ガンビアの治安や情勢をご紹介
アフリカ大陸でもっとも小さな国ガンビア。2016年の大統領選挙で新大統領が選ばれてからは治安が良くなってきたと言われていますが、実際の情勢はどうなのでしょうか。ガンビアの治安や情勢、物価、特に注意が必要な場所やガンビア渡航の際の注意点、ガンビアへの行き方などをご紹介します。
ガンビアの場所は?どんな国?
西アフリカに位置するガンビア(ガンビア共和国)はアフリカ大陸でもっとも小さな国です。ガンビアは国土の周り三方を隣国セネガルに囲まれ、国の真ん中を流れるガンビア川の両岸が国土となっている珍しい地理をしています。セネガルに囲まれていますが、雰囲気はセネガルとはまた少し違っています。
Lagos to Banjul
— APTL travel (@APTLtravel) August 31, 2017
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フランスが旧宗主国だった国が多い西アフリカにおいて、ガンビアはイギリス領であったこともあり、セネガルとはほとんど人種が同じでありながら街の雰囲気は異なっています。公用語は英語ですが、多くの人々はマンディンカ語やフラニ語、ウォロフ語といった現地のエスニックグループの言葉を日常的に使っています。
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ガンビアは周辺国のセネガルやギニア、マリに比べて欧米人が多いのが特徴です。英語が通じるので気軽にアフリカ気分・リゾート気分を味わえるため、訪れる人が多い場所となっているためです。
ガンビアの物価や衛生状況は?
ガンビアではダラシという通過が使われています。1ダラシは約2.5円。ガンビアの物価はというと、ビールは25ダラシから30ダラシなので日本円にすると100円にもならないです。レストランは100ダラシから150ダラシ。安い宿には400ダラシから700ダラシほどで泊まれますので、物価は非常に低いと言えます。物価が低いことも欧米人がリゾートとして訪れる理由の一つとなっています。
物価が低いですが、電気や水道等のインフラは十分ではありません。水道水は飲料水としては適さないため、市販の安全なミネラルウォーターの利用をおすすめします。また首都のバンジュールから離れるほど停電や断水が頻繁に発生していますので、都市部から離れる場合は注意が必要です。
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— BreakTime.ng (@BreakTimeNG) May 21, 2017
またガンビアでは全土で1年を通じてマラリアに感染するリスクがあります。マラリアは蚊が媒介する感染症なため、ガンビアではマラリア予防のために虫除けスプレーを使用し、肌の露出を避けるなどの対策を行うようにしましょう。野外活動に従事する場合等には抗マラリア薬の予防内服も効果的ですが、必ず事前に専門医に相談するようにしましょう。
ガンビアの医療水準は十分と言えないため、重傷かつ緊急の場合に国外での治療を受けるためにはガンビア渡航の際には緊急移送サービスを含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入することをおすすめします。
ガンビアは現在治安がいいとは言えない地域
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— Everyday Africa (@EverydayAfrica) May 19, 2017
ガンビアの首都バンジュールは、アフリカでも比較的治安がいい都市と言われていますが、外務省の海外安全ポームページによるとガンビアは現在、不要不急の渡航を止めるようにという警告の出ている危険レベル2の地域に指定されています。
以前は渡航中止勧告の出ている危険レベル3の地域だったため、それに比べると治安は良くなっている傾向にはありますが、不安定な治安状態が続いていて、特に観光地などでは、スリやひったくりなどの軽犯罪が多く発生しているため注意が必要です。
新大統領になりガンビアの治安は良くなった!?
