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メークロン市場とは
「メークロン市場」と言われてもピンと来る方は少ないでしょうが、この画像を見ると知っているという方も多いのではないでしょうか。メークロン市場とは、タイのバンコク近郊のサムットソンクラーム県にある市場で、線路の上に出店し、鉄道がとおる度にその市場を折りたたむ光景で有名な市場です。
ちなみに、メークロン市場の「メークロン」とは、タイの国鉄の駅の名称で、市場はその駅から程近い場所に存在しています。地元の方たちの間では「傘畳み市場(タラート・ロム・フーブ)」と呼ばれています。
そんな地元の方にも愛され、ツアーでも人気の観光スポットである「メークロン市場」について、マーケット情報や行き方の情報も含めて、詳しくご紹介していきましょう。
メークロン市場の歴史
線路すれすれで開かれているメークロン市場ですが、このような場所に市場があるのには理由があります。そもそも、現在国鉄の駅になっているメークロン駅ですが、当初は私鉄の駅として機能していました。しかし1946年に国有化されたことがきっかけになったのか、周囲に民間人が勝手に家を建て始め、30年ほど前に商売を始めてしまったのが始まりです。
途上国の多くのスラムが線路沿いにあるのと同じで、タイでも通常の場所に家を建てられない人は線路沿いなどの国有地に勝手に家を建ててしまいます。貧しさがきっかけで始まった市場ですが、観光地となっているのは「市場」という、他にはない特徴があるからです。
メークロン市場の人気の秘密
前述のとおり、メークロン市場は一風変わったマーケットなのですが、何故このように今多くの観光客が押し寄せるのでしょうか。テレビ番組などで紹介されたことや、ガイドブックに載ったことが人気に火をつけ、今は押し寄せる観光客が次々に投稿するSNSで更なる人気を呼んでいる状態です。
また、その人気を知った旅行会社がメークロン市場へのオプショナルツアーを企画し、気軽に行けるようになったことも人気の秘密です。メークロン市場だけでなく、近隣の観光地である水上マーケットにも同日に訪れるツアーなどが特に人気を呼んでいます。
メークロン市場の楽しみ方1.ローカルな雰囲気を楽しむ
メークロン市場に行ったとして、楽しみ方とはどのようなものでしょうか。お土産ものなどが売っているかというと、残念ながらそうではありません。メークロン駅は元々サムットソンクラーム県の海産物や農作物を運ぶ鉄道の駅として始まったため、マーケットでは今も多くの農作物を扱っています。
メークロン市場はローカルな市場のため、バンコクのウィークエンドマーケットのような買い物を楽しむことはできませんが、地元の人たちの生活を肌で感じることができ、とても面白いです。また、農作物といえばタイはマンゴーなどのトロピカルフルーツが有名。スーパーで買うよりも安く買えるので、買って帰ってホテルや帰路で食べるのもおすすめです。
メークロン市場の楽しみ方2.鉄道の通過を楽しむ
メークロン市場の醍醐味といったらこれ。線路を通過していく電車と傘のように折りたたまれた線路脇の店舗のコントラストは圧巻です。ご覧のとおりメークロン駅に到着する電車は単線で、メークロン駅に到着した電車は折り返して再び戻っていくので往路と復路の二度電車の通過を見ることができます。
メークロン駅に到着した電車が折り返すまでは数十分程度駅に停車するのですが、その間電車の中に入って写真を撮る等の行動もできます。日本だと考えられませんが、タイの国鉄には駅への入場券という制度もないため、出入りは自由です。
メークロン市場の営業時間は午前4時から午後5時まで。市場を通過する電車は一日8本ですが、バンコクからの所要時間と市場の営業時間を踏まえると、メークロン駅に午前8時半着で午前9時発、午前11時10分発で午前11時半発、午前2時半着で午後3時半発のどれかの電車の通過に合わせて向かうのが効率的です。
ただし、タイの国鉄は時刻表通りに動くことはめったにありません。出発も遅れますし、到着に関してはもっと遅れます。メークロン市場からの帰りがあまりにも遅くならないように、早めの電車の時間を狙って向かうのがおすすめです。
メークロン市場の楽しみ方3.電車からマーケットを見る
目的地まで行って、列車の通過を外から眺めるだけがメークロン市場の楽しみではありません。メークロン駅に向かう、もしくはメークロン駅からの電車に乗って中からマーケットを眺めるのも違う楽しみがあります。後程、電車で向かう行き方をご紹介しますが、途中までタクシーで行って最後の1区間のみ鉄道に乗るという方法もあります。
