山に沿って続く浮羽稲荷神社の鳥居の向こうには
福岡県うきは市にある浮羽稲荷神社が人気です。その理由は、山に沿うように続くおよそ250段の階段に並ぶ赤い90基の鳥居の向こうに、これまで見たことの絶景が待ち構えているから。しかも、多くのご利益のあるパワースポットでもあります。今回はそんな浮羽稲荷神社の魅力を、アクセス法や駐車場情報とともにご紹介したいと思います。
浮羽稲荷神社はいずこ?
浮羽稲荷神社は、福岡県うきは市に位置します。福岡県の南東部に位置し、福岡県の久留米市、朝倉市、八女市のほか、大分県の日田市とも隣接。福岡と聞くと、博多ラーメン、めんたいこなど絶品グルメをはじめ、最新ファッションといった流行の街という印象がありますが、玉露や家具の生産が日本一という昔ながらの文化や伝統も継がれた一面も。
福岡県うきは市とはどんなところ?
福岡県うきは市の名称は、生葉郡から浮羽郡、そしてうきは市と変わってきました。市の北部には雄大な筑後川、市の南部には屏風を広げるように連なる耳納連山、山の麓には主な農産物であるブドウやイチゴ、ナシやカキなどの果樹園が広がり、市の中心には江戸時代の宿場町としての面影を残しているという見どころの多いスポットとなっています。
漫画やドラマのモデルにも
福岡県うきは市と聞いてもパッと思い浮かばない方は多いかもしれません。でも、意外や意外、漫画やドラマのモデルにもなっているんです。現在は絶版になっていますが、漫画では『大字・字・ばさら駐在所』、福岡発地域ドラマ『うきは~少年たちの夏~』、テレビアニメ『神霊狩/GHOST HOUND』などの舞台になっています。チェックしてみて。
浮羽稲荷神社の絶景とは?
標高およそ130m、筑後平野を見下ろす水縄山地の中腹に続くおよそ90基の赤い鳥居。石段を登るたびに、赤い鳥居の下をくぐり、時折、振り返って景色を眺めると、絶景が眼前に広がります。さらに登り続けていくと、赤い鳥居が山肌に続き、その向こうに街の灯が。天気がいい日には、福岡県朝倉市にある原鶴温泉街のあたりまで見渡すことも可能。
春は桜の名所に
浮羽稲荷神社は、春になると桜の名所としても有名です。神社の周りだけではなく、浮羽の街並も、桜のころになると、あたりがピンク色に染まります。例年、桜の見頃は3月下旬から4月上旬となっていますので、この時期に福岡や大分への旅を計画されてらっしゃったら、ぜひとも旅程に浮羽稲荷神社を入れてみてはいかがでしょうか。
流川の桜並木も絶景
春に浮羽稲荷神社を訪れる方には、ぜひとも流川桜並木も立ち寄っていただきたいもの。巨瀬川(こせがわ)沿いに、桜のほんのりと色づいた薄いピンク色、菜の花の黄色、そして空の青が美しい色を織りなし、旅情に色をつけてくれます。2kmほどの桜の並木道には桜のトンネルも。ほのぼのと懐かしい気持ちにさせてくれる風景がそこにはあります。
浮羽稲荷神社の鳥居や階段は?
浮羽稲荷神社へと続く石段はおよそ250段あります。駐車場がちょうど200段あたりにあるため、石段を延々と登らずとも、絶景を眺めることができます。夜間には参道に明かりが灯され、日中とは異なった風景を満喫することも。赤い鳥居が山肌に連なる様子は写真に収めたくなります。実際、フォトジェニックな写真が撮れるスポットとして大人気です。
なぜ鳥居は朱色なのか?