2016年12月にガンビアで大統領選挙が実施されました。その結果を受け選挙のやり直しなどの要求があり、ガンビア国内では治安不安定で暴動やデモなどの可能性があり緊張状態が続いていましたが2017年1月、大統領選挙で敗北したジャメ前大統領が第三国へ亡命しました。
そして外国に一時滞在していたバロウ新大統領がガンビアに帰国し、大きな混乱もなく平和的に情勢が推移してきたことから危険度がレベル3からレベル2に引き下げられました。一方で西アフリカ諸国経済共同体軍が治安維持のため引き続きガンビア国内に駐留しています。新政権が本格的に始動するには一定の時間を必要することが予想されるなどしており、ガンビア国内情勢には引き続き注意が必要です。
ガンビアで特に治安に注意が必要な地域
ガンビア南部のセネガル国境付近には、セネガルの反政府勢力であるカザマンス民主勢力運動の活動拠点があると言われています。そのため国境のセネガル側ではセネガル軍とカザマンス民主勢力運動の銃撃戦やカザマンス民主勢力運動およびそれに便乗した強盗団等による襲撃事件、また地雷による死傷者も発生しています。
ガンビアの首都バンジュールの観光地では、スリやひったくり等に加えて金銭目的で外国人に近づいてくる者や売春が横行しています。トラブルを未然に防ぐためにも声をかけてくる人には安易について行かないようにしましょう。
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— hasan söylemez (@hasansoylemez) July 14, 2017
また首都バンジュール周辺及びガンビア川下流までの幹線道路は舗装されていますがそれ以外は道路状況が悪いため、夜間の移動は避けたほうが安心です。飲酒運転が法律で禁止されていて、各地でガンビア当局による検問が実施されていることがありますが無理に逆らわないようにしましょう。
欧米人がリゾートとして訪れることもあるガンビアですが、遊泳は危険な場所もあります。海の近くに行く場合は、危険な場所でないか地元の人に確認するなどの注意が必要です。海で泳ぐ際はホテル脇のビーチなどライフ・セーバーが配備されている場所を選ぶことをおすすめします。
ガンビアでは特に治安に注意が必要な時期も!
ガンビアは国民の80%から90%がイスラム教徒です。そのためイスラム教の主要行事であるタバスキ(犠牲祭)の期間中には、その準備に金銭が必要になるため盗難等の被害が多くなる傾向があり、特に注意が必要です。
またイスラム教では金曜日が集団礼拝の日とされています。そのためその機会を利用して政治的スピーチやデモが行われることがあり、それが大規模化暴徒化する場合もあります。また集団礼拝の際にモスク等の宗教施設やデモ等を狙ったテロや襲撃が行われることもあります。そのため特に金曜日には不用意に宗教施設等に近づかないようにしましょう。
ガンビア滞在は届け出をして治安情報を確認
ガンビアに3か月以上滞在する場合は緊急時に連絡をとるために、ガンビア到着後遅滞なくガンビア大使館を兼務している在セネガル日本国大使館に「在留届」を提出する必要があります。また住所その他届出事項に変更が生じたとき又は日本への帰国や他国に転居するにも必ずその旨を届け出ましょう。在留届の届出は、在留届電子届出システムで行うことができます。
海外旅行者や出張者を含む3か月未満の短期渡航者在留届の提出義務hありませんが、最新の安全情報を受け取るため、外務省海外旅行登録「たびレジ」への登録をおすすめします。「たびレジ」に渡航期間・滞在先・連絡先等を登録すると緊急時には在セネガル日本国大使館からの連絡を受けることができます。また、安全情報の受け取り先として家族・同僚等のメールアドレスも追加登録することができます。
ガンビアへの行き方は?近隣も治安に注意を
Première visite à Banjul depuis la relance de janvier. #GambiaHasDecided et nous les accompagnerons en bâtissant un meilleur avenir. pic.twitter.com/79qzi0KqEo
— George Hodgson (@HodgsonGeorge) August 25, 2017
ガンビアへは日本からの直行便はありません。また、ガンビアは英語圏の国なのでパリからのフランス航空は飛んでいません。ヨーロッパからであればガンビアの首都バンジュールまでブリュッセルやマドリード、ロンドンからガンビアに行く行き方が一般的です。しかし飛行機が運休することもあるので事前に運行状況を確認するようにしましょう。
旅行の際のおすすめの行き方はダカールからセネガル国際航空か、ダカールから陸路で入国する行き方です。しかし陸路による入国はバスなどの車両に整備不良が多く見られるため注意が必要です。また南部からの陸路移動については国境を隔てたセネガル・カザマンス地方の情勢が不安定なことから避けるようにしましょう。ビジネス出張であれば飛行機がおすすめです。
ガンビアは入国目的によらず入国ビザが必要になります。ガンビアの査証の発給代行を行っている駐日セネガル大使館あるいはセネガルのダカールにあるガンビア大使館で査証申請を行うことになります。
ガンビアへは治安が落ち着いてから
ガンビアの治安や情勢、物価、特に注意が必要な場所やガンビア渡航の際の注意点、ガンビアへの行き方などをご紹介してきましたがいかがでしたか?以前よりは情勢は落ち着いていますが、ガンビアの治安が落ち着くまではまだ時間がかかりそうです。もしどうしてもガンビアに渡航する場合は最新の治安情報を確認するようにしましょう。