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キプロス共和国は複雑な歴史を持つ素敵な国
キプロス(Cyprus)島は、地中海に浮かぶ島です。小さな島なのに、北と南と国が分かれています。南側のキプロス共和国(現地ではサイプロス共和国)は、女神ヴィーナスが誕生したことで知られる海岸や世界遺産など素晴らしい観光名所を楽しむ事が出来ます。複雑な歴史と3つのの世界遺産、観光名所、治安情報についてもご紹介します!
キプロス共和国への行き方
ラルナカ空港なう。今日はブリュッセルに移動するんだが、搭乗券は機械で入手できたのに荷物を預けられなくて免税店に行けないのだ。 pic.twitter.com/L5dZy2iVbu
— ドラちゃん@ドタバタ (@dora_kou) June 9, 2015
キプロス共和国への行き方は、南のキプロス共和国の空港へ行く事になります。直行便はなく、乗り継ぎが必要です。東京からドバイを乗り継ぎラルナカ空港へ行くと約19時間でキプロス共和国に到着します。もう一つパフォス空港がありますが、そちらへ着きたい場合は、何回か乗り継ぎ約23時間かかります。
意外とたくさん国際路線あるなと思っても、全部トルコなんだよね、当然ながら。@エルジャン空港 pic.twitter.com/3Oq9iY8yQR
— Hadzuki (@Hadzuki_desert) December 28, 2014
北キプロスにもエルジャン(エルカン)空港があります。トルコなどを乗り継ぎ約16時間で着く事が出来ますが、北キプロスから入り、南キプロスから出る事は困難な道のりとなりますので、エルジャン空港を利用の際にはご注意ください。南から入り北に抜ける事は、可能です。
キプロス共和国の治安
#Cyprus hosts workshop for key threats in areas of defence and securityhttps://t.co/LxySt8Ao3t
— Cyprus News Agency (@cnainenglish) July 17, 2017
キプロス共和国は、紛争地区でありながらとても治安が良い珍しい国です。夜に出歩く事も出来ます。ただし、当たり前ながら、スリや置き引きやぼったくりなどの治安の不安はありますので、海外治安対策をして安全に旅行しましょう。
一応紛争地区なので、いつ何が起こるか分かりません。治安対策のため、「たびレジ」に登録し、旅行中いつでも最新の治安情報を受け取れるようにしておきましょう。また、空港や港湾、軍事施設などの撮影は禁止されていますので、注意が必要です。
治安に一番不安なのは北キプロスです。現在は、行き来する事が出来るようになっていますが、世界的に承認されていないトルコ領地のため、援護救出活動などが困難とされています。北キプロスへ行く場合は、治安情報をよく確認し、トラブルに巻き込まれないように細心の注意を払って観光しましょう。
キプロス共和国観光のために知りたい歴史1
地中海にあるキプロスの世界遺産ですね!:musical_note:紀元前7000年頃の新石器時代に屋根つきの円形の住居を作っていたなんてスゴいです:smile:※画像はレプリカみたいです:sweat_drops:
— 恵理 (@Eri1600Sakauchi) October 31, 2016
コナン映画シリーズの中で2番目に好き!(1番は京都です)シャーロック・ホームズの世界感が面白かったです:musical_note: pic.twitter.com/KlEGR1E8QR
キプロス島の歴史は、紀元前7000年の石器時代から人の住居が始まったと言われています。紀元前1500年にはヒッタイト人が入り、紀元前1450年には古代エジプトの支配下に入り、その50年後にはギリシャ系アカイヤ人が住み始め、キプロス人のルーツとなっている歴史があります。それからも10以上の色々な国の支配下におかれました。
キプロスの南西岸にあるパフォスは人口約7万人の小さな都市。古代ギリシャ・ローマ時代の貴重な遺跡をたくさん有し、世界遺産にも登録されているこの街が、ヨーロッパを挙げての文化イベントの舞台となった。 https://t.co/bhQ9Bpbwxk
— 柏原光太郎 (@kassie0328) March 27, 2017
