北海道の花粉についてご紹介
花粉に対するアレルギー反応によって起きる花粉症は、日本人の国民病とも言えるものです。花粉症に苦しむ人がいる事実とうってかわって、同じ生活をしていても花粉症にならなかったり、また住む国によっては花粉症が全くない地域もあります。
日本国内でも北海道には花粉の飛散量が少なく、花粉症の人にとっては過ごしやすい地域であると言われています。北海道の花粉が本当に少ないのか、また北海道で飛んでいる花粉として代表的なシラカバについて情報をまとめました。
花粉症はどうして起こるの?
花粉症の人にとっては忌々しいのが春先の花粉です。くしゃみや鼻水、目のかゆみがひっきりなしに続き、春先の気候の変動に伴って体調を崩す人も多く出てくるため大変な時期だと捉えている人もいることでしょう。
花粉症対策と言いますが、実際は「軽減できてるかな?」と実感が薄いものも多く、この時期になると必ずかかってしまうこともアレルギーの厄介な原因となっています。そもそも花粉症はどうして起こるのでしょうか。
日本で起こる大半の花粉症については「スギ花粉によるアレルギー」
スギ花粉が体内に入ると体が花粉という異物を受け入れるかどうか考えると言われています。そして残念ながら我々のからだは、花粉を排除することを選択してしまいます。その結果からだは抗体と呼ばれる免疫をつくりはじめます。
「スギ花粉によるアレルギー反応」と聞くと、最初に花粉をからだに取り込んだ時期からからだの拒否反応が起こるようなイメージを抱きがちです。実際は最初からアレルギー反応が起こることはなく、からだが抗体をつくってから始めておこるのがアレルギーです。
異物に対しての拒否反応なので、何とかして私たちのからだは異物である花粉を体外に押し出そうとします。その結果が鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどに繋がってきます。どれも体内にあるものを排出しようとしている働きであることが分かります。
北海道に花粉症はない噂は本当なのか?
花粉症の時期が来ると、アレルギーによって熱っぽく感じる人もいるでしょう。花粉症のシーズンが始まることを、自分の熱っぽさで自覚する人も一定数いると言われています。
一方で本州から距離を隔てた北海道では、花粉症患者の数がぐっと減ります。原因となるスギ花粉によるアレルギーが少ないことが理由と言われています。この噂は本当で、現に北海道のスギやヒノキによる花粉の飛散量は本州と比べても圧倒的に少ないです。
代表的なアレルギー物質であるスギやヒノキによる花粉が少ないかわりに、北海道ではシラカバの花粉が多いとされています。北海道の花粉の特徴を以下にまとめました。
花粉はそもそも人体に有害なの?
ここで気になるのが「からだから追い出す反応をするってことは、花粉は有害なの?」ということです。例えば悪いものを食べた結果、お腹が緩くなるのは異物を出そうとしている反応であるため納得できます。花粉も同じようにからだにとって有害なのでしょうか。
結果から言うと花粉は本来、人体に無害なものです。しかし現代の日本人は花粉を体内に取り込みすぎていると言われています。からだに無害なものでも、食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると何らかの拒絶反応が出ることがあります。
花粉も同じで多くの花粉を取り込みすぎたり、また花粉に対してのアレルギー反応が体質によって敏感すぎる人はなりやすいです。花粉がない場所で育った人でも、花粉が多い場所に引っ越した後に花粉症を発症することはよくあります。
北海道の花粉の特徴とは?
北海道の花粉に見られる特徴とはどんなものなのでしょうか。スギやヒノキの花粉が北海道で少ないとしても、それ以外の花粉によって花粉症になってしまったのでは意味が薄いようにも感じてしまいます。
北海道で花粉が少ない原因は植えてあるスギやヒノキの数と、夏の日照によるものです。一般的に夏の日照が強く長いと、雄花の成長がよくなり結果的に多くの花粉が次の春先に生み出されるとされています。
スギ花粉は少ないが北海道特有の花粉が存在している
北海道は本州に比べて夏の暑さはぐっと抑えられています。特に道北や道東など、冬の寒さが顕著な地域では夏も冷涼です。日本全体で見てみると、青森県より南はスギやヒノキが変わりなく成長することが分かっています。
本州のほぼ全ての地域と比較すると、青森県より北になるに連れて花粉の飛散量は明らかに減少していきます。自然豊かなイメージのある北海道ですが、確かにスギやヒノキで花粉まみれになっている印象はありません。
花粉の飛散量が違うのはどういった影響があるの?
