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針供養の風習の由来とは?開催される主なお寺や神社に日程もご紹介!

針供養の風習の由来とは?開催される主なお寺や神社に日程もご紹介!
投稿日: 2017年12月22日最終更新日: 2020年10月8日

針供養という言葉を聞いたことはありますか?おばあちゃん子だったという方はなんとなく聞いたことがあるということもあるかもしれません。針供養とはいったいどんな由来があり、どんな風習なのでしょうか?日本の風習のひとつ針供養についてまとめてみました。

針供養について学んでみよう見出し

年末が近づいたり新年を迎えたり、近代化になっても日々の節目になると少し気になるのが自分の国の風習です。針供養もそんな身近にあるのだけれど実はあまり知らないという方もいらっしゃる風習の一つです。針供養はどのようにするのか?どこでするのか?由来はどこからきたのかなど、自分のルーツを知るように順番にチェックしていきましょう。

針供養とはなんでしょう?見出し

針供養とは曲がったり折れてしまった、または錆びて使えなくなってしまった針を供養する行事のことを指します。それらの使えなくなった針を神社やお寺に納めます。また同じく使えなくなった古い針を豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに刺すことによっても供養とし、裁縫の上達を祈願します。

針供養の由来は?見出し

それではこの素朴な風習はどこからやってきたのでしょうか?由来はいろいろですが、まずは中国の土地神の祭日には針仕事を休むという風習が日本にやってきたという由来で、土地の風習と混ぜ合わさったという説です。中国の文化の影響を強く受けた昔の日本ではありえる由来の一つと思われます。

この由来の始まりがいつなのかさだかではありませんが、平安時代に清和天皇によって針供養のお堂が法輪寺に建立されているとのことなので、かなり昔から針供養の風習はあったようです。しかしながら平安時代にはまだ一部の人々しか針を使っておらず、針供養の風習はまだ一般的ではなかったようです。

もう一つ有名なのが同じく中国の風習が、和歌山県の淡島神社の淡島信仰が合わさって全国に広まったという由来です。淡島神社ご祭神の少彦名命(すくなひこなのみこと)は、初めて裁縫の道を伝えたという神様です。神社は全国の淡島神社・粟島神社・淡路神社の総本社になり、もちろん淡島神社でも針供養も行われています。

針供養はいつ行われるの?見出し

行われる日程ですが、2月8日、または12月8日もしくは両方の日程など神社、お寺、地域によって異なります。関東では2月8日、関西では12月8日に行われるといわれていますが、必ずしも関西だから12月8日に行われるというものではありません。いづれにしろキーとなるのは2月8日と12月8日という二つの日程のようです。

これらの日程は古来の日本旧暦の事八日(ことようか)という考え方から来ているそうです。これらの日程はそれぞれ事始の日、事納めの日とされており、当時の人々の暮らしに関わり深い日程だったようです。事八日の「事」は神事などを意味をもち、どちらの日程も慎みをもって過ごす日とされており、その時に日ごろお世話になっている道具である針を供養してきたようです。

針供養になぜ豆腐?見出し

それではなぜ針供養をするのに豆腐やこんにゃくにさしたりするのでしょうか?ミシンや既製品の服がなかった昔の日本では、特に昔の女性にとって針はとても大事な道具のひとつでした。そんな針は毎日硬い生地に刺していたので、錆びたりして使えなくなってしまった針は、最後くらいは柔らかいところで楽にしてくださいという気持ちから来たらしいです。

また古くなった針を食べ物に刺すことによりお供えの意味もあるそうです。昔の人々はとても物を大切にしたので、これらの考えはとても興味深く、針に対する思いやりを表しており美しいものです。針供養に見える思いやりの心や物を大切にする姿勢は、私たち現代人が忘れかけていてる、古来の美しい日本人から現代人として学ぶ事柄なのかもしれません。

針供養の後の豆腐は食べるの?見出し

さて針供養に使った豆腐ですが、少し疑問が残ります。物を大切にするため針供養を行ったのに、使った豆腐はそのまま廃棄してしまうのでしょうか?廃棄してしまったら豆腐は成仏できないのではないでしょうか?といった疑問です。どうやら使用した豆腐は針を抜いてさいの目に切り,おいしいおいしいと言って食べてあげると成仏するとのことです。

針供養が行われる神社やお寺はどこにある?見出し

法輪寺

まずは前述した嵐山の法輪寺です。京都にあり12月8日と2月8日に開催されます。こんにゃくに針を刺して供養するのは勿論のこと、奈良時代の装束で舞いが振舞われたりします。またこちらの針供養は皇室で使用された針を供養するように、天皇の命により始まったといわれているため、現在でも毎年皇室の古くなった針を預かり、供養しているそうです。

