久留米のパワースポット「高良大社」ガイド!
1600年余りという長い歴史のある高良大社は、福岡県久留米市の有名パワースポットです。今回は、重要文化財もあるという高良大社の見どころや歴史、そして高良大社から見られる絶景の様子をたっぷりご紹介します。また、高良大社でいただける御朱印やお守りの種類、そしてアクセス方法や駐車場の情報もお伝えします。
久留米「高良大社」の長い歴史
高良大社に社殿ができたのは古墳時代にさかのぼり、1600年以上の歴史を刻んできた古い神社です。高良大社のある高良山は、高良大社が建つ前からずっと山全体が信仰の対象とされてきたそうです。
弥生時代には、仲哀天皇と神功皇后夫妻がここ高良山に滞在し、さらに神功皇后が玄界灘を渡って朝鮮半島に出兵した折には、高良山の神様の力に助けられたという伝説が残っています。ちなみに、神功皇后は邪馬台国女王の卑弥呼と同一人物ではないかという説もあるのだとか。
高良山に社殿が建立されたのは古墳時代の西暦400年頃で、当時は高良大社という名前ではなく「高良玉垂命」と呼ばれていました。平安時代には、人臣に授ける位階に当たる「神階」が全国の神社に授けられるようになり、高良玉垂命は869年に上から2番目の神階である従一位を授けられました。
1085年には高良宮が一度焼失してしまいますが、後の1311年には伏見上皇の院宣によって高良社が造営されます。その後、時は戦国時代へ移ると、様々な武将たちが高良山に陣を設けて戦を繰り広げるようになっていきます。
高良大社は久留米藩主有馬家ゆかりの神社
戦国乱世が終結し江戸時代へ入ると高良玉垂命のある筑後の国は久留米藩となり、有馬家が藩主となりました。有馬家は高良玉垂命を大切にし、2代目藩主の有馬忠頼は高良山に大猷院という徳川家光の廟を建てたほか、御井町広手参道にある石造大鳥居を寄進しました。
3代目藩主の有馬頼利は、高良玉垂宮本殿と五重塔を造営します。その後も有馬家は世代を超えて高良玉垂宮に寄進を続けたり祭事を行ったりして厚い信仰を寄せてきたので、高良玉垂宮は九州最大級の神社「筑後一宮」にまで発展しました。
有馬家が久留米藩が廃藩になるまで久留米藩主を全うしたことは、高良玉垂宮を深く信仰していたおかげかもしれません。明治時代に入り神社仏閣に関する法整備が行われ、高良玉垂宮は高良神社という社名を経て1947年には現在の高良大社という名前に改称されました。
高良大社のある高良山はパワースポット
高良大社のある高良山は標高312mの山です。高良山は高良大社の社殿が造営される前の時代から人々の信仰を集めており、高良山全体に神が宿るパワースポットと考えられていたことが分かります。
高良山がパワースポットと言われる所以は、古墳時代にたくさんの古墳が高良山に築かれたこともあります。高良山が属する耳納連山からは数千基もの古墳が発見されていて、古代の人々は高良山に何らかの霊的なパワーを感じていたのかもしれません。
高良大社の石段登りにスロープカーが新登場
高良大社が高良山にあるということは、高良大社に参拝するには高良山を登るということになります。鳥居を抜けると本坂には131段もの長い石段が。頑張って登り切った後に後ろを振り返れば久留米の街を見下ろす絶景が待っています。
長い石段を登るのが大変という人のために、高良大社では平成の大修理の際にスロープカーを設置しました。エレベーターのような操作方法で、乗ったら自分でスイッチを押して上まで進みます。運行時間は9時から15時までで、一度に大人6名まで乗車できます。スロープカーはガラス張りなので、乗車中は景色も楽しめます。
スロープカーは石段を登るのが困難な人のために設置されたもので、車椅子やベビーカーを使用している人などが優先的に利用できます。料金はワンコイン程度の志を納めるようになっています。
高良大社の展望台から久留米の絶景を見よう
高良大社の境内には展望台が設置されていて、久留米の街並みや遠くの山々を見渡すことができます。戦国時代にたくさんの武将が陣を設けたのは、この見通しの良さがあったからでしょう。北側は福岡平野、南側は筑後平野です。日本海や有明海は見えないものの近くに位置しており、山や海のパワーを感じられるパワースポットとして人気です。
高良大社の見どころ1【石造大鳥居】
