姫路「相坂トンネル」での驚愕な心霊の噂とは？事件内容や場所など徹底解説！

兵庫県姫路市にある相坂トンネルは、2000年の遺体遺棄事件の現場の近くにあることから心霊スポットとして知られています。しかし同時に大正時代のままの姿を残しているとして文化財にも指定をされました。そんな2つの側面を持つ心霊スポット相坂トンネルについてご紹介します。

今回ご紹介する相坂トンネルに限らず、心霊スポットとして知られているトンネルは日本全国に多くあります。その中でも相坂トンネルが特にユニークな場所として注目されているのは、心霊スポットであるのに加えて文化財的な価値も高い点です。

相坂トンネルがある兵庫県姫路市の相坂峠は、遠く江戸時代ごろから開墾が始まったこともあり、人の往来が比較的多い場所でした。しかし、毎日厳しい1キロの峠を歩くのは大変であるという住民の声を受け、1921年(大正10年)に相坂トンネルが完成しました。

現在であれば重機が導入できるのでトンネル造りの工期は比較的短いですが、大正時代ということもあり相坂トンネルの建設には約2年の月日を要しました。

手作業を中心とし、トロッコなども使った相坂トンネルの建設には、相坂トンネルがある香呂村の年間予算に相当するほどの金額が充てられるほどの一大事業でした。

相坂トンネルの規模は全長約70メートル、高さは2.9メートル、道幅は2.45メートルです。車が1台通るのがやっとの相坂トンネルですが、現在に至るまで生活道路として使用されています。

相坂トンネルのある場所周辺を歩いていると、心霊スポットとしての相坂トンネルを求めて訪れる人に加え、相坂トンネルのレトロな雰囲気を求めて足を運ぶ人が多いのに気が付きます。

相坂トンネルは、大正時代に建築されたトンネルとあってレンガで作られたアーチが美しいトンネルです。今ではほぼ見られなくなったレトロな雰囲気やその建築美は、周囲の美しい自然と相まってどこか懐かしい風景を作り上げています。

相坂トンネルのレンガは香呂駅西側にあったレンガ工場で作られたものです。大正当時に建築された後は大幅な改修も行われていないことから、姫路市から文化財にも指定をされています。

相坂トンネルを訪れた際にぜひチェックしたいのが標識です。大正時代に掲げられた標識ですので、トンネルの表記にはカタカナが使用されておらずに漢字の「隧道」が使われており、「相坂隧道」となっているのです。

姫路市から文化財として指定を受けるほどの美しい相坂トンネルが心霊スポットとして注目を浴びるようになったきっかけが2000年に発生してしまった痛ましい遺体遺棄事件です。

事件の発端は2000年9月22日の警察への長男の姿が見えなくなったという通報です。親戚からの通報で、長男の姿がしばらく前から見えないというのです。

当初は迷子や誘拐などの線も疑われましたが、捜査を進めていくと長女が虐待されていたことが発覚したのです。

これにより警察は両親に対しての事情聴取の方針を転換し、結果として長男は父親の虐待を受けて死亡してしまったことが判明しました。

そして父親が長男の遺体を遺棄した場所が相坂トンネルのある相坂山でした。のちに母親も虐待を知りながらも何もしなかったということで逮捕されました。

両親による虐待、遺体遺棄事件という痛ましい事件だったうえ、発見された長男の遺体は、遺棄されてから時間が経っていたこともあり半ば白骨化していたので当時は大きなニュースとなりました。

このような経緯があり、遺体遺棄の場所の近くであった相坂トンネルが心霊スポットとして注目されるようになったのです。

大正時代の面影を色濃く残している美しいトンネルながら、悲しい事件のあった場所として心霊スポットになった相坂トンネル。心霊ファンが多く訪れる人気のスポットですので心霊の噂も多く出回っていますが、ここからはそんな噂の中でも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

相坂トンネルでの心霊の噂で多いのが、車に関する噂です。峠を走ってきたときには何も問題がなかったのに、相坂トンネルの中に入ると途端に車の調子が悪くなり、場合によってはエンジンが止まってしまうというのです。