12月の針供養のほうがより参拝者が多いそうですが、年配の女性の方も和服に身を包み昔ながらの針供養に参加しているようです。供養は大抵午後一時から1時間ほど行われます。針納箱に日ごろ使っている針を納めることもできますが、針を預けるとこが出来るのは針供養当日のみなのでご注意下さい。

京都・法輪寺の見どころを紹介!嵐山の十三参りや針供養とは? | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
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「法輪寺」は行基により開創された真言宗五智教団の寺院。「嵯峨の虚空蔵さん」として親しまれています。奥州会津柳津の円蔵寺、伊勢朝熊山の金剛證寺と並び、日本三大虚空蔵のひとつです。十三参りや針供養などの行事をはじめ、法輪寺の見どころや御朱印、アクセスをご紹介。

荏柄天神社

鎌倉にある荏柄天神社(えがらてんじんしゃ)の針供養は毎年2月8日開催です。最近では裁縫の針だけではなく、鍼治療用の鍼も供養に持ってこられるそうです。荏柄天神社は針供養以外にも行きたい花や自然が美しい神社で、針供養の頃には拝殿の左側に植えられている古代青軸の梅が見ごろ、また拝殿右側にある寒紅梅も1月下旬の筆供養のころに見ごろとなるそうです。

淡島神社

前述した淡島神社ですが、2月8日に毎年供養が行われます。人形供養で有名な神社なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、針供養もこちらで開催されております。こちらの針供養は針がお祓いを本殿で受けた後に、針塚に納められるそうです。いままでご紹介してきた針を豆腐などの柔らかいものに刺して働きを思いやるのとは違います。

塩かけて土に返すことでお疲れ様と今までの働きを感謝したり、針仕事が上達するように祈願するのだそうです。お守りも安産お守り、子授かり、女性の健康守りなど、女性にとってはありがたい神社でもあります。針供養以外の時期で雛流しの行事の際は大変混雑するのでご注意下さい。

浅草寺

浅草寺で針供養が行われる2月8日のころには、梅が見事な浅草寺です。浅草寺では針供養会(はりくようえ)と呼ばれ、たくさんの人々でにぎわいます。普段でも観光客に人気の浅草寺なので、この日はもちろんより一層の混雑が予想されます。しかしながらこちらの針供養はより古き良き昔の日本が感じられるので一度足を伸ばしてみるのもいいかもしれません。

長浜八幡宮

滋賀県長浜市には、長浜八幡宮にて12月8日に開催されるこんにゃくに針を刺す針供養があります。針供養以外に12月の15日には「火きり神事」という国内最古の神事の一つがあり、古代の火熾し器で「神の浄火」という神の火を起こします。それ以外にも境内内にはあちらこちらに珍しいものがある穴場的な場所です。

現代人の望みを叶えるためかボケ封じの宮があったり、境内で朝ヨガが開催されたり、幸せになるようにくぐる縁の松などいろいろ見どころもある長浜八幡宮です。針供養の帰りに近くの長浜大手門通り商店街に寄ってぶらりとすることも出来ますし、ちょっとしたお出掛けに最適です。

若宮八幡社

愛知県名古屋市にある若宮八幡社の針供養は2月8日に有料で行われますが、街中にあるとは思えないほど緑豊かな境内です。針供養は約2時間で、2017年の針供養では甘酒が振舞われたり、十二単の着付けがあったり、二胡の演奏があったりと針供養を中心にいろいろ楽しめる内容だったそうです。

公式インスタアカウントによると、境内にはあちらこちらにハートが隠れているそうです。迎賓館の中庭カフェではドリンクでリラックスタイムがもてたりと、現代化に適応しつつも針供養を始めとする茅の輪くぐりや大祓式など昔ながらの神事も行っています。5月には名古屋三大まつりのひとつ若宮まつりも開催されるそうです。

神社やお寺以外の針供養見出し

昔は主婦が主に行っていた針供養ですが、一般の人があまり針仕事をしなくなった現代では主に服飾関係の学校や企業が各団体で行っているそうです。手縫いですることがめずらしくなった現代ですが、やはり感謝の気持ちをこめたり技術が上達するように願いをこめておこなっているようです。

富山の針供養トリビア見出し

富山県ではおもち贈り物に送ることが多いらしく、針供養の時期には「針せんぼ餅」というものを送る習慣があるそうです。また「針歳暮」はお嫁に行った年の初めての針供養の時期に実家から嫁ぎ先へ送られる、初めてのお歳暮だそうです。地域ならではの興味深い習慣のひとつです。

針供養を体験してみよう見出し

いかがでしたか?裁縫を家庭でする方たちが少なくなった昨今では遠のいてしまった針供養ですが、何かの区切りということでは人生に活をいれてくれそうな風習です。次の針供養の日には新しい自分をイメージして神社やお寺などで針供養に参加してみませんか?一針一針、丁寧に素敵な毎日が仕立てあげられますように。

投稿日: 2017年12月22日最終更新日: 2020年10月8日

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