使用済みの毛布や衣類は寄付できません。

御誕生寺では、猫の医療費のため1000円以上の寄付をすることで、御誕生寺オリジナル御朱印帳をいただくことができます。猫がモチーフとなった御誕生寺ならではの御朱印帳で、御朱印帳を集めている方にとっては見逃せないかわいいデザインです。

遠方で参詣できない方は、下記メールアドレス宛てに氏名・郵便番号・住所・連絡先・御朱印帳希望の旨書いて送ると、寄付用の振込用紙と御朱印帳を送付していただけます。御朱印は御誕生寺を参拝された方への授与となりますので、御朱印帳に御朱印は押されていません。参拝時の御朱印の初穂料は300円です。

猫たちに名前と首輪を付け、愛情を込めて飼育してくださっている御住職や修行僧の方々。愛情をかけた猫は、表情が穏やかになっていくそうです。猫の写真やプロフィールとともに、フェイスブックやブログで随時里親募集をしていくことで、少しずつ猫のもらい手が増えていきました。

SNSを利用した活動により御誕生寺の知名度が上がり、県内外から年間約3万人もの参拝客が訪れるようになりました。現在は新しい猫の受け入れを中止し、境内を保護猫の譲渡会場として利用してもらう活動を開始。春と秋の年2回、鯖江市の福井県丹南健康福祉センターで保護されている健康な猫が御誕生寺に集まります。

御誕生寺が独自に里親募集を行った猫と合わせると、300匹以上の猫の里親が決定。2017年現在、境内でお世話をしている猫は約30匹ほどに減りました。里親として猫を迎えたいとお考えの方は、フェイスブックなどのSNS上で里親募集情報をチェックしてみてください。

御誕生寺では、里親だけでなく「キティウォーカー」と呼ばれるボランティアを随時募集しています。キティウォーカーとは、生まれたばかりの子猫を、数ヶ月の間家族の一員として迎えるというもの。

猫が好きだけれども年齢的に最後まで面倒を見れるかどうかご心配の方や、子どもがいるご家庭、教育機関での授業の一環としてなど、キティウォーカーとして猫に接するという選択肢もあります。

キティウォーカーは登録制となっています。生後間もない子猫が来た場合、緊急で育てていただける方の登録を募っているようです。登録されている方に順次連絡がいくようになっているため、常に受け入れ可能でなくても大丈夫。子猫がいないこともあります。直接または電話にて寺務所にお問い合わせください。

SNSを利用した御誕生寺独自の里親探しのほか、福井県丹南健康福祉センターによる保護猫譲渡会の境内での開催など、人と猫とのご縁をたくさんつないできた御誕生寺は「縁結びの寺」としても知られています。御誕生寺という寺号にちなみ、安産祈願のため参拝される方も多いそうです。

毎週日曜日の13時30分より「日曜坐禅会」を開催。40分の坐禅を2回行います。坐禅の後15時からは、御住職による法話と質問の会です。楽しいと評判で料金は無料なので、ご参拝の際にはぜひ参加されてみてはいかがでしょう。ヨガ教室や書道教室、手話教室なども開催されており、随時フェイスブックなどで告知されます。

毎年9月に開催される「地蔵祭り」では、境内に奉納されている600体のお地蔵様一体一体にお燈明を献燈します。参拝者は、紙コップに願い事などを自由に書くことができるようになっており、そのカップにろうそくを灯して献燈。

車でのアクセスは、北陸自動車道「武生インターチェンジ」より10分。駐車場は50台分あり無料です。公共交通機関でのアクセスは、北陸本線「武生駅」にて下車してからバス。駅でレンタサイクルをして、自転車によるアクセスも可能です。徒歩だと70分かかります。

武生駅からのバスは、福井鉄道バス・池田線(平日7往復・土日3.5往復のみ)、越前市市民バス「のろっさ」国高・北日野ルート「大手町」から西南へ350メートル(水金のみ運行、1日2往復のみ)、越前市市民バス「のろっさ」味真野・北新庄ルート「西尾町」から西へ1キロメートル(水金のみ運行、1日2往復のみ)のいずれかを利用。

拝観料は無料です。年中無休。閉館時間は設けていないため、いつでも見学可能です。7時と15時30分は猫のご飯の時間となっています。多くの猫が集まってきますので、猫に癒されたい方はこの時間に合わせてご参拝されると良いでしょう。

住所:福井県越前市庄田町32 電話番号:0778-27-8821

福井県越前市にある御誕生寺の魅力やアクセスをご紹介してきました。人と猫とのご縁をつなぐお寺として、里親募集などの活動を行っている御誕生寺。御誕生寺をお参りして、かわいい猫たちに癒されてみるのはいかがでしょうか。