陽朔の観光を楽しむ！見所スポットの他バスや駅など交通情報も！

中国のほぼ南端、広西チワン族自治区桂林市に位置する陽朔は山水画のように美しい中国の原風景が広がる地として、古来より観光都市として国内外からの観光客に親しまれてきました。今回はそんな中国の陽朔でおすすめの観光名所に加え、バスや鉄道駅からの行き方、ホテルなど、気になる情報をまとめてお伝えします。

陽朔位置する桂林市は秦の始皇帝の時代に起源を持つ歴史ある街。文化財などもいまだ数多く残されているようですが、なんといっても桂林の名を知らしめているのは中国の自然が成せる山水画のような美しくもミステリアスな原風景。そんな景色を見るべく、桂林を訪れる観光客のほぼ全てが川下りに参加するといいます。

そんな中国の原風景広がる桂林市の中でも最も美しいとされるのがここ陽朔。比較的大きな都市である桂林から南へ約70キロのほどの場所にある陽朔は、街の中心部であっても目に飛び込んでくる景色はまさに山水画の世界そのもの。

そんな風景は欧米のバックパッカーをも惹き付けているようで、陽朔は小さな街ながらに英語が通じる店も多く、欧米系外国人の姿も数多く見受けられます。

それではここからは早速陽朔でおすすめの観光スポットをご紹介しましょう。陽朔の中心「西街」は1674年に建設された陽朔で最古の町。陽朔きっての観光地として多くの飲食店や土産物店などが軒を連ね、看板等も英語と中国語が併記されており、連日夜遅くまで多くの外国人観光客で賑わいを見せています。

そんな西街はかつてより観光地として多くの欧米人が訪れてきたため、“洋人街”とも呼ばれているのだとか。清王朝の時代に建築された住居が軒を連ねる中国の田舎町らしい景色を残しながらも、西街はどことなく西洋のテイストが感じられる独特な空気感に満ちており、東西文化の融合を感じられる国際色豊かな雰囲気を感じることが出来ます。

西街を訪れた際には陽朔観光の記念にお土産も購入されたいところです。ここ西街には近隣の茶畑で取れた茶葉を使用した種類豊富な中国茶を売る店や中国らしい柄のシルク布などが売られるお土産ショップが何軒も軒を連ねています。

お茶を売るお店の中にはカフェが併設されている店もあるので、そちらで味見をしつつお土産用のお茶を品定めされてみてはいかがでしょうか。

山水画のような美しく幻想的な風景が広がる陽朔を訪れるのであれば欠かせないのはやはり漓江下り。漓江の上流に位置する桂林から下流の陽朔までの川下りは「漓江精華遊」と呼ばれ、4時間半ほどの行程で船上から数々の名所を眺めることが出来るようになっています。

また桂林と陽朔の間に位置する竹江からは外国人観光客向けの豪華客船が出ているほか、簡素な造りの竹筏下りなども可能となっています。

漓江の支流で最も長い43.5キロもの支流、「遇龍河」の川下りも漓江下りと併せてチャレンジされてみるのがおすすめです。遇龍河の流域では古き時代より変わらない中国古来の農村の生活が今も営まれており、船上から眺める農村風景はまるで中国絵巻のよう。川下りのコースは12キロほどあり、時期によって3～4時間か5～6時間と所要時間が異なるようです。

陽朔を訪れたら「印象劉三姐」もぜひ目にしておきたいところです。こちらは中国初の野外開催のショーであり、陽朔ならではの山水をバックに行われるなんとも粋な演出が人気を集めています。プロデューサーは北京オリンピックをもプロデュースした映画監督チャン・イーモウで、本物の山水と人工的な演出が織りなすショーのスケールは圧倒的です。

「印象劉三姐」のショーのテーマは伝説の歌手とされる劉三姐。しかしこれに陽朔位置する広西省の少数民族文化や中国らしくありながらも現代的なアレンジなどが加わり、ショーをエンターテイメントの枠を超えた高い芸術性を誇るものへと昇華させています。

ショーの会場は陽朔中心の西街から徒歩約15分とほど近いので、観光の合間に一度鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

