世界一辛い唐辛子がギネス認定間近？品種名や入手方法まで調査！

ここ数年韓流ブームからの激辛ブームが流行り、海外の激辛唐辛子の商品・料理が街中のいたるところで見られるようになりました。国内でも各地で栽培され、より身近になりました。料理のスパイスになる様々な種類の唐辛子が出回る中、より辛い・世界一の辛さを持つ唐辛子の開発が進められています。今回は世界一辛い唐辛子などについて紹介します。

唐辛子はナス科唐辛子属の植物の果実です。原産国は暑い中南米です。料理のスパイスとして重宝されています。そんな唐辛子の有名なものをまずは紹介します。赤唐辛子は成熟した唐辛子で、種がついている白い部分が特に刺激的な辛さがあります。青唐辛子は成熟前の唐辛子です。万願・伏見唐辛子の京野菜として有名です。

しし唐辛子は形が獅子の鼻に似ています。種ごと食べることができます。ハバネロは丸みを帯びたオレンジ色の唐辛子で、柑橘系のような香りを持ちます。ハラペーニョはメキシコの唐辛子で有名です。通常青唐辛子として収穫されますが、熟すと赤色になり、辛さが増すといわれています。

トウガラシは「唐から伝わった辛子」の意味です。この唐は漠然と外国、を示す言葉で、決して中国経由というわけではありません。唐辛子の総称として鷹の爪、を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、正確には鷹の爪もトウガラシ種の1品種です。日本の九州や長野県では唐辛子のことを胡椒と呼ぶことがあります。

大国アメリカではレッドペッパーやチリペッパーなどと呼ばれています。胡椒とは全く関係ないのに呼ばれている理由は、ヨーロッパに唐辛子を伝来させたコロンブスがインドと勘違いして大国アメリカに到着した際に、唐辛子をインドで栽培されているスパイス胡椒の一種とみなしたためです。それ以来唐辛子属の実はすべてペッパーと呼ばれています。

料理のスパイス、各国で栽培されている辛い唐辛子。その唐辛子には辛さを表す単位としてスコビル値（SHU値）というものがあります。唐辛子をエキスにした際、辛さを感じなくなるために何倍の砂糖水に溶かさないといけないかを表す単位です。昔は人でしたがより正確に測定器で直接はかるジレット法が主流となっています。

ピーマンのSHU値は0。メキシコの有名な唐辛子ハラペーニョは2500から8000です。日本の代表的な鷹の爪のSHU値は40000。パスタやピザの料理のスパイスで使用されるタバスコソースは2500から5000です。辛いと話題の骸骨マークのラベルが貼られたデスソースは100000です。

SHU値が最も高いものトップは唐辛子ではなく、唐辛子に含まれる化学物質カプサイシンが占領しています。160億は純粋なレキニフェラトキシン。化学やけどを引き起こす毒素です。ハッカックキリンというサボテンに高濃度に含まれています。次いで1600万が純粋なカプサイシンとジヒドロカプサイシン、食品添加物、デスソースです。

まずは、現段階でギネスに認定されている、世界一辛いとされる唐辛子を紹介します。その名もドラゴン・ブレス・チリ。ギネスブックの世界一辛い唐辛子は、ここ4年ほど、キャロライナ・リーパーという品種が君臨してきました。品種名のリーパーは刈り手という意味です。大鎌で人の首を刈り取る死神を意味します。

今回新たにギネスに認定されたドラゴンプレスチリはドラゴンの息の唐辛子という意味です。SHUは2480000。原産国はイギリス。食べると気道が焼かれ蜂に刺されたときにおこるアナフィラキシーショックのような症状が起きるといわれています。食用ではなく抽出したオイルから麻酔薬として使用される予定です。

ドラゴンブレスチリのもととなった唐辛子はもともと唐辛子農家とトレント大学が協力してアレルギー患者向けの皮膚の緩和薬の原料としての開発が始まりです。そのあとに品種改良の専門家マイクスミスさんが辛さの記録更新のためではなく、あくまで魅力ある唐辛子の開発している時にできた唐辛子になります。

様々な国で料理のスパイスとして使用されている辛い唐辛子には多くの栄養素・効果・効能があります。唐辛子の辛みの成分「カプサイシン」は脂肪燃焼の促進がありエネルギー代謝を促進します。また血流改善、冷え性対策、辛みが胃液・唾液の分泌量を増やし食欲増進、疲労回復、コレステロール値を下げる、などの効果があります。

