タプローム遺跡へ行ってみよう
タプロームは、カンボジアにあるアンコール遺跡群と呼ばれる宮殿や寺院の遺跡のうちの1つで、歴史上では1186年に創建されたとされる、長い歴史を持った遺跡です。タプローム遺跡は多くの部分が崩壊していることでも有名で、巨木や根に侵食されている様子はジブリ映画の「天空の城ラピュタ」の地にも例えられています。神聖な空気が漂うタプローム遺跡は、他にはない独特な雰囲気が魅力です。
映画の舞台にもなったタプローム遺跡
木の根により侵食が進み崩壊しかけているタプローム遺跡は、この世の物とは思えない光景から映画「トゥームレイダー」の舞台にも器用されました。遺跡に絡み合う太い根は今や崩壊に向かう遺跡を支えているのではと思えるほど成長しています。自然のちからの偉大さを体感できる貴重な場所としても知られています。伝統的な彫刻には未だに解明されていない謎も多く残っています。
タプローム遺跡の入場料
@twt_backpacker kaunter untuk dapatkan pass masuk ke angkor wat. Kena amek gambaq macam passport gittew #BPCambodia pic.twitter.com/NFCbPgCQ1r
— kätn by Drunbella (@drunbella) April 9, 2014
タプロームを含むアンコール遺跡群を見てまわるには入場料を支払う必要があります。チケットを購入するのですが1日券37ドル、3日券62ドル、7日券72ドルの中から好きな物を購入します。アンコール遺跡群を全て見て回りたいと思う方は長めのチケットを購入した方が結果的にお得です。価格は変動する場合があるので、現地のチケット売り場で確認しましょう。
kalau nak gi angkor wat, angkor thom and ta prohm, kena beli pass ni pic.twitter.com/0O5Y9kfx6p
— Mr. Annahl :registered: (@annahlashri) January 25, 2016
アンコール遺跡へ入場するためのチケットを購入すると、売り場に常設されているカメラで「スマイル!」とスタッフから声をかけられます。これは何のためかというと、入場の際に使うチケットに自分の顔写真をプリントするためなんです。日付も名前も入っているので、旅の記念になります。チケット売り場は混雑することが多いので時間に余裕をもっていくことをおすすめします。
タブローム遺跡入口前の売店
タプローム遺跡に入る前に水分を確保しておきましょう。カンボジアは日本の夏のような気温です。そんな気温の中で遺跡群を回っていれば体力を消耗しますので、事前に屋台でドリンクを購入することをおすすめします。猛暑の日は売店で売られているフルーツなどを食べてから遺跡に向かうことをおすすめします。遺跡内も暑いので熱中症対策は入念にしましょう。
タプローム遺跡の西塔門に構える「観世音菩薩」
世界遺産タプローム遺跡の西塔門には、絶妙な笑みを浮かべる観世音菩薩の彫刻が立ちはだかります。ヒンドゥー教の寺院として利用されたタプローム遺跡ですが、創建当初は仏教寺院であったことが分かる門になっています。仏教とヒンドゥー教という2つの大きな宗教が混じり合っているのが何ともカンボジアらしいです。
石を彫刻して積み上げられた観世音菩薩の四面像は必見です。苔などが生殖してきて歴史的な味が醸し出されています。創建に関する歴史には謎も多く残るタプロームを見渡すように鎮座している様子が何とも素敵です。ところどころ崩壊が進んでいますがタプロームの中では綺麗な方と言えます。
タプローム遺跡を侵食するガジュマル
タプローム遺跡を侵食し、場所によっては崩壊に導いている太い木の根と巨木。この木は「ガジュマル」というクワ科の常緑高木という種類の木です。大きく育つ木として有名ですが、タプロームのように建物を飲み込んでしまうような光景はラピュタの映像以外ではタプロームだけかもしれません。スケールの大きさに圧倒され凄いというよりも恐怖すら感じるインパクトの大きさです。
ガジュマルの種子は鳥やコウモリの好物なのですが、動物たちが未消化のまま糞として土台となる低木や岩魂の上で発芽する特性があります。この特性がタプローム遺跡という石だらけの環境とマッチしたと考えられます。ガジュマルからの視点でみれば当然のことだったのでしょう。
タプローム遺跡の崩壊度
タプローム遺跡の崩壊度は場所により進行していたり、修復されていたりします。というのもタプローム遺跡を崩壊に導いている犯人とも言うべきガジュマルが同時に崩壊を抑える役割を果たしている場所もあるため、不用意に根を撤去することはできないのです。この点もラピュタの世界観に似ています。
ガタガタに崩れ落ちた石をガジュマルの根が侵食し落下を防ぐ効果を果たしている場所も少なくありません。観光客が近寄っていっても崩れないのは根が侵食してくれたお陰でもあるんですね。ラピュタのシーンの中でも大きな木と根が破壊の呪文からラピュタ王国の崩壊を守ってくれた場面がありました。根に埋まってしまった石の中にはきっと大事な意味を持つ石もあることでしょう。