キプロス共和国として独立までに複雑な歴史をたどっていますが、その歴史があってのキプロス共和国で、四国の半分ほどの面積しかない小さな島なのに、3つも世界遺産として登録された価値ある遺跡が残っています。キプロス観光旅行の際は、ぜひ3つの世界遺産を観光しましょう。
キプロス島の世界遺産観光・パフォス
キプロスの歴史を感じる事が出来る世界遺産「Paphos」(パフォス)は、キプロス島の南西に位置します。1980年に町全体が世界遺産として登録されました。新パフォスと旧パフォスがあり、二つ合わせて世界遺産に登録されています。町には首都ニコシア(フレコシア)から車体がグリーンのバスで向かう事が出来ます。
キプロス島の世界遺産観光・ヒロキティア
「Choirokoitia」(ヒロキティアまたはキロキティア)は、キプロス島の真ん中の南にあります。1998年に世界遺産に登録されました。先史時代の遺跡の中で、保存状態が良いのが評価され、世界遺産となって、人気の観光名所となっていておすすめです。この遺跡は、集団生活をしていたのが分かり、その集団生活を守るために城壁を張り巡らしている事を知る事が出来ます。
キプロス島の世界遺産観光・壁画聖堂群
地中海に浮かぶキプロス共和国☆異民族による侵略を避けてひっそりとした山の中に造られた村々が『トロードス地方』、この地方に点在する修道院群が世界遺産に指定された☆隣国ギリシャ正教会のビザンチン文化の伝統を大国オスマン帝国の圧力を避け、脈々と守ってきた☆静謐で瞑想的な世界が身に染みる pic.twitter.com/RB3C9ko2OW
— 金田嘉章 (@v8zLAISqPCXnLxo) May 8, 2017
トロードス山脈に残る「Painted Churches in the Troodos Region」(トロードス地方の壁画聖堂群)は、ギリシャ正教の11の聖堂と1つの修道院が、1985年世界遺産登録されました。点在していますので、全てを観光しようと思ったら時間がかかります。観光する時は、どこに行くかを決めてから行く事をおすすめします。
「Agios Nikolaos tis Stegis」(聖ニコラオス教会)は、キプロス島真ん中より西にあるカコペトゥリア村の北約5キロにあります。トロードス地方の壁画聖堂群の中でも有名なおすすめの観光名所です。罪石造りの教会で、特徴的な屋根から「屋根の聖堂」と呼ばれています。11世紀から17世紀にかけて書かれた壁画が、状態よく保存されていて歴史を感じる事が出来ます。
キプロス共和国観光のために知りたい歴史2
地中海のキプロス島でギリシャ系住民が多く住むキプロス共和国はヨーロッパ的雰囲気。飲食店に置いてあるビールはKEOが多い。徒歩で国境を越えてトルコ系住民が多く住む未承認国家の北キプロス・トルコ共和国に入るとモスクがあったりしてトルコ色が濃くなる。ビールもEFESに。どちらも猫多し。 pic.twitter.com/Uhaz1qglcX
— 岩井清高 (@kiyotakaiwai) July 22, 2017
まだまだ複雑な歴史は続きます。1960年イギリス、ギリシャ、トルコの軍を駐留させる条件でキプロス共和国として独立しましたが、住民の反対にあい、1947年キプロス戦争勃発。このキプロス戦争にトルコ軍が軍事介入し、キプロス島の北約37%を占領しました。
現在、島は2つの国に分かれています。トルコ側が主張する島の北側「北キプロス・トルコ共和国」と島の南の「キプロス共和国」です。その間には、約300キロメートルに及ぶグリーンラインが設けられ、首都ニコシアも分断されたままです。
赤くなぞったラインはGreen Lineって呼ばれてて、これが南北緩衝地帯で、UNFICYP(国際連合キプロス平和維持軍)によって守られているBuffer Zoneなのです。 pic.twitter.com/ydxtSQv4sg
— みゅう (@emm_YOLO) October 14, 2014
今は対立は多少緩和され、2003年以降グリーンライン横断ポイントが設けられ、徒歩や自転車で北キプロス・トルコ共和国に行き来出来るようになっています。首都ニコシア市内のポイントでは、パスポート検査を受ける事で旅行客も入る事が出来るようになっていますので、少し足を踏み入れてみてください。
キプロス共和国旅行の観光名所・グリーンライン
#Cyprus #Nicosia #Lefkosia
— 天河-緑星 (@MIDORIEAST) January 9, 2016
グリーンライン なう(?)
