府中くらやみ祭りとは?
府中市の大國魂神社で行われる歴史のある「くらやみ祭り」は、毎年ゴールデンウィーク期間中に行われるお祭りです。今年2018年の開催期間は4月30日〜5月6日の1週間に渡って開催され、屋台も沢山出る見所満載の有名なお祭りです。今回はこのくらやみ祭りの開催される時間や名前の由来、くらやみ祭りの歴史についてご紹介していきます!
府中くらやみ祭りが行われる大國魂神社
くらやみ祭りが行われる大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)は、東京都内屈指の歴史ある古社です。大國魂神社の起源はなんと西暦111年にも遡ります。1646年には社殿が焼失するという不運な歴史もありましたが、その後の1667年に将軍家綱の命令により再建築されました。現在では、この大國魂神社の本殿は都文化財に指定されています。
大國魂神社には大國魂大神が祀られています。この大神様は縁結びや厄除け、厄払いなどで有名な神様です。かつては人々に衣食住を教え、医療法などを授けたそうです。そして今の大國魂神社の参道にある欅並木は、国の天然記念物に指定されている貴重な木です。そのため非常に緑が豊かなので現在では地域の人や訪れる人たちの憩いの場所にもなっています。
府中くらやみ祭りという名前の由来は?
くらやみ祭りの名前の由来ですが、その名の通りこのお祭りは昔はくらやみの中で行われていたことが名前の由来となっています。なぜ暗闇の中で行われていたかというと、昔の儀礼で「尊いものを見るべからず」という言葉通り、神聖な神様の行事を人の目に触れさせはいけないということから、神事を夜のあたりが暗い時間帯に行われていたそうです。
それがくらやみ祭りの名前の由来となっています。現在日本で行われているお祭りは日中開催されるものが多いですが、昔ながらの信仰を守って今も夜の時間帯に行われるお祭りもまだまだ残っています。そしてくらやみ祭りは2010年に都指定無形民族文化財に指定されました。この由来を心に止めておくとお祭りに対して神聖な感覚を味わえるかもしれません。
府中くらやみ祭りの歴史は?
歴史のあるくらやみ祭りは元々武蔵国で11世紀頃に行われていた国府祭りが始まりだったと言われています。武蔵国とは現在の埼玉県、東京都、神奈川県などの広範囲の土地を指しますが、7世紀頃にはこの地域が武蔵国と呼ばれていました。その地域の中にある主な神社を合わせて祀っていた総社がこの大國魂神社でした。
そしてその総社で開催されるくらやみ祭りの時には村人だけではなく、他の地域、江戸中からもたくさんの人がやってきます。そのためこのくらやみ祭りは普段はあまり村から動かずに閉鎖的に過ごしている人々には絶好の「異性との出会い」が訪れるチャンスでした。村人同士で結婚と出産を繰り返していると血が濃くなってしまうという弊害がありました。
それが、このくらやみ祭りで色々な地域から人が訪れることによって村人以外の人と出会い、結婚や出産をすることで、村を守ったり、子孫を繁栄したりということにも役に立っていたようです。現在のくらやみ祭りは歴史と違い夜の時間帯だけではなく、時代の変化とともに少しずつ時間帯や内容を変化させながら続いています。
府中くらやみ祭りの開催期間は7日間!
