黒根岩風呂は海抜0メートルの絶景温泉！アクセスや営業時間に料金は？

オーシャンビューの温泉は日本全国に数あれど、海岸にある露天風呂となると別格です。今回は、太平洋に面した東伊豆の「黒根岩風呂」をご紹介。海抜0メートル、限りなく海に近い温泉の人気の秘密をリサーチしました。利用方法から営業時間、利用料金、アクセス方法、駐車場の情報までたっぷりとご紹介します。

黒根岩風呂は、静岡県の東伊豆エリアにある北川温泉を源泉とする公営の野天風呂です。北川温泉は城ヶ崎と熱川の中間にある比較的新しい温泉郷で、昭和の始め頃、素潜りの漁師が岩の変化に気が付き掘ってみたのが温泉発見のきっかけになったのだとか。黒根岩風呂ももちろん天然の北川温泉を源泉掛け流しで使用しています。

泉質は含塩化土類食塩泉で、色やにおいはありませんが海水のように塩気が感じられます。体に傷がある人には少ししみるかもしれません。源泉の温度はおよそ70度で、外気温に合わせてお風呂の温度を調整しているので年間を通して快適な温度で入浴できます。効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、うちみ、くじき、慢性消化器病、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病など様々です。

黒根岩風呂は誰でも利用することができます。道路脇に建つ小屋に料金所があり、受付の人に料金を支払って入場します。受付に人がいない時は営業時間外なので入浴はできません。施設は湯船のみで、洗い場とシャワーはないのでシャンプーや石けん類は使用できません。黒根岩風呂にはバスタオルのみ貸し出しの用意があります。

駐車場は受付のある小屋の向かい側にあり、無料で駐車できます。駐車場はおよそ12台収容可能です。ハイシーズンでない限り駐車場がいっぱいになることは珍しいですが、近隣には時間貸し駐車場がないため専用駐車場が空くのを待ちましょう。駐車場は営業時間外にはロープが張られて入退場ができなくなるので、駐車場にそのまま停めっぱなしにしないように注意しましょう。

黒根岩風呂には3つのお風呂があります。かつては開放的な混浴の温泉として人気のあった黒根岩風呂ですが、地域の条例により完全に男女別の温泉となりました。男湯は手前の2つの岩風呂です。改装により屋根がついたので雨の日でも入浴でき、何より上の道路を通行する人たちから丸見えということがなくなりました。脱衣所は清掃が行き届いていると評判です。

海岸に掘られた温泉は海から数メートルしか離れておらず、時には波しぶきがかかることも。海抜0メートルだけあり、湯船につかると目線はほぼ海面と同じ高さとなり、海水浴をしているような気分で温泉が楽しめます。刻々と変わる海の表情を眺めていると時間を忘れてしまいそうです。

温泉のお湯は、営業時間が終わると全て抜かれて湯船は空っぽになります。頻繁にお湯の入れ替えをしているので、洗い場こそないもののさほどお湯の汚れは気にならないという声も。清潔になるためのお風呂ではなく、あくまでも相模灘の絶景を楽しむための温泉として黒根岩風呂を楽しむことをおすすめします。

女湯は石造りの円形風呂です。岩風呂ほどの野趣はないものの、まるで海とつながっているように見える湯船は大自然に包まれている開放感と安心感があります。野天風呂ですが水着の着用は認められていません。バスタオルを巻いて入浴するか湯浴み着を着用することは可能です。バスタオルは受付で借りることができます。

19時から21時の営業時間には、3つのお風呂が全て女性専用になります。ほの暗い波の音を聞きながら温泉に浸かるとリラックスできそう。そして、東伊豆エリアでは満月の夜に「ムーンロード」と呼ばれる幻想的な月光の道が海に浮かび上がる光景が有名です。運が良ければ黒根岩風呂に入りながらムーンロードが見られることもあるかもしれません。

黒根岩風呂の壁には「アメリカを見ながら入る野天風呂」という川柳のようなフレーズが書かれています。実際に遠くの沖に島が見えるので、それがアメリカと思った人がいたのでしょうか。残念ながら黒根岩風呂から見える島は伊豆大島だそうですが、伊豆大島はハワイ島と1962年に姉妹島盟約を結んでいることもあり、あながち間違いとも言い切れないフレーズです。

