この記事の目次
国際都市ロンドンって一体どんなところ?
イギリスの首都であり歴史・伝統を維持する街ロンドンにはビッグベンやバッキンガム宮殿を初めとする世界的に有名な文化遺産が一堂に集結、毎日世界各国から多くの観光客が訪れます。その理由の一つに質の高い美術館が全て入館無料という事が考えられます。今回はナショナルギャラリーの名画や見所にせまりましょう!
アクセス情報とナショナルギャラリー周辺
トラファルガー・スクエア
ナショナルギャラリーのあるトラファルガー広場への行き方は、地下鉄ピカデリーラインでゾーン1のレスタースクエア駅下車。ノーザンラインを使用する場合、チャリングクロス駅下車。大きなライオンの像と噴水のある広大な広場が目印です。
ロンドンの代表的広場
広場からはビックベンやバッキンガム宮殿も近く大きな公園を歩いて横切り様々な場所へと移動が可能です。周辺にはアンティークショップやパブ、芝居のチケットブース、プレミア映画祭が行われる大型映画館があり、有名画家による肖像画専門の美術館も無料。ハリーポッターのロンドンプレミアにも使用された広場です。
トラファルガースクエアなう〜
— さい (@Saaa__i) July 23, 2017
ナショナルギャラリー最高また来る! pic.twitter.com/QdUvtX0oCb
住所:Trafalgar Square London WC2N 5DN 電話:02079834750
年代別に別れたナショナルギャラリーの展示室
美術館内にある4つの棟
古典主義の巨大な玄関に始まる世界最大美術館の1つナショナルギャラリーにはイタリアルネッサンスやオランダ、フランドルの名画・後期印象派の名画が多く展示数は2千点以上。5世紀にわたる絵画史が網羅できます。西側には1500から1600年代東側には1700から1900年代北側には1600から1700年代の絵画が並びます。
美術館の玄関から!ホールへ
中央ホール付近には売店やクローク、インフォメーションデスク。寄付する代わりに日本語解説付CDプレーヤーを貸し出している場所もあり。毎日10時から18時まで運営。特別展は有料水曜日は21時まであいています。西側のさらに西セインズベリ・ウィングには1250から1500年代ダ・ヴィンチの作品があります。
住所:The National Gallery Trafalgar Square London WC2N 5DN 電話:02077472885
ナショナルギャラリー必見見どころ名画1:レオナルド・ダ・ヴィンチ
「岩窟の聖母」
フランスのルーブルにある絵画が第1作、ここにある絵画は第2作とされているのですがここではヨハネが十字架を持ち頭上に輪があるのでイエスの悲劇的な未来を暗示している作品のようにも見えます。報酬をめぐる訴訟事件で必要になった作品ですが理由は謎のまま。弟子の手も加わっているのでイエスの顔つきも少し違います。
2つの美術館の「岩窟の聖母」の違いは?
幼児イエス・キリストの頭上にも輪があり天使にも羽がつき、色味も違うため同じような作品でも現実と精神世界を分けて描いているような雰囲気がします。マリアを頂点とする三角形構図は鑑賞する側に安定感を与え、人物に投影された光と影、足元の植物からはダ・ヴィンチの綿密な研究の成果が伺えます。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画2:ハンス・ホルバイン
「天使たち」
ハンス・ホルバインは16世紀に活躍したイギリスの宮廷画家で、肖像画を得意とします。当時のイングランド王ヘンリー8世の命令で描かれた作品で2人はフランスからイギリスに派遣された大使。等身大のとても大きな油絵です。人により様々な解釈があり感じ方も日々変化しますが足元にある大きな頭蓋骨が特徴です。
隠された死のサイン
綿密な質感で豪華に描かれた人物2人の後ろの棚に置かれている物は、暦や歴、数字、時間、知識や世界に関するものや道具。どんな人物にも平等に老いはやってきて死が訪れるという事を頭蓋骨が象徴しているかのようです。正面からでなく斜め方向から見ることでより明確に見る事ができます。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画3:ピーター・ポール・ルーベンス
「サムソンとデリラ」
迫力と躍動感ある大画面の作品を描く事も多く、17世紀のバロックを代表する王家の画家であり外交官でもあったルーベンスのこの作品はノース・ウィング北棟に所蔵されています。国民を他部族から救う事となった先駆者サムソンが敵国の部族の女性デリラに恋をし、秘密を漏らしてしまいます。
有名画家の代表作も無料で
