スキレットのシーズニングのやり方を詳しく解説!
最近では、アウトドアグッズ以外でも、調理器具コーナーや100円均一でも見かけるようになったスキレットですが、シーズニングをしたり、手入れが大変というイメージも強く、スキレットに興味があるものの、購入を躊躇してしまっている方もいるでしょう。
そんな方にために、今記事ではスキレットの正しいシーズニングのやり方や、シーズニングをする以外にも必要なスキレットの正しい手入れのやり方を伝授していきましょう。
アウトドアで使う前に必要なお手入れ方法をチェック!
アウトドア初心者でよくやりがちな失敗は、スキレットを購入した状態のままアウトドア先に持って行ってしまう事でしょう。また、スキレットを購入したままでは不衛生なため、洗剤を使って一度洗ってから持参する方も多いようです。
これでは、スキレットがどんどん劣化してしまったり、アウトドア先で美味しい料理を作るのが難しくなってしまいます。そのため、アウトドア先に持っていく前に必要なシーズニングのやり方や手入れのやり方は、必見です。
スキレットとは
まずスキレットがどんなものなのか、ちゃんと知っておく必要があります。スキレットについて知ることで、そのあとの手入れ方法も変わってくるでしょう。美味しい料理を作るためにも、ぜひスキレットの正しい知識を覚えておきましょう。
またスキレットは、何もアウトドアだけで使う調理器具ではありません。シーズニングをして、正しいやり方で手入れをすれば、自宅で料理をする際にも、大変活躍します。どこでも手軽に美味しい料理が作れるスキレットは万能なのです。
アウトドアで大人気の鋳鉄製のフライパン
スキレットとは、鋳鉄で出来ているフライパンのことを指します。主に、アウトドアで使用されていた調理器具で、料理したまま皿として使えるのも利便性がよく人気があります。
最近では、そのおしゃれさからスキレットのまま料理を提供するお店も増えており、アウトドア以外にも家庭でも使用するような一般的な調理器具となりました。
普通の鉄板やフライパンよりも分厚い鋳鉄によって、一層料理がおいしくなると評判で、特に肉料理などはふっくらとおいしく焼き上がります。そのため最近では、家庭での料理にもスキレットを愛用する人が増えています。
美味しい料理が簡単に作れるスキレット
スキレットがどうして美味しい料理が作れるのかという仕組みがわかると、より適したレシピがイメージしやすくなるかもしれません。スキレットは、通常のフライパンなどよりも熱伝導性がよいため、料理が美味しい仕上がりになるというのは定番の説明。
しかしながら、スキレットが熱が伝わりやすい調理器具だから料理が美味しい味になるという訳ではないのです。むしろ薄いアルミのフライパンの方が、熱伝導の観点だけで見れば優れています。
実はもっと重要なポイントは、スキレットはムラのない温度で均等に加熱ができるから、料理が美味しい仕上がりになるという点。スキレットは分厚い鋳鉄が一度温まったら冷めにくく、食材に伝わる熱にムラが出来づらいのです。
使う前にシーズニングというお手入れが必要
ただし、1点気をつけておきたいのは、スキレットはシーズニングというやり方の手入れが必要だということです。通常のフライパンのような調理器具は、使ったら洗剤で洗ってそのまま乾燥させれば手入れはシーズニングのような手入れは不要。
しかし、スキレットはもっと手がかかります。コーティングされたフライパンや鍋とは違い、自分でコーティング的な手入れをする必要があり、このシーズニングの作業が少々手間と感じる方もいるでしょう。
ただし、シーズニングの正しいやり方や使い終わった後の洗浄のやり方さえ覚えてしまえば、難しいことは何もありません。むしろスキレットはシーズニングの手間を含めても、メリットの方が多いでしょう。
シーズニングは不要なスキレットも!
