この記事の目次
須走口五合目のアクセスと駐車場・山荘の状況を知ろう
須走口五合目は4つある富士山の登山口のひとつで、富士山を正面に東京側(東側)斜面から登る標高2000mのところが「須走口五合目」登山口です。須走口五合目駐車場まで車でも行けますが、夏期シーズンのマイカー規制があるときは臨時駐車場からシャトルバスなどに乗り換えて移動します。須走口五合目までのアクセスや駐車場・山荘情報を紹介します。
世界遺産富士山のことを知ろう
富士山は山梨県と静岡県にまたがる標高(最高地点)3776.24mの活火山です。古くは「不二」「不尽山」などと文献に紹介されるなど富士山そのものが歴史を物語っていて、風光明媚で堂々とした風貌は、日本の象徴として国内外に知れわたり賑わいを増しています。その世界的人気は、平成30年の登山者が208000人と報告されていることでもわかります。
毎年登山者で賑わう富士山は、古くは山岳信仰の対象とされて富士山を御神体と崇め、神聖な場所として永く女性の登山が禁止されていました。そんな富士山も江戸時代後期には、葛飾北斎の富嶽三十六景に代表されるように優雅で力強い様を浮世絵などで紹介されるなどしています。1872年には女人禁制が解かれ、この頃から信仰登山が衰退しはじめています。
富士山の様々な表情を視感
富士山は、1952年に特別名勝に選定されています。2005年には国土交通省が富士山への良好な眺望が得られる128景233地点を「関東の富士見百景」に選定しています。富士山の風景は、どの角度から見ても絶景と言われ心に残り、羽田空港から西に向かう国内便などでは富士山上空を通過するなどしています。また、新年のご来光遊覧飛行のプランもあります。
富士山の様々な表情は、夏の朝焼け「赤富士」や雪化粧で染まる「紅富士」や水面・湖面に映る「逆さ富士」太陽が山頂に重なる「ダイヤモンド富士」や富士山の山陰が映される「影富士」や富士山の山頂を覆うようにかかる「笠雲」等があり風光明媚な富士山が出現します。また、静岡県側から見る「表富士」山梨県側から見る「裏富士」の表情もあります。
富士登山4つの登山口
富士山登山口は、4つあります。御殿場口新五合目「御殿場ルート」・富士スバルライン五合目「吉田ルート」・富士宮口五合目「富士宮ルート」そして、須走口五合目「須走ルート」です。そして、登山ルートごとに表示形式や色などを決めています。御殿場ルートは「緑」・吉田ルートは「黄」・富士吉田ルートは「青」・須走ルートは「赤」です。
富士登山登山口1:御殿場ルート
富士登山御殿場ルートは、静岡県側(御殿場市)から山頂を目指すコースです。出発点の標高が低く緩やかな上り坂ですが、山頂までの標高差が大きくてその分距離も長く健脚向けのコースです。自分のペースでゆったり登山を楽しもうとする人には向いています。下山はダイナミックに大砂走りが楽しめます。山小屋や目標物などが少ないことが気になります。
富士登山登山口2:吉田ルート
富士登山吉田ルートは、山梨県側の北側から山頂を目指すコースです。富士登山者の多くは、このコースを利用しています。登山道と下山道が分かれていて、登山道には山小屋がありますが下山道にはほとんどありません。富士スバルライン五合目を出発し六合目で吉田口登山道に合流します。富士スバルラインは全線往復や一部往復などの料金体系があります。
富士登山登山口3:富士宮ルート
富士登山富士宮ルートは、静岡県側(富士宮市内)から山頂を目指すコースです。このコースの出発点の標高は高く、山頂までの距離が短くて吉田ルートに次いで登山者が多いコースです。全般的に傾斜が厳しく岩場が多い事が気になります。登山道と下山道が同じで混雑時には道を譲り合って歩くようになります。上り優先ルールをしっかり守ることが大切です。
富士登山登山口4:須走ルート
富士登山須走ルートは、静岡県側(駿東郡小山町)から山頂を目指すコースです。このコースは、登山道と下山道が別で、本八合目から山頂までは吉田ルートと合流します。標高の高いところまでは熱帯林が広がっていて、日差しを避けることができます。下山道では、一直線に下る砂走りもあります。夜間や濃霧時には熱帯林で見通しが利かない事があります。
須走口五合目へのアクセス方法
須走口五合目へのアクセスは、車又は電車からバスに乗り換えるアクセス方法があります。車でのアクセスは、東名高速御殿場ICと国道246号線からがあります。また、電車では小田急線新松田駅と御殿場線御殿場駅からバスに乗り継いでアクセスする方法があります。車はふじあざみラインのマイカー規制(7月上旬から9月上旬)があるので注意が必要です。
