武夷山観光の楽しみ方！筏下りや大紅袍など中国が誇る世界遺産の魅力を解説

武夷山は豊かな動植物と様々な自然景観を誇る、世界遺産に登録された中国福建省の名勝地です。武夷山は、茶の名産地であるとともに神秘的な古代の棺おけ群があることでも知られています。その上、風光明媚な九曲渓の景観が楽しめます。ここでは、絶景が連なる武夷山についての様々な情報についてご紹介します。

世界遺産に登録された武夷山へ空路で行くには、上海、北京、アモイから中国国内線を使用します。時間を有効に使うためには、前日の夜に武夷山空港に着くようにするとよいでしょう。事前に武夷山のホテルをチェックしておけば、空港送迎のサービスをしている所が多いので治安上も安心です。

武夷山風景区は1999年に中国で4番目に登録された世界遺産(複合遺産)です。この中には数々の世に知られた景区があり、見どころが満載です。筏下りでも有名な九曲渓景区や断崖絶壁で有名な天遊峰景区、他にも武夷宮景区、水簾洞景区、大紅袍景区など話題には事欠きません。様々なおすすめスポットも含め、たっぷりご紹介していきます。

武夷山風景区の中を西から東へ全長60キロメートル強にわたって、たゆたうように流れている川が九曲渓です。渓流の水は青く清らかに澄んでおり、山々の景色を心ゆくまで楽しむことができます。武夷山で最も有名な峰や切り立った断崖絶壁の洞窟に横たわる神秘的な古代の棺おけ群も、この九曲渓の近くに位置しています。

竹でできた筏を使用した筏下りも観光客に人気があります。9キロ半の距離を1時間半あまりかけてゆるやかに下る筏下りにより、ゆったりと優雅に自然を満喫することができます。足元はびしょ濡れになるかもしれませんが、左右に広がる山水画の景観は見応えがあります。

九曲渓の一角にある巨大な岩は一見の価値があります。石段の上がり下りが多いですが、筏での川下りを除けば、景区の中は自分の足だけが頼りとなります。景区と景区を結ぶバスは、頻繁に走っており、チケット代に組み込まれていますので、何度でも乗り降りが自由にできます。飲食の場所が少ないので、前もって軽食と水を用意しておくことをおすすめします。断崖絶壁のスリルを堪能しましょう。

九曲渓玉女峰は周囲の岩山の中でも特に有名です。岩肌の形が美しいため美女にに例えられたことから、この名称で呼ばれようになったそうです。その優雅なたたずまいはずっと見ていても飽きることがありません。この絶景は見逃さないようにしましょう。

玉女峰の対岸には大王峰（標高830メートル）があり、玉女峰と恋愛関係にあるとされています。その間に鉄板鬼と呼ばれる青黒い岩があり、この岩が邪魔をして二つの岩が出会えないようにしているという伝説があるようです。断崖絶壁の岩にも恋物語があるんですね。

天游峰は標高400メートルもある武夷山の中で最も高い峰です。天游峰に登るため、長い行列ができます。滝を見ながら岩肌を登るので気分は極めて爽快です。頂上から見下ろした九曲渓の馬蹄形の流れは目を奪うほどの美しさがあります。この天遊峰景区は、他にも見どころが多く混雑が予想されますので、出かけるのは早朝か午後の比較的遅い時間にずらすことをおすすめします。

天遊峰地区は九曲渓六曲渓の北に位置しています。天游峰を中心とした9キロ半にわたる景勝地で、見どころは、雲窩(うんか)、茶洞などです。天遊峰からの眺めは武夷山で最も美しいとされ、｢一幅の水墨画のような眺め｣と称えられています。雨が止んで急激に晴れた時や日の出の時に山頂に登り雲海を見渡すと、そこには言葉にならないほどの幻想的な眺望が現われます。

天游峰地区の中でも、雲窩(うんか)は最も美しいスポットの一つです。雲窩は九曲渓の五曲と六曲の北岸に位置し、周囲を響声岩、天游峰、隠屏峰などに囲まれています。毎日、朝晩に雲や霧が立ち込めることからこの名称がついたとのこと。特に晩春や初秋の朝夕には雲の美しい眺めが見られそうです。

天游峰の頂きに向かって登っていくと、やがて屏風のように切っ立った隠屏峰という巨大な岩山が見えてきます。この隠屏峰を見上げながら登ると、天に向かって入り口の開いた茶洞と呼ばれる洞窟が現われます。この洞窟には仙人が住み、仁によって医療を施した医者に対し茶樹を与えたという伝説があるそうです。

