茅の輪くぐりを行う東京の神社は?作法や由来などを行く前に必要な知識をご紹介!

2023/12/15

茅の輪くぐりを行う東京の神社は?作法や由来などを行く前に必要な知識をご紹介!

茅の輪くぐりは神社の祓いと共に行われる無病息災を願う行事です。すさのおのみことの神話に由来する茅の輪くぐりについて、作法や由来、してはいけない注意点など徹底調査します。祓い行事や茅の輪くぐりに参列する前に知っておきたい知識を詳しく紹介し、ピックアップした茅の輪くぐりを行っている9カ所の東京の神社も併せてご紹介します。アクセスや参拝可能時間など詳しい情報をチェックして、ぜひ出かけてみてはいかがでしょう。

茅の輪くぐりの作法や都内で行っている神社を徹底調査!

神社で祓いの行事と共に行われる茅の輪くぐりを御存じでしょうか。無病息災を願って行われる茅の輪くぐりは東京都内の神社でも行われています。茅の輪くぐりの作法や由来など、参列する前に知っておきたい情報を詳しくご紹介し、茅の輪くぐりを行っている9カ所の都内の神社を徹底調査します。

そもそも茅の輪くぐりとは?いつ体験できるの?

「大祓」という神事にて登場する祭具の一種

茅の輪くぐりに用いられる茅の輪は、神社で行われる「大祓」の神事に登場する祭具の一種です。心身の穢れをお祓いによって清める風習のある日本で、全国各地で大規模に行われるのが大祓で、茅の輪はイネ科の植物を用いて作られる直径1.9mほどの大きなしめ縄です。

毎年6月と12月に行われる

大祓は毎年6月と12月の年2回行われます。6月の大祓は夏越の祓(なごしのはらえ)、12月の大祓は年越しの祓(としこしのはらえ)と呼ばれ、半年の穢れを祓い落とし、また半年を無事に過ごせることを祈願します。

茅の輪くぐりの由来(歴史)をチェック

起源は素盞鳴尊(すさのおのみこと)の神話に由来する

昔旅の途中で蘇民将来(そみんしょうらい)巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟に出会った素戔嗚尊は、裕福な暮らしをしていた巨旦将来からは宿を断られ、貧しい暮らしをしていた蘇民将来から厚いもてなしを受けました。

数年後、再び蘇民将来の家を訪れた素戔嗚尊は「悪い病気が流行することがあったら、茅で輪を作って、腰につけていれば病気にならない」という智恵を授け、のちに蘇民将来の子孫は繁栄し巨旦将来の一族は滅びていったのだそうです。

この神話から蘇民将来と呼ばれる魔よけや茅の輪を腰に吊るす風習が生まれ、茅の輪くぐりの元になったと言われています。

茅の輪をくぐるようになった経緯とは

もとは腰につける位の大きさだった茅の輪ですが、現在のような大きさになり、輪をくぐる神事になった経緯には素戔嗚尊の正体が関係していると考えられています。

素戔嗚尊の正体は海を治めるように命じられた龍神であり、中国の古い文献では、龍神の本来の姿は蛇の一種である蛟(みずち)であるとされています。

茅の輪はとぐろを巻いた蛟であり、素戔嗚尊の形代。そして、神社の巨大な注連縄は茅の輪が変形した龍神のシンボルです。

神社で注連縄を神木などに巡らし、再び輪にすることは結界など霊的な意味を持つものとされてきました。

つまり、大祓ではそんな素戔嗚尊の形代である注連縄で作られた茅の輪をくぐることで、力のある素戔嗚尊の来訪を願い、守ってもらうという意味が込められているのです。

茅の輪くぐりができる東京の神社①東京大神宮

縁結びのご利益がある東京のお伊勢さま

1880年創建の天照皇大神と豊受大神を御祭神として祀る東京のお伊勢さま。日本で最初に神前結婚式を行った神社で、縁結びのご利益があることでも知られています。茅の輪くぐりは年1回 6月30日の夏越の大祓の時期に合わせ行われ、数日間設置される茅の輪は祭典以外の時間にくぐってお参りすることができます

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は6時から20時、授与を行っているのは9時から17時です。アクセスはJR中央線・総武線、東京メトロ有楽町線・南北線・東西線、都営地下鉄大江戸線の飯田橋駅から徒歩5分、羽田空港からはタクシーで約30分、東京モノレール、JR山手線、JR中央・総武線を乗り継いで約1時間です。