相坂トンネルの周辺で遺棄されてしまった遺体の呪いが車を停めているという噂もあります。SNSなどでも車にまつわる体験談は多くシェアされていますが、しばらくすると車は元に戻ったというのが多いですので万が一車に異常が発生したとしても落ち着いて対処するようにしましょう。

エンジン関連以外にも相坂トンネルでは車に関する心霊の噂が多くあります。相坂トンネルの中を車で普通に通過した後に窓ガラスを確認したら、窓ガラスにびっしりと手形がついてしまっていたという噂です。

手形は大人のサイズのこともありますし、子どものサイズの手形もあります。特に子どもの手形の場合は、相坂トンネルの近くで発生した2000年の遺体遺棄事件の男の子の霊が成仏できずにとどまっているという説もあります。

また、手形は知らないうちに車のガラスについているという噂もありますが、相坂トンネルの中で車を停めて中からトンネルを観察している最中に手形がどんどん増えていくという恐ろしい噂もあります。

相坂トンネルでは、女性の幽霊を目撃したという噂も多くシェアされています。姫路市内でも自然豊かな場所にある相坂トンネルは、歴史的な側面を求めて昼間は観光客が多く訪れる場所です。しかし、夜になると周囲には人気がなくなります。

そんな相坂トンネルを歩いていると女性の幽霊が見えるというのです。しかも、顔をよく観察すると顔が焼けただれているという噂です。

相坂トンネルのある相坂山はその昔は姥捨山だったという説もあり、当時山に捨てられてしまった老婆が幽霊となって出ているのではとの噂もあります。

心霊スポットに行くと聞こえるはずもない音や声が聞こえたという心霊体験がよくシェアされていますが、相坂トンネルでもそのような体験が多いです。

人がうめいているような声だったり、ささやいているような声がどこからか聞こえるという話や、中には泣いているような声が聞こえるという噂もあります。人の声でなく、周囲には車がないにも関わらず車が走る音やブレーキ音が聞こえるという噂もあります。

不思議な声や音が聞こえたという体験談は昼間のこともありますが、圧倒的に多いのは夜間です。特にいわゆる丑三つ時である深夜だったという体験談が目立ちます。

また、声が聞こえるだけでなく、実際に人影のようなものが見えたり、トンネルの中を車で走行中に何かに乗り上げたような感触がしたという体験談もSNSにはシェアされています。

姫路の相坂トンネルに限らず、心霊スポットに足を運んだら心霊写真を撮ってみたいという心霊スポットファンは多いです。また、心霊写真を撮りたいと思っていなくても、偶然に撮った写真が心霊写真だったということもあります。

相坂トンネルは、もともとレンガ造りの美しいトンネルということもあり、相坂トンネルの中や外で写真を撮る人が多く、必然的に心霊写真も数多く撮られているようです。

相坂トンネル周辺で発生してしまった遺体遺棄事件の男の子のような影が写っている心霊写真だったり、写るはずもない手や足が写っていたりと、心霊写真の種類は多岐に渡ります。​​

相坂トンネルでは多くの心霊体験が報告されており、心霊に関する噂が絶えません。その一番の原因としてはすでにご紹介した2000年の遺体遺棄事件が挙げられますが、実はそれ以外にも相坂トンネルには恐ろしい噂が多数あります。

特定の歳になった老人を山に捨ててしまうという伝説が姥捨て伝説です。昔話としても広まっており、日本全国には姥捨山だったとされる山が多く存在しています。

例えば、長野県の北部にある冠着山(かむりきやま)は姥捨山だったとされており、松尾芭蕉による「おもかげや姥ひとり泣く月の友」の句碑もあります。

相坂トンネルのある相坂山もその姥捨山だったと言われているのです。大変な時代を生き抜いていくためには老人を山に捨ててこないと生活が成り立たなかったのかもしれませんが、捨てられてしまい成仏できなかった老人の霊が今も彷徨っているという噂があります。

