地域

地域から探す

  • 日本
  • 北米
  • 中南米
  • アフリカ
  • 中東
  • アジア
  • ヨーロッパ
  • オセアニア
キーワード

キーワードから探す

佐原の大祭(たいさい)!夏祭り・秋祭りの日程・見どころは?

佐原の大祭(たいさい)!夏祭り・秋祭りの日程・見どころは?
投稿日: 2017年4月11日最終更新日: 2020年10月7日

小江戸と呼ばれ、繁栄を誇っていた千葉県の水郷「佐原」。その面影が今も残る小野川と香取街道沿いは、関東で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されました。夏と秋には、関東三大山車祭りのひとつで300年もの伝統を誇る荘厳な大祭「佐原の大祭」が開催されます。

関東三大山車祭である「佐原の大祭」見出し

千葉県香取市に、「小江戸」と呼ばれ栄えた「佐原(さわら)」という街があるのをご存知でしょうか。今でも当時の情緒あふれる景観を残し、300年もの伝統を誇る、関東三大山車祭のひとつ「佐原の大祭(たいさい)」の伝統を受け継いでいます。一度は訪れてみたい「佐原の大祭」の魅力をご紹介します。

水郷の街「佐原」見出し

水運が利用されていた江戸時代の面影が今でも色濃く残る佐原。小野川沿いと香取街道沿いを中心として、蔵造りの店、木造の町家、洋風建築などが立ち並ぶ情緒溢れる景観は、佐原が「江戸優り」と言われていたころの煌びやかな時代を彷彿とさせます。この美しい街並みは、今も家業を続ける方々によって生きたまま残されており、国指定史跡の伊能忠敬旧宅とともに重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

「さわら雛舟(ひなぶね)春祭り」では、鮮麗な雛衣装を身に纏ったお内裏様とお雛様一行が、小野川をゆったりと舟で進みます。雅楽の音色が漂うなか優雅に進むその姿は、まるで雛人形が動き出したかのような美しい光景です。

「佐原の大祭」とは見出し

300年もの伝統を誇る荘厳な「佐原の大祭」は、関東三大山車祭のひとつとされています。「佐原の大祭」は、7月に本宿地区の八坂神社で行われる祗園祭、通称「夏祭り」と、10月に新宿地区の諏訪神社で行われる「秋祭り」、この二つの祭りの総称です。

山車の天上部に大人形が鎮座し、匠の技を集結して彫られた重厚な彫刻を纏った山車が、「佐原囃子」を演奏する下座連を乗せて、心地よい音色を漂わせながら街中を練り進みます。「佐原囃子」は日本三大囃子のひとつであり、佐原の大祭「夏祭り」と「秋祭り」はユネスコ無形文化遺産、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

「佐原の大祭」の日程

本宿地区の八坂神社で行われる祗園祭、通称「夏祭り」は、7月10日以降の金曜日・土曜日・日曜日、新宿地区の諏訪神社にて行われる「秋祭り」は10月第2土曜日を中日とする金曜日・土曜日・日曜日という日程になっています。平成29年のお祭りは、夏祭りが7月14日(金)・15日(土)・16日(日)、秋祭りが10月13日(金)・14日(土)・15日(日)の日程です。

地区によって異なる山車

「小野川」を中心に東側は本宿、西側は新宿と呼ばれています。「夏祭り」は本宿地区の八坂神社で、「秋祭り」は新宿地区の諏訪神社で、別々に祭りが行われます。山車天上部の大人形は、さらに細かく分けられた地区によって異なり、本宿地区からは山車10台、新宿地区からは14台の山車が、それぞれの大人形を乗せて曳き廻されます。

「佐原の大祭」ー夏祭りー見出し

祗園祭、通称夏祭りは7月10日以降の金曜日・土曜日・日曜日の日程(平成29年のお祭りは7月14日(金)・15日(土)・16日(日)の日程)で本宿地区の八坂神社にて行われ、10台の山車が曳き廻されます。手踊りや山車の曲曳きも行われ、特産品の販売やイベントもあります。

「夏祭り」の山車の種類

船戸区の「神武天皇」、下仲町区の「菅原道真」、上仲町区の「太田道灌」、荒久区の「経津主命」、本川岸区の「天細女命」、八日市場区の「鯉」、浜宿区の「武甕槌命」、寺宿区の「金時山姥」、田宿区の「伊弉那岐尊」、仁井宿区の「鷹」と沢山種類があるんですよ。

