長崎くんちはどんな祭り?
長崎くんちは古い歴史を持つ、長崎の代表的なお祭りの一つです。祭りの名前は知らなくても、有名な龍踊りを知っている方は多いのではないでしょうか。今回は2017年の長崎くんちを丸ごと楽しむために、その歴史や日程などについて調べてみました。あわせて庭見せの日程やおすすめの桟敷も紹介します。
長崎くんちは日本三大くんちの一つ
当ホテルロビーの龍(長崎では「じゃ」と読みます) #ホテル #長崎 #龍踊り #長崎くんち #セントヒル長崎 #dragon pic.twitter.com/TS2yWeA1gH
— ホテル セントヒル長崎 (@sainthillnaga) April 1, 2017
長崎くんちは長崎県長崎市で行われるお祭りで、古い歴史を持つ長崎の氏神である諏訪神社の秋季大祭の祭礼行事です。一般的には「くんち」と呼ばれていますが、地元では諏訪神社への敬意から「おくんち」と呼ぶ方もいます。1979年、「長崎くんちの奉納踊」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。
長崎の有名なお祭り 長崎くんち 龍踊りを描いたラッピングバス pic.twitter.com/VRJNsKNxBu
— もっちゃん Momo (@mochy1205) May 25, 2017
長崎くんちは、近年になって福岡市の櫛田神社の祭礼である「博多おくんち」、唐津市の唐津神社の祭礼である「唐津くんち」と並び、日本三大くんちの一つと言われるようになりました。
長崎くんちの「くんち」ってなに?
ところで、2017年の長崎くんちの予定などを紹介する前に、そもそも「くんち」とは何のことなのでしょうか。そもそも「くんち」と呼ばれる祭りは九州地方を中心に各地にあり、特に長崎の「くんち」祭りを総称し「郷くんち」と呼ぶこともあるとか。九州地方の収穫を祝う秋祭りを「くんち」と呼ぶようです。
肝心の「くんち」ですが、大きく分けて3つの説があります。1つめは「九日」説。本来これらの秋祭りが旧暦9月9日の重陽の節句で行われたことから、「くにち」から「くんち」となったものです。2つめは作物を神に供える「供日」からという説、3つめはお宮で祭りを行う「宮日」から、という説です。
この中で一番有力とされている説は、1つめの「九日」説ではあるのですが、実際には祭りが「九日」に行われていないことも多いため、漢字表記はあまりしない傾向にあるようです。
2017年の長崎くんちの日程
ふとカレンダーを見ていたら気づいた・・・
— Abbey_旅にいきたい!! (@Abbey_Only) March 29, 2017
10月って7日~9日まで3連休
思いっきり「おくんち」と重なるじゃないか!!
お久しぶりに「おくんち」を見るために帰省するか!!#長崎#長崎くんち pic.twitter.com/nwdPSlAyh0
さて、2017年の長崎くんちの日程です。2017年は10月7日から9日までの3日間の日程で行われます。ただし、雨天や荒天の場合は日程が変更される可能性もあるようです。場所は諏訪神社のほか、御旅所や八坂神社、踊り馬場など、長崎市内数か所で行われます。
長崎くんちのアクセス
長崎くんちが行われる長崎市は九州の北西部に位置し、最寄り駅はJR長崎駅になります。新幹線は通っていませんが、博多から特急「かもめ」を使うなどすれば便利に移動することが可能です。また車の場合は長崎自動車道の長崎ICから長崎出島道路を使って市内に入ります。高速バスも複数路線が走っています。
また、長崎市内には長崎電気軌道(路面電車)が走っており、各会場にはこの路面電車を使うことで行くことができます。長崎くんちの時はどうしても混雑しますし、複数会場があるので、車よりも路面電車の利用をおすすめします。
長崎くんちの歴史
長崎くんちの歴史は古く江戸時代にさかのぼります。1634年に当時の大夫町にいた高尾と音羽という遊女が、諏訪神社の神前で謡曲の「小舞」を披露しました。これが長崎くんちの始まりと言われます。この年、長崎では出島が作られました。
当時の長崎奉行の神尾備前守、榊原飛騨守はこの諏訪神社の祭礼を援助しました。援助を受けた当時の諏訪神社の宮司は旧暦の9月7日から9日を祭礼の日に指定したと言われます。祭事は当時の長崎の市民の神事とし、市民は氏子となりました。これはキリシタンを一掃しようという歴史的背景があったともいわれます。