高良山のふもとにある石造大鳥居は、久留米藩2代目藩主の有馬忠頼が寄進し造営したものです。鳥居は神域への入口を示す結界を意味するもので、神社によって鳥居の形式も様々です。高良大社の石造大鳥居は明神鳥居という種類になります。
石造大鳥居が造営されたのは1654年のこと。このように、建立された年が明らかな神社建築は珍しいため、国の重要文化財に指定されています。
高良大社の見どころ2【本殿】
平成の大修理を終えて装いも新たになった本殿は、久留米藩3代目藩主の有馬頼利の寄進により建立されました。本殿は1660年に建立され、その翌年には幣殿と拝殿が造営されました。こちらも石造大鳥居と同様に建立年次が明らかな建築物のため、国の重要文化財に指定されています。
社殿は江戸初期の権現造りで、屋根は古墳時代からの伝統的な手法である「こけら葺」が使われています。大きさは幅17m、高さ13m、奥行き32mという大規模な社殿で、九州でも最大規模の神社建築となっています。重厚な本殿内の彫刻や絵も必見です。
高良大社の見どころ3【奥宮】
高良大社の社殿から足を延ばして高良山を散策してみると、高良大社奥宮にたどり着きます。奥宮は古くから毘沙門天が祀られており、年初や月初めの寅の日に奥宮へお参りすると一層ご利益があるという「初寅祭」は毘沙門天信仰の名残りで、現在でも受け継がれています。毘沙門天は諸願成就の神様。寅の日にはたくさんの参拝客が訪れます。
奥宮には湧き水が出ていますが、その水も天竺の無熱池という伝説の池を法力で招き寄せたという言い伝えがあります。この湧き水は飲むことができ、ペットボトルなどに入れて持ち帰ることもできます。パワースポットに湧き出た霊水を飲んで、毘沙門天の御利益にあずかりたいものです。
高良大社の見どころ4【神籠石】
高良大社の本殿の裏から高良山の山裾までのおよそ1500mという長い距離を、1300個の岩が並べられています。これは「神籠石」と呼ばれ、どのような目的で築かれたのか解明されていない謎の遺跡で国の史跡に指定されています。一説には、古代の城跡や神域を示す印と言われています。なお、同じような岩の列は福岡県内や佐賀県、山口県で8ヶ所確認されているそうです。
高良大社で四季の自然を楽しもう
高良山の広い敷地を境内とする高良大社は自然がいっぱい。高良大社を参拝しながら、四季の移ろいを楽しむ散策もおすすめです。高良大社の四季はそれぞれに美しい景色が楽しめるので、何度でも足を運びたくなります。
5月の連休にはつつじが見頃に
高良大社にはおよそ200本のつつじがあり、毎年美しい花を咲かせます。樹齢は推定200年を超えると言われていて、江戸時代に品種改良によって誕生した「久留米つつじ」は、ここ高良大社本殿の裏に咲くつつじを原木としているのだそうです。毎年ゴールデンウィークには高良大社でつつじ祭りが開かれ、たくさんの人が訪れます。
国指定天然記念物「孟宗金明竹」は必見
高良山に自生する「孟宗金明竹」。孟宗竹の変種とされていて、黄色の節と緑の縦縞模様の節が交互に現れる珍しい竹です。孟宗金明竹は全国で4ヶ所しか見つかっておらず、国指定の天然記念物となっています。高良山では現在300本ほどの孟宗金明竹が育っています。日の光に照らされて金色に輝く孟宗金明竹は神秘的で、パワースポットと呼ぶにふさわしい光景です。
初夏にはあじさい祭が開催
高良山参道の中腹にはあじさい園があり、6月にはおよそ1000坪の敷地に4000本ものあじさいが咲き誇ります。このあじさいは自生ではなく、高良大社と地元住民が協力して毎年植樹しているもの。毎年表情を変えるあじさいの花を楽しみに、あじさいの見頃にはたくさんの人が訪れます。
秋の「もみじ谷」は高良山の絶景スポット
高良山にある有馬家の屋敷跡「蓮台院御井寺跡」の周辺は、「もみじ谷」と呼ばれる紅葉スポットです。また、高良山の中腹も「高良山十景」の一つに数えられる「中谷の紅葉」と呼ばれ、江戸時代から紅葉の名所として親しまれてきました。現在でももみじ谷では美しい紅葉が見られ、毎年11月下旬には「高良山もみじ狩り」というお祭りが行われます。
もみじ谷で行われる「高良山もみじ狩り」では、たくさんの出店が地元名産の食べ物を販売したり、ダンスや演芸などのステージが開かれたりしています。
高良大社の御朱印とお守り
パワースポットとして知られ、弥生時代からの長い歴史を刻んできた高良大社。由緒ある高良大社に参詣したら、ぜひ御朱印やお守りを受けて高良大社のパワーをいただきましょう。ここでは、高良大社の御朱印とお守りの情報をご紹介します。
