雪彦山（兵庫）の登山ルートをチェック！初心者にもおすすめできる？

兵庫県姫路市の雪彦山(せっぴこやま)は、修験道で知られる霊山であると同時に、関西を中心としたクライマーたちの聖地でもあります。雪彦山では、岩山特有の切り立った断崖をザイルを使いながら登るロッククライミングが楽しめると同時に、初心者でも登山を満喫できる一般ルートを利用することもできます。

ここではそんな雪彦山について、初心者にもおすすめの登山ルートや岩場などの情報を交えながら紹介します。

標高915メートルの雪彦山は兵庫県姫路市にあり、新潟の弥彦山、福岡の英彦山と並び、日本三彦山としても知られる霊山です。雪彦山は1万ヘクタールを越える広大な雪彦山峰県立自然公園の中にある名山で、園内には高原や渓谷、滝などの名所があります。

また、雪彦山は日本百景、ひょうごの森百選、兵庫50山、関西百名山、近畿百名産などに選定されており、登山やロッククライミングの名所としても有名です。

大天井岳、三峰岳、不行岳、地蔵岳の四つの峰からなる山を総称して雪彦山と呼ぶことが多いのですが、標高858メートルの大天井岳を雪彦山と呼ぶクライマーも多く、大天井岳を目指す登山ルートが一般的です。

兵庫の雪彦山の魅力の1つが夢前川の清流です。この川は雪彦山を源流とし、置塩谷を経て書写山の東側から播磨平野へ流れており、清流のせせらぎを感じながら川伝いに登山をするだけで、心が洗われます。

雪彦山の一般ルートにあるセリ岩も魅力的なスポットです。こんな大岩と大岩の狭い隙間を通り抜けるような体験はなかなかできるものではありません。

また、秋の晴れた日には、雪彦山の岩場を登り切った上にある展望台からの紅葉の絶景も見逃せない景観です。日本百名山にも選ばれている雪彦山は、様々な見どころや心洗われる魅力的なスポットが満載の名山です。

兵庫の雪彦山登山口にアクセスする場合は、姫路駅から山之内行き神姫バスに60分ほど乗車し、終点の山之内バス停で下車後、雪彦山キャンプ場まで3.5キロメートルほどを徒歩で登ると、自然公園内のキャンプ場にある雪彦山登山口に到着します。

雪彦山自体は1000メートルに満たない山ですが、登山初心者には、この4キロ弱のハイキングに急坂の登山を加えると、全行程ではかなり大変な運動量となります。

雪彦山登山口にマイカーでアクセスする場合は、中国道福崎インターから播但連絡道に入って少し進み、福崎北インターから県道23号線に入ります。23号線の前之庄交差点を右折して67号線に入り、山之内で左折して504号線を進めば、35分ほどで雪彦山キャンプ場にアクセスすることができます。

JR山陽新幹線姫路駅からも、車で1時間ほど行けば雪彦山登山口に到着します。駐車場には30台ほどの車が駐車できます。

雪彦山には初心者でも登れるおすすめの一般登山ルートと上級者用の岩場ルートがあります。どちらの登山ルートも登山口は同じで、雪彦峰県立自然公園内にあります。

登山口から出発して、一般登山ルートの場合は5時間ほどで、岩場ルートの場合は4時間ほどで雪彦山の山頂に到達することができます。

雪彦山登山口から登山を開始します。最初からいきなり急坂の登山となりますが、30分ほど登ると展望台があり、休憩を取りつつ、その場所から雪彦山の全貌を望むことができます。

また急坂が連続し、鎖やロープを使って登り続けると、岩が天井のように覆いかぶさったスポットがあります。その場所が出雲岩です。足元にも大きな岩が重なる歩きづらい場所ですが、注意しながら進みます。

雪彦山は、一般登山ルートでも、鎖やロープを使う急坂の岩場が多いため、初心者と言えども、比較的やさしい山で鎖やロープを経験してから雪彦山にチャレンジすることをおすすめします。