茅の輪くぐりができる東京の神社②神田明神

1300年の歴史を誇る明神さま

730年創建の神田明神。神田や日本橋、大手町など東京都心の108のエリアの総氏神として「明神さま」の愛称で古くから親しまれてきた神社で、正式名称は神田神社。御祭神に大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)、平将門命(たいらのまさかどのみこと)を祀り、縁結び、商売繁盛、厄除け、家庭円満などのご利益があります。年2回、6月と12月に行われる茅の輪くぐりは参列自由で、大祓神札が頂けるのは初歩料1,000円~、茅の輪のお守りは3,000円~。

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は24時間、授与時間は9時から16時半です。アクセス方法はJR中央線・総武線の御茶ノ水駅(聖橋口)から徒歩5分、東京メトロ丸の内線の御茶ノ水駅(1番口)から徒歩5分、都バスの神田明神停留所から徒歩1分など(詳細は以下)。

茅の輪くぐりができる東京の神社③芝大神宮

平安時代から続く関東のお伊勢様

1005年に一条天皇の御代に創建された芝大神宮。伊勢神宮の御祭神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大御神(とようけのおおみかみ)が主祭神として祀られ、関東のお伊勢様として古くから親しまれてきました。縁結びや商売繁盛などのご利益が有名で、千木筥(ちぎばこ)は良縁のお守りとして広く知られています。茅の輪くぐりは、毎年1回6月に行われる大祓式の祭儀に続いて行われており、参列希望の場合は社願受付、電話、FAX、メールでの申し込みが必要になります。

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は9時から17時。アクセス方法は都営地下鉄浅草線・大江戸線の大門駅A6出口から徒歩2分、JR山手線・京浜東北線の浜松町駅北口から徒歩5分、都営地下鉄三田線の御成門駅から徒歩5分です。JR新幹線を利用する場合、東京駅からはタクシーで約12分、品川駅からは約10分、羽田空港からはモノレールで浜松町駅まで約18分のち、駅から徒歩5分です。

茅の輪くぐりができる東京の神社④亀戸天神社

四季折々の花の祭り

1662年創建の菅原道真公を祀る神社。300本を超える梅や心字池に映し出される幽玄な藤、菅公が好んだと言われる梅や菊など、年間を通して境内に咲き誇る花々が参拝者を楽しませます。茅の輪くぐりは年に1度、6月25日に行われており自由に参加することができます。

アクセス・参拝可能時間

境内は24時間開放されていますが、御本殿が開門の参拝可能な時間は6時から17時です。また、大晦日は6時開門、元旦は21時閉門となります。アクセスはJR総武線の亀戸駅北口より徒歩15分、JR総武線と地下鉄半蔵門線の錦糸町駅北口から徒歩15分です。藤まつりの期間中は花の見頃に合わせライトアップされ、20分ほどで境内をひと廻りできます。

茅の輪くぐりができる東京の神社⑤波除神社

きれいな切り絵朱印が人気の波除稲荷様

江戸時代の激波を治めた稲荷大神を祀る波除神社。厄除け、災難除け、商売繁盛などのご利益があり波除稲荷様の愛称で親しまれています。毎年6月10日前後の週末に行われる夏越し大祭では神社から大通りまで縁日が立ち並び、初日から大祓式までの期間は境内に茅の輪が設置され茅の輪くぐりができます。この時期限定で頒布される切り絵朱印も観光客に人気です。

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は24時間で、授与を行っているのは9時から17時です。アクセスは営団日比谷線の築地駅から徒歩7分、都営大江戸線の築地市場駅から徒歩5分、都営バス築地6丁目停留所から徒歩3分です。

茅の輪くぐりができる東京の神社⑥蛇窪神社

巳の日は白蛇様の御縁日

1322年に勧請、天照大御神、天児屋根命、応神天皇を御祭神として祀る神社。境内社には白蛇大神、蛇窪龍神も祀っており、神使とされる白蛇様の御縁日である巳の日は、縁起の良い日とされ多くの参拝者が訪れます。6月30日に行われる夏越大祓では社殿前に6/30~7/7の期間で茅の輪が設置され、茅の輪くぐりも。6月・12月とも大祓の神事は18時からです。

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は9時から17時です。アクセスは都営浅草線の中延駅から徒歩5分、東急大井町線の中延駅から徒歩6分、JR横須賀線の西大井駅から徒歩8分です。東急大井町線の戸越公園駅(旧 蛇窪駅)から徒歩12分(白蛇様の戻り道と名付けられた開運参拝コース)です。

