北海道の利尻山で登山に挑戦!
北海道の北の最果てにあって多くの登山客を魅了してやまない利尻山。自然いっぱいの登山コースや山頂からの景色の良さが魅力の、利尻山の登山についてまとめました。初心者におすすめの登山コースや登山しやすい期間、利尻山へのアクセス方法などをご紹介します。
利尻山ってどんな山?
利尻山は利尻島の中心にそびえる、島のシンボルのような存在の山です。日本百名山のうち最も北にあり、標高は1721m。その美しい山の形から「利尻富士」とも呼ばれています。また、「利尻岳」「利尻火山」も利尻山を指します。山の麓には観光名所のオタトマリ沼や姫沼があり、水面に映る「逆さ利尻富士」はおすすめの撮影ポイントです。
利尻山の姿に見覚えのある人も多いのではないでしょうか。実は利尻山は、北海道の銘菓「白い恋人」のパッケージに描かれている山なのです。白い恋人開発当時の社長が利尻島を訪れた際、美しい利尻山の景色がまるでスイスのアルプスを思わせると感激し、白い恋人の目指すイメージにマッチするということでパッケージに採用されたそうです。
野生のリス発見☆
— 村上大(Suguru Murakami) (@tenniskozou1224) September 13, 2014
超かわいい(^^)
@北海道利尻山6合目 pic.twitter.com/nPoF59VC2u
利尻山では高山植物や紅葉、雪景色などたくさんの自然を満喫することができます。登山コースの近くには野生のリスの姿も。一方で、崩落の恐れのある危険な場所もあります。利尻山へ登山する際は、事前に登山計画書を北海道警察旭川方面本部地域課へ提出しましょう。インターネットでも受け付けているそうです。
利尻山登山のおすすめシーズンは?
利尻山の四季について大まかに分けると、5月上旬から6月上旬が新緑と残雪の期間。6月中旬から9月中旬が高山植物の期間。9月上旬から10月上旬が紅葉の期間。11月上旬から4月下旬が積雪の期間となります。残雪期間は登山道がぬかるんでいるため、歩くとコースの状態を悪化させてしまうのでまだ登山にはおすすめできません。6月中旬から9月中旬は半袖でも大丈夫なほどの気候です。
登山上級者にとっては積雪の期間も冬山登山のシーズン。利尻山では毎年9月下旬頃に初冠雪を記録しているそうです。悪天候に見舞われて利尻島へのフェリーが欠航になったり登山中に天候が急変したりと道は険しいですが、雪山登山家にとって利尻山は一度は登ってみたい憧れの山なのだそう。もちろんラッセルやアイゼンは必需品です。
利尻山へのアクセス
ハートランドフェリーと利尻富士のツーショット
— けぼ 8/21~北海道ツーリング (@keibou3) August 23, 2017
これから利尻に行きます #北海道ツーリング #礼文島 #利尻島 pic.twitter.com/d7kaQP8oNb
利尻山のある利尻島へはフェリーでのアクセスが主流です。フェリーのコースは2通り。稚内から鴛泊(おしどまり)港までのコースは1時間30分で料金は2140円から。利尻島の隣にある礼文島から沓形(くつがた)港までのコースは45分で850円からとなっています。フェリーから眺める利尻山の景色もぜひ見ておきたいもの。
【利尻山1】
— しろうま (@1224okachan) September 16, 2014
二日目9/13、3:30起床。宿のバスにて登山口へ送ってもらう。宿、4:30発。
登山口までは車で10分くらい。
まだ暗い。トイレを済まし、ヘッデンを付けて4:50頃に出発します~♪
(写真は帰りに撮影) pic.twitter.com/o4rhGDlGXZ
利尻山登山をする場合は、前日に利尻島のホテルや旅館に宿泊し、翌朝登山をスタートする1泊2日の行程がおすすめです。利尻島の多くの宿ではフェリーターミナルや登山口まで送迎してくれるので、宿を予約する時は目的の登山口まで送迎してくれるかどうか確認しましょう。利尻島には天然温泉があるので登山や移動の疲れを取るには最高です。
利尻山の登山コース1「鴛泊コース」
さあ、いよいよ利尻山登山のスタートです。初心者におすすめのコースは、利尻山の北側から登る「鴛泊コース」。3合目にある利尻北麓野営場がスタート地点です。前日にこの野営場でキャンプして登山に臨むのもOK。開設期間は5月中旬から10月中旬までで、テント1区画は大人1人500円で、1棟5000円のケビンは予約制になります。
利尻北麓野営場を出発して間もなく、最果ての名水と称される「甘露泉水」が見えてきます。名水百選に指定されている湧水で、活火山である利尻山の地下をゆっくりと浸透してミネラルを多く蓄えているため、その名の通り甘い味がするのだとか。登山客を始め、地元の人も好んで飲用している美味しいお水です。