相坂トンネルの周辺では、自殺が多発しているという噂もあります。相坂トンネルは自然豊かなところにあり、山の中は少し入っただけでも方向感覚を失ってしまうほどの鬱蒼とした空間です。

富士の樹海は自殺のスポットとしてよく知られており、定期的に捜索が行われますが、相坂トンネルは日常的に捜索が入るわけでもないので、相坂トンネルの周辺には実は自殺を図った遺体がたくさんあるのではという噂があります。

そこまで自殺について深く考えていなくても、自殺者が多いスポットに足を踏み入れると漂っている霊の導きで自殺を図ってしまうという噂もあります。何か悩みを抱えているときには、一人で相坂トンネルに行かないほうがおすすめかもしれません。

相坂トンネルの周辺には自殺者の遺体が多いだけでなく、故意に埋められた遺体がたくさんあるという噂もあります。つまり、どこかで殺人事件が発生しており、その隠ぺいのために相坂トンネルの周辺に遺体を埋めたという説です。

これは2000年の遺体遺棄事件の直後から広く知られるようになった噂で、遺体遺棄事件では供述をもとに遺体が発見されましたが、もし供述がなければ遺体は見つからなかったということになります。

この事件をヒントにし、実は多くの遺体が埋まっているのではという噂が広まったのです。もちろん、2000年以降には遺体遺棄事件は公の記録には全くありませんが、表に出ていない事件がないとは言い切れないのが恐ろしいところです。

文化財としての価値を持ちながらも心霊スポットとしても知られているという相坂トンネル。大正時代以降長い歴史を誇る相坂トンネルですが、現在はどのような姿なのでしょうか。今でも気軽に訪れることができるのでしょうか。

相坂トンネルは、現在も現役で活躍しているトンネルです。相坂トンネルを超えたところに住居を構えている住民も多く、近くには小学校もありますので生活道路や通学路として使用している人も少なくありません。

地域の中学校のマラソンコースにも組み込まれているほか、お祭りの際には大掛かりな屋台が相坂トンネルを通り抜けます。高さがあまりない相坂トンネルですので、屋台の擬宝珠をわざわざ外さなければならないのは、ユニークな光景として人気があります。

相坂トンネルは趣があり、文化財としての価値が非常に高いです。しかし、問題もあります。一番大きな問題は、トンネルが小さすぎるために緊急車両が通れないという点です。病人が出たり、火事が発生しても救急車や消防車は相坂トンネルを通れないのです。

さらに、生活道路でありながらトンネルの中では車が行き違えないので、朝晩のラッシュの時間には相坂トンネル周辺で渋滞が発生してしまうのも課題です。

現代の交通事情には相坂トンネルは合っていないということで、トンネル西側の道路を拡張する計画が持ち上がり、実際に拡幅されたところまでは進みましたが、現在は頓挫しています。

姫路土木事務所によると、相坂トンネルの南に大きな市道ができたのが主な理由で、加えて財政的な問題もあるようです。計画が立ち消えになったわけではありませんので、将来的に再開される可能性もあります。

相坂トンネルの最寄り駅はJR播但線の香呂駅です。駅からは約2.5kmですので、気候の時期にはハイキングがてら歩いて訪れる人も珍しくありません。

相坂トンネルは姫路市の県道80号線にあり、姫路市香寺町から須加院へと抜けるところにある相坂峠に位置しています。

生活道路としても使われている相坂トンネルですので昼間は人通りもありますが、夜になると周辺は真っ暗になります。遅い時間に訪れる際にはくれぐれも注意をし、懐中電灯などを持参するようにしてください。

凄惨な事件の起こった場所として心霊スポットになってしまった相坂トンネルですが、同時に遥か大正時代の趣を残している貴重な文化財でもあるという全国的にもユニークな場所です。

とても細い道を通ってアクセスしなければならない相坂トンネルです。生活道路として使用している人も多いですので地元住民の邪魔にならないような行動を心掛けましょう。