メークロン市場の楽しみ方4.グルメを楽しむ
タイといえばタイ料理。ローカルな市場とはいえ、おいしいお料理は旅の醍醐味です。残念ながらメークロン市場内には観光客向けのお店はありませんが、焼き魚や焼き鳥など夕飯のおかずになるものを売っていたりするので買って帰るのもいい経験になります。飲食店などは後程ご紹介いたします。
メークロン市場の楽しみ方5.線路の上を歩く
日本では現在、線路の上を歩くことは法で禁じられていますが、タイの国鉄ではメークロン市場に限らず多くの場所で一般人が線路上を歩いているのを見かけます。タイで観光客に最も有名な線路といえば、「戦場に架ける橋」ですが、メークロン市場もまた違った景色が見られてとても面白いです。
メークロン市場では線路上に店舗を構えているため、線路の上を歩くと当然線路スレスレを歩くことになります。自分の両側に所狭しと品物が並べられている店舗は、普段目にすることのないとても面白い光景で、電車の本数も少ないため、安全に歩くことができます。
メークロン市場のグルメ1.ワンタン麺
メークロン市場はバンコクから近いとはいえ、お昼の時間をまたぐとお腹がすくものです。マーケット内はローカルな食品ばかりですので、少し離れた場所にあるお店をいくつかご紹介します。まず一つ目は「ゴンメンチャン・バミー・ギアオ(Gong Meng Chan Ba Mee Kiao)」です。
バミーはラーメン、ギアオはワンタンのことで、要するにワンタン麺のお店です。芸能人も多く訪れるという人気の場所で、市場からは徒歩2,3分の場所にあります。メニューには英語はないようですが、中国語のメニューがあるのでなんとなく意味はわかるはずです。
日本にあるワンタン麺とは少し異なりますが、焼き豚が入っていたりととても美味しいです。また、タイならではの汁無しも注文できます。
また、中華まん(サラパオ)もあります。日本に比べてサイズが小さいですが、塩漬け卵(カイケム)の入ったものや、チャーシューまんなどもあり、バリエーションが豊富です。お値段はワンタン麺が40バーツ(約140円)なので、とてもリーズナブルです。
メークロン市場のグルメ2.カーオムーデン
こちらはメークロン市場から徒歩5分程度の場所にある「カーオ・ムー・デン・ナーイ・メン(Khaao Moo Daeng Naai Meng)」です。タイ語でカーオはご飯、ムーは豚、デンは赤なので、直訳すると「赤い豚のご飯」となりますが、クリスピーポークを乗せたご飯の上に甘いタレのかかったご飯のことです。
こちらのお店では珍しく、豚だけでなくアヒルのお肉やソーセージも入っているとのことです。こちらのお店も英語のメニューはないとのことですが、「カーオ・ムー・デーン」と注文すると通じます。お値段は30バーツ(約100円)とのことです。
メークロン市場のグルメ3.シーフード
続いてご紹介するグルメは、シーフードのお店です。サムットソンクラーム県は海産物が多く獲れることで有名なので、美味しいシーフードのお店が点在しています。「ラーン・デーン・アーハーン・タレ―(Daeng Seafood Restaurant)」もその一つで、メークロン市場からは若干離れた位置にあるものの、車やトゥクトゥクを使えば7、8分で到着します。
こちらのお店には写真付きの英語のメニューがあるそうなので、日本からの観光でも安心です。特に蟹が人気だそうで、お値段は時価のようですが1kgあたり大抵1500バーツ(約5000円)程度で食べられるというから驚きです。調理法はメニューに載っていますので、ぜひお召し上がりください。
メークロン市場のグルメ4.タイスキ
続いてご紹介するのはタイスキのお店です。タイスキというのは、日本のすき焼きを語源にしたお鍋なのですが、どちらかというとしゃぶしゃぶに近い鍋料理です。「ドラーズ・スキー(Dollar's Suki)」はメークロン市場から徒歩5分程度の場所にあるタイスキの食べ放題のお店です。
食べ放題で一人159バーツ(約550円)と、とてもリーズナブルなので、マーケット内を歩いたり暑い中の観光に疲れたときにホッと一息つくのにおすすめです。お肉や野菜だけでなくデザートもあるので、このお値段はとてもお値打ちです。
メークロン市場のグルメ5.スムージー
