「上野桜木あたり」は古民家を再生したレトロなスポット！どんなお店がある？

レトロな古民家を改装して作られた小さなお店が並ぶ「上野桜木あたり」。谷根千エリアのお散歩コースとして若い世代に人気のスポットです。パンやビールのお店の他、カフェスペースを設置したオリーブオイルと塩の専門店など、おしゃれなお店でお買い物も楽しめます。今回は、上野桜木あたりのアクセス方法も含めてその魅力をご紹介します。

東京都台東区上野桜木は、下谷桜木町を前身とする下町風情の残る街並みが美しいエリア。上野台は上野花園町から独立したエリアで、寛永寺の管轄地域であったことから、たくさんの子院がありました。お寺の多かった上野桜木の待ちは、江戸時代の「町割り」「道割り」がそのまま残されており、明治・大正・昭和の建物が多く保存されています。

上野桜木には、名前の通り桜の木が多く植えられており、春の桜の季節は、お花見がてら散歩を楽しむのにもおすすめの地域です。かつては、作家「川端康成」も暮らしていたと言われる上野桜木町は、文化人や、芸術に造詣の深い人々が暮らした地域でもあるため、今も文化の香りが漂うどこかノスタルジックで懐かしい雰囲気を残しています。

江戸時代にその礎が築かれた上野桜木の町には、今も「寛永寺」が残されています。江戸幕府三代将軍「徳川家光」の時代に建立された寛永寺は、徳川家の菩提寺として知られており、徳川家の6人の将軍たちの霊廟があります。また、大慈院は、安政の大獄によって井伊直弼に蟄居を命じられた最後の将軍「徳川慶喜」が謹慎していた場所と伝えられています。

2015年3月にオープンした「上野桜木あたり」は、谷根千散歩の新たな定番スポットとして若い世代に人気を集めています。「上野桜木あたり」の「あたり」は、これから広がって行ってもよいという「曖昧さ」を残したどことなくゆったりとした雰囲気の名前です。築80年の古民家を改装して作られたという複合施設にはカフェやパン屋などが軒を連ねています。

東京にありながら、どこかノスタルジックな下町風情が感じられる上野桜木の新名所として人気を集めている「上野桜木あたり」には、地元の方々を始め、多くの外国人観光客も訪れています。お店を覗いたり、路地をのんびり散歩したり、カフェに座って野良猫と戯れたり。上野桜木あたりには、名前の通り、ゆったり穏やかな時間が流れているようです。

続いては、「上野桜木あたり」へのアクセス方法をご紹介致します。公共交通機関でのアクセスは、JR、京成電鉄本線、日暮里・舎人ライナーの3つの路線が利用できます。JR「日暮里駅」からアクセスする場合は、駅から「上野桜木あたり」まで徒歩10分です。東京メトロ「上野駅」からアクセスする場合は、駅から徒歩15分で「上野桜木あたり」に到着です。

東京メトロ千代田線の「根津駅」または「千駄木駅」からのアクセスも可能で、各駅から「上野桜木あたり」へは徒歩10分ほどとなっています。どの最寄り駅からも、およそ10分から15分は歩くことになります。周辺地域にお住まいの方は、自転車でアクセスする方も多いようです。付近に駐車場はありませんので、車でのアクセスはおすすめできません。
 

ここからは「上野桜木あたり」にある素敵なお店をご紹介していききます。まず1店目にご紹介するのは、「カヤバ珈琲」がプロデュースしたパン専門店「カバヤベーカリー」。上野桜木あたりにある路地から中庭の奥へ進むと見えてくるカバヤベーカリーは、谷中の老舗喫茶店の「カバヤ珈琲」が店長を兼任しています。珈琲に合う美味しいパンを販売しているお店です。

古民家を再生して新しい観光スポットを作る、同プロジェクトが始動した際、店長自らこの地にパンの専門店を出店することを決めたのだそう。古民家の引き戸を開けると、瀟洒な店内には、焼きたてのパンが並んでいます。カバヤベーカリーでは、国産小麦を使用した手作りのパンにこだわっており、ハード系のパンは自家製酵母を使っています。