スキレットに興味があるけど、なんだかシーズニングなどの手入れが難しそうと感じ、中々手が出せない方には朗報です。最近では、シーズニングがすでに終わっている状態のスキレットも販売されています。
そのため、シーズニング済みのスキレットなら、買ってすぐに使用することが可能。面倒なシーズニングの手間を省けます。ただし、1点気をつけて欲しいのは、初回のシーズニングは不要ですが、その後の手入れは必要だという点です。
料理した後からのメンテナンスについては、他のスキレットと同じやり方で手入れが必要で、結局のところ使いっぱなしという訳にはいきません。ただ、初回のシーズニングのみ省けるということです。
スキレットのシーズニングのやり方
スキレットを購入したら、まずやらなければならないのがシーズニングです。1つのメンテナンス方法で、簡単にいうとシーズニングは初回メンテナンスのようなイメージ。美味しい料理のため、またスキレットの品質を維持するために必ずしましょう。
新品の鉄製スキレットやダッチオーブンには、錆止め防止の油やワックスが塗ってあります。そこで初めて使うためには、これを落とす作業が必要です。そして使用後には、汚れを落としてまた油膜をはる作業も必要です。これがシーズニングです。
スキレットを使用する上では、とても大切な工程になります。シーズニングは少々手がかかりますが、丁寧にしておけば、スキレットのもちが違うだけでなく、美味しい料理の出来も違ってきます。
①中性洗剤で洗ってサビ止めのワックスを落とす
まずは、購入した際にスキレットに塗ってある余分なものを流す作業から入りましょう。何となくシーズニングのやり方を自己流ではじめてしまうと、いい状態でスキレットを維持できなくなってしまいます。
また、スキレットのシーズニングはよく洗って油を塗るだけだと勘違いしている方も多いですが、手順が違います。ぜひ料理の美味しさを損なわないためにも、シーズニングの正しいやり方を覚えておきましょう。
余分なものを落とす際は、亀の子たわしや竹素材で出来たササラを使用して、中性洗剤でこすり洗いをしましょう。スキレットは食器用洗剤がおすすめですが、洗剤を使うのはここだけです。
②お湯を沸騰させて残りのワックスを落とす
スキレットの余分なものをこすり洗いで綺麗にしたら、次は、スキレットに水をはって、沸騰させます。その際、換気扇を回してカセットコンロを使用するのがおすすめ。
シーズニングの工程では、これから空焚きなどもするので、煙が出ることもあります。そのため、シーズニングの作業は、IHヒーターなどではなく、出来ればカセットコンロを換気のしやすい場所で使用しましょう。
洗剤でこすり洗いしたものの、まだまだ油が落ちきっていないこともあります。その場合、水を沸騰させると茶色く濁ってきます。これは、油が出てきた証拠。ワックスを徹底的に落とすためにも、2回ほどこの工程を行います。
③空焚きして水分を飛ばす
沸騰したお湯を捨てる工程を2回繰り返し、水が茶色く濁らなくなったら、再度スキレットを空の状態にして、火にかけてます。そして、しっかりと水分を飛ばしていきます。
シーズニングの火の加減は強火で大丈夫。空焚きをして、スキレットから少し煙が出てきたら、一旦火を止めましょう。スキレットは持ち手も熱くなっているため、十分に気をつけて下さい。
④全体に植物油を塗って火にかける(2・3回繰り返す)
一旦火を止めたら、植物油をスキレット全体的に塗りこんでいきます。コツとしては、スキレットに油をしみこませるように塗り広げていくことです。ムラがないように、しっかりと丁寧に塗りこみましょう。
またこの工程は3回ほど繰り返すと、スキレットによく油がなじみます。油膜ができると、調理をした際にも焦げにくくなります。よくスキレットを使うと、焦げ付いたりうまく焼けないという方は、このやり方が間違っている場合が多くあります。
⑤くず野菜を炒めて鉄臭さを消す
ここまで来たら、スキレットにくず野菜などを入れて炒めていきましょう。何故くず野菜を使用するかというと、鉄臭さが野菜に移ってしまうため、食べるための調理ではないからです。
強火でしっかりと炒めることで、鉄くさいものが飛んでいき、スキレット独特の苦みのような鉄分の味がしなくなります。焦げる直前まで炒め切り、炒めた野菜は捨てて下さい。
入れる野菜は、ヘタや野菜の芯、また野菜の皮などを使うといいでしょう。特にネギや生姜などの香味野菜がより効果的でおすすめです。この工程のポイントは強火で炒めきるということです。
⑥お湯を沸騰させて汚れを落とす
炒め切ったくず野菜をスキレットから捨てたら、また水をいれて沸騰させましょう。水が沸騰したら、お湯は捨てて下さい。そのあとに、また火にかけて水分を飛ばしていきます。こちらのポイントも強火という点です。
先ほど少しご説明したとおり、シーズニングの工程では強火でスキレットをよく熱するという作業が多く登場します。そのため、部屋は換気をした状態でシーズニングをし、換気扇も回すようにしてください。
⑦最後に油を塗り込んでシーズニング完了
