彼岸花の見頃の時期はいつ？開花する期間や人気の名所もチェック！

どこか可憐で切なさを感じる彼岸花は歌の歌詞などにも多く使われる日本人に最も馴染みのある花のひとつです。花に漬けられた名前からはお彼岸との関係も伺えますが、実際に彼岸花の咲く時期とはいつ頃なのでしょう。

今回は知名度も高く、馴染みも深い彼岸花について開花期間や彼岸花の名所、人気の種類など詳しくご紹介していきます。

日本のあちらこちらで見ることのある彼岸花の開花の時期はいつ頃なのでしょう。彼岸花とはもともと日本に自生していた花なのでしょうか。

普段何気なく見ている彼岸花の見頃の時期や花のベストタイミング、彼岸花が一斉に美しく咲く人気の名所など詳しくご紹介します。

彼岸花はもともとは日本に自生していた花ではなく、中国大陸から間接的に持ち込まれたと考えられています。

現在は北海道から南西諸島までの広い範囲の人里に咲いていて、目にする機会も多いはずですが知名度程は良く知られていないのが実情です。彼岸花とは一体どんな花なのか、彼岸花の特徴や名前の由来、毒性など詳しく説明します。

彼岸花はヒガンバナ科ヒガンバナ属に分類される植物です。9月初旬頃からつぼみのついた茎が30～50センチほど伸び、6枚の花弁が大きく反り返るように、花火のような咲き方をするのが特徴です。

葉をつけた後に花が咲くことが多い植物ですが、彼岸花は最初に花が咲き、花が散った後に葉がつき始めます。葉と花を同時に見ることができないのも彼岸花の特徴です。

田んぼのある地域では畔に沿って咲くなど、湿った場所を好みます。野生で咲いているものは赤色の花が一般的ですが、赤色以外にも白や黄色、ピンクやオレンジ系の花もあります。

彼岸花の名前の由来はお彼岸の時期に開花することに由来します。また別の説では彼岸花を食べた後には死＝彼岸しかないという説もあり、さらに別の説では適切な処理をして非常食とすることもあるため「悲願の花」からきているというものもあり、いずれにしても名前の由来には諸説あることが分かります。

花の名前の由来の説のひとつにもなっている彼岸＝死は実は彼岸花が全草有毒であることが理由です。特に鱗茎と言われる玉ねぎのような葉が層状に重なりあっている部分に有毒物質のアルカロイドが多く含まれています。

口から直接摂取すると吐き気や下痢、ひどい時には中枢神経の麻痺を起こして死に至ることもあると言われています。

しかし、その成分は水溶性で長時間水にさらしておけば無害化するため、第二次世界大戦などの戦時中や非常時には非常食として食用とされていたこともあるのだそう。

さらに毒性分のひとつであるガランタミンという成分はアルツハイマー病の治療薬として利用されています。

美しい赤い花を咲かせる彼岸花の開花期間はどれくらいなのでしょう。また、見頃の時期も併せてご紹介します。

花屋さんなどでもお彼岸の時期になると頻繁に見かける彼岸花ですが、自然の状態での開花期間と見頃の時期をご紹介しましょう。また覚えておきたい開花のタイミングも必見です。