古代の神社仏閣などで使われる朱色。古来、朱色には魔力に対抗する力が宿っているとされてきました。とくに浮羽稲荷神社で祀られている稲荷大神は、その力の豊穣を表す色として考えられているのだとか。同時に、朱の原材料は水銀で、昔から木材の防腐剤としても使われてきたことから、浮羽稲荷神社の鳥居の色も朱色であるとされています。
なぜ鳥居が連なっているのか?
浮羽稲荷神社を象徴する90基以上の鳥居。ところで、なぜこんなにいっぱい鳥居があるのでしょうか。これは、「願い事が通った」の意味から、鳥居を奉納する習慣が広がったためなのだとか。日本の神社で最も多い稲荷神社の総本山である京都の稲荷神社には、道中の小さな鳥居の数なども含めると、推定で1万基もあるのだとか。
本殿は上り切ったところに
山へと続く麓の鳥居が入り口になっていて、本殿は石段を登り切ったところにあります。ときどき振り返ると、眼下に街が見渡せますが、階段250段のうち、200段あたりから見る風景が絶景だという情報も。話題のスポットではあるものの、いつも多くの参拝客であふれているということもないため、のんびりと絶景を満喫することができます。
浮羽稲荷神社へのアクセスは?
公共交通機関を使って浮羽稲荷神社へアクセスする場合、JR久大本線うきは駅より徒歩30分弱です。JR久大本線は福岡県の久留米駅から大分県の大分駅を結んでいる電車で、久留米駅からアクセスした場合、およそ40分でうきは駅に到着します。うきは駅からはかなり遠く感じますが、山にまっすぐ伸びる赤い鳥居を遠景に見るのもオツなもの。
JRうきは駅からのほかのアクセス方法は?
JRうきは駅からバスが出ていますが、このバスでは浮羽稲荷神社方面へは行けません。このため、駅からのアクセスは徒歩かタクシーとなります。タクシーの発着所は駅前にあるため、歩いていくのがつらい方はタクシーを利用してアクセスする方法もあります。ちなみに、駅からタクシーでおよそ3分で浮羽稲荷神社に到着します。
車でのアクセスは?
車でアクセスする場合、大分道杷木ICからおよそ30分です。ちなみに、福岡ICから杷木ICまでのアクセスでおよそ1時間程度です。杷木ICを下りたら、国道386号線や県道52号線を使って浮羽稲荷神社を目指します。いくつかアクセスルートがありますが、いずれの場合も10分強で到着します。県道52号線沿いの鳥居から浮羽稲荷神社へとアクセスします。
浮羽稲荷神社の駐車場事情
浮羽稲荷神社の駐車場へ向かうには、県道52号線の鳥居の手前を右折して、果樹園を登っていく必要あり。案内板があるものの、わかりにくいと評判。山の中腹まで登っていくと、駐車場は2カ所。駐車場はだいたい10台ほどの車が止まれるようになっています。駐車場のわきには公衆トイレも。駐車場は山の中腹に位置するため、登山の必要もなし。
駐車場がわかりにくいと評判
浮羽稲荷神社の駐車場がわかりにくいという口コミを書かれている方も多くいらっしゃいます。県道52号線を北方面から向かう場合、左カーブ手前を右に入っていきます。右手には柿畑があるとのこと。鳥居の入り口はわかりやすいものの、駐車場へ行く方法はわかりにくいとのことですので、まよわずに行けるようにしたいです。
浮羽稲荷神社の由来は?
浮羽稲荷神社には、3柱が祀られています。ひとつは稲荷大神(いなりおおかみ)の通称で知られている京都の伏見稲荷神社の稲魂神(うがみたまのかみ)、そして、京都松尾大社からは大山咋の神(おおやまぐいのかみ)、さらに、太宰府天満宮からは菅原道真公です。このため、強力なパワースポットとして、そのご利益で知られています。
浮羽稲荷神社のご利益とは?