須走口五合目へのアクセス1:車利用場合
須走口五合目へのアクセスで車を利用する場合は、東名高速御殿場ICから東富士五湖道路須走ICを経て「ふじあざみライン(無料)」を利用すると東名御殿場ICから約23km・約50分の時間距離で須走口五合目駐車場に着きます。東京方面や静岡方面からのアクセスは東名高速を利用すると便利です。マイカー規制中は、臨時駐車場で乗り換えになります。
須走口五合目へのアクセスで、御殿場以東方面から国道246号線を利用する場合は、駿河小山から246バイパスを走り途中の菅沼交差点から県道151号線から「ふじあざみのライン(無料)」を走ると須走口五合目駐車場に着きます。駿河小山から約27km・約50分の時間距離です。陸上自衛隊富士駐屯地を過ぎた頃から勾配のあるふじあざみラインを走ります。
須走口五合目へのアクセス2:鉄路利用の場合
須走口五合目へのアクセスで、鉄道を利用する場合は下車駅からバスに乗り換える様になります。JR御殿場線又は小田急線を利用することになります。東京方面からのアクセスは、JR東海道線国府津駅で御殿場線に乗り換えて、松田駅又は御殿場駅でバスに乗り換えます。新宿方面からのアクセスは小田急線新松田駅からバスに乗り換えると便利です。
須走口五合目へのアクセス3:小田急線新松田駅発のバス
須走口五合目へのアクセスは、小田急線「新松田駅」からバス利用ができます。新松田駅発平日は、8時50分・9時50分・11時50分の3本。土日祝祭日は、7時30分・8時50分・10時50分・12時50分の4本が運行されています。途中バス停2ヶ所ありますが、須走口五合目までは約1時間半で着きます。往復折返し運行ですから富士登山を有効に楽しめます。
須走口五合目へのアクセスの新松田からのバスの運賃は、大人片道2060円・往復3100円、子供片道1080円・往復1550円となっています。因みに、途中「須走浅間神社」と「あざみ駐車場」の2箇所のバス停があります。運行期間は、平日「7月17日から8月31日」、土日祝祭日「7月14日から9月2日」ですが詳細は富士急行バス会社に問い合わせてください。
須走口五合目へのアクセス4:JR御殿場御殿場駅発のバス
須走口五合目へのアクセスは、JR御殿場線「御殿場駅」からのバスは、7月7日から9月10日までは、毎日運行と祝祭日増便となっています。御殿場駅発バスは、毎時35分発で7時・8時・9時・10時・11時・12時・14時・16時で最終バスが平日17時35分・土日祝祭日が18時25分になっています。約1時間で須走口五合目に着きます。富士登山に一番近い駅です。
須走口五合目へのアクセスで、JR御殿場線「御殿場駅」からのバスは、途中バス停4ヶ所があります。御殿場駅発11時35分と12時35分と16時35分のバスは、御殿場プレミアムアウトレットを11時20分と12時20分と16時20分発に始発場所が変わります。須走口五合目駐車場までの御殿場駅からの運賃は、大人片道1540円・往復割引2060円になります。
須走口五合目へのアクセス5:シャトルバスとタクシー
須走口五合目へのアクセスで、マイカー規制中(毎年7月から9月の指定された期間)に車でアクセスする登山者は、須走多目的広場が臨時的に駐車場として開放されて、シャトルバス乗り換え場が開設されます。マイカー規制中は、ここでシャトルバス或いはタクシーに乗り換えて須走口五合目まで行くことになります。臨時駐車場は24時間開放されています。
須走口五合目までのシャトルバス
須走口五合目へのアクセスで、須走多目的広場からシャトルバスは登山が「5時から20時」まで、下山は「6時45分から20時15分」までの間30分間隔(一部60分間隔)で運行されています。所要時間約30分で須走口五合目駐車場に着きます。運賃は大人片道1190円(往復割引1800円)、子供料金は大人料金の半額です。乗り換えもスムーズにできます。
須走口五合目までのタクシー
須走口五合目までのアクセスで、須走多目的広場からタクシーが利用できます。須走多目的広場タクシー乗り場から約11km・約17分の時間距離で、中間基準料金小型(4人乗り)3300円・中型(5人乗り)3900円・大型(5人乗り)4700円・ジャンボ(9人乗り)4900円です。夜間割増(2割増)料金などがあります。所要時間や距離で変動があります。
須走口五合目の駐車場情報
須走口五合目登山口までは、車・バス・タクシーなどの交通手段があります。そこには、須走口五合目無料駐車場があります。しかし、夏期マイカー規制の期間中は須走口五合目の駐車場利用ができません。その代替駐車場として須走多目的広場を臨時駐車場として利用することになります。そこからはシャトルバスなどで須走口五合目まで行くことになります。