彼岸花が開花する時期は9月の下旬頃です。ちょうど秋分の日の前後、お彼岸の頃が彼岸花の花が咲き始める時期ということになります。

最近は品種改良なども頻繁に行われ、7月や10月に咲き始めるという種類もありますが、基本となる原種はお彼岸前後に咲くのが一般的です。

お彼岸の頃に開花する彼岸花の見頃は10月の初旬までです。彼岸花は開花後は1週間ほどで花を散らしてしまい、きれいな花を見られる期間はとても短いので開花時期を逃さないのがポイントです。お彼岸は9月20日頃から26日頃なのでそのあたりから10月初旬までが狙い目の期間です。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の開花のタイミングとして覚えておきたいのは雨が降った後。湿度が好きな彼岸花はまとまった雨など湿度が上がると一気に開花する特徴があります。逆に乾燥が続いていると時期が来てもなかなか開花しないことも多く、9月中旬～10月初旬にかけての期間中、雨の後が彼岸花を鑑賞するベストタイミングです。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花は北海道から南西諸島まで全国で見ることができる花ですが、沢山の彼岸花がまとまって咲く名所と呼ばれる場所もあります。赤だけでなく、色々な色や種類の彼岸花が咲く人気の彼岸花の名所をご紹介しましょう。ぜひ見ごろの時期をチェックして見頃の期間中に出かけてみてはいかがでしょう。

埼玉県日高市にある彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の名所、巾着田曼殊沙華公園は高麗皮沿いの河川敷に500万本もの彼岸花が植えられている人気のスポットです。

赤い絨毯を一面に敷き詰めたかのような光景は圧巻で、平成29年には天皇皇后両陛下がご来園なさった公園としても知られています。

人気の巾着田曼殊沙華公園は彼岸頃が見頃の時期である彼岸花だけではなくカワセミやムササビなどの野鳥や小動物も観察することができ、自然をたっぷり満喫できる観光地としても人気です。さらに彼岸花の開花時期以外にも桜やあじさいなど四季折々の花を楽しむことができます。

人気の巾着田曼殊沙華公園では毎年曼殊沙華まつりが開催され多くの人で賑わいます。まつりの開催時期はその年によって若干の違いはありますが、9月の中旬～10月の初旬で、見頃の期間もちょうどその時期になります。

まつりの開催中は屋台も並び、地元のグルメや物産品の販売が行われます。注目は名産地にもなっている栗を使ったお菓子で栗拾い大会もぜひ参加してみてはいかがでしょう。

巾着田曼殊沙華公園の彼岸花開花の時期や曼殊沙華まつりはとても人気があり混雑します。車でもアクセスは可能ですが、公共交通機関やシャトルバスなどを利用して行くのもおすすめです。

電車の場合、西武池袋線の高麗駅下車後徒歩15分、JR川越線・八高線の高麗川駅後徒歩45分です。また高麗川駅からは国際興業バス、高麗駅経由飯能駅行、西部池袋線飯能駅から国際興業バスの高麗川駅・埼玉医大国際医療センター行の乗車し、巾着田停留所から徒歩3分です。

車でアクセスする場合は関越自動車道鶴ヶ島ICから約30分、首都圏中央連絡自動車道狭山日高ICから約25分です。

愛知県半田市にある矢勝川の堤防沿いは彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の群生地として日本を代表する人気の観光名所となっています。

彼岸頃が見頃の時期である約300万本の真っ赤な彼岸花が堤防沿いの約3キロにわたって咲きそろうことでも有名です。もともと自生していた群生地ではなく、地元の人たちが球根を植栽し、日々草刈りや株分け作業などをしてここまでの景色を作り上げている場所です。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の名所、矢勝川の堤防の彼岸花の見頃の期間は9月下旬から10月上旬です。この次回に合わせて矢勝川周辺ではごんの秋まつりというお祭りが開催されます。ごんとは小学校の教科書にも登場した新美南吉のごんぎつねのことで、新美南吉が矢勝川近くの出身であることにちなんでいます。

お祭りは彼岸頃が見頃の時期である彼岸花だけでなく、新美南吉に関連した童話に関する紙芝居イベントなども開催され、家族で楽しめるものとなっています。

実際に童話「ごんぎつね」さながらの花嫁行列も行われ、真っ赤な彼岸花の中を白無垢姿の花嫁たちの行列が歩く光景も見ることができます。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の名所として人気の矢勝川の堤防へアクセスは名鉄河和線・半田口駅から徒歩10分、また車の場合は知多半島道路、半田中央ICから約5分です。

駐車場は平日と土日で場所が違い、平日は新美南吉記念館駐車場、土日祝日はアイプラザ半田駐車場がありよう出来ます。お祭りの期間中は駐車場から無料周遊バスが運行されるのでそちらを利用するのがおすすめです。

