イシガレイを釣って美味しい料理を作ろう!
イシガレイは日本全国の沿岸に生息するカレイ科の魚で、惣菜魚として親しまれています。イシガレイは、目のある側に石のように固い骨質の板があることが大きな特徴となっています。ここではそんなイシガレイについて、さばき方や臭い、食べ方、刺身や煮付けのレシピなどの情報を交えて紹介します。
イシガレイってどんな魚?
イシガレイはカレイ目カレイ科の魚で、地方によってはイシモチと呼ぶところもあります。日本各地の沿岸に分布し、主に水深70メートルより浅い砂泥底に住み、小さな甲殻類や小魚を食べて生息しています。またイシガレイは、カメレオンのように周囲と同化する能力を持つことでも知られています。
見た目の特徴
イシガレイの特徴は、表面の真ん中を横にスジが走りそれに沿って石状の骨質が並んでいることで、中には白や黒の斑点のある魚もいます。マコガレイなどとは違い、鱗が無いのも特徴の1つで、表面、裏面ともにヌメリがあり独特の臭いがあります。またイシガレイは、小さい時は太目ですが、成長するとともにほっそりとしてきます。
味の特徴
イシガレイはしっかりとした歯ごたえのある魚で、刺身や煮魚、焼き魚など種々の料理法があります。新鮮なイシガレイなら、臭いの強いヌメリや石のように硬い骨片を取り除き、さばいて刺身で食べるのが極上の味わい方となります。また、塩焼きならあっさりとした淡泊な味わいとなり、から揚げにすれば、ビールや日本酒の格好のおつまみとなります。
イシガレイの名前の由来・漢字
イシガレイは目のある側の背びれや尻びれに沿って石のように固い骨質の突起が並んでいることから石鰈(イシガレイ)と呼ばれるようになったそうです。
特に鮮度の良いイシガレイは、刺身にしても煮付けやから揚げにしても大変美味しく味わうことができます。
イシガレイの地方名・外国名
イシガレイは地方により、イシモチ、イシガレ、イシダ、イシモチガレイ、エシガレイ、カッタイビラ、ゴソガレイ、コモチガレイ、シロガレイ、スイナシ、セエタ、マコなど様々な呼び方があります。これはイシガレイが全国的に生息するポピュラーな魚であることを表しています。
またイシガレイは、漢字では石鰈と書き、英語では、Stone・flounderと呼ばれています。外国語でもStone(石)と呼ぶのが面白いところです。更にイシガレイの学名は、ちょっとむずかしいですが、Platichthys・bicoloratusと名付けられています。
イシガレイの値段
イシガレイは産地によって価格差があります。評価の高い関東や瀬戸内ではイシガレイは高級魚で、特に夏場の活魚は値段が高く、逆にあまり評価されていない日本海側では比較的安い値段となります。また活魚と活締めのものでは価格差がかなり大きくなっています。
イシガレイは、活締めのもので1キロ当たりの卸し値が2000円前後、活魚なら3倍の6000円もする高級魚です。イシガレイが釣れたら、ばたばたさせて傷を大きくしないよう、急いで締め、丁寧に持ち帰ることをおすすめします。
イシガレイの生態
イシガレイは北海道から九州までの浅い砂地に生息し、良く獲れる産地は関東から北に多いようです。イシガレイは江戸期にも珍重され、古くから夏の魚として人気がありました。現在でも関東地方を中心に活魚は超高級魚として扱われています。イシガレイは、刺身やアライとして味わうことが多いため、新鮮なイシガレイが尊ばれています。
イシガレイの生息地
イシガレイの生息地は、日本では、北海道全沿岸、青森県から九州西岸の日本海沿いにかけて、東シナ海沿岸、青森県から豊後水道までの太平洋沿岸にかけて、瀬戸内海などです。また、日本近海のの渤海(ぼっかい)、朝鮮半島全沿岸、サハリン、千島列島などにもイシガレイは生息しています。
そして、どの海でも、水深30メートルから70メートルの海底の砂泥地に潜むように生息しているのがイシガレイです。
イシガレイの食性
イシガレイの食性は肉食で、体が細く多数の環節に分かれるゴカイなどの環形動物やアミ、小さなイカ、イカナゴなどを捕食して育っていきます。
またイシガレイは、二枚貝なども好物で、釣り餌として、イワイソメやアオイソメ、場所によってはアサリやホッキ貝を付ける地域もあるようです。
イシガレイの産卵期
イシガレイの産卵期は秋の11月から春の4月にかけてが多く、産卵は浅場の海底で行われます。一般的に、北の地方ほど産卵時期が遅くなるようです。
イシガレイは、稚魚期には微細な単細胞性の珪藻類や甲殻類、貝の幼生などのプランクトンを食べて育ちます。
イシガレイの旬の時期
イシガレイを味わうのに最も美味しい旬の時期は、7月、8月の夏の季節です。基本的には活魚がもっとも美味しく、鮮度が落ちるにつれ皮目に鼻を衝くような臭いが出て臭くなります。夏の旬の時期には鮮度が高く、白身で透明感があり、膨らみのある旨味が感じられます。また、イシガレイの卵巣も美味とされています。
イシガレイの栄養と健康効果
イシガレイは高たんぱく、低脂肪の食材で、味は淡泊であっさりしています。消化が良く、低カロリーのため、健康志向の人には大変喜ばれる魚です。また、タウリンが多量に含まれているため、コレステロール値や血糖値を抑える効果があり、動脈硬化を防ぐことにも貢献します。
高タンパクで低脂肪!