陽朔の街より10キロほどのところにあり山の中腹にぽっかりと空いた穴が特徴的な「月亮山」は陽朔のシンボル的存在。なんでも見る角度によって穴の形が異なって見えるため、それを月の満ち欠けになぞらえて“月亮山”の名が付いたのだそう。

ちなみにこちらにはアメリカの元大統領ニクソンが訪れたこともあるそうで、月亮山観光の際にはニクソンの訪れた場所を探そうとする観光客が後を絶たないといいます。

風光明媚な山水の風景広がる月亮山の周辺は「高田郷風光」と呼ばれ、月亮山の他にも数多くの観光スポットが点在しています。

また高田郷風光で目にすることの出来る観光スポットの周囲は観光地でありながら中国の昔ながらの田園風景を残しており、日本人がイメージするかつての中国のイメージそのもの。月亮山観光の後にはそんなどこか昔懐かしい風景に出会える高田郷風光の観光地を一つ一つ訪れてみるのもおすすめです。

高田郷風光内の陽朔より6キロほど離れたところに位置する「聚龍潭」は黒岩と水岩から成る鍾乳洞。不思議な形をした岩々が竜が空を飛ぶ様に見えるためこの名がつけられたそう。

全長1キロほどの鍾乳洞内は華やかにライトアップされ、陸路に加えて一部区間は水路からの見学も可能ということで、陽朔を訪れる観光客からは人気の高いスポットになっています。

高田郷風光内の陽朔より7.5キロのところに位置する「大榕樹」は隋の時代に植えられたというガジュマルの木々が今も残ることで知られています。

千年にも及ぶ長きにわたる月日を風雨に耐え抜いてきたガジュマルの木々は神木として崇められており、また映画のワンシーンの撮影地となったことによって夫婦円満の縁かつぎとしてもみなされるようになったそうです。

陽朔より約25キロのところに位置する「興坪漁村」は“桃源郷”との異名を持つ美しくも神秘的な村。明朝の時代に建設されたという村はその後の清朝との戦争や日中戦争など幾多の戦火に晒されてきたにもかかわらず、村の建築物の多くはかつての姿を今もそのまま留めています。

住民は鵜飼漁を営んでいるということで、運がよければ一緒に漁をさせてもらえることもあるようです。

陽朔から15キロほど離れたところにはその名も「世外桃源」という少数民族の桃源郷をテーマにしたテーマパークまであります。陽朔の山水や田園風景をそのまま活かしつつ建物は少数民族のものを模した園内は、人工的に造られた部分と本物とが交錯する不思議な世界観を呈しており、桃源郷のイメージそのものです。

陽朔から約8キロの漓江沿いに位置する街「福利古鎮」は“陽朔三古鎮”の一つに数えられる1000年以上もの歴史を持つ街として知られています。青みを帯びたレンガによって築かれた建物がみせる街並みは陽朔とはまた異なる趣に溢れています。

またこちらは扇画の産地としても知られており、地元で採られた画材を用いて描かれた扇画は美しいのみならず耐久性にも優れており、国内外で高い評価を得ています。

山間に位置する陽朔では勾配が多くなっているにも関わらず、街中の観光の際にはサイクリングが人気の手段となっています。陽朔の街のあちらこちらではサイクリングをしている観光客の姿を見かけるとともに、レンタサイクルの店も点在しており、美しい山間の風景をサイクリングを通して眺められるのが人気の理由のようです。

バイクや車の通行量が多く、山間の街である陽朔でサイクリングをされる際には危険ではないか、道に迷ってはしまわないかなど何かと不安が尽きないかもしれません。しかしここ陽朔では自動車・バイク用道路のほか、サイクリング用にも道路が確保されているため、街中の道路をサイクリングする際にはあまり記念は感じられないかと思われます。

サイクリング中に道に迷わないか不安な方はガイドを頼むのもおすすめ。サイクリングでのガイドをお願いする際には、レンタサイクルショップで聞くか、あるいはホテルで聞けばサイクリングでのガイドをしてれる方が見つかるでしょう。

ちなみに陽朔で借りられる自転車には普通のものからマウンテンバイク、二人乗りと様々な種類があるので、サイクリングのシチュエーションに合わせて自転車も選ばれるのがおすすめです。