それぞれの始発はアイプラザ半田9時、新美南吉記念館10時26分で20分毎に運行されるのでとても便利です。

長野県大村市にある鉢巻山展望所は鉢巻山山頂を埋め尽くす100万本の彼岸花が見事な人気のスポットです。現世にいながら極楽浄土にいるかのようで、その妖しい美しさを求めて沢山の観光客が訪れます。赤だけでなく、白や黄色の彼岸花も咲き、彼岸頃が見頃の時期である彼岸花を色々楽しむことができる名所です。

標高334mの山頂から見る360度の眺望は大村湾、多良山系の山々を一望できる絶景で彼岸花の時期以外でも楽しめます。

彼岸頃が見頃の時期である鉢巻山展望所の彼岸花の見どころは展望所だけでなく、周辺一帯に沢山の彼岸花スポットがあることです。展望所までの遊歩道沿いや田んぼの畔など、至るところに咲く彼岸花を楽しむことができます。日本の原風景と共に楽しめるのが最大の魅力です。

展望所には東屋やベンチが設置され、ピクニック気分でお弁当を広げながら彼岸花を眺められます。白、黄色、赤の種類がすべて植えられているので、全ての色が同時咲いている時期に行けば見事な光景を目の当たりにすることも！

咲き誇る彼岸花と一緒に大村湾を一望できる大パノラマも必見で。夕暮れ時から夜景が広がる時間帯は幻想的ともいえる景色が広がります。見頃の期間は9月中旬～下旬にかけてです。

鉢巻山展望所には彼岸頃が見頃の時期であるとされる約100万本の彼岸花が咲きます。夜間のライトアップなどはなく、イベントも開催されていませんがその分静かに彼岸頃が見頃の時期である彼岸花を楽しむことができます。仮説トイレもも設置されているので安心して長時間眺めていることもできます。料金ももちろん無料。

アクセスは大村駅から県営バスターミナルの野岳湖行に乗り、バスで約40分程。松原駅からは車で約10分です。長崎自動車道大村ICから約20分です。20台分の無料駐車場も完備されています。

毒性があり、死とも関連付けられることの多い彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の気になる花言葉はどんなものがあるのでしょう。

赤が一般的な彼岸花ですが、花言葉は色によって違ってきます。彼岸花のそれぞれの色の花言葉についてご紹介しましょう。

彼岸頃が見頃の時期である赤色の彼岸花の花言葉には情熱、独立、再開、あきらめ、悲しい思い出、想うはあなた一人、また会う日を楽しみになどがあります。

葉をつけず、凛と咲いている赤い花からイメージされる花言葉と愛する人との死別による悲しみを表現した花言葉の両方があることが良く分かります。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の白色の花言葉にはまた会う日を楽しみに、想うはあなた一人があります。赤色の花言葉とも重なる花言葉ですが、よりシンプルに情熱と悲しみを表現しています。

白い彼岸花にはリコリスニアホワイト、リコリスアルビフローラ、シロバナマンジュシャゲなどの品種があります。

彼岸頃が見頃の時期である黄色の彼岸花の花言葉には追想、深い思いやりの心、悲しい思い出、陽気、元気な心があります。死者をしのぶ気持ちとそこから立ち上がり、明るく生きていこうという意思が感じられる花言葉です。

黄色の彼岸花の種類にはショウキズイセン、カチューシャ、喝采、リコリスオーレアなどの品種があります。

彼岸頃が見頃の時期であり、その名前の由来にもいくつかの説がある彼岸花ですが、この花には彼岸花以外にもたくさんの別名があります。地方で呼ばれているそれぞれの呼び方を合わせると1000以上にもなるとも言われていて、彼岸花がいかに日本全国で日々の暮らしに根付いているかがよくわかります。