「佐原の大祭」ー秋祭りー見出し

秋祭りは10月第2土曜日を中日とする金曜日・土曜日・日曜日の日程(平成29年のお祭りは10月13日(金)・14日(土)・15日(日)の日程)で新宿地区の諏訪神社にて行われ、14台の山車が曳き廻されます。山車の曲曳きやイベントなどが行われます。

「秋祭り」の山車の種類

新橋本区の「小野道風」、下分区の「小楠公」、仲川岸区の「神武天皇」、下川岸区の「素盞嗚尊」、上中宿区の「西八郎為朝」、下宿区の「源頼義」、東関戸区の「大楠公」、西関戸区の「瓊々杵尊」、上新町区の「諏訪大神」、北横宿区の「日本武尊」、下新町区の「浦嶋太郎」、新上川岸区の「牛天神」、南横宿区の「仁徳天皇」、上宿区の「源義経」、中宿区の「桃太郎」(山車破損により出ない)があります。

「佐原の大祭」ー山車の造りー見出し

天上部には、地域によって異なる大人形が乗っています。山車が曳き廻されているときに漂う優しい囃子の音色は、下部に乗り込んだ下座連(囃子方)の演奏によるもの。山車の周囲には精巧な「関東彫り」が施され、大人形の迫力にさらに重厚感が加えられます。彫刻のモチーフは日本神話や太平記、太閤記、三国志、水滸伝など中国の故事、龍や獅子など。生き生きと描かれたその姿、一度は目にしておきたいものです。

制作者や制作年も、山車、大人形、山車額、彫刻など部位によって異なり、いかに匠の技の集大成であったかが窺えます。例えば下仲町区の山車は、人形師の大柴徳次郎、揮毫は野村、彫工の佐藤光正と光清など、数人の熟練職人が携わっています。

「佐原の大祭」ー大人形ー見出し

山車の天上部には、日本神話の登場人物や歴史上の人物をモチーフとする重厚な大人形が鎮座しています。大人形は地区によって異なり、4〜5メートルにもおよぶ日本最大級の大きさ。江戸時代から明治大正時代に、熟練人形師により制作されたものとなっています。

夏祭りに曳き廻される八日市場の「鯉」、仁井宿の「鷹」は、町内の人々が麦藁や稲藁を素材として造ったものです。精巧な造りによって鯉や鷹の躍動感が表現され、今にも動き出しそうな堂々とした姿は圧巻です。

「佐原の大祭」ー曳き廻しとはー見出し

佐原の言葉で「曳き廻し」とは山車を動かすこと。曳き廻しでは、長さ4メートル重さ20キログラムもある「てこ棒」を巧みに操り、進む方向や速度を決めています。山車の周りでは総踊りが大祭を盛り立て、活気溢れる祭りとなっています。

「佐原の大祭」ー曲曳きとはー見出し

熟練の技が必要とされる「曳き廻し」。そのさまざまな技を競い、楽しんでもらうための曳き廻しは「曲曳き」と呼ばれています。「のの字廻し」「そろばん曳き」「小判廻し」の3つが基本です。

のの字廻し

左の前輪を軸として、「の」の字を書くように時計回りに山車を回転させる「のの字廻し」。軸をずらさず回転させるには、熟練の技が必要です。回転速度にも工夫があり、山車の大人形が能の舞をしているように、ゆっくりと回転するのが良いとされています。

そろばん曳き

まるでそろばんを裏返して前後に滑らせているかのように、緩急つけながら直線的に山車を往復させるのが「そろばん曳き」。大きな危険をともない、間違えれば「ご破算」になるかもしれないことから、このような名前で呼ばれるようになりました。アップテンポの囃子に合わせてスピードを上げて前進し、その後急停止。今度はスローテンポの囃子とともにゆっくり後退していきます。

小判廻し

小判のように楕円形を描ながら、ゆっくりと山車を曳き廻す「小判廻し」。「のの字廻し」や「そろばん曳き」と比べると派手さはないですが、佐原は道が狭いため難しく、熟練のテクニックが必要とされています。

