御影公会堂の食堂はオムライスが名物！おすすめランチやアクセス方法紹介

神戸市東灘区にある御影公会堂。ここは募金に募って建てられた集会施設です。古いレトロな内装はまるで昭和の世界にタイムスリップしたような雰囲気で、様々な目的で市民に利用されています。この食堂で食べられるオムライスが絶品だとネットで評判になっています。今回はこの御影公会堂及び食堂のランチメニューやアクセスについて紹介します。

御影公会堂の食堂について紹介する前にすこし御影公会堂の歴史についておさらいしておきましょう。神戸市立御影公会堂は1932年に地元の白鶴酒造からの寄付金を集め建てられました。レトロな外観はテレビやドラマの舞台に何度もなっており、NHK朝の連続小説や火垂るの墓に登場していたことでも知られています。

昭和20年に3度にわたって爆撃された神戸大空襲によって御影の町は焦土と化します。御影公会堂も被災してしまい、大ホールも全焼、入り口のロビー以外ボロボロの状態になってしまったのです。終戦後、御影町は財政が厳しく長年修理すらおぼつかない状況でしたが神戸市との合併をしたことで修繕、昭和28年から使用を再開することになりました。

平成七年における阪神大震災では御影公会堂は倒壊を免れ地元の方々の避難所として利用されました。現在の御影公会堂は鉄筋コンクリート3階建て、当時の面影を残す建物は大ホールや会議室など大勢の人々を収容する多目的施設として活用されています。大ホールは約千人が収容できる神戸で最大規模の集会施設でした。

1957年11月より結婚式場を併設し、安く結婚式を行えるということから、述べ2万人組が挙式をあげました。しかし各地に結婚式場が増えたことによって年々挙式数は減少し、1983年には市民総合結婚式場は閉鎖されてしまいました。しかし一階食堂はいまだに営業していて、そこで食べられるランチメニュー、オムライスが美味しいと評判なのです。

そんな歴史のある御影公会堂は耐震性に問題があったということで、約1年にも及ぶ改修工事を経て去年4月にリニューアルオープンしました。外観はそのままの雰囲気を残しつつ、耐震性を高めてより安全に、明るい色で現代にも通じる素敵なデザインになりました。剥がれていた外壁も味がありましたが綺麗になったほうがより親しみもわくでしょう。

まず御影公会堂の中に入って驚くのはドッシリとした外観からは想像できないレトロな空間が広がっていることです。階段付近は吹き抜けとなっているため、見上げると青空が見える素敵な構造です。外壁のスクラッチタイルや窓周辺の分厚い縁取りといった船体を喚起させるデザインが特徴で、神戸にはこういった昔ながらの建物が多く存在しています。

奥にはエレベーターが設置され、漫画やアニメの世界に出てくる洋館のような雰囲気にしばし見とれてしまうでしょう。設計者の名前は清水栄二さんという神戸にゆかりのある建築家がしています。アーチ状の天井や階段のつくりは神戸の様々な施設にも共通しているどこか懐かしさを感じるデザインです。

集会場も3つあり、様々な用途に使われます。白鶴ホールはシンポジウムやセミナー、勉強会が開催されています。また澤之井の間という和室もあり、茶道や生け花など様々なお稽古ごとに使われます。今はなくなってしまった結婚式場など、様々な行事を行う場所として地元の人々に親しまれています。

なお地下一階には食堂のほか御影郷土資料館があります。戦争中にボロボロになってしまった建物、修復をして現在の姿を取り戻した経緯。震災時には避難所として活用された御影公会堂の歴史資料を見ることができます。また御影生まれの柔道の祖、加納治五郎記念コーナーも併設されていますので、食堂でお腹を満たす前に是非足を運んでみましょう。

加納治五郎(かのうじごろう)ってどんな人?という人のためにおさらいしておきましょう。加納治五郎さんは1860年兵庫県生まれの柔道家です。柔道の総本山である講道館柔道の創始者で、柔道のみならずスポーツや教育分野の発展に寄与した人物。明治から昭和にかけて日本スポーツ界の道を切り開いた｢日本の体育の父｣と評される人物です。