そして、最後に仕上げとしてもう1回、植物油をスキレットに塗りこんでいきましょう。スキレットがさびるのは、油を塗り忘れてしまった所からです。そのため、スキレットの調理する部分だけではなく、裏面や持ち手もしっかりと手入れをして下さい。
しっかりと正しいやり方でシーズニングをしたスキレットは、油の膜でコーティングされているため、表面がテカっています。また匂いを嗅いだ時に、ワックス臭さがなければ大丈夫です。
シーズニング以外にも!スキレットのお手入れ方法
スキレットで大切なポイントは、なにもシーズニングだけではありません。スキレットをアウトドアなどで使用する場合、他にも気をつけておきたい点がいくつかあります。それを守ることで、長くスキレットを愛用できます。
少々手間がかかるスキレットの取り扱いですが、慣れてしまえば何も難しいことはありません。より愛着がわきますし、何より美味しい料理を手軽に作れるので、とても便利な調理器具です。
使用後のお手入れ方法
まずは、アウトドアなどでスキレットを使って調理をした場合、どんな風に手入れをすべきかご存知でしょうか。他の調理器具と同じようなやり方で手入れをしてしまっては、スキレットが劣化してしまったり錆びてしまいます。
そのため、以下のポイントに気をつけつつ、スキレットの手入れを進めていってください。とてもシンプルですので覚えやすいはずです。
①洗剤を使わず汚れを落とす
アウトドアでスキレット料理をする場合、ホワイトソースを使ったり、肉料理をすることが多いため、どうしても普通の鍋と同じ感覚で、中性洗剤を使ってしまいがちです。
しかしそうすることで、せっかく馴染んだ油が落ちてしまいます。手間をかけて行ったシーズニングが台無しになり、錆びつく原因にもなりかねません。
アウトドアでスキレットを使用した後は、スキレットの汚れは水とお湯のみで落とすようにしてください。洗剤は厳禁です。
こびりついてどうしても落ちない汚れは熱湯に浮かせてシリコン製のヘラなどでやさしくこそげ落とすか、バーナーなどで炙って炭化させる方法を試してみましょう。
②空焚きして水分を飛ばす
スキレットの汚れを金たわしなどでこするのも不可です。しっかりと水とお湯のみで汚れを落とし切るようにしましょう。ただし、こびりついて落ちない場合は、沸騰がおすすめ。
水をはって沸騰させることで、汚れが浮いてとれやすくなります。シリコン製のヘラでそっとやさしくそげ落とすのも有効です。あとは、バーナーなどで炙って、炭化させてもいいでしょう。
それが終わったら、また空焚きをしていきます。先ほどのシーズニングで行った手順と同様で、強火で空焚きをすることで、しっかりと水分を飛ばしていきましょう。
③冷めたら全体に植物油を塗り込む
そして、シーズニングと同様に、また植物油を塗り広げていきます。取れかけた油の膜をはり直すというイメージです。その際は、しっかりとスキレットの底や持ち手などにもコーティングしてくようにして下さい。
ここまで終われば、スキレットの使用後のお手入れは完了です。スキレットを保管する際などは、新聞紙などにくるんでおくといいでしょう。また風通しの多い場所がおすすめで、湿った場所に保管すると錆びやすくなります。
サビてしまった場合の対処方法
スキレットを手入れしていたものの、どうしても錆びてしまった場合、錆びをきちんと落とせば、また使用することはできます。その手順は以下のとおりになりますので、ぜひ試してみてください。
錆びてしまったスキレットは、錆びを焼き切るように熱していきます。そして、焼き切ったら、スキレットを冷ましましょう。熱さがとれたら、クレンザーや重曹を使って、錆び落としをします。
この工程を行って錆びが綺麗におちたら、また再度シーズニングをしたやり方で、油でコーティングをする作業を進めます。その際は、油の塗りもれがないこと、そして水分は飛ばしきることに注力してください。
シーズニング不要のおすすめスキレット 5選
では、シーズニングの重要さとスキレットのお手入れ方法が分かったところで、おすすめのスキレット情報もお届けしていきましょう。スキレットは人気が高く、最近では色々なメーカーより販売されています。
デザインや大きさなども多種多様で、先ほどお話したように、シーズニング不要のモデルも多数でています。そこで、おすすめのシーズニング不要のスキレットをご紹介します。
キャプテンスタッグ スキレット 10cm UG-3025
キャプテンスタッグは、人気のアウトドアブランドで、色々なタイプのスキレットが出てきます。直火やオーブンにも対応したスキレットもあり、調理の目的に合わせて、複数そろえるのもおすすめ。
特に、キャプテンスタッグの10cmサイズは、小さめですが幅広い用途で使えて便利です。価格も手頃なので、スキレット初心者の方にもおすすめです。
キャプテンスタッグ 両手スキレット オーバル(M) UG-3034
キャプテンスタッグからは、両手タイプのスキレットも販売されています。持ち運びやすいタイプのスキレットで、調理の際にもとても重宝します。調理器具としてはもちろんですが、食事の際にサーブする時に使ってもおしゃれで人気。