緑色ではない。 pic.twitter.com/DARQvMOC0U
キプロス共和国の今の歴史を物語っている「グリーンライン」は、押さえておきたい観光名所です。キプロスバリアとも呼ばれています。市街地以外では、高い壁やフェンスなどはなく、道路が寸断されたり、住民のいなくなった町がある感じですが、一部は地雷が埋められている場所もあると言われています。先へ進んではいけません。
首都レフコシアのグリーンライン国境部分は、ドラム缶やコンクリートの壁、有刺鉄線などがあり見る事は出来ますが、写真を撮る事を許されていません。気をつけましょう。路地に入ると壁など見る事が出来ます。
トルコ色の強い北キプロス pic.twitter.com/Y7iJIdgqKx
— Mito And Ophelia (@Mito30599581) June 12, 2017
首都ニコシアは、レフコシアと呼ばれることがあります。グリーンラインより南は、キプロス観光を味わう事が出来、グリーンラインより北は、トルコ観光を味わう事が出来るというとても不思議な島です。グリーンラインを境に全く景色が変わります。
キプロス共和国旅行の観光名所・キッコー修道院
「Kykkos Monastery」(キッコー修道院)は、ニコシアから約90キロ西に離れた場所にあり、車で1時間半で到着します。壁のモザイクがが有名で、絵のようなモザイクが入口から見る事が出来ます。よく世界遺産として紹介されいたりしていますが、世界遺産には含まれていません。でも、壁画がとても素敵な建物で有名です。
キプロス共和国旅行の観光名所・パフォス城
「Paphos Castle」キプロス島南西、世界遺産パフォス内にあります。港を守るためにビザンテイン時代に建てられたのが始まりです。地震や戦争で倒壊し、新たに建てられたり、修復されたりして今現在も残っています。イギリス支配時には、塩の倉庫として使われているという歴史もあります。
キプロス共和国旅行の観光名所・王族の墓
「Tombs Of the Kings」キプロス島南西、パフォス城より北に3.2キロ離れた場所にあります。紀元前4世紀ごろの貴族の墓とされていて、「王族の墓」と呼ばれている遺跡はとても有名でおすすめの観光名所です。この公園入口にゲートがあり入場料が必要です。
キプロス共和国旅行の観光名所・女神の海岸
「Petra tou Romiou」(ペトラ・トゥ・ロミウ海岸)は、キプロス島南西に位置する海岸です。ここは、愛と美を司るギリシャ神話の女神アフロディーテ誕生の地とされています。ため息が出るほど綺麗で、ここの海の透明度には感動します。恋人と一緒に石をハート形に並べ愛を誓う人たちもいる海岸です。
ギリシャ神話では、女神アプロディーテは、海の泡から生まれ、キプロス島に降り立ったとされています。この海岸には、「ギリシャの岩」があり、アプロディテ神殿もこの海岸に近い丘の上に建てられています。
キプロス共和国旅行の観光名所・クリオンの古代遺跡
「Kourion Archaeological Site」(クリオンの古代遺跡)は、キプロス島の南南西のクリオンにあります。「クリスブルービーチ」の高台にあります。この遺跡から、素晴らしい海の眺めを見る事が出来ます。クリオンの遺跡では「エウストリオスの家」「床のモザイク画」「ローマ野外劇場」を見る事が出来、おすすめの観光名所です。
キプロス共和国旅行の観光名所・ラルナカ要塞
「Larnaka Castle」(ラルナカ要塞)は、南南東に位置するラルナカの海沿いのメインストリートにあります。ヴェネツィア時代の砦で、オスマントルコが再建したという歴史があります。イギリスが統治している時は、刑務所として利用されていて、鉄格子も残されています。ラルナカ空港に近いので、観光しやすくおすすめの地区です。ラルナカ要塞の2階に中世博物館があり、歴史を見る事が出来ます。
キプロス共和国旅行の観光名所・リトラス大通り
「Ledras Street」(リトラス大通り)は、首都ニコシアにあり、この通りを直進すると、グリーンラインがあり、検問所もあり、そこでパスポートを提示する事で、北キプロスに入ることが出来ます。帰りもパスポートの提示が必要です。
歩行者天国で、ショップやレストラン、カフェが並んでいます。昼間は人が少なく、観のんびりとしている街を見る事が出来ますが、夜になると人通りが増え、とても活気あふれる通りになります。食事に悩む時は、ひとまずここへ来るのをおすすめします。