1882年には現在の筑波大学の校長を務め、筑波大のキャンパスには銅像が建てられています。また、日本女子大学の創立委員にくわわるなど、宮内省御用掛なども歴任し、教育者としても名をはせた後世に語り継がれる人物です。御影公会堂にはそんな加納さんの資料館があるので、足を運んだ際は是非訪れてみましょう。

そして地下一階、加納治五郎資料館の隣にあるのがこちらの御影公会堂食堂です。シンプルながらも絶品なオムライスを食べられるので、平日にも多くの人が並んでいる時があります。サンプルケースも昭和のレストランを彷彿とさせるどこか懐かしいデザインです。用紙に名前を記入して呼ばれるまで待ちましょう。

ちなみにサンプルケースには様々なメニューが並んでいますが、仕入れによって、または食材の状態によっては限定メニューでの営業となり、サンプル内にある料理を注文できないこともあるので注意しましょう。御影公会堂食堂の定番オムライスに関してはいつでも食べることができます。

食堂の内装は古き良き時代の雰囲気を色濃く反映しています。リニューアルをされても当時の面影をそのままに維持しています。広々とした空間に昭和の雰囲気、初めて訪れたのにどこか懐かしい感覚に陥る温かい洋食店です。昭和に青春時代をすごした方ならタイムスリップした気分になるでしょう。

御影公会堂は全体的にバリアフリーとなっていて、トイレや階段はスロープがついてます。当然御影公会堂食堂も身体にハンデを持つ人々にも優しく出迎えてくれます。食堂内にも大きな段差がありますがその際もベテラン店員さんがこまやかな気配りと配慮をしてくれるため、車いすやお年を召した方でも安心して利用できます。

メニューは定番のオムライスからハヤシライス、ビーフカレーまで、シンプルな洋食メニューが中心です。単品メニューに350円プラスするとスープとサラダがついてきます。お酒を飲みたいお父さんのためにビールも置いてあります。では御影公会堂食堂では具体的にどんなメニューがおすすめなのでしょうか。

御影公会堂食堂といえばオムライス。こちらがランチタイムに行列ができるほど美味しいと評判のオムライスです。小細工はなくシンプルな見た目。スプーンに力をいれなくても中から旨味たっぷりのチキンライスが顔を出します。口に含むと濃厚ソースが口中に広がり、なんだか幼少期の気分を思い起こしてくれるオムライスです。

具はチキンと玉ねぎとマッシュルームといった定番ものが入っています。上品な味付けで、塩分は控えめでチキンライスのトマトケチャップもしつこくありません。温かい味付けとまろやかな酸味でくどさを感じることなく最後の一口まで食べさせてくれます。三ツ星料理のような華やかさこそありませんが、素朴な味だからこそいつまでも飽きません。

食堂が三代目シェフにかわってからトマトソースの酸味が減ってよりコクのあるオムライスになったと評判です。肝心の卵も牛乳が入ったようなふんわりとした味わいでコシがあり、いま巷で人気の｢とろとろ感｣はありません。そういった意味でも流行にながされない昔ながらの｢オムライス｣を食べたいという人々にとって、たまらないメニューなのでしょう。

そして食堂内の雰囲気も重要です。昔ながらのメニューをレトロな空間で食べることでより一層美味しさが引き立ちます。オシャレなレストランで同じオムライスを食べても美味しさは半減してしまうでしょう。全てのメニューに共通していますが、御影公会堂というレトロな空間で食べるからこそ意義があるのです。

そしてこちらみ食べ応え十分、人気メニューのポークロースかつです。豚肉の脂身が適度についていて、コリコリとした歯応えと柔らかい肉が絶品です。豚肉もやわらかいので噛めば噛むほど肉汁がじゅわっと溢れてきて口中に幸せが広がります。仕事に疲れてお腹がペコペコなランチタイムにオススメです。

こちらもオムライス同様昔ながらのシンプルな味付けだからこそいつまでも美味しく感じられます。高級店で食べるようなキレのある特徴的な味わいこそありませんが、母親が作ってくれたような家庭的味わいにほっとするに違いありません。これを食べると実家に帰りたくなる、そんな人が続出するクセになる一品です。