鴛泊コースの行程は6.9km、登りは約6時間、下りは約4時間が目安です。9合目から山頂までは急勾配になり、滑りやすい足場となるので気をつけて。利尻島固有の希少種ボタンキンバイやリシリヒナゲシなどの高山植物は7月下旬から8月上旬が見頃で、7月の海の日を絡めた連休が混雑のピークになる事が多いようです。
利尻山の登山コース2「沓形コース」
利尻山の五合目にある見返台園地。
— ゆかり (@yukari_siesta) July 6, 2016
標高450mのところにある展望台からは
沓形の街が見おろせます。
反対側には利尻山頂。
望遠鏡をのぞくと山肌がくっきり。
山小屋も見えました。 pic.twitter.com/jWzr1Q1Q86
中級者以上からおすすめの登山コースは、利尻山の西側から登る「沓形コース」。5合目にある見返台園地がスタート地点です。見返台園地までは車で登ることができます。距離は5.2kmと鴛泊コースよりは短いですが難所が多くハードで、登り約5時間、下り約4時間の行程です。見返台園地には展望台があり、沓形の街並みと利尻山の両方を望むことができます。
利尻山沓形コースは花で埋め尽くされていた pic.twitter.com/ma5WVHBiIK
— 銀河@尾瀬人 (@maestro_takuwo) July 29, 2017
沓形コースの7合目辺りまでは道を隠すほどたくさんの植物が生い茂っていてぬかるみが多く、また植物が崖下を隠してしまっていて足を踏み外す危険があります。草花はきれいですがよそ見は禁物。8合目付近は景色が美しいポイントがありますが、道幅が狭いため強風にあおられないように気をつけて。
絶景ポイントの「三眺の宮」を過ぎると9合目。ここから山頂まではガレ場の難所が続きます。「背負子投げの難所」と呼ばれる急斜面の岩場や、崩落地をトラバースする「親不知子不知」など、気を抜けないルートです。上からの落石にも注意が必要です。難所をクリアしてピークを踏んだ時の達成感はひとしおでしょう。
利尻山の登山コース3「鬼脇コース」
利尻山の登山コースは鴛泊コースと沓形コースが主ですが、かつては利尻山の南東から登る「鬼脇コース」もありました。林道を登るルートでしたが崩落が激しく、7合目以上が立入禁止となってしまったため避けた方が良いでしょう。このように、利尻山は地盤がもろい火山のため、登山道のあちこちで侵食や崩落が起こっていて問題となっています。
利尻山登山のご褒美は山頂からの景色
様々な難所を乗り越えて見事登頂を果たせば、絶景が待っています。登頂するのは大山神社の祠がある北峰で、標高は1719m。実際の山頂は標高1721mの南峰になりますが、崩落が激しいため立入禁止となっており現在の事実上の山頂は北峰と言えます。
山頂には360度のパノラマ風景が広がります。山頂の南に見える奇岩は「ローソク岩」と呼ばれています。28000年も前に利尻山が噴火した時にマグマが通った火道です。北西の海の向こうには礼文島、東側の麓にはヤムナイ沢が見えます。周囲には高山植物の花畑もあって癒されます。
利尻山のナイトハイクなら、星空や御来光を拝むこともできます。運が良ければ雲海に浮かぶ朝日という絶景が見られるかもしれませんよ。まるで仙人になったような気分になれる、登山の疲れも吹き飛ぶ絶景!ぜひ写真や動画ではなく、自分の目で見てみたいですね。
利尻山を守るための登山のルール
【利尻山19】
— しろうま (@1224okachan) September 16, 2014
さて、下山開始。
利尻山の問題の一つに脆すぎる登山道っていうのがあるんです。これえぐれてるけど、元々は上部が繋がってたらしいです。それが雨に打たれて、登山者が歩いて削られて、何と3mも削られたそうです。 pic.twitter.com/Yoa3cli2fd
利尻山は近年特に人気が出てきて大勢の登山客が訪れるようになったため、登山道が浸食されてしまう問題が起こっています。このままでは登山道が閉鎖されてしまう恐れもあるため、3つの「利尻ルール」が作られました。1つ目は携帯トイレの持参。2つ目は植物や地面を傷つけないためにストックにキャップをつける。
3つ目は植物の上に座らない、踏み込まない。いつまでも美しい利尻山に登山できるよう、1人1人が気をつけたいものですね。一人一人の少しの心がけで山全体がきれいに保たれます。ぜひ心得て頂きたいところです。
日本最北の富士「利尻山」で登山しよう!
日本百名山にも選ばれた利尻山の登山についてご紹介しました。難所はあるものの、美しい景色や珍しい高山植物、かわいい生き物たちが待っている利尻山の登山に挑戦してみませんか?ベストシーズンには登山ツアーも組まれているので参加してみるのもおすすめです。
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