お食事ではないですが、常夏のタイでの観光は暑さでへとへとになってしまいます。そんなときのちょっとした休憩におすすめなのが、「PUNJUNG」です。メークロン市場の端の方にあるお店で、Wi-Fiが無料、そしてなんと列車の通過をお店に座ったまま見られるという人気のスポットです。
当初は市場の列車の通過点の終わりの方にあるという点から穴場だったようですが、現在は列車の通過を座ったまま見られるという点から観光客に人気になり、お店も拡大したようです。スムージーは50B(約170円)で、英語のメニューもあります。
メークロン市場の行き方1.電車
ここまでメークロン市場のマーケット内の情報や観光情報、近隣のグルメをご紹介してきましたが、そもそもどうやって行くのが便利なのでしょうか。ここからはバンコクからメークロン市場への行き方をいくつかご紹介します。まず最初は、電車での行き方です。
ウォンウェンヤイからマハチャイまで
バンコクから電車でメークロン市場まで行く場合の所要時間は約2時間半、料金は23バーツ(約80円)です。まず国鉄のウォンウェンヤイ駅に向かい、マハチャイ駅までの切符を買います。マハチャイ駅までは10バーツ(約35円)で、電車は一時間おきに出ていますが、乗り換え時間がちょうどよくおすすめなのは「7時40分」「8時35分」「9時40分」です。
国鉄ウォンウェンヤイ駅にはBTSシーロム線のウォンウェンヤイ駅からタクシーなどで行けますが、ホテルの多くはサイアム線沿線上にあるため、場合によっては乗り換えが必要になります。ホテルからタクシーで行くのも手段としてはいいかもしれません。
マハチャイからバーンレムまで
マハチャイ駅で降りると次の電車が待っているかというとそうではなく、渡し舟に乗る必要があります。マハチャイ駅のロータリーを出て右折すると商店街があり、そこを進んでいくと左手に渡し舟の乗り場があります。料金は3バーツ(約10円)で、対岸まで3分で到着します。
船を降りて目の前のアーケードを抜け右折して500mほど進むと突き当りになります。突き当り右手には象の置物が目印の駐車場がありますので、その次の角を右折し、道なりに進むとバーンレム駅に到着します。
バーンレムからメークロン市場へ
バーンレム駅からいよいよメークロン市場に向かいます。所要時間は約1時間で、料金は最初の電車と同じく10バーツ(約35円)です。発車時刻は「7時半」「10時10分」「13時半」「16時40分」の4本ですが、16時40分の電車ですと到着時にすでにマーケットが閉まっているので避けましょう。
この電車でメークロン市場の中を通っていくので、窓際の席を取るようにしましょう。到着までの一時間ほど、観光地らしい場所も通過しないので退屈ですが、到着時に眠っていたなんてことがないように気をつけてください。
メークロン市場の行き方2.乗り合いバン
聞きなれない言葉ですが、タイには乗り合いバン(ロットゥー)というものがあります。マイナーな土地のためバンコクからバスが出ていない場所に行く場合などに活躍しています。バンコクのミニバスステーションからメークロン市場までは1時間半で料金は90バーツです。
北バスターミナルからミニバスステーションまで
北バスターミナルへは、BTSモーチット駅もしくはMRTジャトゥジャック駅から車で約10分です。モーチット駅4番出口またはジャトゥジャック駅3番出口を出て、150m程進んだところにあるバス停から出ている122、136、138、145、182、517、B20に乗りましょう。運賃は10バーツ程度(約35円)で、「モーチットマイ」もしくは「モーチットソーン」で降ります。
北バスターミナルに着くと、次はミニバスステーションへ向かう無料シャトルバスに乗ります。ミニバスステーションは2018年に新たにできた場所ですので、知名度が低く、駅からタクシーで行くのはあまりおすすめではないため、この行き方が一番行きやすいでしょう。
ミニバスステーションからメークロン市場へ
ミニバスステーションに到着すると、カウンターでチケットを買います。カウンターはアルファベット順に並んでいて、メークロン市場行きのチケットはD8のカウンターです。乗り合いバンは朝4時10分が始発で約40分間隔の運行ですが、あまりにお客さんが集まっていないと人数が揃うまで発車しないという場合もあるので、早めの時間を狙っていきましょう。
旧南バスターミナルから行く場合
バンコクには北バスターミナルのみではなく、南バスターミナルや東バスターミナルというものもあり、旧南バスターミナルからもメークロン市場行きの乗り合いバンが出ています。料金は60バーツで所要時間は約1時間半。ターミナルへは「サーイタイガオ」とタクシーに伝えると連れて行ってくれます。新南バスターミナルと間違えないようにしましょう。