出雲岩を過ぎ、鎖を使って細い溝の岩を登りきると見晴らし岩に到着します。この辺りが最も岩山を満喫できる場所で、眼下には播磨の美しい景観を望むことができます。

更に登り進むと、次に現れるのがセリ岩です。岩と岩の狭い隙間を通り抜けるのですが、普通の体型の人ならまず大抵の人はすり抜けることができます。

その先には馬の背と呼ばれる険しい岩場が出現しますが、頑張って登れば間も無く大天井岳(雪彦山)の山頂に到着します。大天井岳の858メートルの山頂では、しばし、休憩をしたりランチを楽しみましょう。

また、大天井岳の山頂では、休日には雪彦山の登山バッジを販売するおじさんがいますので、雪彦山登山の記念に、バッジを買ってみるのもおすすめです。

山頂で少しの間休憩を取った後、しばらく下ると天狗岩の分岐に出ます。岩場ルートに行かない人は鉾立山方面に直進して雪彦山の三角点へと進みます。三角点の標高は915メートル、鉾立山は雪彦山の最高地点となる標高960メートルを誇ります。

鉾立山を過ぎた後、ジャンクションピークというスポットに出るので、その地点から南へと下ります。下り始めから急坂が続くため注意が必要です。しばらく進んだ後は、虹が滝などのある緩やかな渓流沿いの登山道を下って下山することができます。

大天井岳山頂から少し下ったところにある天狗岩は、一般登山ルートと岩場ルートの分岐になっており、上級者はここから岩場ルートを選んで天狗岩に登ってみるのもおすすめです。

天狗岩を下りた後は地蔵岳を目指して進みます。このコースは垂直に近い岩場が連続するスポットですが、登山道は比較的整備されていますので、手足を使って注意深く登ります。

地蔵岳頭頂部は鋭角の岩峰のため、狭くなっており、高いところが苦手な人にはちょっと厳しい場所かも知れませんが、山登りに慣れた上級者なら問題ないでしょう。

地蔵岳からの下山道も、急坂が続く上に、岩場や木の根の多い歩きにくい道が長く続きます。やがて下山道は一般登山ルートの虹が滝に合流します。川沿いの道を下っていくと、先ほど登った地蔵岳の岩肌を望むことのできるポイントに着きます。この地蔵岳の垂直の岩肌を間近に見上げながら、登山者は｢やり遂げた｣という達成感に浸ることができます。

雪彦温泉は、雪彦山の麓に沸く閑静な山間の温泉で、泉質は肌にやさしく、神経痛や筋肉痛にも効果があるアルカリ成分を豊富に含んだ単純温泉です。この温泉は、山々の緑に囲まれた中でゆったり疲れを癒すことのできる和風の露天風呂が評判の一軒宿の温泉です。

温泉をゆっくり堪能した後は、姫路名物の姫路おでんをおかずにビールを味わうのもおすすめです。

雪彦温泉は男女別の露天風呂や内風呂が備わる他、サウナやフィンランドサウナがあり、入浴料は大人が800円、小学生までの子供が400円となっています。

この温泉は年末年始を除き、通年無休で営業しており、営業時間は10時から18時30分、閉館が19時となります。温泉には無料の駐車場があり、100台の車が駐車できます。

雪彦山の麓にある雪彦温泉へは、JR山陽新幹線姫路駅から神姫バス山之内行きに1時間ほど乗車後、河原口で下車すれば、徒歩約3分でアクセスできます。

車の場合は、中国自動車道福崎インターから県道23号、67号を、夢前、雪彦山方面に14キロほど走ればアクセスできます。

兵庫の雪彦山は、関西ではよく知られた名山で、修験道の霊山であると同時に、登山好きのクライマーたちの聖地でもあります。雪彦山の登山ルートには上級者が好む岩場ルートもあれば初心者でも登れる一般登山ルートもあり、能力に合わせてルートを選ぶことができます。

ここではそんな雪彦山登山について、初心者にもおすすめの登山ルートや岩場ルートの情報を取り入れながら説明してみました。