高良大社の御朱印
御朱印巡りをしている人にとっては、高良大社の御朱印も気になるところです。高良大社の御朱印は神符守札授与所で受けることができます。また、高良大社の末社に当たる愛宕神社、稲荷神社、高良大社奥宮の御朱印も高良大社の神符守札授与所で受けられます。神符守札授与所で御朱印を受けられる時間は9時から16時までとなっています。
なお、高良大社では平成の大修理完成記念の限定御朱印帳が販売されているそうです。数に限りがありそうなので、気になる人は早めに高良大社へ行ってみましょう。
高良大社のお守り
高良大社のお守りは様々なご利益のものがあります。厄除けお守り、海運招福お守り、交通安全お守り、合格祈願お守り、勝負事にご利益のあるお守り「勝守」、そしてストラップ型のかわいいお守り「しあわせお守り」などデザインも様々です。お守りは身に着けるか特定の場所に保管して大切に扱いましょう。
お正月には、お守りの他に破魔矢や絵馬、熊手などの縁起物もたくさん並び、たくさんの人で賑わいます。また、高良大社はおみくじの種類も豊富です。8種類の縁起物のお守りが納まっている「開運みくじ」、パワーストーンが納められた「天然貴石入り幸福みくじ」、子どもにも分かりやすい「子どもみくじ」など、楽しく行動の指針を示してくれるおみくじが揃っています。
高良大社へのアクセス方法
高良大社は久留米でも有名な神社で多くの人が参拝に訪れるため、アクセス方法も便利に整備されています。ここからは、高良大社へのおすすめアクセス方法をご紹介します。公共交通機関を使ってアクセスする予定の人もマイカーの人も参考にしてみてはいかがでしょうか。
高良大社へ電車でアクセスする場合
高良大社へ電車でアクセスする場合、最寄り駅からは徒歩ではなくバスまたはタクシーを利用します。アクセスに便利な駅は、JR久大本線「久留米大学前駅」、JR久大本線「久留米駅」、西鉄電車「西鉄久留米駅」の3駅です。
JR久留米駅は3駅の中で最も高良大社から離れていますが、JR久留米駅前からバスが運行しているので便利にアクセスできます。JR久留米駅から西鉄バス1番または8番系統「信愛女学院行」に乗車し「御井町」バス停で下車します。バス停からは徒歩20分程度となっています。久留米大学前駅で下車する場合は、タクシー15分または徒歩25分です。
西鉄久留米駅からのアクセスは、西鉄バス1番または8番系統の「信愛女学院行」に乗車し、「御井町」バス停で下車します。この時、バスは「御井町経由」であることをしっかり確認しましょう。「野中町経由」では御井町を通らないのでご注意下さい。
初詣シーズンには臨時バスが運行
お正月やお祭りのある日には、JR久留米駅および西鉄久留米駅から高良大社へ直行臨時バスが運行します。JR久留米駅からは大晦日の夜から元日の朝まで1時間に1本運行し、西鉄久留米駅も経由します。日中の直行臨時バスは西鉄久留米駅から発着し、1時間に4本程度運行します。時間は6時から16時台となっています。
マイカーでアクセスする場合
高良大社へ車でアクセスする場合は、九州自動車道「久留米IC」が最寄りのインターとなります。久留米ICを降りたら左の久留米市街方面へ進み、「御井小学校西」交差点で左折します。「高良大社」と書いてある大きな灯篭が目印です。そのまま進むと高良大社の石造大鳥居が見えてきます。
高良大社周辺の駐車場
高良大社の周辺には6ヶ所の専用駐車場があります。駐車場の料金はすべて無料です。第1駐車場は高良大社正面の石段の両脇に、第2駐車場は、第3駐車場、第4駐車場は石段を通過して山頂に向かう山道沿いに、そして孟宗金明竹の前には第5駐車場と第6駐車場があります。
お正月の初詣シーズンには、上記の6ヶ所の駐車場に加えて石造大鳥居を越えて二の鳥居前に臨時駐車場がオープンします。この駐車場から高良大社までは距離があるので、車を停めたら近くのバス停からバスに乗るのがおすすめです。
久留米のパワースポット「高良大社」へお参りしよう
福岡県久留米市にある高良大社をご紹介しました。遺跡や古墳、そして絶景に囲まれた高良大社は、古代から続く神秘の力を秘めたパワースポットとして崇められてきました。久留米へ行ったら、高良大社へパワーをもらいに出掛けてみてはいかがでしょうか。
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