イシガレイは脂肪分が低い上にたんぱく質を多く含む大変ヘルシーな魚で、健康食としておすすめです。
また、白身が淡泊なため、消化が良く、カロリーも少な目で、病人に対する食事や離乳食などにも向いています。
タウリンが多く含まれる
イワガレイにはタウリンが多く含まれているため、動脈硬化の予防や血圧の正常化を促します。
また、コレステロール値を下げたり、血糖値の上昇を抑えるなどの効果があり、血圧が高めの人や糖尿の気がある人などにはおすすめの食材と言えます。
イシガレイの釣り情報
イシガレイを漁獲する方法には、底引き網漁や定置網漁、刺し網漁などの漁獲方法があります。また、イシガレイは浅い海の底の泥地に潜んでおり、イシガレイを釣るには、その特性を生かした釣り場やポイントを選ぶことが必要となります。一般的には、比較的浅場の海を選び、投げ釣りや船釣りで釣ります。
イシガレイが釣れる時期
イシガレイは日本海側では全域に、太平洋側では青森県から大分県までの地域に分布しています。イシガレイは、推進30メートルから70メートルの砂泥地に同化するように身を隠しています。
イシガレイは、11月前後から4月頃までの晩秋から春にかけて産卵するために、夏の終わり頃から秋にかけて栄養を蓄えます。そのため、イシガレイの身が最も肥えて美味しい旬の時期は7月から11月にかけてとなり、特に関東以北の地域で水揚げが多いことで知られています。
イシガレイの釣り場
東北地方や北陸地方、瀬戸内海辺りでは、イシガレイがカレイ釣りの中心的存在となっています。
また、関東地方では、茨城の鹿島灘がカレイの釣り場として有名で、イシガレイやマコガレイが多数釣れます。
イシガレイの釣り方と仕掛け
イシガレイを釣る方法としては、堤防や岸壁から投げ釣りで狙う釣り方と船やボートから釣る方法があります。
投げ釣り、船釣りに共通して言えるイシガレイの釣り方のコツは、軽めの竿を使い、針のかかりを手助けする天秤仕様の仕掛けを作ることです。それによってイシガレイが釣りやすくなります。
投げ釣り
イシガレイの投げ釣りは、数本の竿を仕掛けて当たりを待つやり方が一般的で、針のかかりを良くする天秤仕様の仕掛けを作り、先端に針と餌または疑似餌を付けます。釣り針に近い糸には、ビーズやパイプなどを付けて飾ればより効果を増します。飾りが無い場合は、竿をあおり、仕掛けをゆっくり引けば効果があります。
船釣り
イシガレイを船釣りで釣る場合は、竿を上下に動かし、重りで海底を叩くようにするため、2メートル程の軽めの竿を使うと効果的です。十分な糸が巻ける小型のスピニングリールなどを使って天秤仕様を施し、針を2、3本仕掛けると効果が増します。また、投げ釣りと同じようにビーズやパイプなどの飾りを付けると、魚にアピールしやすくなります。
イシガレイ釣りのエサ
イシガレイを釣る場合の餌として定番に挙げられるのが、本虫とも呼ばれるイワイソメとアオイソメです。イワイソメは、どんなカレイを釣る場合でも万能の餌となります。イワイソメの特徴は臭いで、針付けしたイワイソメから染み出る体液にはカレイを呼び寄せる独特の臭いがあるようです。
一方、アオイソメは動きによってカレイを寄せ付ける餌となります。アオイソメは、海釣りで仕様する餌としては最も一般的ですが、イシガレイを釣る時も効果を発揮します。
イワイソメ、アオイソメ2種類の餌を併用すれば、イワイソメの臭いでおびき出されたイシガレイが、アオイソメのうねるよな動きに刺激を受け、思わず食べてみたくなるということから、相乗効果が発揮されます。
イシガレイの下処理方法
次にイシガレイのさばき方を含めた下処理方法について説明します。イシガレイには、特有の臭いを持つヌメリや、石のように硬い骨片があります。これらを取り除かないと、臭いが消えなかったりうまくさばけないため、まず、その方法からから進めていきます。それが終わってからさばき方の説明に入ります。
ヌメリと臭いを取る
イシガレイの表面を覆うヌメリにはかなりきつい臭いがありますので、下処理の第一ステップとして、たわしと粗塩を使用してしっかりこすりながらヌメリや臭いを落としていきます。背びれや尻びれ、尾びれなどにはヌメリが多く溜まっているため、たわしでしっかり落とすことにより、臭いを取り除くことができます。