余談ですが、日本から外国が肉眼で見える場所は存在します。北海道の宗谷岬からはロシアのクリリオン岬、北海道の礼文島スコトン岬からはロシアのモネロン島、長崎県対馬からは韓国の釜山が見えます。沖縄の与那国島西崎からは台湾が見えますが、年に数回のよく晴れた日のみに限られているそうです。

黒根岩風呂の営業時間は1日2回に分かれています。午前の部の営業時間は6時30分から9時30分、午後の部の営業時間は13時から22時までとなっています。そのうち19時から21時までは女性専用タイムとなっているので男性客はご注意下さい。朝の黒根岩風呂は太平洋から昇る朝日が美しく、早起きして見たい絶景です。

黒根岩風呂は1年を通して営業しています。ただし台風などで海が荒れている日は休業となります。一度、台風で黒根岩風呂が流されてしまったことがあるそうなので、天候の悪い日には例え営業していても入浴は避けた方が良さそうです。公営の野天風呂なので、安全に関しては自己責任で行動しましょう。

黒根岩風呂の入浴料金は、大人600円、小人300円となっています。なお、北川温泉の宿に宿泊している人は無料となるそうです。宿の浴衣を着用して行くか、宿のタオルを持って行くことで宿泊者と分かります。北川温泉にはおよそ10ヶ所ほどの温泉旅館があります。ここからは、黒根岩風呂を無料で利用できる宿のおすすめをご紹介します。

北川温泉ホテルは、全室オーシャンビューという眺望が自慢のホテルです。客室は寛げる和室で、広々10畳のスタンダードタイプと露天風呂付きのデラックスタイプがあります。露天風呂はウッドデッキのテラスに設けてあり開放感たっぷり。テラスにはシャワーやデッキチェアも備えてあり、リゾートホテルのような過ごし方ができます。また、大浴場は11階の高さにある展望風呂と、プールのように開放的な屋上の「空中湯園」があります。

食事は客室ではなく食事処で頂きます。北川漁港に揚がった採れたての海の幸を中心とした会席料理で、あわびの踊り焼きや伊勢海老の刺身、金目鯛の煮付けなど贅沢な食材をふんだんに使ったメニューが楽しめます。天ぷらの食べ放題もあり夕食はボリュームたっぷり。朝食には地元産の干物を炭火焼きにしたものが好評です。

宿泊料金はバリエーション豊富なプランにより様々です。スタンダードルームの1泊2食付きなら1万円以下でも宿泊ができたり、赤ちゃん連れのプランは貸し切り半露天風呂が通常2000円のところ無料となったり、平日限定の朝食付きプランは6000円台からとリーズナブルなプランがたくさんあります。黒根岩風呂の入浴も無料ででき、ホテルからは徒歩3分ほどなので駐車場に車を停めたまま歩いて出掛けられます。

黒根岩風呂から最も近い場所にあるのが「星ホテル」です。海鮮料理がおすすめの宿で、素材の新鮮さを活かしてシンプルに炭火焼きで味わうのが星ホテル流なのだとか。伊勢海老やサザエはそのまま網に乗せ、イカは丸ごとホイルに包んでじっくりと焼き上げます。大勢で七輪を囲んで、バーベキューのようにワイワイ楽しめる夕食です。ビールが進みそう!

星ホテルの専務はこちらの猫ちゃん。ホテルの看板猫として宿泊者たちに人気があるそうで、猫のためにお土産を持ってくるお客さんもいるのだとか。港町に住む猫だけに、おいしい海の幸をたっぷり食べているのでしょう。ちなみに、宿泊者のペットの持ち込みはできないそうです。

星ホテルは国道135号線の山側にあり、高台に位置しているため眺望は抜群。客室は全室オーシャンビューのほか、星ホテルには5つの貸切露天風呂があり太平洋の絶景が堪能できます。13時チェックイン、当日22時チェックアウトの日帰りプランでも貸切露天風呂が無料で入り放題というのも人気です。駐車場は無料で20台収容可能です。

贅沢な温泉旅行を満喫するなら、老舗旅館「望水」がおすすめです。北川温泉ホテルの隣に位置する和風モダンな旅館で、女性ファッション誌にもよく取り上げられている人気の宿です。おしゃれな雰囲気とホスピタリティが旅行口コミサイトでも評判で、海外からの旅行者もよく利用するのだとか。

上品な温泉もおすすめのポイントです。大浴場は内湯と露天風呂が2つずつあり、景観にも趣向を凝らしています。また、「プライベートガゼボ」という名の露天風呂のある貸切スペースが好評。海にせり出すように作られた空間は4部屋あり、それぞれ1組50分まで無料で利用できます。