#London's National Gallery gets first new display space in 26 years https://t.co/09keXJcsSF @NationalGallery #Museum #Exhibition #Rubens pic.twitter.com/HQSLkNlCNK
— The Art Newspaper (@TheArtNewspaper) March 13, 2017
デリラも国民のためスパイとしての任務を果たそうとしますがサムソンと会ううち本当に恋に落ちてしまいます。それは敵国と相手の男性の死を意味するとわかっていながら。この女性の複雑な心理状況の瞬間を表情、手足の仕草からルーベンスは絵画の中で的確に表現しています。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画4:ヤン・ファン・エイク
「アルノルフィーニ夫妻」
14から15世紀に活躍した兄弟画家による写実的なタッチを導入した作品で、完璧な審美眼を持った革命的な芸術家とも称されています。この美術館に所蔵されている作品は写真に近く綿密で様々な技法が使用されている絵が多数ありますが、この画家の1つ1つの素材の質感に対する正確な表現技法は壁に掛かる鏡にも現れています。
サインと鏡の中の画家本人
Van Eyck. Detail from the #Arnolfini Portrait, 1434. The #mirror shows the view from behind. Why are there #beads hanging on one side of it? pic.twitter.com/Mf2ew4q8hW
— YURI DE LA PENA (@spokenlangsyuri) November 1, 2016
鏡の上の壁には画家直筆のサインが描かれ鏡の中には画家本人が青い服をまとって立会人として登場しています。男女の手の握り方や距離の取り具合、服などから身分の違う物同士の結婚というふうに解釈する事ができ、直筆のサインも一種の証明書の役割を果たしている事がわかります。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画5:ジョージ・スタッブス
「ホイッスルジャケット」
画家のジョージ・スタップスは、英国リバプールにて革業者の息子として生まれ、独学で美術を学び肖像画家として仕事をしながら解剖学の勉強をしていました。1754年後半には村で農家を借り馬の解剖に18か月没頭します。骨に行き着くまで皮や肉を剥ぎ取り次々にメモをとっていく彼の研究は当時大ニュースになりました。
時代を超えても色褪せない
競走馬ホイッスルジャケット号をはじめ、馬に関する作品は多いですが背景が無地になっている等身大の大きさのこの作品は、今まで見てきた作品の中でも異色を放ちギャラリーの遠くからでも絵の中の馬の重厚さ、毛並みの艶などが自然と視界に入り惹きつけられます。
George #Stubbs - PORTRAIT OF BARON DE ROBECK RIDING A BAY HUNTER
— realjenshofmann (@realjenshofmann) August 2, 2017
sotheby´s 08.07.2009#fineart pic.twitter.com/yeyr2tbDMa
ロンドンナショナルギャラリーのITルームマイクロギャラリーでは興味あるものを検索しプリントアウトできます。作品についてより詳しい情報が知りたい方は利用してみては?セインズベリウィングの2階にあり、利用は無料です。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画6:ウィリアム・ターナー
「戦艦テレメール号」
作品自体大きくないですが、イギリス国民に一番好きな絵として選ばれた、ターナーの作品の中でも最も有名な絵です。黄金に輝く光、大気、水、空、闇との接点を曖昧にするグラデーションは美しく繊細ですが沈む太陽が悲しげで、帆船の時代から蒸気船へと移りゆく新旧の時代の変化や産業革命を象徴しているかのようです。
テレメールはフランス語で大胆不敵
当時のイギリス海軍では、獲得した船の名前を自国の船につけるという習慣があったため、ラゴスの海戦でフランス軍に勝利した際に獲得した名前がテレメールです。この白い帆船はその後もトラファルガーの海戦で活躍しますがここでは解体されるために蒸気船に引かれています。
ターナーをはじめとするイーストウィングにはイギリス絵画の傑作が多いのでこれらの作品に興味がある人はここ!椅子やカフェも館内に併設されているのでじっくり絵画を鑑賞した後は美術館に併設されているカフェ、ナショナルカフェで一休みするのも良いでしょう。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画7:レンブラント・ファン・レイン