硬い石を削ぎ落とす
イシガレイには、通常のカレイにあるようなウロコがありませんが、その代わりに、硬い骨片が3か所にへばりついています。骨片のできる位置はイシガレイによって差があるようです。
イシガレイの背中側、側線、腹側3か所に硬い石のような骨片が板状に並んでいるため、その骨片を包丁でそぎ落とします。ヌメリや臭い、骨片を取り除くことが下処理やさばき方の第一歩です。
内臓を取り出す
石を取り除く作業についての説明が終わったら、次に実際のさばき方についての説明に移ります。さばき方の第一歩は内蔵を取り出すことから始めます。まずイシガレイの胸びれと腹びれに沿って頭を切り落とし、内臓を取り出します。
イシガレイの中骨や主骨に付いている血ワタは歯ブラシなどを使ってきれいに掃除をした後、水で洗い、水気をしっかり拭き取ります。
イシガレイのさばき方
次にイシガレイを5枚におろすさばき方を説明します。まず、尾の付け根のところに横に1本切り込みを入れます。そして切り込みを入れたところからT字になるように楯に1本長い切り込みを入れます。
その次に、背びれと尻びれに沿って筋目を入れます。このさばき方をすることにより、背身や腹身に分かれる節身が切り取りやすくなります。
節身をそぎ取るさばき方の場合、先ほど縦長に切った切り口から切っ先を入れ、身を持ち上げながら切ってゆくとそぎやすくなります。その際に、中骨に沿って刃先でザッと音が出るぐらいに切り進めるさばき方をすると身を残さないでそぎ取ることができます。
このさばき方により、イシガレイの裏表4枚の節身及び中骨の5枚おろしができ上がりとなります。
刺身にするさばき方の場合は、エンガワを切り落とし、節身、エンガワともに皮をそぎ落とせば、即、刺身が造れます。
イシガレイの美味しい食べ方
イシガレイはどんな調理方法にも対応できる魚です。刺身や煮付け、から揚げ、ムニエル、カルパッチョなど、種々の料理法や食べ方があるため、お好みの料理を選んで楽しむことができます。イシガレイの鮮度が良い場合には刺身にして食べるのが最も美味しい食べ方と言えます。
刺身
イシガレイは鮮度の高い内に締めて活作りにするのが最も美味しい食べ方と言われています。イシガレイは新鮮なほどシコシコと締まった歯ごたえがあり、噛みしめるごとに甘みが口中に広がります。
わさび醤油に浸して味わう食べ方なら絶品のテイストが堪能できます。また、日本酒や焼酎と一緒に味わえば更に美味しさが増し、一層食事が楽しくなります。
イシガレイを洗いにして食べる方法もあります。活魚を締めて、あまり冷やさないで水洗いし、5枚に下ろします。それをそぎ作りにして流水で洗います。筋肉を弛緩させる元となるアデノシンが流れ出すことで身が硬く締まり、シコシコとした食感が強まり、夏場に相応しい味わいが楽しめます。
煮付け
イシガレイの煮付けは家庭でも簡単に作れる料理です。晩御飯のお伴にはこの簡単に作れてヘルシーな煮付けがおすすめです。
煮付けにしたイシガレイはふっくらとしており、味の濃い煮汁とともにご飯と一緒に食べれば、俄然食が進みます。
イシガレイの煮付けのレシピ
イシガレイの煮付けのレシピについて説明しましょう。まず頭を落として1切れ100グラムほどに切り分けたイシガレイを数切れ準備します。切り分けたイシガレイは湯通しし、冷や水に入れてヌメリや血などを洗い流します。
また、薄切りにした生姜、5センチ幅のネギを用意しておきます。鍋または大きなフライパンに醤油、みりん、酒、砂糖などの調味料を入れ、水を加え、生姜の薄切りを加えて火にかけます。
鍋の煮汁が沸騰したら4切れほどのイシガレイとネギの白い部分を鍋に入れます。イシガレイの上に落とし蓋を被せ、少な目の煮汁が全体に行きわたるようにします。中火より少し弱めの火加減で5分ほど煮ます。
煮終わった後、落とし蓋を取り、ネギの青い部分を加え、スプーンで煮汁をイシガレイにかけながら更に5分ほど煮ます。丁度良い頃合いを見計らって火を止めればイシガレイの煮付けのレシピが完結します。煮付けの甘い味が食欲をそそります。