花粉の飛散量が違うことで、体内に取り込まれる花粉の量にも違いが出てきます。結果として体内で起こるアレルギー反応の頻度や酷さも軽減されるため、人によっては北海道でなら花粉症の薬を全然飲まなくても大丈夫という人もいます。
北海道の花粉の飛散量は道内の地域や樹木のある面積によって異なります。10年平均で見ると北海道内の函館が678、札幌が47、旭川に至っては32平方センチメートルとなっています。
比較対象として1番は茨城県で9857、2位が三重県で9230平方センチメートルです。あまりにもひどい差です。このように北海道では花粉をつくる元である樹木自体がないことになります。それなら花粉が飛ばないことも納得です。
花粉情報や多い時期をチェックして予防することが大事
花粉を出す樹木の観点から、北海道と茨城県では何百倍もの面積の違いがあります。このことから北海道ではスギによる花粉症は少ないのですが、少ない時期を知って予防しておくことも花粉症を防ぐ上では大切です。
北海道で花粉が多い時期は3月から6月にかけてと言われています。一見花粉の飛ぶ時期は長いように見えますが、北海道以外の場所は更に長い時期に渡っています。これは花粉の中でも人によってアレルギー反応を起こす花粉、起こさない花粉があるためです。
北海道の花粉症にはどんな種類があるの?
続いて北海道での花粉症にはどんな種類があるのかについてのまとめです。花粉の飛散量自体が少ないのは嬉しいことです。それに加えて自分がアレルギー反応を持っていない樹木であればそもそも花粉症は発症しないためラッキーと言えます。
北海道内で花粉を飛ばす樹木として代表的なのは以下のシラカバ、ヨモギ、カモガヤ、ハンノキです。北海道が本州よりも冷涼な気候であることから、花粉の飛ぶ時期も本州より遅めの3月末から6月末までにかかっています。
1:シラカバ
北海道の花粉として代表的なシラカバは4月から6月にかけて多く花粉を飛ばします。本州でのスギによる花粉症を発症する人が2月末や3月頃であることを考えると、1ヶ月ほど遅いことになります。
北海道の中で1番花粉症と縁があるのがこのシラカバです。中でも4月中旬から5月末までがピークといわれており、北海道内ではスギやヒノキよりもシラカバの方が花粉の飛散量は多いです。
2:ヨモギ
ヨモギも北海道にある、花粉を出す植物の1つです。ヨモギによる花粉症はスギやヒノキほどメジャーではないため、花粉症の人にもそれほど知名度は高くありません。
ヨモギは8~9月にかけてが花粉を出すシーズンと言われています。春以外の季節に花粉症になる人もちょこちょこいますが、スギほどの症状にならないため気付かない人もいます。8~9月の北海道で花粉症のような症状があらわれた場合、ヨモギが疑われます。
3:カモガヤ
カモガヤも花粉を出す、北海道での花粉症の原因となる植物です。カモガヤはイネ科の多年草でユーラシアが原産です。カモガヤが花粉を飛ばす時期は5~7月となっています。
イネに対してアレルギー反応を起こす人はスギと比べて少ないですが、一般的に見られます。本州ではちょうどスギによる花粉症の症状がおさまった後にやってくるため、いつまでも鼻の調子が悪い、花粉症の症状が長引く場合は複数植物が該当していると考えられます。
4:ハンノキ
北海道で花粉を出す代表的なものの最後はハンノキです。ハンノキはカバノキ科の樹木で日本以外にも中国や朝鮮半島など東アジアによく見られる傾向があります。
カバノキ科ということで、ハンノキもシラカバと同じグループに属しています。北海道ではシラカバよりも少し早く3月から5月までおよそ1ヶ月半~2ヶ月の間が花粉のピークと言われています。
「シラカバ花粉」に注意!北海道の花粉の影響が強い
シラカバが出す花粉は、花粉症だけでなくもっと重篤な事態をまねく恐れもあります。その中の1つが口腔アレルギー症候群と呼ばれるものです。このページの冒頭でも、どういった過程を経て花粉症になるのか手短かに解説しました。
口腔アレルギー症候群を簡単にまとめるなら、「花粉症のアレルギー反応が特定の食べ物でも起きる」現象です。食べ物自体へのアレルギーが原因というわけではなく、花粉症になったせいでアレルギー反応が起きてしまうのですから厄介と言えます。
シラカバの花粉が多くなって口腔アレルギーになる人も
口腔アレルギー自体はシラカバのみが原因ではなく、スギやヒノキでも起こります。ですがスギやヒノキは口腔アレルギー反応を起こす食べ物がトマト1種類という少なさに落ち着いているため、被害はそこまで大きくないと言えるでしょう。