キプロス共和国旅行の観光名所・シャコラスタワー
「Shacolas Tower」(シャコラスタワー)は、首都ニコシア地区の中にあります。リトラス大通り沿いにあり、キプロスのデパートの上にあり展望できます。ニコシア市街、またニコシアが分裂している地域の北キプロスのレフコシアも見る事が出来ます。特におすすめなのが、ニコシアを観光する前に上る事です。全体像を把握する事が出来ます。
キプロス共和国旅行の観光名所・レフカラ村
「Lefkara Village」(レフカラ村)は、ヒロキティアから13キロ程北にある村です。とても綺麗で、道にしても建物にしても素敵な村で有名で、おすすめの観光名所です。石で作られた建物が美しく、村自体を散策するだけでも素敵な気分になれます。おすすめの村です。
レフカラ村は、もう一つ有名な物があります。無形文化世界遺産に登録されているレース編み「Lefkaritika」(レフカリティカ)です。レース編みのようなものや刺繍布のようなものが売られています。古代アッシリアから技術が伝授され、レオナルドダヴィンチが訪れ、レース編みをデザインしたとも言われています。
レフカラ村には、旅行客が多く訪れます。メインストリートのような通りがあり、道の両側にレースや刺繍のお店、お土産品のお店、カフェなどが並んでいますので、レフカラ村に観光へ来た際は、ここでお土産を買うのはおすすめです。
北キプロス・トルコ共和国にも入国してみよう
キプロス共和国から、リトラス大通りを北へ行くと、グリーンラインの検問所があります。そこを通って北キプロスへ少し足を運んでみると、リゾート的なギリシャの雰囲気を持つキプロス共和国から一転し、トルコとギリシャが混じりあったような町並みが広がっています。キプロス共和国から北キプロスへ行く場合、日帰りしか出来ませんので注意が必要です。
北キプロス・トルコ共和国は、とても国の関係性が難しい国で、トルコなのにトルコの滞在許可は北キプロスでは通用しなかったり、南のキプロス共和国とは違う国なので、SIMや自動車保険も別に購入しなければならなかったりと複雑な国です。キプロス共和国観光旅行の場合は、少し足を踏み入れるくらいがおすすめです。
北キプロス・トルコ共和国の観光名所・サラミス
もし、北キプロス共和国へ1日とって十分観光したい方は、レンタカーを借りて観光名所を回ることもできます。「Salamis」(サラミス)という遺跡はおすすめです。グリーンラインからは離れた「Famagusta」(ファマグスタ)の町の近くに遺跡が残されています。サラミスは、入場料が必要です。ローマ浴場やローマを感じさせる柱も残っています。
キプロス共和国の世界最古のワイン
キプロスワインのセントジョン コマンダレア。まるで甘口シェリー、ポートワイン的な味わい。ウイスキーにちょっとブレンドしても美味。 pic.twitter.com/NbSn96MCxi
— お茶(酒の方が好き) (@ochakaityo) January 24, 2017
キプロス共和国は、7000年前からのワイン発祥の地として有名で、本場でワインを味わうのはおすすめです。とても有名なのは、「コマンダレア(コマンダリア)」という甘いデザートワインです。テンプル騎士団が持ち込んだブドウの樹を今でも使っているとかクレオパトラの時代からあるなどの説があります。
パフォスはヨーロッパ屈指のリゾート地。きらめく地中海に、悠久の歴史を称える遺跡、そしておいしい食事に伝統あるワイン──。
— クーリエ・ジャポン (@CourrierJapon) March 6, 2017
【今月の旅】1万年の歴史を刻み、神話が生きる島|キプロス共和国の穴場都市「パフォス」https://t.co/vprNsvyi3Z pic.twitter.com/VPi06m3B2p
キプロス共和国は、ワインが有名のせいか、チーズやサンドイッチがとても美味しいと言われています。キプロス共和国へ観光旅行へ行った際は、物価は高めですが、ぜひ、ワインとチーズ、サンドイッチはおすすめです。
2つのキプロス共和国の観光旅行を楽しもう!
キプロス共和国は、複雑な歴史があり、世界遺産があり、ギリシャ神話で有名な女神ヴィーナスの誕生由来の有名な観光名所があり、美しいビーチもありとまだまだ沢山の観光名所があります。今のキプロス島の情勢を見る事が出来るグリーンラインや北キプロストルコ共和国にも入る事が出来、楽しい観光旅行が出来る国です。治安には十分気を付け、旅行を楽しみましょう!