そのくらやみ祭りは、なんと4月30日〜5月6日までの一週間に渡って行われます。開始時間や内容がその日によって異なり、見所が満載です。そしてこのくらやみ祭り期間中は屋台もたくさん出て、非常に賑やかな雰囲気に包まれています。その歴史のある祭りを一目見ようと、たくさんの人々がこのくらやみ祭りに訪れるのです。その数観毎年70万人だそうです。
そして、5月3日からは関東各地から植木屋が集結して、盛大な植木市を開いたり、たくさんの屋台が出店されたりします。この植木市やたくさんの屋台を楽しみに出かけてくる人たちも大勢います。このお祭りの楽しみ方は人それぞれです。屋台を楽しむだけにくる人、期間中何度も通う人、最後の神輿渡御だけを見に行く人、と様々な楽しみ方があります。
府中くらやみ祭りの見所1:品川海上禊祓式
品川海上禊祓式は4月30日午前9時半〜午後3時半の6時間に渡って行われます。品川海上禊祓式は「汐盛り」とも呼ばれる神事で、この行事から祭りが始まります。まず、神職一行が品川海上に身を清めるために出ます。そしてその際に清めのための「汐水」を汲んで神社に持ち帰ります。お祭りの期間中に行われる朝夕潔斎の時にこの汐水を使用するそうです。
府中くらやみ祭りの見所2:山車の競演
お祭りに屋台が出始める、5月3日に行われる見所の行事は「山車の競演」です。馬場大門欅並木に山車が約8台出て、午後6時〜午後8時の2時間の間、はやし立てて祭りを盛り上げます。山車で行われる府中囃子の競演はとても華やかで、とても熱気があり、お祭りを楽しむ人たちの気分も盛り上げてくれます。
山車に乗った子供達が面を被り、着物で踊る姿はなんとも言えず可愛らしいものです。そして面をかぶることによって、ただの人間の子供ではなく、神聖なもののような感情を覚えてしまうのがとても不思議です。可愛らしい手や振る舞いも、たった1つのお面だけでこうも印象が変わってしまうのは、やはり神聖なお祭りだからなのでしょうか。
府中くらやみ祭りの見所3:競馬式・こまくらべ
5月3日のイベントで、最大の見所がこちらの「競馬式・こまくらべ」です。この競馬式は午後8時から旧甲州街道で行われます。6頭の御神馬に乗った騎士は、烏帽子と直垂をまとい、街中を走り抜けるのですが、その距離は150mで、これを3往復します。この行事は約1000年も続いている歴史ある行事です。
この競馬式は決して馬の速さを競うものではありません。その昔、武蔵国府のあたりには牧場が多く、良い馬がたくさん出ていました。その良い馬を国司が朝廷に優れた馬を献上するために馬を走らせて検閲していたそうです。その形式だけが今も残っていてい約1000年も続けられている歴史の長い行事です。
府中くらやみ祭りの見所4:太鼓の響宴
5月4日の午後5時〜午後6時の1時間では、太鼓の饗宴が行われます。日本最大級の太鼓が神社の鳥居の前に集結し、迫力ある音を府中の空に響かせます。内臓に響くような太鼓の音と、祭りの空気感、そして夕暮れの日が落ちていく雰囲気が雄大さを感じさせてくれます。この雄大さは1度体感してみる価値がありますので、ぜひ見学しに行ってみてください。
府中くらやみ祭りの見所5:山車の巡行
続いて5月4日の午後6時〜午後9時の間には24基の山車が甲州街道と欅並木周辺をお囃子を響かせながら練り歩きます。24基の山車はそれぞれに個性があってとても華やかです。その個性豊かな山車のお囃子の競演もさることながら、その動きに合わせて提灯がゆらゆらと揺れる姿も風情があり、日本のお祭りの良さを十分に感じることができます。
府中くらやみ祭りの見所6:神輿渡御
くらやみ祭りの行事で最も大切な行事は、5月5日の午後6時から始まる神輿渡御でしょう。花火の合図と共に大太鼓の音が闇にとどろき、8基の神輿を担いだ男たちがぶつかり合いを始め、大太鼓の先導でお旅所を目指して移動します。そのお旅所を目指す道中は太鼓の迫力ある低音と、担ぎ手の掛け声、それを見守る観客の熱気が気分を高めてくれます。
大國魂神社へのアクセスする際の注意点
大國魂神社へのアクセス方法でまず注意したい点は、屋台が出店され始める5月3日から6日までは交通規制が行われます。ですから、通常通れる道も規制されていることがありますのでご注意ください。市営駐車場など使用できない日にちや時間帯などがありますので、公式のホームページで確認してみることをおすすめします。
またくらやみ祭り開催時の臨時駐車場として、市役所北側市有地を利用できるようです。こちらが利用できるのは5月3日〜5日の3日間で、午前10時〜午後10時の間です。もし車でくらやみ祭りに遊びに行こうと思っている方は、駐車場情報や交通規制情報なども事前に調べていくと、現地についてから困ることが少なくなるかもしれません。
住所:東京都府中市宮町3-1 電話番号:042-362-2130
府中くらやみ祭りを体験してみよう!
いかがでしたか?くらやみ祭りの魅力は、実際に行ってみて体感してほしいものばかりです。屋台を楽しみに行くのもいいですし、この代表的な行事ごと以外にもたくさんの行事が行われていますので、ぜひ時間を作って遊びに行ってみてください。そして日本の伝統を肌で感じて体感してみると、今までにない感情を感じることができるかもしれません。
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