以後、長崎くんちは長崎奉行の援助を受けることで年々盛んになっていきます。踊りを奉納する町も決められ、決められた町が数年おきに踊りを奉納するという形となります。さらに出島などに代表されるように異国文化が多く入っていた長崎らしく、異国趣味が多く取り入れられた奉納踊りが踊られ、江戸時代から豪華絢爛な祭りとして広く知られるようになりました。
第二次世界大戦では、長崎には原爆が投下され、大きな被害を受けました。しかし投下から59日後の1945年10月、踊り子6名、地方5名の手古舞の形で復活し、伊勢宮や八坂神社にも踊りが奉納されます。以後1979年には長崎県で初めて、長崎くんちが国の重要無形民俗文化財指定を受け、現在に至っています。
長崎くんちの行事
長崎くんちは前述の通り、諏訪神社の秋季大祭にかかわる祭りです。そのため、まず前日の7日に諏訪神社に祀られたご神体を大波止にある御旅所にうつします。これをお下りと言います。このご神体は後日の9日に再び本宮に戻るお上りが行われます。
同じくJR長崎駅のホームにある長崎くんちの龍踊りと御朱印船。#長崎 #長崎くんち #龍踊り #御朱印船 pic.twitter.com/nC9qpB07J5
— 匕〒''キ@イシ夕'' (@hideki27fc5) February 17, 2017
一方、長崎くんちでは、諏訪神社の氏子となる各町で、踊りを奉納することになっています。と言っても、現在は59町ある町を7組に分け、その組ごとに踊りを奉納する順番が回ってきます。つまり、2017年に踊りを奉納した町に次に順番が回ってくるのは7年後ということになります。踊り町は本宮で演し物を披露し、その後に踊り馬場、企業や民家の庭先などで踊りを披露します。これを庭先周りと言います。
踊り町にあたった町は6月1日の「小屋入り」で演し物の稽古を始めます。10月3日になるとくんちの道具や衣装を公開する「庭見せ」、町内の人に見せる「人数揃」などの行事を経て本番を迎えます。本番ではその町のシンボルである傘鉾を先頭に神前に進み出、演し物を奉納します。
こんなのやってた。すごい人、すごい迫力。#日本橋 #長崎くんち #龍踊り #長崎 #nagasaki#大江戸活粋パレード#festival #music #fashion … https://t.co/IW3Dc0zzxV pic.twitter.com/iQTmK6csvD
— みちのくのライオン (@michinokuhi) October 23, 2016
このうち、小屋入り、庭見せ、庭先周りなどの際には、周辺の民家や企業では幔幕を張り、踊り手が来るのを迎えます。庭見せは10月3日と日程としては早めに行われるのですが、道具や衣装などをそばで見ることができるよい機会でもあります。もし日程的に可能ならば、ぜひ庭見せも見に行くことをおすすめします。
なお、踊り町に当たらない町についてはお上り、お下りで神輿を担ぐ神輿守町、くんちの世話役を担当する年番町などの担当があり、それぞれ数年おきに回ってくることになっています。
長崎くんちの演し物
長崎くんちの演し物ですが、実は踊り町によって得意な演目があります。よく知られている「龍踊り」はその演し物の中でも代表的なものであり、現在4つの町が演じています。そのため、比較的よく見ることができます。「龍踊り」は龍が玉を追いかけ(玉追い)、とぐろを巻いた龍が体に隠れた玉を探し(ずぐら)再び玉を追う、という流れになります。
フロント前にもう一体、龍がいます。
— ホテル セントヒル長崎 (@sainthillnaga) April 1, 2017
実はこれ料理長が伊勢海老の殻で作ったんですよ!#dragon #セントヒル長崎 #長崎くんち #龍踊り #長崎 #goldendragon #ホテル pic.twitter.com/r5XGqwlUcV
この演し物では、玉を持って走る「玉使い」、龍を動かす「龍衆」をはじめとして、交代要員含む約80名が参加します。皺鼓や小鉦、蓮葉鉦といった珍しい楽器を使い、異国情緒が感じられる演し物となっています。
逆に「コッコデショ」や「鯨の潮吹き」といった演し物は、それぞれ1つの町のみが担当しています。そのため、基本的にはその町が踊り町に当たらない限り見ることはできません。しかし「コッコデショ」については2016年度に別の町が初披露しており、これから他の町も担当するようになる可能性もあります。
今年の踊り町発表!