スギ、ヒノキに対してシラカバによって口腔アレルギーを起こす食べ物はサクランボやイチゴ、ピーナッツ、ジャガイモ、セロリ、にんじん、りんご類やマスタードなど多岐に渡ります。シラカバによって口腔アレルギーを引き起こす食べ物にフルーツが多いのも特徴です。
北海道にも生えているシラカバは、特に代表的な口腔アレルギーの原因として扱われることが多いです。ですが同じカバノキ科であるハンノキも同じなため、カバノキ科にアレルギー反応が見られる場合には口腔アレルギーについてもチェックが必要です。
フルーツを食べることができない症状に
具体的に口腔アレルギーになった体内で起きている事柄は、食べ物に対するアレルギー反応とあまり変わりはありません。しかし口腔アレルギーの場合は口の中だけでアレルギー反応が起きるため、じんましんが全身に出るといった症状は起きません。
口の中がぴりぴりしたり、息苦しくなるなど口の周りでのみ起きるため「自分がどの花粉に対してアレルギー体質か」「アレルギー反応を起こすものを食べたか」などを自分で整理しておくことで原因を見付けることも可能です。
花粉症によって特定の食べ物にアレルギー反応が出ることは、知らない人も多いです。花粉症は時期も短いため自分のアレルギー反応を知らないままという人も多いでしょう。1度疑わしい症状が出たら、花粉症のシーズン中は食べないように意識しましょう。
北海道の花粉症で覚えておきたい知識
最後は北海道の花粉症について覚えておきたい知識についてです。花粉症の症状自体は北海道でも本州でも変わらないため、注意事項も同じものがあてはまります。「北海道では花粉症になるけど、他では大丈夫」ということもありません。
現在日本では4人に1人は花粉症患者だと言われています。代表的であるスギやヒノキが圧倒的に原因として多く、ヒノキはスギより遅れて花粉を飛ばすため2月から5月くらいまで花粉症の症状が和らがない人もいます。
マスクをする、室内に入るときは花粉を落とす、外出から入ったらすぐにお風呂に入るなどをして花粉をできるだけ吸い込まないことが大切です。洗濯物も取り込む前には無数の花粉がついているため、落とすことを忘れてはいけません。
おすすめの病院は?
花粉症にかかった場合、早めに病院に行き診察を受けることをおすすめします。症状から見て素人判断で花粉症だと思い込むのは危険ですし、市販の薬を服用した際に大きな副作用があらわれる可能性もあります。
他の薬との飲み合わせや個人による別のアレルギーも加味されるため、花粉症のシーズンの前に受診することをおすすめします。花粉症だと分かれば、お薬を3ヶ月分など長めに出してもらうことで安心して服用することができるでしょう。
花粉症の症状が出た場合、代表的なのは耳鼻科に行ってみてもらうことです。耳鼻科の他に内科でも見てもらうことができます。これはアレルギー反応は内科に属していることによるものです。シーズンで耳鼻科が混んでいるという人は近くの内科も調べてみてください。
自分でケアする方法は?
花粉症を根治させることは難しく、特に自分でできることは限られています。現状では「花粉をよせつけない」生活をしてシーズンを乗り切るのが1番だと言われています。手洗いうがいや鼻洗浄の他、寝具に花粉がつかないように意識しましょう。
出かける際にはセーターなどのモコモコした生地のものは、花粉が繊維のスキマに入り込んでしまい取れなくなってしまいます。できるだけ外出時はツルツルした生地のものを選び、屋外と屋内にいるときで着用する服を分けることも大事です。
また薬を服用する際にはシーズンの少し前から余裕を持って飲んでおくとよいと言われています。花粉症のシーズンが近づいて来たら、あらかじめ時間のあるときに行きつけの病院でお薬をもらっておくこともおすすめです。
北海道の花粉を知っておけば対策することもできるかも
花粉症が起きるメカニズムや北海道の花粉の種類、また口腔アレルギーについてのまとめでした。北海道ではスギが圧倒的に少ないことにも驚きますが、それでも花粉症と原因が全くないというわけではありません。
逆に北海道で花粉症になっているという人は、スギやヒノキ以外が原因となっていると考えられます。どの種類に対して自分がアレルギー体質なのか、知っておくことでピッタリシーズンを抑えることもできるようになるでしょう。
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