特に、アウトドアや自宅でグラタンやキッシュなどを作るの時にもおすすめで、両手がついているスキレットになれると、片手のスキレットが不自由に感じるかもしれません。
ロッジ ロジック10 1/4インチスキレット フライパン L8SK3
ロッジは、スキレットの代表格のような人気ブランド。ロッジのスキレットは、アウトドア好きにも愛されており、よく見かけるブランドでもあるでしょう。
こちらのスキレットの特徴は、IHに対応していること。キャンプやアウトドアで使うだけでなく、自宅のIHのキッチンでも使えるのが嬉しいポイントです。直径も25.7cmもありますので、幅広い料理が出来ます。
ロッジ ロジックスキレット6 1/2インチ L3SK3
直径15.5cmと小さめのスキレットなので、ひとりキャンプでハンバーグなどを焼いたりするのにも最適。また人数分用意して、個別に料理をサーブするのもいいでしょう。
また、おつまみや軽食作りにも大活躍するサイズ感で、メインの料理に一品追加したい時にも、まさにぴったりのスキレットです。
美味しい料理を適量調理するのには、十分な大きさです。重量もわずか2キロほど。ひとりキャンプなどで、荷物を重くしたくない場合にも、安心の重量です。
ユニフレーム スキレット 10インチ 661062
黒皮鉄板素材のスキレットで、よくある鋳鉄のスキレットに比べると、シーズニングはもちろんですが、使用後の手入れも比較的簡単になっています。そのため、アウトドアやスキレット初心者にも使いやすいモデルです。錆に強いのもメリットに。
シーズニングが済んだら!スキレットのおすすめキャンプレシピ 6選
きちんとシーズニングが完了したら、ぜひスキレットを使った絶品レシピにチャレンジしてみてください。アウトドア先だけでなく、自宅での料理にもおすすめの美味しいメニューばかりを厳選しました。作り方も簡単なものばかりです。
スキレットのおすすめキャンプレシピ①:アヒージョ
スキレットで美味しい料理を作りたいと思ったら、まず試したいのはアヒージョです。スキレットの定番料理で、焦げ付きにくいメニューなのもおすすめのポイント。オリーブオイルとニンニクをベースに、好きな具材を入れてぐつぐつと煮込むだけです。
スキレットのおすすめキャンプレシピ②:チーズフォンデュ
アウトレット先で、簡単に美味しいチーズフォンデュが楽しめるレシピもご紹介。スキレットの真ん中に、カマンベールチーズをまるっと1個そのまま置き、弱火で焼いていきます。
あとは、カマンベールチーズが膨らんできたら、1度火からおろしカマンベールチーズの上部を包丁でそぎ落とします。また、カマンベールチーズをスキレットに戻して溶けてきたら、お好みの野菜をディップして頂きましょう。
スキレットのおすすめキャンプレシピ③:グラタン
スキレットは、グラタンづくりにも最適。スキレットにグラタンに入れたい野菜を入れて、軽く火を通し、一度お皿にあけておきます。その後、オリーブオイルを入れて、肉類の具材などを炒め、焼き目がついたら、薄力粉を入れて炒めます。
粉っぽさがとれたら、塩胡椒と牛乳を加えて、ベシャメルソースを作りましょう。そこに、取り出した野菜を入れて、ソースと絡ませます。あとは、チーズを散らしてオーブンで焼くだけです。
スキレットのおすすめキャンプレシピ④:パエリア
アウトドアでスキレットを使ってパエリアを作るというのは、定番の流れです。また、スキレットなら簡単にパエリアが作れるため、自宅でも試す人も多くいます。
オリーブオイルを引いて、米を軽く炒めます。そこに、具材やサフラン、出汁を入れて蓋をします。あとは、蒸し焼きのようなイメージで火を通していくだけです。途中で何度もふたを開けないようにご注意を。
スキレットのおすすめキャンプレシピ⑤:焼きカレー
スキレットに油をひいて、肉や野菜を炒めます。そこに水を足して煮込んでいきましょう。ある程度、具材に火が通ったら、カレーのルーを入れればカレーは完了です。
あとは、スキレットにチーズや卵を落として、オーブンで焼きましょう。お店のような美味しい焼きカレーがあっという間にできます。
スキレットのおすすめキャンプレシピ⑥:スモア
最近トレンドのスキレット料理は、スモアです。シーズニングが終わっているスキレットの上に、少し砕いた板チョコを入れ、その上にマシュマロをたっぷりとおいていきましょう。
弱火から中火の焦げ付かない強さで加熱していき、マシュマロが溶けてきたら完成です。スモアには、クラッカーやビスケットをディップして頂くと美味しいのでおすすめです。
シーズニングをしてアウトドアでスキレットの料理を楽しもう!
シーズニングが難しそうだからと、スキレットを購入するのを躊躇っている方も多いはずです。しかし、実際はシーズニングの工程は何も難しいことはありません。少々手間がかかるため、さぼらずにシーズニングができるかという点がポイントに。
ぜひお気に入りのスキレットを購入し、正しいやり方でシーズニングをおこなったら、ご紹介した美味しいレシピで、絶品料理を作ってみてください。
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