古民家の中にしつらえられた浅めの棚には、約50種類のパンが並んでいます。どれも少し小さめでお値段も300円以下で買えるものがほとんどで、子供から大人までどなたでも気軽にお買い物していただけるお店です。名物パンは上野桜木の地名から命名された「桜大納言あんぱん」。1個170円とお手頃価格です。他にも七味チーズなどおかず系パンの品揃えも豊富です。

上野桜木あたりのパン店「カバヤベーカリー」は、9:00から19:00まで営業しています。定休日は月曜となっており、祝日と重なった場合は翌日がお休みとなります。古民家風の店内から一歩出ると、テーブル席のカフェスペースがありますので、イートインも可能です。「上野桜木あたり」の路地には、ベンチもありますので、珈琲とパンで休憩もおすすめです。

続いてご紹介する「上野桜木あたり」の素敵なお店は、カラフルな洋服とアートギャラリーのようなインテリアが斬新な「でも俺5時間だからユウスケ」。二度聞きしてしまいそうなユニークな名前のこちらのお店は、ヴィンテージ衣類や雑貨を販売しています。古民家の2階にある「でも俺5時間だからユウスケ」は階段を登ってアクセスします。

古民家の座敷を利用した10畳ほどの店内には、鳥かごのオブジェやちょっと変わったおもちゃなど、オーナーのセンスで選ばれた選りすぐりのアイテムが独特の空間を作りあげています。夕暮れ時は、窓からさしてくる夕日が差し込む店内にいると、時代をタイムスリップしたような不思議な感覚に誘われます。季節ごとに変わるしつらいをお楽しみください。

上野桜木あたりで唯一飲食店ではないお店「でも俺5時間だからユウスケ」は、12:00から20:00まで営業しています。定休日は他の店舗同様月曜日となっていますが、それ以外にも不定休でお休みのことがあるようです。詳しくは、ホームページにアクセスしてご確認下さい。古民家のレトロな空間を生かした和のインテリアが必見です！

続いてご紹介する「上野桜木あたり」でおすすめのお店は「谷中ビアホール」。高品質のクラフトビールと和のBBQが大人気のお店です。名物メニューは古民家を再生して作られた同店にふさわしい「和のBBQ」。暑い日には、昼間からビールとBBQで一杯というのもよいのではないでしょうか？インスタ上ではビールの飲み比べセットが人気のようです。

「谷中ビアホール」の人気メニュー「クラフトビールの飲み比べセット」は1200円です。選べるメニューは、谷中ビール、アウグスオリジナル、インディア・ペールエール、そしてホワイトの4種類で、サイズによってお値段が変わりますが、Sサイズ（260ml）が600円、Mサイズ（390ml）が900円、Lサイズ(520ml）が1200円となっています。

「谷中ビアホール」の古民家を再生したレトロな店内では、カフェメニューとして、ランチタイムにはパスタやカレーなども提供しています。「谷中ビアホール」のランチメニューは、「やなカレー」と「やなポリタン」。お値段は各900円でサラダもついています。どこか懐かしい味わいのランチメニューは、クラフトビールとの相性も、もちろんバッチリです！

「上野桜木あたり」の素敵なお店「谷中ビアホール」は、11:00から20:30まで営業しています。また、他の店舗と違って月曜日も営業しており、月曜は11:00から15:00までの短縮営業のようです。お店の定休日は不定休となっていますので、お出かけ前にはホームページにアクセスして確認してください。晴れた日に飲む冷えたビールは最高です！

最後にご紹介する上野桜木あたりのおすすめのお店は「おしおりーぶ」。カフェスペースも併設されたこちらのお店は、塩とオリーブオイルの専門店。世界各国から取り寄せたこだわりのオリーブオイルは、エクストラバージンのみ。もちろん、国産オリーブオイルの取扱いもあります。店内に所狭しと並べられたカラフルなボトルは見ているだけで楽しくなります。

中庭にはカフェスペースが設けられており、カウンターでカフェメニューの中から好きなドリンクをオーダーすることができます。お店で販売しているオリーブパウダーや塩を使ったカフェメニューの中から、店長一押しのメニューは「甘酒ブロッサム桜」。甘酒をベースに杏仁を加えてシェイクしたドリンクは、ノンアルコールで飲みやすいと評判です。