京都の伏見稲荷神社を総本山とする稲荷神社の稲荷大神。古くから雨乞いや止雨とともに、五穀豊穣、国の安穏を願う公事が行われたという記録があります。時代が下ると、良縁、病気平癒、さらには商売繁盛、産業興隆、家内安全、交通安全、芸能上達などの守護神として信仰を集め、現在に至ります。
酒の神も祀られている?
浮羽稲荷神社に祀られている3柱のひとつに、京都の松尾大社から大山昨の神がいらっしゃいます。松尾大社といえば、古くより松尾山を水源とする霊泉の亀の井が知られ、酒業繁栄のご利益をはじめ、延命長寿、蘇りの水として敬われています。浮羽稲荷神社にもこうしたご利益があるかもしれません。
学問の神様も健在
もうひとつの柱として、浮羽稲荷神社には太宰府の菅原道真公が祀られています。ご存じのとおり、道真公は学問の神様として知られ、受験生の多くがお詣りします。また、太宰府天満宮には縁結びの社として人気の高い竈門(かまど)神社もあります。このように多くのご利益を授かっている浮羽稲荷神社、参拝した後に絶景を満喫しましょう。
浮羽稲荷神社には何がある?
赤い鳥居の参道を社殿まで上ってくると、まず見えてくるのが手水舎。そして社殿には、きつねの像が祀られています。稲荷神社に祀られるきつねは、人間の目には見えないきつねで、稲荷大神の使いとされています。人間には見えないため実は透明ですが、色がないことから白きつねの像となり、こうして稲荷神社に祀られているわけです。
城ヶ鼻公園とも呼ばれている一帯
浮羽稲荷神社は、城ヶ鼻公園内にあります。神社のそばには、わんぱくランドという子どもが遊べる公園もあります。すべり台やシーソー、ブランコや小さな子ども遊具などがあります。ただ、人気がなく、あまりしっかりと整備されていないため、子連れで浮羽稲荷神社を参拝する方は、子どもが飽きてきたらちょっと遊ばせるのに利用しましょう。
ひっそりと佇む松尾神社も
城ヶ鼻公園の裏へ進んでいくと、松尾神社と書かれた鳥居があります。この鳥居の奥には、竹やぶの中に一枚岩が祀られていますが、詳細は不明。ただ、浮羽稲荷神社に祀られている1柱の松尾大社は、松尾山の頂上近くの巨大な磐座を祀っていたことから、何か関連があるかもしれません。浮羽稲荷神社を訪れたら、ぜひ松尾神社も参拝しましょう。
浮羽稲荷神社からめぐるパワースポット
浮羽稲荷神社の一帯をめぐるには車やタクシーなどの足が必要となります。でも、せっかく訪れた先ですから、近くのパワースポットも一緒にめぐりましょう。鎌倉時代に常陸国の僧侶によって建立された禅寺、清水禅寺は、清水の湧水としても知られ、境内は一日1000トンを超える湧水であふれています。日本名水百選にも認定された水です。
浮羽おくんちの舞台で知られる賀茂神社
「くんち」とは、九州北部の秋祭りに対する呼称で、毎年4月11日になると、五穀豊穣と無病息災を願う伝統行事として、浮羽おくんちが開かれます。この舞台となるのが賀茂神社で、14世紀に後醍醐天皇の遺言によって建立された神社です。境内からは縄文土器なども出土し、古くから祀られている神社であることがうかがい知れます。
まだまだあるパワースポット
うきは市には、寺社がいくつも点在します。大生寺は奈良時代に行基が創建し、境内の大雄宝殿は、仏殿が98平方メートル、本尊薬師如来は行基菩薩の作と言われています。境内からうきはの街並が見えると人気の高い寺。また、本佛寺は吸収の中心的な霊場で、本殿には菅原道真公を助けたとされるカッパの手が安置されています。
浮羽稲荷神社から足を伸ばす棚田めぐり