茅の輪くぐりができる東京の神社⑦赤坂氷川神社

鎮守の杜に囲まれた緑豊かな神社

951年に創立、社殿は徳川吉宗によって建立された緑豊かな神社。御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)、奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、大己貴命(おおむなぢのみこと)。6月30日に行われる夏越の大祓式に合わせ、鳥居に数日前から茅の輪が設置され、参列者には雑穀ごはんの上に丸い夏野菜を乗せ茅の輪をイメージした夏越ごはんが振舞われます。初穂料1,000円~。

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は6時から17時半、授与時間は9時から17時です。アクセスは東京メトロ千代田線の赤坂駅から徒歩7分、東京メトロ日比谷線の六本木駅から徒歩8分、都営大江戸線の六本木駅から徒歩8分、東京メトロ南北線の六本木一丁目駅から徒歩11分、東京メトロ銀座線の溜池山王駅から徒歩13分です。

茅の輪くぐりができる東京の神社⑧富岡八幡宮

相撲発祥の地として知られる神社

1627年創建、応神天皇を御祭神に祀る相撲発祥の神社。6月30日に行われる夏越大祓式では参道に神職・職員手作りの直径3mの大きな茅の輪が設置され、大祓式後数日間は茅の輪をくぐっての参拝が可能。期間限定の茅の輪守りは初穂料500円です。

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は24時間、授与時間は9時から17時です。アクセスは東京メトロ東西線の門前仲町駅から徒歩3分、都営地下鉄大江戸線の門前仲町駅から徒歩6分、JR京葉線の越中島駅駅から徒歩15分、JR 東京駅から車で15分、羽田空港から車で20~30分です。

茅の輪くぐりができる東京の神社⑨乃木神社

明治天皇に忠誠をつくした夫婦を祀る神社

明治時代、大日本帝国陸軍大将だった乃木希典命と妻の静子命を御祭神として祀る神社。日露戦争で活躍した希典は勝利の神様として、また夫婦で祀られていることから縁結びの神様としても知られています。6月30日に行われる水無月大祓式は数日前から境内に茅の輪が設置され、茅の輪をくぐりながら参拝ができます。水無月大祓式の初穂料は一家族2,000円(2019年の水無月大祓式)。

アクセス・参拝可能時間

参拝可能時間は6時から17時、授与時間は9時から17時です。アクセスは東京メトロ千代田線の乃木坂駅1番出口からすぐ、都営大江戸線六本木駅から徒歩6分、羽田空港からは車で約40分です。

茅の輪くぐりと神拝詞(となえことば)の作法

基本の茅の輪くぐりの作法

茅の輪くぐりは神拝詞を唱えながら8の字に3回くぐりぬけるのが作法です。

1周目、正面でお辞儀をし、左足で茅の輪をまたいで左回りで正面に戻ります
2周目、正面でお辞儀をし、右足で茅の輪をまたいで右回りで正面に戻ります
3周目、正面でお辞儀をし、左足で茅の輪をまたいで左回りで正面に戻ります
正面でお辞儀をし、左足で茅の輪をまたいで参拝します。

よく使われる茅の輪くぐりの神拝詞

神拝詞は声に出さずに唱えます。よく使われる神拝詞は
「祓い給へ 清め給へ 守り給へ 幸え給へ」(はらへたまへ きよめたまへ まもりたまへ さきはえたまへ」です。

茅の輪くぐりを行うときの注意点

茅の輪くぐりや神拝詞は神社によって異なるので注意

よく使われる神拝詞をご紹介しましたが、それぞれの神社によって祭神が違うため神拝詞も異なります。回る周ごとに唱える言葉が違ったり、混雑時は1周のみになる場合などもあるので注意しましょう。

茅を持ち帰らないようにしよう

茅の輪くぐりの後、輪から茅を引き抜いて持ち帰るのはご利益ではなく、穢れを持ち帰ることになります。くれぐれも茅を持ち帰らないように注意しましょう。

茅の輪くぐりと同様「大禊」で行われる人形の作法

人形の作法

大祓では、人形(ひとがた)の大禊を行う神社もあります。人形の作法としては、名前、年齢、性別を記入し、息を3回吹きかけることによって分魂を宿した人形を神主が焚き上げるというもの。半年の間に付いてしまった穢れや罪を祓うことができます。神社に直接行けない場合でも郵送受付をしている神社もあるため、遠方の方などは各神社のHPを確認してみてはいかがでしょう。

半年間の穢れをリセットしよう

いかがでしたでしょうか。茅の輪くぐりは都内の神社でも行っている半年の穢れをリセットできる大祓いの行事です。神拝詞などの作法を確認し、すっきりと半年間を過ごせるようぜひ参加してみてはいかがでしょう。

旅色編集部 おおもり

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記事企画・監修:旅色編集部 おおもり

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