カフェスペースで楽しむ冷たいドリンクが大人気の「おしおりーぶ」。営業時間は11:00から19:00までです。定休日は月曜日で、祝日は営業しています。塩とオリーブオイルの専門店「おしおりーぶ」には、オリーブオイルと塩の他にも、ビネガーやバルサミコなど、様々な種類の調味料を販売しています。ほとんどの商品はテイスティング可能です。

カフェメニューには、他にもオリーブの葉のパウダーを練乳を加えたミルクと合わせて、ラテ風に仕上げた「オリーブラテ・アイス」（600円）や、ジンジャエールにバルサミコ酢を混ぜた爽やかなドリンク「ジンジャーバルサミコ」（500円）なども人気です。ドリンクに添えられたオリーブの実の塩漬けもとても美味しいので、お土産に購入するのもおすすめです。

上野桜木あたりには、お店だけでなくイベントスペースもあります。「みんなのざしき」と名づけられた一つ目のイベントスペースは、昭和初期に建てられた古民家内で、交流会やお稽古の会などが開催されています。また、もう一つのイベントスペース「みんなのろじ」では、手作り市やマルシェなど地域の人々との交流行事や催しが開催されています。

この他にも、上野案内所のスタッフと回る「あたりの日」といったイベントがあり、谷中界隈に残っている大正時代から昭和初期の古民家を回ったり、町歩きをしながら上野桜木の歴史を知ったりすることもできるようです。去る7月21日（土）は、「子どもプールの日」というイベントが開催され、古民家周辺で子供たちが水遊びを楽しんだようです。

築年数80年を越えるレトロな古民家がインスタ映えする「上野桜木あたり」。風情ある景色や味のある屋内の写真を撮ろうと、カメラ女子も多く訪れています。そこで、ここからは、「上野桜木あたり」で撮りたい、インスタ映えする写真の撮り方をご紹介致します。まず、全景をとらえるなら、路地手前から古民家を斜め45度に撮影する見上げ構図がおすすめ。

1枚目の写真のように、バックの夏空と、手前の「上野桜木あたり」の幟の紺色が、同系色でまとまっておりとても爽やかな写真に仕上がっています。古民家のレトロな雰囲気をよりはっきりと出すためには、カラー調整は少しイエロー寄りに整えます。また、2枚目の写真のように、古民家のインテリアをアップで撮影する時は、少し中心をずらして撮りましょう。

最後に、上野桜木あたりと合わせて行きたい、周辺のお散歩コースについてもご紹介したいと思います。「谷根千」とは、文京区から台東区の谷中、根津、千駄木周辺を表す言葉で、SNS上でも「谷根千散歩」のようにタグ付けされています。東京の下町風情が今も残るこのエリアは、都会の喧騒を離れてのんびりとした時間を過ごすのにおすすめの散策スポットです。

お散歩コースの最初に行きたいのは「谷中銀座」。小さなお店が立ち並ぶ向かしながらの商店街は、地域の人々が今もお買い物に訪れるスポット。コロッケや焼き鳥などを買い食いしながら、お店を冷やかすのも楽しいものです。谷中銀座を満喫した後は、谷根千のシンボル「観音寺」の築地塀へ向かいます。瓦と土を積み重ねて作った土塀は江戸時代に作られた物です。

寺町として栄えた谷中から上野桜木一帯に広がる江戸時代から続く街並みは、夏の夕暮れのそぞろ歩きにもおすすめです。観音寺の土塀を見た後は、春のツツジで有名な「根津神社」を参拝しましょう。国の重要文化財にも指定された社殿が見どころとなっています。谷根千散歩の締めくくりは「旧岩崎邸庭園」です。1896年に建てられた歴史建造物をご覧下さい。

谷根千の新しい観光スポット「上野桜木あたり」をご紹介しました。カフェスペースを併設したオリーブオイルと塩の専門店「おしおりーぶ」や、美味しいパンが人気の「カバヤベーカリー」など、地域の人が一体となって作る「上野桜木あたり」は、これからが楽しみなエリアです。イベントスペースでの催しもありますので、夏休みにお出かけしてみてください。