うきは市のつづら地区には、およそ300枚に及ぶ石垣で積まれた棚田が広がっています。日本棚田百選にも選ばれた棚田で、懐かしい雰囲気に包まれる田園風景が広がります。初秋になると、真っ赤に彩る彼岸花と稲刈り前の黄金の稲穂が美しく、秋ならではの絶景を楽しむことも。毎年9月下旬には恒例の彼岸花めぐり&ばさら祭が開かれます。
浮羽稲荷神社からうきは観光へ
うきは市にある伝統的建造物群保存地区である筑後吉井。白壁の蔵造りの街並で知られています。江戸時代、豊後街道の宿場町として栄えたこのあたりには、豪商が建てた白壁の土蔵造りの建物が現在にも残り、和菓子屋、雑貨屋、骨董品屋など、懐かしい店が軒を連ねています。うきは観光で忘れてはならないスポットのひとつ。必ず立ち寄りましょう。
浮羽稲荷神社から水音を求めて
巨瀬川の源流にある滝、調音の滝。滝の流れる音が音の調べのように聞こえたことからそう名付けられたのだとか。この滝をはじめ、3つの滝がある自然公園の散歩は、浮羽稲荷神社からパワーをいただいた後に心を癒やすにはうってつけ。夏になると、そうめん流しや流水プールなどもオープンするため、夏の風物詩を楽しむこともできます。
浮羽稲荷神社ちかくの食べ処
フルーツで有名なうきは市。せっかくだったら、地元で採れた旬の農産物やフルーツを安心していただける食べ処でおいしいごちそうをいただきたいもの。おすすめしたいのが、筑後吉井駅そばにあるにじの耳納の里。安心して安全な製品を提供するため生産者と協定を結び、館内には農産物の直売所やバイキングレストラン「夢キッチン」があります。
浮羽稲荷神社からパワーをいただいたら
赤い鳥居が山肌に並び、街並を遠望できる絶景スポットとして知られている浮羽稲荷神社。多くのご利益があるパワースポットです。春には桜、秋には稲穂と、目を喜ばせてくれる田園風景がそこにはあります。ぜひ浮羽稲荷神社を訪れてみてください。そして、はじめてなのに懐かしく感じる世界を満喫し、次の旅へとつなげていきましょう。
RELATED
関連記事
RELATED
- 朝倉ランチのおすすめ!人気のカフェや子連れ向きの個室店も!
さまざまな飲食店が勢揃いしている朝倉は、福岡を代表する人気グルメスポット。今回はそんな朝倉でおすすめのランチをたっぷりとご...
erierieri1
- ハトマメ屋は明治創業の老舗お菓子店!人気メニューやアクセスもご紹介!
ハトマメ屋という朝倉にある老舗お菓子店をご存知の方はいるでしょうか?今回は朝倉にあるハトマメ屋のおすすめメニューや各商品の...
イロナ
- あさくら観光協会おすすめ!絶品グルメから人気観光スポットまで一挙にご紹介!
古き良き街並みを残す観光スポット「朝倉市」。朝倉市は昔懐かしい街並みはもちろん、心温かい日本のおもてなしを体験できることで...
TravelNote編集部
- らいおん果実園でいちご狩りを楽しもう!1時間食べ放題できる人気スポット!
らいおん果実園は福岡にある人気のいちご狩り施設です。1時間たっぷり食べ放題できると人気で、沢山の種類のいちごが楽しめます。...
nyaokaka
- 福岡県うきは市のおすすめ観光スポット17選!おしゃれなカフェや温泉もあり!
福岡県の南東部に位置する観光スポット「うきは市」。うきは市は江戸時代に宿場町として栄え、今でもその面影が残っています。うき...
mdn
- 【お茶が美味しい】八女のおすすめカフェ7選!古民家風やランチが人気のお店も!
福岡県の西南部に位置する八女は自然豊かな歴史のある街です。そんな八女には地元で人気のおしゃれなカフェやお茶が美味しいカフェ...
MT企画