そんな1000を超えると言われる彼岸花の呼び名から代表的ないくつかの名前をご紹介しましょう。毒性や容姿、開花時期など様々な彼岸花の特徴からつけられた呼び名を由来ごとにご紹介です。

曼殊沙華は良く聞く彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の別名です。法華経など仏教の経典に由来する呼び名で、経典の中では天上の花、赤い花として記され、めでたいこととしてつけられた呼び名です。歌の歌詞などで「マンジュシャゲ」という名前が使われることもあります。音の響きが印象的な名前です。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の詩に由来する呼び名には死人花、幽霊花、地獄花があります。いずれも強烈なインパクトのある呼び名ですが、彼岸花という名前からすぐに連想できる呼び名でもあり、死人花や幽霊花、地獄花などをタイトルにした小説も出版されています。彼岸花の花のイメージからもそれほどかけ離れたものではない呼び名です。

彼岸頃が見頃の時期である毒性のある彼岸花にはその毒に由来する呼び名もいくつかあります。ひとつはシンプルに毒花、そしてもうひとつは痺れ花です。

彼岸花を食べた時に起こる症状が呼び名としてつけられていて、その呼び名で呼ばれていれば決して誤って食用にすることはないでしょう。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の花の形や色に由来する呼び名としては天蓋花（てんがいばな）、狐の松明（きつねのたいまつ）、狐花（きつねばな）などがあります。天蓋とは仏像や住職が座っている上に翳される笠状の仏具で花の形がそれに似ていることからつけられています。

また、狐の松明や狐花は彼岸花の葉もないすっと伸びた茎にぽっと花が咲く様子が、何もないところに狐が化けて出たように感じることからくる呼び名です。

彼岸頃が見頃の時期である彼岸花の花の形や色に由来する呼び名には「葉見ず花見ず」や「捨て子花」があります。これはどちらも花と葉が同時に見られない彼岸花の特徴からつけられている呼び名で、「捨て子花」は葉を親に見立て、花が咲いている時に葉が全くない状況を表現しています。彼岸花の特徴がよくわかる呼び名です。

赤でけでなく、色々な色が存在する彼岸頃が見頃の時期である彼岸花ですが、園芸用として育てられている代表的な種類をいくつかご紹介しましょう。もともとはイメージが暗いためあまり人気のなかった彼岸花ですが、欧米でのリコリス人気に伴って日本でもその価値が見直されているヒガンバナ科リコリス属の花の育て方や開花時期などご紹介です。

シロバナマンジュシャゲは呼び名の通り白い花で性質はヒガンバナによく似ています。9月上旬時期に開花し、花後に出葉します。白色だけでなく、クリーム色、薄いピンクなど花形、葉色などが異なる色々な種類があります。ヒガンバナとショウキランとの交雑種と言われている種類です。

リコリス・インカルナータは中国原産の薄いピンク色の花弁に桃紫色の筋が入った種類です。8月上旬から中旬時期に開花し、首の長い球根を有します。

地植えでも綺麗に開花しますが、自宅で栽培する時には球根の頂部を地表面からやや出して鉢に植え付けます。

リコリスオーレアはオレンジがかかった恋黄色の美しい花を咲かせる種類です。ショウキランやショウキズイセンとも呼ばれていて、中国から渡来したものです。品種改良が進み沢山のリコリスが販売されていますが、リコリスオーレアは原種で強いので植えっぱなしにしても毎年よく開花する人気の種類です。

開花の時期は彼岸頃が見頃の時期である赤の彼岸花と比べると早めで、8月下旬頃です。球根は彼岸花よりも一回り大きく、花も大型で背丈も高く豪華な花を咲かせます。

いかがでしたでしょうか。彼岸頃が見頃の時期である彼岸花は名所もある日本に馴染みのある花です。美しく花が咲く期間は短いのでぜひ良い時期をチェックして彼岸花の名所に出かけてみてはいかがでしょう。花言葉や別の呼び名なども知っているとより深く彼岸花を楽しめるでしょう。