タプローム遺跡「鳥の足」
恐らくタプローム遺跡の撮影スポットとして一番有名なシャッタースポットになっているのが「鳥の足」と呼ばれることの多い、こちらの大木でしょう。まるで大きな鳥が足で遺跡を掴んでいるように見える不思議な成長の仕方をしています。この木はラピュタに出てきても違和感を覚えるような異様な生え方が特徴的です。
タプローム遺跡に被さるように生えているガジュマルはまるで、自分の身体を支えられなくなってしまったかのような形で遺跡にもたれかかっています。木のトップを見ると分かるように、大きく成長しすぎたガジュマルの重さを軽減するために伸びすぎた部分が切り落とされていることが確認できます。是非、誰も撮っていないような角度で撮影してみてください。
タプローム遺跡「エコーの祠堂」
Ta Prohm Temple pic.twitter.com/OlaZEcm9dt
— kohila sivalingam (@skohila_06) March 4, 2017
タプローム遺跡の中には祠堂が39箇所あります。祠堂とは祖先の位牌を祀る堂のことですが、中央祠堂北東には「エコーの祠堂」と呼ばれる祠堂があります。祠堂内の形の特性で、音が反響することから名前が付けられました。「胸を叩く音が反響する」ようになっているという不思議な伝説があります。
"Tomb Raider" Ta Prohm temple. My favorite. #SiemReap #Cambodia #travel pic.twitter.com/921ljm3QpG
— Heather (@expattravelmom) April 13, 2016
エコーの祠堂で胸を叩き、その音を反響させることで悪いものを外に出すという話しがあります。神聖な遺跡の中のパワースポットのような場所ですので、時間のある方はトライしてみてください。祠堂の内側に空いた無数の穴には、かつて財宝が埋め込まれていて、天井に空いた穴からの光で輝いていたという伝説もあります。なんだか本当にラピュタのようですね。
タプローム遺跡「恐竜の彫刻」
タブローム遺跡内にある一見しただけでは気が付かずにスルーしてしまいそうな場所にある彫刻群の中には、何と「恐竜の形の彫刻」があるんです。遺跡内の門の一箇所には様々な生き物が彫刻されているのですが、その中に4足歩行で背中にヒレのある恐竜「ステゴサウルス」に似ているレリーフを見ることができます。
The Hidden Dinosaur of Ta Prohm Templehttp://t.co/dpnAh6Zq6E #Cambodia #SiemReap pic.twitter.com/gPAfcjlLXb
— ឍាមរា (@Preah_Ream) March 28, 2014
タプローム遺跡の伝説の中に「人類は恐竜と共存していた」という説があります。ただし恐竜が絶滅したとされる時期からは大きくズレています。ただ聖書の中にも「ベヘモット」という巨大な生き物が出て来ることから、完全にこの伝説を否定するのもどうかという声があるようです。ここまで来ると現実世界がラピュタを超えだすレベルになってきますね。
タプローム遺跡「木に隠れた女神デヴァター」
タプローム遺跡の中で、巨木ガジュマルに侵食されてしまったのは建物だけではありません。実はヒンドゥー教の女神もガジュマルに侵食され姿を隠されてしまっているんです。遺跡内にはところどころに女神デヴァターの彫刻があるのですが、こちらの女神はほとんど姿を見ることができないほど、木が侵食しています。
The face of Apsara hidden behind the big roots of an over300year old tree overgrowing on the wall in Ta Prohm Temple. pic.twitter.com/OpgxymnTdL
— Nga Tran (@itistatianatran) July 16, 2014
もしも自然と神様に素敵な関係があるのだとしたら、ガジュマルはわがままに侵食したのではないかもしれないという説もあります。今後、修復せずに放置を続けていたら、女神が見えなくなってしまう可能性もあります。陽の光を遮るようにも見える女神デヴァターの顔も微笑んでいるのを見ると何とも神秘的な気持ちになります。
神秘の空間タプローム遺跡
実写版の天空の城ラピュタといっても全く過言ではない世界遺産タプローム遺跡。苔が生えて緑がかった石に絡み建物を侵食しつつも建築の崩壊を食い止めているように見える巨木ガジュマルが神秘的な異空間を体験させてくれる素晴らしい場所です。広大な敷地の中でスケールの大きい、木や遺跡群を是非、実際に自分の足で見に来てみてください。きっと感動することでしょう。
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