陽朔位置する桂林市のビーフンは中国国内でも最も知られた美食の一つ。桂林の地元民は毎日のようにビーフンを食し、桂林市内には数多くのビーフン屋が店を構えています。陽朔を観光される際にはそんなビーフンも一度食べておきたいところです。

ちなみに桂林の地元民は店構えではなくビーフンの味のみによって店を判断しているとのことですので、ビーフンを食べるのであれば人が多く集まっている店に行くのが正解です。

陽朔は古くより欧米系外国人にとって人気の観光地として知られており、安価で泊まれるホテルもかなりの数存在しています。そのため陽朔を観光される際には飛び込みで訪れても宿泊出来るホテルが見つからない、ということはまずないかと思われます。

しかし当日にホテルを探すのでは不安、という方もいらっしゃるかと思いますので、陽朔でおすすめのホテルについても何軒か紹介しておきましょう。

ホテルでの滞在費を抑えたいけれど、他人と同じ部屋で寝るのは嫌、という方におすすめなのはこちらの「Lucy's Hotel」。こちらのホテルは個室であるにも関わらず、一泊一人2000円ほどとかなりお安くなっており、また室内もほどほどの清潔さを保っているということで陽朔のホテルの中では観光客から非常に人気が高くなっています。

陽朔中心の西街から少々離れたところで落ち着いた時間を過ごされたいという方には「陽朔Village Retreat」がおすすめ。こちらのホテルは西街からは2～3キロほど離れていますが、西街まで無料のシャトルバスを利用することが出来ます。また広々とした個室でありながらお値段は一泊3000円ほどからとなっているため、お財布にも優しくなっています。

ホテルの滞在中であっても陽朔の美しい山水を目前にしたい、という方には「Hidden Dragon Villa」がおすすめです。こちらのホテルは中国の伝統的な建築物を思わせる外観もさることながら、ホテルの窓から目の前にそびえる山水は息を飲むほどの迫力。

お値段も一泊4000円ほどですので、陽朔を訪れる醍醐味をホテル滞在中にも味わいたい方は一度こちらに宿泊されてみてはいかがでしょうか。

気になる陽朔へのアクセス情報です。陽朔には以前は鉄道駅がなかったため、陽朔を訪れる際には最寄りの鉄道駅である「桂林駅」で下車し、バスに乗り換えて行く方法が最もメジャーとなっています。桂林駅からバスで陽朔までは約1時間半～2時間ほどとなっており、陽朔まで直行のバスは20分に一本、それ以外のバスは10分に一本の頻度で発着しています。

桂林駅から陽朔行きのバスに乗車する際には、桂林駅よりほど近いところにあるバスターミナルでバスの乗車券を購入して乗車することになります。ちなみに桂林駅からバスターミナルを訪れると一目瞭然ですが、中国語でバスは“汽車”となりますので、困惑しないようにしましょう。

桂林駅からバスで陽朔を訪れる際に気を付けたいのは桂林駅にはバスターミナルが二か所あるということ。駅前のバスターミナルでも陽朔行きのバスは発着していますが、そこからのバスは何時に出発するか決まっていません。

それに対し桂林駅より500メートルほど離れたところにあるバスターミナルからは、陽朔行きのバスがおおむね定刻通りに出ているので、時間が限られる旅の際にはこちらのバスがおすすめです。

しかし陽朔には昨年より中国の新幹線である「高鉄」が開通し、陽朔観光はこちらを通して行うのが現在では最も便利となっています。

新幹線の駅「高鉄陽朔駅」から陽朔中心までは少々距離があるため、駅から陽朔中心まではバス等で行くこととなりますが、それでも陽朔駅から街の中心までは40分ほど。また高鉄では空港のある広州とも結ばれているため、日本からの観光も非常に便利となっています。

中国古来より親しまれてきた山水がみせる風光明媚な風景で多くの外国人観光客を惹き付けてきた陽朔。市内中心は“洋人街”との異名を持つほど外国人観光客が多くなっている陽朔は、中国の田舎町でありながら日本人観光客にとっても観光しやすい場所となっています。

昨年より新幹線も開通し、交通の便もよりよくなった陽朔の街に一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。