「34歳の自画像」
17世紀バロックを代表するオランダの巨匠レンブラントは多くの自画像を描いたことで有名です。この自画像は画家としてのキャリアの絶頂ともよべる時期に描かれた一枚でこの絵が描かれた1640年には「夜警」の製作依頼を受け大作を完成。しかし一方でこの時期に子供、母親、妻を亡くすことになってしまいます。
光と影の魔術師
彼は粉屋の息子。服からも見てわかる通り中流階級出身の都市貴族。この頃、中流階級の商組合や勤労、肖像画などリアリズムが台頭してきた時代でもありました。ラファエロやティッツィアーノの肖像画を研究し自分の肖像画で実験。人物の内面や性格まで描きだすことを目指していました。
Rembrandt Van Rijin - Holandés considerado uno de los mayores maestros barroco de pintura y el grabado. pic.twitter.com/dZ6Q5XYPvP
— Lisanna Díaz :hearts: (@LisannaDiaz) July 15, 2013
展示作品は変更する可能性もあります。見たいものがある方は、事前に各美術館にご確認ください。レンブランントも含めたオランダ絵画はノースウィングに多くあります。是非お目当ての絵画を見に足を運んでみてください。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画8:ポール・ドラローシュ
「レディージェーン・グレーの処刑」
もともとはロシア人貴族のために製作され、パリの美術展覧会でも好評を博したと言われる大作です。イギリス人実業家の子息によって1902年にナショナルギャラリーに遺贈されました。目隠しをされた女性は女王になってわずか9日目、16歳。義父ウォリックの企てが失敗しロンドン塔に幽閉されたのち処刑されてしまいます。
英国最初の悲劇の女王
若く無垢な女王にのみ光をあて背景から浮かび上がらせる事により緊張感とドラマチック感を生み出し、最後の時を見るものに強く印象付けます。そのため絵の前には毎回絶えず人が集まります。2017年7月22日から9月18日までは兵庫県立美術館・10月7日から12月17日までは上野の森美術館で開催される「怖い絵展」へ出品。
ナショナルギャラリー必見見どころ名画9:フィンセント・ファン・ゴッホ
「ひまわり」
日本の浮世絵にも強い影響を受けたゴッホの作品はナショナルギャラリーにあるこれが4作品目にあたり、描かれたひまわりの花は全部で15本あります。それぞれの花の力強い生命力が明るい黄色の厚塗りで表現され、直筆のサインを含むたった2箇所に水色が使用されているのが印象的です。
複数のひまわり
彼の作品は他にも2作品あり、セザンヌやモネの絵画の近くに展示されています。彼は浮世絵の他にルーベンスにも影響を受けたところがあり、夢の中の情景のように景色が自由な意思や生命を持ち動いています。政府の支援金により印象派の有名画家達の絵も一般に無料で鑑賞が楽しめます。ひまわりはこの他にも複数作品があります。
ナショナルギャラリー内のカフェとショップ
ナショナルカフェ
数々の有名画家達の代表作を無料で堪能した後はカフェで休憩する事も出来ます。このナショナルカフェは美術館内に併設され本場アフタヌーンティーが味わえます。値段は1人£16.50で紅茶が南部鉄器のポットごと運ばれてきます。カフェのメニューには他にもサイダーという発泡りんご酒やキャロットケーキなどがあります。
有名画家を堪能したらカフェで
If you’re tempted to visit the National Gallery’s Trade Fair Palace (you should be!), visit Café Jedna, at the same address. #praguecafes pic.twitter.com/TO5VIunVnH
— Prague City Tourism (@PragueEU) May 27, 2017
ショップには、館内で見た有名画家達の作品をもとにした雑貨や文房具などが販売されています。他店では購入できない自分だけの記憶に残る有名画家のグッズも選べます。ギフトとしても大変貴重なものになるでしょう!
名画の謎を再発見しに行こう!
時代を超え多くの人を惹きつけてやまない有名画家の名画を見てきましたがいかがでしたか?ロンドンにはこの他にも一流の有名画家による美術館の多くを無料で巡る事ができます。じっくり時間をかけまわる箇所と自分の興味のある箇所のみに限定すると良いところとがあります。事前に必要な情報を集め、計画的にまわれると良いですね!
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