— 築町 御座船 (@gozabune) April 7, 2017
築町は御座船、本踊りを奉納します
:moon::moon::moon:#長崎くんち #築町 pic.twitter.com/PKXsNIvuKQ
2017年にどういった演し物があるのかについてですが、踊り町はすでに決定しているものの、演し物についてはまだ未定の町もあるようです。演し物は前もってわかるので、もし行く予定があるならば確認するのがおすすめです。初めて見る演し物がたくさんあるといいですね。
長崎くんちの観覧席は?
さて、この長崎くんちなのですが、会場が複数あることもあり、街をぶらつきながら見るというのもいいかもしれません。しかし、それは少ししんどいな、というならば、観覧席である桟敷を取ることをおすすめします。
長崎くんちの公式サイトを見ると、それぞれの場所でどの町が何時に演し物を披露するのかが記入されています。その時間にあわせて桟敷を取ることになります。諏訪神社、御旅所、八坂神社ではそれぞれ桟敷の運営を担当する場所があり、早いところでは6月から桟敷の販売を始めます。桟敷は4人で1マスが原則となりますので、家族連れなどで行くならこれを使うといいでしょう。
一方、中央公園会場では、スタンド席、ござ席となっていて、桟敷ではないようです。こちらはチケットが1人売りなので、少ない人数で行く場合はこちらがいいでしょう。いずれにしても桟敷を含めた観覧席は数に限りがあるようですので、早めの問い合わせをおすすめします。
長崎くんちを楽しもう
長崎くんちは古く江戸時代からの歴史を持つ、神社の祭礼です。くんちそのものはもちろんですが、可能ならば庭見せなどのくんちの前の行事も楽しめそう。今までくんちを見たことがない人はもちろん、くんちそのものを見たことがあるという方にも庭見せは興味深いようです。ぜひおすすめポイントをチェックして、長崎くんちを楽しんでください。
RELATED
関連記事
RELATED
- 長崎街道400年の歴史を踏みしめて歩く!道中の景色やグルメも楽しもう!
長崎街道は、今から400年前の江戸時代に脇街道のひとつとして整備され、豊前国小倉の常盤橋から25の宿場を通り、肥前国長崎に...
zukzuk22
- 長崎県の居酒屋でおすすめは?個室・飲み放題・安いお店をランキングで紹介!
長崎県の世界と繋がった料理は、お酒にとても合います。そんな長崎県でおすすめの居酒屋をランキングでご紹介です。個室から、飲み...
nakatakasumi
- 長崎の諏訪神社はパワースポットとして有名!厄払いの後は御朱印と月見茶屋で!
長崎の諏訪神社は長崎の氏神樣であり、長崎くんちは諏訪神社の秋季大祭の行事でもあります。地元では「お諏訪さん」と呼ばれ、古く...
よしぷー
- 長崎のキャンプ場のおすすめは?子供と海のそばのコテージでバーベキュー!
ハウステンボスや平和祈念像で有名な長崎県ですが実はきれいなキャンプ場がたくさんあることでも有名です。長崎県は海が近く、豊か...
トラジロー
- 長崎の平和公園の見所まとめ!アクセスやグルメ・歴史情報も紹介!
日本人の誰もが永遠に記憶から消してはならない1945年8月9日に投下された原子爆弾により、長崎市民の多くの尊い命が失われま...
津々木和男
- 長崎のカフェを紹介!ランチで人気!おしゃれな店や隠れ家も!夜もおすすめ!