須走口五合目駐車場情報その1:須走口五合目駐車場
須走口五合目駐車場までは、標高差1160mある勾配がキツイ割にカーブが少ない比較的走りやすい道路「ふじあざみライン」を11.5kmほど走ります。駐車場スペース200台の無料駐車場ですが、マイカー規制中は利用ができません。須走口五合目駐車場付近の道路の路肩に駐車している車がありますから走行に注意が必要です。高山植物や絶景を堪能できます。
須走口五合目駐車場駐車パターン
須走口五合目駐車場の駐車パターンが登山目的によっていくつかあるようです。「夕景を楽しむパターン(16時ころから21時ころまで)」や「ご来光だけを楽しむパターン(4時ころから9時ころまで)」や「日帰り登山を楽しむパターン(6時ころから18時ころまで)や「夕景とご来光を楽しむ一泊パターン」などがあります。こんな駐車傾向があるようです。
須走口五合目駐車場の利用者の傾向がこの様に、ある意味パターン化されているようですがこの傾向は必ずしも混雑予想ではなく、マイカー規制や道路閉鎖時期などによる限られた道路交通事情や富士山の観光需要などから想定したもので、当然ピーク時には収容200台の駐車スペースなので混雑は予想されます。駐車場情報など事前に知っておく事が大切です。
須走口五合目駐車場早朝駐車が狙い目?
須走口五合目駐車場の混雑時には、駐車待ちの車で2km前後の縦列渋滞がある事があります。日帰り登山や観光目的での日中の駐車が多い駐車場ですから、駐車場情報に留意することが望まれます。駐車場の混雑を避けて路肩駐車をしている人もあるようですが、意外と朝の6時とか7時ころなどには余裕があるようです。早朝の駐車場利用が狙い目のようです。
須走口五合目駐車場情報その2:須走多目的広場駐車場
須走口五合目駐車場のマイカー規制期間中の7月上旬から9月上旬まで臨時駐車場として須走多目的広場が開放されます。御殿場ICから国道138号線を河口湖方面に約12km・約20分のところに須走多目的広場臨時駐車場があります。駐車スペースは、500台・駐車料金1000円で、ここからシャトルバス又はタクシーに乗り換えて須走口五合目まで行きます。
30分間隔のピストン運行?
須走多目的公園臨時駐車場は、駐車スペース500台・駐車料金1000円の乗り換え駐車場です。シャトルバス乗り場とタクシー乗り場があります。ここからのシャトルバスは、須走口五合目まで(所要時間約30分)大体30分間隔で5時から20時までの間ピストン運行されています。臨時駐車場は24時間開放ですが満車時には、近くの駐車場に誘導されます。
臨時駐車場満車時の誘導駐車場
須走多目的広場駐車場が満車のときは、近くの東口本宮富士浅間神社南側の「富士登山道須走口駐車場」(約1km・徒歩15分くらい)に誘導されることがあります。須走多目的広場臨時駐車場は、8月のピーク時には稀に満車になる日もあるようです。因みに、臨時駐車所の近くの「すばしり道の駅」では、地場産のお土産や疲れを癒やす足湯などが楽しめます。
須走口五合目の山荘情報
須走口五合目から富士山頂剣ヶ峰まで続く約7kmの登山道の所々に山荘があります。須走口五合目(標高1970m)には「山荘菊屋」と「東富士山荘」や「砂払五合目吉野屋」があります。この他に公衆トイレと派出所兼登山案内所があります。毎年4月から11月までの期間営業で宿泊もできて食事もできるという富士登山者の立ち寄り場として親しまれています。
須走口五合目山荘情報その1:山荘菊屋
須走口五合目の「山荘菊屋」は、ふじあざみライン駐車場の近くで4月28日頃から11月3日頃まで営業しています。菊屋からの眺望は、眼下の山中湖から箱根外輪山や丹沢連峰や相模湾越しに江ノ島や横浜遠くは房総半島まで見ることができます。そして、御来光や歩いて20分位のところの小富士からの眺望が楽しめます。旅館の風情を感じる山荘菊屋です。
旅館を感じる山荘菊屋
山荘菊屋から小富士に至る所々には高山植物が見られ、融雪期に出現する山頂成就岳から流出する融雪水で形成される幻の滝や和製グランドキャニオンと呼ばれる景観などが楽しめます。山荘菊屋は、収容数70名・食事50名の規模で、一泊2食付き7500円・一泊1食付き6000円と素泊まり5000円で利用できます。料理メニューも沢山で美味しくいただけます。
須走口五合目山荘情報その2:砂払五合目吉野屋