「佐原の大祭」ー夜の山車ー見出し

山車の楽しみは昼間だけではありません。日が暮れると山車の提灯に灯がともり、まるで山車が夜空に浮かび上がっていくかのようなノスタルジックな光景が広がります。小野川の水面に映るライトアップされた大人形、提灯の灯火、そこここに漂う情緒溢れる囃子の音色。かつて栄えていたころの佐原を彷彿とさせる、格調と華やかさがひしめき合う空間となっていきます。

「佐原の大祭」ー佐原囃子とはー見出し

山車が曳き廻されている間、佐原囃子を演奏するのは下座連。佐原囃子は、京都の祗園囃子、江戸の神田囃子と並んで日本三大囃子のひとつとされ、国の重要無形民俗文化財となっています。一般的な祭り囃子がリズム中心なのに対し、佐原囃子は情緒的な旋律を奏でます。「砂切り」から始まり「馬鹿囃子」「三番叟」など状況に合わせて囃子が演奏され、曳き廻されている時にご祝儀をもらうとお礼の手踊りを披露してくれます。

下座連の構成

笛(篠笛)5〜6人、大鼓(大皮)1人、小鼓(皷)4〜5人、大太鼓1人、小太鼓1人、すり鉦1人の15人前後で構成されています。「下座」とは佐原の言葉で「囃子」の意味。山車の下部にこれだけの人数が乗っているとは驚きです。

音曲の種類

「段物」「役物」「端物」の3種類に分類され、50曲以上存在。「段物」は能や歌舞伎の流れを汲み佐原独自に発展した音曲で、佐原囃子の軸となっています。代表的な曲は、吾妻、巣ごもり、八百屋など。「役物」は神楽囃子や江戸囃子のように一本笛、太鼓、すり鉦をメインとした儀式的な音曲で、砂切り、馬鹿囃子、はな三番叟の3曲となっています。「端物」は民謡などをアレンジしたもので、20数曲存在しています。

一度は見たい大迫力の「佐原の大祭」見出し

いかがでしたでしょうか?迫力ある大人形と情緒的な囃子、豪快な曲曳き。関東三大山車祭のひとつ「佐原の大祭」に行ってみたくなりましたか?「夏祭り」と「秋祭り」では山車の種類も異なり、どちらも見応えがあります。それぞれの魅力を味わってみてくださいね。

もっと佐原の情報を知りたいアナタへ!

佐原(さわら)観光!小江戸・水郷の風情ある街並みを楽しむスポット! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
佐原(さわら)観光!小江戸・水郷の風情ある街並みを楽しむスポット! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
かつての古い町並みの残る千葉県にある佐原には、小江戸を思わせる風情のある雰囲気や利根川の水を活かした水郷エリアなど、様々な魅力を楽しむことのできるスポットがたくさんあります。今回は、そんな小江戸佐原・水郷エリアにある観光におすすめな観光スポットをご紹介します!
佐原でうなぎ!絶対行きたいおすすめ人気店をランキングで紹介! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
佐原でうなぎ!絶対行きたいおすすめ人気店をランキングで紹介! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
佐原には、新鮮なうなぎを扱う老舗がたくさんあります。そしてうなぎが美味しいだけでなく、江戸時代から残る風景を眺めながらうなぎをいただける素敵な場所。みなさんに佐原の新鮮なうなぎを食べてもらいたいので老舗のランキングをつけました。助けになれば幸いです。
佐原でランチ!グルメレストランおすすめ21選!イタリアンや古民家カフェも! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
佐原でランチ!グルメレストランおすすめ21選!イタリアンや古民家カフェも! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
都心から電車で約2時間の場所にある【千葉県香取市】は、江戸時代にタイムスリップしたかのような伝統的な町並みが続く小京都。まちには昔から続く老舗店や古民家カフェをはじめ、ロケーションを楽しめるランチスポットがたくさん◎ そんな佐原のおすすめランチを紹介します!
投稿日: 2017年4月11日最終更新日: 2020年10月7日

アイコン

RELATED

関連記事

アイコン

人気記事ランキング

アイコン

公式アカウントをフォローして最新の旅行情報をチェックしよう!


  • instagram
  • line

公式アカウントをフォローして
最新の旅行情報をチェックしよう!

旅行や観光スポット・グルメ・おでかけに関する情報発信メディア

©TravelNote