桃源洞景区は、天游峰の北西側に位置するスポットです。この当たりの風景が、張家界の武陵源に似ていることからその名がつけられたとされています。見どころスポットとしては、春になると桃の花が満開になる桃源洞と、周囲の風景を一望できる景区最高峰の山迎峰(標高約700メートル)を上げることができます。

武夷山の棺おけ群とは、有名な峰や切り立った断崖絶壁の中の洞窟に安置されている神秘的な棺おけ群のことを言います。これは二千数百年以上も前のもので、崖の途中に棺おけを安置する｢懸葬｣という風習によるものです。この風習は長江流域や東南アジア等にも見られるようですが、最も早期に作られたのがこの武夷山の棺おけ群とのことです。

筏下り終点に到着した後には、千年以上の歴史を持つ武夷宮を見ることができます。武夷宮は武夷山最古の道教寺院であり、歴代の皇帝が武夷山の神様を祭ったところです。唐代の創建とされる黒い社殿の背後には、大王峰が聳え立ち重厚な雰囲気を醸し出しています。ここもおすすめスポットの一つです。

水簾洞(すいれんどう)景区は碧石岩景区とも呼ばれ、武夷山最大の景勝地です。いかにも武夷山らしい風景が見られますよ。見どころは、水簾洞(水帘洞とも書きます。)始め龍岩峰、碧石岩、青獅岩、蓮花峰などです。水簾洞は、武夷山一の洞窟で、岩の上の二つの泉から湧き出る水の流れを龍に見立てています。

一線天景区は九曲渓の南岸に位置する観光スポットです。一線天は名霊山とも呼ばれる高さ60メートル余りの岩山の上部に、幅1メートルぐらいの裂け目が100カ所ほど続くところです。一線天とは、巨大な岩の裂け目の狭い道を通ると、空が一つの線に見えるような場所を言います。中国及び中華文化圏でよく使われる言葉の一つです。

武夷山の文化的素地となるのは武夷山に数多くある名山、古刹ですが、天心永楽禅寺もその一つです。場所は、武夷山の南平の岩山の上にあります。規模的には、武夷山で最も大きいお寺だそうです。有名な観光名所の一つでもありますので、武夷山観光の際には是非ここに足を伸ばしてみて下さい。

福建州武夷山の岩山は、はるか白亜紀の時代に海底から隆起してできたもので、その岩に含まれるミネラルを吸収して、岩場や岩の谷間、岩裾などに自生し、逞しく成長していきます。これが世界的に有名な武夷岩茶となります。その中でも大紅袍は最も高いクオリティを誇る武夷山一の銘茶です。

烏龍茶の中で最高級の茶葉となる武夷岩茶の産地、大紅袍には原木が数本しかありません。お茶の葉を採取する茶樹が、急な岩場の合間の小さなスペースに生育しているものを特に岩茶と呼んでいます。中でも、大紅袍武夷岩茶は、その味には定評があるものの、毎年400グラム前後のお茶しか生産できないため大変貴重な岩茶と言われています。

武夷岩茶大紅袍は武夷山四大銘茶の一つで、茶王と呼ばれる最高級の品種です。紅色の新芽を吹き、紅袍(赤いマント)に包まれたように見えることから大紅袍と名付けられたと言われています。岩茶工場見学では本場の大紅袍を試飲できますので、是非観光コースに組み入れてみて下さい。

福建省武夷山産ホペイは、大型クワガタで有名な中国ホペイの中でも特に一目置かれている大型クワガタです。武夷山はクワガタを始めとする種々の昆虫のメッカとも言うべきスポットです。武夷山で捕れたホペイの中には、やがて80ミリメートルを越えるような超大型に育つクワガタもいて、日本人の間でも大変人気があります。

武夷山には多くのホテルがありますが、ここはでおすすめのホテルを幾つかご紹介します。一つ目は、5つ星ホテルで総合評価の高い武夷山悦華ホテルです。正面には名峰、大王峰が望めます。二つ目は、武夷山風景区内にあり別荘スタイルのホテル武夷山荘。三つ目は、淡いピンクの外観で落ち着いた感じのホテル遠華国際大飯店です。また、宿泊費がリーズナブルなウイシャンシュリホテルやラマダ武夷山もおすすめです。

中国福建省の景勝地武夷山は、至るところに有名な峰や岩、洞窟や川そして断崖絶壁が配され、見どころは尽きません。また、武夷山は、中国茶の中でも最も品質がよく評判の高い武夷岩茶の産地としてもその名を知られています。世界遺産にも登録された美しい渓谷の絶景を心ゆくまで楽しんで頂くためにも、武夷山の観光をおすすめします。