須走五合目の砂払五合目「吉野屋」は、下山道に面していて須走口五合目登山道から250m横切ったところに位置しています。須走口五合目からは大体30分40分で到着します。標高2000m富士山の東側に面していて御来光を真正面に見る事ができる場所です。また、気象条件にもよりますが山中湖や相模湾越しに三浦半島や房総半島までの景観が楽しめます。
ゆったりできる空間が素敵な吉野屋
砂払五合目吉野屋は、須走口では新しい山小屋で7月初旬から9月中旬まで営業しています。収容人数は100名で、循環式水洗トイレの設備があります。宿泊料は一泊2食付5000円・1食付き4500円・素泊まり4000円で利用できます。なお土曜・休前日の宿泊料は500円増しになっています。ゆったりと疲れを癒せる空間が素敵な砂払五合目吉野屋です。
須走口五合目山荘情報その3:その他の須走口山荘
須走口五合目から山頂を目指す登山道或いは下山道にはこの他にも、東富士山荘(五合目)・長田山荘(新六合目)・瀬戸館(本六合目)・太陽館(新七合目)・見晴館(本七合目)・江戸屋(八合目)・胸突江戸屋(本八合目)・御来光館(八合五勺)と山口屋(須走口頂上)が紹介されています。宿泊状況など山荘情報は事前確認をおすすめします。
富士登山のあれこれ
富士登山に際してあれこれ知っておきたいことがあります。何と言っても「高山病」に注意することです。登山前日の体調管理や登山計画にゆとりを持って、宿泊前提の行程を考えて寝不足や疲れの解消に努めて富士登山に挑むことが重要です。また、登山中の怪我などの予防なども考慮して、自分の体調や体力に合わせた無理のない登山計画を心がけたいです。
富士登山にかかる装備やお金の準備
3000m級の登山になるのですから、当然に装備はしっかりしたもので万全な準備をします。天候の変化に対応できる防寒具や雨具などの準備も大切です。そして富士登山に欠かせない「お金」の準備です。富士山保全金1000円や有料トイレや宿泊料や飲料水(ペットボトル飲料)などに、大体20000円程度のお金の準備が必要です。忘れないようにします。
富士登山ルートの知っておきたい色別管理
富士登山ルートを確認する。富士登山口は4つのルートが有り、それぞれの起点ごとに色別でルート管理がされています。富士宮口五合目から始まる富士宮ルート「青色」・御殿場口新五合目から始まる御殿場ルート「緑色」・スバルライン五合目から始まる吉田ルート「黄色」と須走口五合目から始まる須走ルート「赤色」です。色・表示など統一されています。
富士登山のマナー上り優先など
富士登山に限らず登山では、上り優先がマナーですから狭い登山道などでは、道をゆずることを忘れないようにします。また、無理な追い越しや休憩場所での大声を控えること。更に鳥獣の巣などは触らないこと。落石など事故防止時には大きな声でまわりに知らせる事や、怪我人など救助協力を惜しまないことことです。気持ち良い登山はマナーが大事です。
ゆとりある登山計画の実践
富士登山に際して無理な登山計画を避けることです。山荘や山小屋に宿泊することをおすすめします。疲労回復ができて高山病予防対策にもなるので山荘での一泊は計画に入れておくと良いです。ピーク時には満室になるなどがありますから事前に予約はしておくことです。ただ、旅館と違い着替え場所や雑魚寝などの環境の違いがありますから注意してください。
天候条件と体調管理
富士登山のピークは、梅雨明けの7月下旬から8月中旬にかけてです。この時期の富士山は、登山者で混雑しますから、事前に駐車場や登山ルートの混雑状況を確認する必要があること。そして、天候が変わりやすい条件が揃っていますから、気温差や突然の濃霧や雨、更に寒さなどへの対策も必要です。しっかりした体調管理や事前の現地情報確認が必要です。
環境保全などによる規制状況の確認
富士登山の起点は、どのコースも標高差はありますが五合目辺りが一般的です。麓から五合目までの移動手段が、車やバス・タクシーなどの公共交通機関になりますが、ピーク時には渋滞などが確実に予想されます。そして、自然環境保全や登山者の安全管理などへの配慮もありマイカー規制や通行制限などの規制があります。事前の下調べは十分にすることです。
須走口五合目富士山の自然が楽しめて御来光も
いかがでしたか。富士須走口五合目までのアクセスや駐車場・山荘情報を紹介しました。また、須走口五合目まで行く目的は「富士山の頂上を目指す」か「五合目の景観を楽しんで帰る」かという事のようです。須走口五合目の標高は2000m前後ということで、高山植物など富士山の自然が楽しめて、御来光も見れます。須走口五合目楽しいことが沢山あります。
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