そして洋食の定番エビフライも美味しいと評判のメニューです。プリっとしたエビの旨味とサクっとした衣の歯応えが美味しさ満点です。芳醇なタルタルソースをつければ食べれば食べるほどもっと食べたくなるおいしさがあります。さっぱりした千切りキャベツもついているので油のしつこさをうまく中和してくれます。

その昔、海老は高級品でした。それは養殖技術が今ほど発達してないため輸入品種に限りがあったからです。そのため若い時代に食べたくても食べられなかった中高年男性が当時のエビフライを求めてお店にやってきます。レトロな空間と当時と変わらないエビフライを食べられるのも、御影公会堂が人気たる所以です。

そしてオムライス同様オムハヤシも人気です。オムライス同様卵とチキンライスは絶妙なバランスで、ハヤシソースは肉のグレイビーが濃厚で、オムライスとは違った深みがあります。ケチャップライスを口に入れると深みのある味わいが広がり、ハヤシソースの甘みがそれを追いかけてきます。

卵は分厚そうに見えますが意外と薄巻きなのでたまご特有のしつこさはなく、しっかりライスを包んでくれています。ライス自体もベチャベチャではなく一粒一粒の歯ごたえが心地良く、甘い玉ねぎはハヤシソースをたっぷり吸収していて非常に美味しく食べられます。オムライスが絶品であればオムハヤシが美味しいのは当然といえるでしょう。

そしてこちらも人気メニューのビフカツです。ビフカツとはビーフカツレツのことで、明治時代に一世を風靡したフランス料理が起源とされています。大正時代になると牛ではなく安く食べられる豚のカツレツにかわっていきましたが牛肉文化が色濃い関西地方では牛のカツレツが今も洋食店で親しまれています。

決して分厚くないミルフィーユカツですが、コクのある味わいと酸味のあるデミグラスソースとカツの組み合わせが絶品で、見事な調和をしています。外はサクっと、中はじゅわっと、衣も食べやすくてしつこくありません。美味しさたっぷりの肉汁がご飯と相性ばっちりで、あっという間に平らげてしまう人気メニューとなっています。

おいしいオムライスやハヤシライスを食べたい、そう思ったら御影公会堂までアクセスしましょう。御影公会堂は兵庫県神戸市東灘区と灘区の境目にあります。石屋川を挟み西側が灘区になっていて、東側が東灘区。看板が目印です。御影公会堂自体は建物が特徴的なのですぐわかるでしょう。

最寄り駅は阪神電鉄石屋川駅、徒歩5分でアクセスできます。駅を出たら北へ向かって真っすぐ歩きましょう。御影公会堂は国道2号沿いにあります。のどかな流れの石屋川をみながら北上すれば看板が見えてきます。建物が見えたら入ってみましょう、正面入り口にいる鶴が出迎えてくれます。

住所:兵庫県神戸市東灘区御影石町4丁目4-1
電話番号:078-841-2281

また徒歩ではなくバスでもアクセスできます。バスのアクセスは御影駅より市バスがでています。料金は210円から。16･36系統に乗車｢御影公会堂前｣で下車すれば徒歩0分でアクセスできます。六甲田駅からも市バスがでていますので、徒歩が嫌な場合バスでアクセスしましょう。

なお車でもアクセスできます。その入り口側の駐車場を活用しましょう。ただし入り口駐車場は大勢の来訪者が車を停めるので、満車になりがちです。その場合御影公会堂裏側に広い駐車場があるのでそこを活用しましょう。イベント行事以外の平日であれば駐車場もあいていますので、車でも十分アクセスできます。

御影公会堂のおすすめメニューやアクセスについてまとめました。神戸市にある御影公会堂は絶品オムライスを食べられる食堂があります。もしランチタイムにオムライスをたべたくなったら是非地下1階の御影公会堂食堂までお越しください。レトロな空間で古き良きオムライスに舌鼓をうってみてはいかがでしょうか。