注意事項
バンコクから乗り合いバンに乗ったことのある方は、ビクトリーモニュメントの乗り合い番乗り場を思い浮かべるのではないでしょうか。BTSの駅からすぐで便利だったのですが、こちらは渋滞緩和のため2016年に廃止されています。行っても乗り合いバンはありませんので間違って行かないように注意してください。
メークロン市場の行き方3.タクシー
メークロン市場に行く、一番楽な行き方はタクシーです。バンコクのタクシーは通常メーター制ですが、メークロン市場はバンコクの外にあるため、値段交渉で行くことになるでしょう。値段は1,000バーツ(約3,400円)が目安です。流しのタクシーですと値段をふっかけられたり、乗車拒否される恐れもあるので宿泊先ホテルの担当者にお願いするのが確実です。
メークロン市場の行き方4.ツアー
メークロン市場に行くには、自力で行くほかツアーを利用するという行き方もあります。ツアーですと少々お値段はかかりますが、日本語での説明が聞けるという安心感や、車で回ってもらえるので一日をかけて様々な人気の場所を観光できます。タクシーほど融通は利きませんが、行きたい場所を回るツアーが催行されている場合にはおすすめです。
メークロン線の乗車体験付きのものや、水上マーケットとメークロン市場の両方を回るツアーなど、様々な種類があります。昼食も付いているツアーも多いですので、現地での屋台の食事に不安がある方などはツアーを利用するのもよいかもしれません。
大手旅行会社でも多くオプショナルツアーを催行していますし、旅程を組んだ時点でメークロン市場に行くことを決めていれば、日本からツアーを申し込めるのも利点です。
メークロン市場からアンパワー水上マーケットへの行き方
ツアーには水上マーケットとメークロン市場の両方を回れるものもあると述べましたが、水上マーケットのうち近くにあるアンパワーは自力で行くこともできます。その場合、ソンテオという大きなトゥクトゥクのような乗り物に野って行くことになりますが、なんとお値段は8バーツ(約28円)です。
ソンテオの停留所は、メークロン駅を北に進み一つ目の交差点を右折して200mほど先のセブンイレブンの前です。青いソンテオが沢山停まっていますので、運転手にアンパワーに行くかどうかを確認して乗り込みましょう。所要時間は約30分です。
アンパワーから帰る場合は、乗り合いバンが便利です。アンパワーは人気の観光地のためバンコク行きの乗り合いバンはすぐに埋まってしまいますので予約するのがおすすめです。
メークロン市場からの帰り方
メークロン市場への様々な行き方をご紹介しましたが、帰りはどのようにすればよいでしょうか。ツアーですと、バンコク都内へ、ツアーの内容によっては宿泊先まで送ってくれますが、自力で行った場合は自力でバンコクに戻る必要がありますので、いくつかの帰り方をご紹介します。
タクシーで帰る場合
タクシーでメークロン市場に行く際は「往復で」と伝えると帰りの時間まで待っていてくれます。ホテルでタクシーをお願いする際に、往復である旨も一緒に伝えるとよいでしょう。なお、タクシーの運転手にとっては往復も片道も運転する距離は一緒ですので、往復の場合もお値段は1,200バーツ(約4,100円)程度です。
乗り合いバンで帰る場合
往路と同じく、乗り合いバンで帰るという方法がとてもメジャーです。メークロン市場から徒歩3分ほどの場所にバス乗り場(Maeklong Transport Station)がありますので、そこで行先の乗り合いバンに乗りましょう。帰りは「北バスターミナル」「新南バスターミナル」「旧バスターミナル」行きの3つの乗り合いバンがあります。
北バスターミナルは「モーチットマイ」もしくは「モーチットソーン」、新南バスターミナルは「サーイタイマイ」、旧南バスターミナルは「サーイタイガオ」ですので、行先を確認してから乗り込みましょう。
人気のメークロン市場へ行こう
現在じわじわと人気を高めてきているメークロン市場。様々な方法の行き方や観光情報、マーケット情報をご紹介しました。定番の観光地ではないですが、新たなバンコク郊外の観光スポットとしてとても注目を集めています。バンコクに訪れる予定のある方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
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