温泉から上がった後は、湯上りサロンで冷たい飲み物やリフレッシュメントを楽しめます。地元の天草で作ったところてんは、わさび味や柚子の香りのポン酢でさっぱりと。朝は地元の畑で採れたばかりのきゅうりやトマトをキリっと冷やしたものが食べられるそうです。心も体もリフレッシュできそうな上質な宿です。

住所:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1126-6 電話番号:0557-23-1230

黒根岩風呂へ電車でアクセスする場合は「伊豆北川駅」が最寄り駅となります。伊豆北川駅は伊豆急線の駅ですが、東京方面からは特急踊り子号がJR線から乗り入れているのでアクセスが便利です。踊り子号の中でも眺望が楽しめる「スーパービュー踊り子号」は、景色を楽しむために車窓が特別大きく作られています。また、子どもが遊べるクッション敷きの専用車両やベビールームも備えており、子連れでの伊豆旅行にはおすすめです。

伊東駅から伊豆急下田駅までの伊豆急線内を運行する特急電車もあります。「黒船電車」と呼ばれる黒塗りの電車は重厚な雰囲気が人気です。土日祝日には特急電車となりますが、平日は普通列車として運行しているため平日に限り普通乗車券の料金で乗ることができるそうです。黒船電車に乗って、北川温泉周辺の観光スポットへアクセスするのもおすすめです。

伊豆北川駅から黒根岩風呂へのアクセスは徒歩でも可能です。駅を出たら分かれ道を左へ、北川港方面へ突き当るまで進みます。旅館が立ち並ぶ海沿いの道をそのまま左方向へ進むと、つるや吉祥亭と北川温泉観光協会の先に黒根岩風呂が見えてきます。

黒根岩風呂へ車でアクセスする場合は、小田原から延びる海岸沿いの国道135号線をひたすら南下します。一本道のためハイシーズンにはどうしても渋滞が発生しがちですが、伊東から城ケ崎の間は、海岸沿いを並行して走る県道109号線でもアクセス可能です。また、箱根方面からは有料道路の伊豆スカイラインが開通しており、熱海峠から天城高原までの区間は伊豆の内陸のドライブが楽しめます。

伊豆スカイラインは天城高原ICで終点となります。天城高原ICからは県道111号線の遠笠山道路を経由し国道135号線の東伊豆道路へアクセスできます。なお、111号線と135号線が合流する地点周辺には「伊豆ガラスと工芸美術館」や「伊豆ぐらんぱる公園」、「伊豆メルヘンの森美術館」といった人気観光スポットのほか、展示内容が気になる「怪しい少年少女博物館」があるので、ドライブの休憩がてら立ち寄ってみるのもおすすめです。

黒根岩風呂周辺のおすすめ観光スポットは「伊豆アニマルキングダム」です。ウォーキングサファリで動物を間近に見ることができたり、ふれ合い体験やエサやり体験などのアクティビティがあったりと、子どもはもちろん大人も楽しめます。園内は中央の駐車場を挟んで動物園ゾーンと遊園地ゾーンに分かれていて様々な施設が盛りだくさん。ドッグランもあるのでワンちゃんを連れての入園も可能です。

営業時間は9時から17時までで、10月1日から3月31日の冬季は営業時間が16時までに短縮されます。最終受付は営業時間終了の1時間前となっています。入場料金は大人2400円、小人4歳以上の料金は1200円です。駐車場は料金がかかり、1台500円となっています。園内では、動物のエサ料金が100円、プレイゾーンの乗り物料金が100円から500円かかります。

アクセス方法は車が便利です。北川温泉から国道135号線を南下し、「稲取高校入口」交差点の分岐を「稲取高原」の案内に従って山道へ入っていきます。道に「伊豆アニマルキングダム」と書かれていたり看板が出ているので、迷う心配はなさそうです。

住所:静岡県賀茂郡東伊豆町稲取3344 電話番号:0557-95-3535

静岡県東伊豆町の「黒根岩風呂」をご紹介しました。手を伸ばせば海に届きそうなほど海に近い黒根岩風呂は、太平洋の絶景を楽しむにはぴったりのスポットです。温泉で体の疲れを取って、さらに絶景を眺めて心もリフレッシュ。温泉旅行を計画している人はプランに組み入れてみてはいかがでしょうか。