「βカロテン」は抗酸化作用で老化防止、体内でビタミンAにかわり、免疫力を高めます。「ビタミンB1」は疲労回復。「ビタミンB2」は生活習慣病の予防にききます。「ビタミンE」は血管を広げ血流改善。「リン」は骨や歯をつくります。「カリウム」は体内の老廃物を排出してくれます。「マグネシウム」は高血圧・心臓病の予防となります。

2番目はキャロライナリーパー。そのSHU値は圧巻の220万。220万倍の水で薄めて、やっと辛味を感じなくなるということです。2013年にギネス世界一に認定されました。キャロライナ・リーパーは、アメリカはカロライナ州で唐辛子関係の企業を営んでいるエド・カリーさんが開発したものです。ごつごつとした真っ赤な色をした唐辛子です。

3番目はトリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー。150万スコヴィルのモンスター唐辛子。ゴルフボールくらいの大きさで、尖端がサソリの尾のように尖っていることから、スコーピオンの名が付けられました。防護服を着ないと調理できないと言われるほどの辛いです。赤い悪魔と呼ばれています。

4番目はブート・ジョロキア。2007年から2011年まで、世界一辛い唐辛子の座に、ギネス認定されていたブート・ジェロキア。この唐辛子はゴースト・ペッパー、ナーガ・ジェロキア、コブラ・チリなど様々な国で多くの呼び名を持っています。SHU値は、100万です。原産国は日本ではカレーが有名な北インドです。

5番目はなんとハバネロ。スナック菓子の暴君ハバネロもあり、唐辛子の品種としては日本で最も有名です。元々原産国はキューバのハバナです。現在は主にメキシコ・ユカタン半島で作られています。SHU値は10万から45万ほどです。なかでもレッドサビナという品種が最も辛いハバネロになります。様々な料理のスパイスとして人気急上昇中です。

世界一辛い唐辛子を料理する際は普通にまな板を使うと辛み成分が落ちなくなってしまうため段ボールなどの上で調理することが必要です。このような通常にはない辛い食材を料理する際は手袋、眼鏡、マスクを装着することが大切です。辛い香りが部屋に残る可能性があるため、屋外か換気を十分して料理する必要もあります。

また、料理をする際はかなり少ない量からがおすすめです。過去に辛い唐辛子を料理し食べた日本人が救急車で搬送されたということがあります。人によって大丈夫な辛さは異なりますので自己責任で対応することが求められます。このような辛い唐辛子は普段私たちが知ることはありませんが医療現場での活用が一般的だそうです。

世界一唐辛子を使った商品・料理を目にする機会はどこの国に行ってもないものです。なので、そのほかの唐辛子を利用した商品・料理を紹介します。警察官用防犯スプレーの中にはSHU値が530万の唐辛子を薄めた53万のカプサイシンが使用されているといわれています。こんなスプレーが目に入ったらひとたまりもありません。

日本よりも暑い国で多く食べられている唐辛子。ビタミンAやビタミンCが多いため夏バテに効果的なスパイスです。また防虫効果が高いため園芸ではほかの作物と植えられ、虫の害を減らすために栽培されています。調味料としては醤油や酢に漬け込むことで辛さを抑えて料理などに使用されています。

夏バテ対策のように唐辛子を小さいころから食べている国は気候的要因のほうが高いですが、実際は日本での激辛ブーム同様、文化的要因の方が高いとされています。フィリピンや中国では料理で葉唐辛子と青菜を炒めたものがあります。日本では佃煮での料理もあります。ラー油や豆板醤、キムチ、コチュジャン、サルサソースやホットソースにも唐辛子が使用されています。

世界各地で、辛いスパイスの唐辛子を使った料理は意外と多くあります。唐辛子の原産国メキシコではチレス・エンノガーダ。チリ唐辛子にナッツ、パイナップル、リンゴなどを詰め、クルミが入ったクリームとザクロをトッピング。アグアチレアは生の海老を酢と激辛ソースにつけたものです。原産国ではスパイスだけでなくメインとしての料理が多いのが特徴的です。