古来より、ヨーロッパとの交易で南蛮・西洋文化をいち早く取り入れた長崎県。そんな長崎県は、レンガ造りのレトロな街並みにあうお...
niroak
- 長崎道のSA・PA完全ガイド!おすすめ&人気のグルメもたっぷり紹介
長崎道のSA・PAでおすすめのグルメを紹介します。長崎といえばちゃんぽんですが、長崎道のPA・SAのフードコートにはちゃん...
都丸翔平
- 廃墟を訪ねて世界へ!おすすめは恐ろしくも美しい世界遺産!
廃墟と言われるものは世界中にあり、規模の大小にかかわらず見る人の心に過ぎ去った時間の哀愁を感じさせています。廃墟の中には文...
Ankab
- 長崎ペンギン水族館は参加体験型!餌やり・シーカヤックも!アクセスは?
水族館の人気者と言えば、ペンギンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?そんなペンギンに特化した、めずらしい水族館が長...
yamari
- 長崎で宿泊先のホテルランキング!人気・安い・夜景の見えるホテルを紹介!
世界三大夜景にも認定されている長崎に来たからには、夜景が見えるホテルに宿泊したいですね。でも、色々なホテルランキングがあっ...
k.raina
- 長崎空港のお土産でおすすめは?人気のカステラや空港限定品など売り場も紹介!
出張や旅行で訪れることの多い長崎空港には、地元の名産品などのお土産が販売されています。中には全国でも人気のカステラや、空港...
MEG_TEA
- 長崎のラーメンランキング!フェスタでも人気のおすすめ店まとめ!
九州の長崎県には、美味しいラーメンが食べられるお店がたくさん!そこで今回は、長崎のラーメンランキングをご紹介。定番のご当地...
yasunaka
- 軍艦島のツアーやコンシェルジュを10倍楽しむ!映画のロケ地にも上陸!
「廃墟の聖地」として知られる軍艦島は今やマニアから一般の観光客まで注目のスポットで、全国からツアーで多くの人が訪れています...
沙里
- 五島列島の観光おすすめスポットランキングTOP11!人気の名所が集合!
五島列島を知っていますか?様々な大きさの島が連なる五島列島は今も自然が多く残る観光スポットとして大人気。キリシタンの歴史と...
aya626m
- 長崎東彼杵町の観光は温泉やイベントで満足!見所やおすすめカフェなど13選
東彼杵町は大村湾に面し、自然の姿をそのままに残す観光地です。東彼杵町には、自然が生きる日本の懐かしい姿があります。古くから...
zukzuk22
- 「あんでるせん」は長崎の名物喫茶店!予約必須のマジックショーが見もの!
長崎県中央部の川棚町にある、四次元パーラー「あんでるせん」をご存知でしょうか。喫茶店として食事が楽しめるお店でありながら、...
Suzy
- ハウステンボスのイルミネーションが大人気!時間や場所・楽しみ方紹介!
長崎にあるハウステンボスのお花やイルミネーションの魅力を集めました。カップルや家族との思い出作りに最適なハウステンボスです...
Shiori Ishida
- 長崎市の観光スポットをまとめ!おすすめや人気・穴場まで徹底紹介!
長崎市の観光スポットをご紹介します。長崎市は風光明媚の観光地ですが、古くから外国との窓口としての歴史やキリシタン関連のスポ...
drifter
- 長崎の海は海水浴場も人気!絶景とバーベキューは子連れにおすすめ!
長崎県は、複雑なリアス式海岸から離島まで、非常にたくさんの海岸線を有します。沖縄と並ぶほどに美しいと言われる長崎の海には、...
Maria
- 長崎の公園でおすすめのスポットは?アスレチックや遊び遊具は子供に人気!
長崎県には、アスレチックや複合遊具など子供たちが楽しく過ごせる公園がたくさんあります。そんな長崎県内にあるおすすめの公園を...
Rey_goal
- 長崎で花火大会情報まとめ!日程や場所は?おすすめの祭りを紹介!
グラバー園や、ハウステンボスなど、多くの観光地の集まる長崎には、人気の花火大会やお祭りもたくさん開催されています。地元の人...
maki-42