ムニエル
イシガレイは刺身や煮付けも美味しい食べ方ですが、ムニエルにして食べるのも粋な食べ方の1つです。バターで焼いたイシガレイに、醤油ベースのタレをかけて食べる味は他の料理法方とは一味違う美味しさが楽しめます。バター風味の利いたイシガレイのムニエルは、白身を引き立て絶妙で上質なテイストを引き出します。
醤油ベースのタレに浸したムニエルにはしっかりとした味が付いており、ご飯やワインなどにも良く合います。
イシガレイのムニエルのレシピ
イシガレイのムニエルのレシピについて説明します。まず、下準備として、ジャガイモの皮を剥いて芽を取り除き、1口の大きさにカットして、柔らかくなるまで茹でた後、潰して塩コショウを振っておきます。人参は皮を剥き、1口大に細長く切って面取りをし、茹でておきます。
次にイシガレイの両面に塩と白コショウを振り、薄力粉をまぶします、中火で熱したフライパンにバターをひき、イシガレイを焼きます。
両面に焦げ目が付き、中まで火が通ったら取り出します。同じフライパンに、醤油、料理酒、砂糖、レモン汁、有塩バターなどの調味料を入れ、中火で加熱し一煮立ち後、火から下ろします。
付け合わせの入ったお皿にイシガレイを乗せ、調味料を混ぜ、加熱して作ったタレをかければレシピの完結となります。
唐揚げ
煮付けやムニエルも美味しい食べ方ですが、イシガレイをから揚げにするのも一味違う食べ方の1つです。イシガレイををから揚げにして柚子コショウを振れば、ゆずの香りによって魚の臭いが和らげられ、大変食べやすくなります。
から揚げはビールや日本酒にも良く合うので、お酒のおつまみとしても美味しく頂ける1品となります。から揚げのレシピは次の通りです。
イシガレイの唐揚げのレシピ
イシガレイのから揚げのレシピについて説明します。まずイシガレイの身の厚い部分に切り込みを入れた後、ボウルに酒、塩、柚子コショウなどの調味料を入れて混ぜ合わせます。ジップ付き保存袋にイシガレイと調味料を入れ、冷蔵庫で30分ほど寝かせます。30分後、汁気を切り、片栗粉を全体にまぶします。
鍋底から5センチほどの深さになるよう揚げ油を入れ、170度で温めた後、片栗粉をまぶしたイシガレイをキツネ色になるまでじっくり揚げ、油切りをします。皿に盛りつけた後、大根おろし、レモン、シシトウなどを加えたらレシピの完結となります。
カルパッチョ
イシガレイは煮付けやから揚げも美味しい食べ方ですが、カルパッチョにするのもお洒落な料理法となります。イシガレイの身はきれいに透き通っており、弾力があります。
野菜を使ってカルパッチョ仕立てにしてみると、甘みが引き立ち旨味が増します。エンガワ部分のテイストも深みがあるので、じっくり味わってみることをおすすめします。次にカルパッチョのレシピについて説明します。
イシガレイのカルパッチョのレシピ
イシガレイのカルパッチョのレシピについての説明です。カルパッチョを作るには、まず5枚程度におろしたイシガレイを薄切りにして、お皿に並べ、塩、コショウを振ります。次にミニトマトを4分の1の櫛型に切ります。ボールにレモンジュースと醤油を入れ、塩、コショウを振りかけて混ぜ合わせてからオリーブオイルを少しずつ加えます。
次に櫛型に切ったミニトマトを加えて混ぜ合わせます。最後に、イシガレイの薄切りの上にソースをかけ、ミニトマトやお好みのサラダを添えればカルパッチョのレシピの完結となります。カルパッチョも大変美味しい食べ方の1つです。
旬のイシガレイを釣って美味しい料理を楽しもう!
イシガレイは日本全国に生息するカレイ科の魚で、目のある側に石のように硬い骨片が並ぶという特徴を持っています。獲れたてのイシガレイの活魚は高級魚として人気を呼んでおり、刺身などで食べると絶品の味が満喫できます。
ここではそんなイシガレイについて、さばき方や臭い、刺身、煮付けなどのレシピや食べ方などの情報を取り入れながら説明してみました。
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