大国アメリカでは日本でも有名なチリコンカン。豆、ひき肉、トマトを唐辛子で煮込んだものです。ブータンは意外にも唐辛子を野菜としてたくさん食べます。料理はエマダツィ。何唐辛子をチーズで煮込んだスープで見た目がシチューのようです。メキシコの料理はモレポブラーノ。唐辛子とナッツ、カカオを煮込んで作るカレーのようなものです。

カレー大国で有名なインドではマンゴーピクルスが地元の人にとっても辛いと話題の料理です。マンゴーだから甘いと思いきや激辛なので注意が必要です。ベトナム料理ではブンボーフェです。少し辛さが感じられるフォーのような料理です。レモングラスがきいたあっさりとしたスープにほんのりとしたからさが癖になる味です。

世界一辛い唐辛子はもちろんですが、通常の辛い唐辛子でも食べすぎによる副作用に注意が必要です。唐辛子に含まれるカプサイシン。過剰摂取で銀杏があれてしまうことがあります。また、胃腸を刺激しすぎることで下痢をしてしまことがあるので、自分がどの程度食べて大丈夫か把握することが大切です。

また国内外では、ニューヨークで開かれた唐辛子の大食い大会で、当時世界一辛いといわれるキャロライナ・リーパーを食べた男性が、直後に激しい頭痛を訴えて病院に運ばれています。病院で検査した結果、脳出血や脳梗塞は起きていませんでしたが、脳につながる4本の血管に大きな狭窄（きょうさく）が見つかり、可逆性脳血管攣縮（れんしゅく）症候群（RCVS）と診断されています。

このRCVSは雷に打たれたような激しい頭痛を伴う疾患で、大抵は数日から数週間で回復します。しかし、重症化すると命にかかわることもあります。通常は唐辛子ではなく、医薬品やコカインなどが関係し発症するものです。キャロライナ・リーパーの辛さはハラペーニョの400倍以上といわれていてかなり危険です。

世界一辛い唐辛子は少量でも口にしたら死に至る可能性があるから販売されていないのではないのか?と思う方もいるのではないでしょうか。しかし、楽天やアマゾンなどの大手通販サイトで世界一辛い唐辛子を入手できます。小さい瓶入りで、安いものなら1000円程度から購入入手することができます。

2018年、現段階でギネス認定されている世界一辛い唐辛子はドラゴンブレスチリです。しかし、新たに世界一に君臨しそうな唐辛子が存在します。その唐辛子の名前はペッパー・Xです。この新たにギネス認定されるかもしれないペッパー・Xを開発したのは、エド・カリーさんです。

サウスカロライナ州フォートミルにある「パッカーバッド・ペッパー・カンパニー」の創設者、社長、マッド・サイエンティスト、そしてシェフです。そしてまた、皆さんお気づきのようにキャロライナ・リーパーの生みの親でもあります。カリーさんは、10年ほど前から世界一辛い唐辛子の開発に取り組んでいます

現在のギネスを変えるペッパー・Xの辛さは、SHU値が318万。これはどのくらいの辛さなのかというと、赤いタバスコは4000、生のハラペーニョは最大で8000程度、そしてキャロライナ・リーパーが平均160万。ですので、ペッパー・Xはキャロライナ・リーパーの2倍の辛さになります。あまりにも辛いことが容易に想像できます。

現在のところ、ペッパー・Xはある一応料理としても使用できるようで、ホットソースの原料のみでの提供とされています。そのソースが、ザ・ラスト・ダブ(The Last Dab)。「最後の(軽い)一撃」とでもいうような意味をもちます。ザ・ラスト・ダブには、つぶしたペッパー・Xのほか、蒸留したヴィネガー、ショウガ、ターメリック、コリアンダー、クミン、乾燥マスタードが含まれています。

ペッパー・Xの唐辛子自体は318万ですが、ザ・ラスト・ダブでは240万にまで抑えられています。この値はキャロライナ・リーパーより高く、現在ギネス認定されている唐辛子ドラゴンズ・ブレスと同程度になります。今後さらにギネスを更新する世界一辛い唐辛子が開発されることが期待されています。

多くの国が料理のスパイスとして使用している唐辛子。最も辛い、世界一辛い唐辛子は入手できるとはいえ食用にはお勧めしませんが、勇気のある方、興味のある方は試してみるのもいいかもしれません。今後のギネスにも注目です。今回をきっかけに各国の唐辛子料理を食べ歩いてみるのも楽しいかもしれません。