この記事の目次
リヒテンシュタイン公国って?
リヒテンシュタイン公国は、オーストリアとスイスに囲まれた、世界で6番目に小さな国です。面積は瀬戸内の小豆島ほど。しかしアルプスの美しい自然に恵まれた、文化的にも経済的にも、非常に豊かな国なのです。今回はリヒテンシュタイン公国の基本情報を交え、おすすめ観光スポット、お土産、行き方などをご紹介いたします。
リヒテンシュタイン基本情報1: 歴史・政治・経済
1866年にドイツ連邦から独立し、その後は侯爵が国の元首である、立憲君主国家です。また軍隊を持たない永世中立国で、過去の世界大戦にも参戦しませんでした。牧畜、医療、精密機械、観光、切手発行が主な産業に加え、金融産業では、法人税が国の税収の40パーセントにも及ぶ程盛んで、国民には直接税がかからないという、経済的にも豊かな国なんです。
ヒルティは、リヒテンシュタインに本社を置く、建設用の工具・材料を製造・販売で世界に知れ渡る会社です。ヨーロッパでは、どこかしらで見かける程に有名な、トレードマーク。小国ながら、このような多国籍企業があるなんて、まさにこの国が、経済的にも豊かである証ですね!
リヒテンシュタイン基本情報2: 通貨・ビザ・時差
リヒテンシュタインは、地理的にもスイスとの関係が深い国で、軍隊や郵便業は全てスイスに委託しています。通貨もスイスフランを採用。通貨はユーロではないので、観光の際にはご注意を。1スイスフランは、日本円で約113円です(2017年8月現在)。またスイスと関税同盟を結んでいることもあり、リヒテンシュタインに入国の際は、入国手続は要りません。
#Vaduz is the capital of #Liechtenstein. Find out more about its #sights by having a look at the 3D map https://t.co/ACZfaFAnkF pic.twitter.com/2e4r3WkjpZ
— LI_Travel (@LI_Travel) April 5, 2017
180日間でトータル90日以上の滞在であれば、観光ビザは不要です。但し、他のシェンゲン加盟国での滞在日数もすべて、この90日間に含まれます。 パスポートの有効期限は、シェンゲン加盟国を出国予定日から3ヶ月以上の残存期間が必要です。時差は-8時間で、サマータイム期間中は-7時間です(サマータイム期間は、毎年異なります)。観光する時期の時間帯をチェックして行かれる事をおすすめします。
リヒテンシュタイン基本情報3: 言語・文化・気候
リヒテンシュタインの公用語は標準ドイツ語で、日常語にはアレマン語と言う、ドイツ語の一方言が使われます。民族もゲルマン系ドイツ人が大半な事から、中部ヨーロッパ系の文化が中心。郷土料理は、メインの付け合わせに食べる、コーンミールを使った「ラビ」や、コーンミールの団子とハムやベーコンのスープ「ハファラーバン」。小麦粉の団子にチーズと揚げたタマネギをかけた「カスクノーフル」 が有名です。
【リヒテンシュタイン】ドイツのケーゼシュペッツレみたいな(というかおなじモノ?)「カスクノーフル」 pic.twitter.com/j5MWdMOMIZ
— 名古屋大学クイズ研究会 (@NU_Quiz) August 6, 2017
国土の大部分は、アルプス山脈の山地で山がち(最高地点2599m)なものの、南風が良く通るので比較的温暖です。冬は-15度より下回ることはなく、夏は28度よりあがることはないそうです。西側にはライン川が流れ、東部、スイスの国境近くには「アルプスの少女ハイジ」の舞台になった場所もあり、ハイキングにぴったりな、爽やかな気候を楽しめます。観光にはぴったりの気候ですね。
リヒテンシュタインおすすめ観光スポット1: ファドゥーツ城
リヒテンシュタイン公国元首一家が、現在実際に住んでいるお城です。そのため外観のみの見学となりますが、城の位置する高台からは、美しい街並みやライン川など、大自然の景色を堪能することができます。アニメ・ルパン三世の「カリオストロの城」は、このお城がモデルだそうですよ。
Enjoyed the sunny celebration of the #Liechtenstein National Day today. Thanks @MFA_LI! pic.twitter.com/1vZo0SjaWb
— Embassy of Norway CH (@NorwayinBern) August 15, 2016
建国記念日の8月15日には、庭園が解放され、全国民が記念パーティーに招待されるそうです。シャンパンや食事はもちろん、侯爵一家から国民へ振る舞われます。おとぎ話の中にいるような光景が、ここには実際にあるようですね。さすがヨーロッパで一番裕福な王室と言われる、リヒテンシュタイン家ならではですね。シュテットル通り(メイン通り)から歩いて約20分です。
リヒテンシュタインおすすめ観光スポット2:現代美術館【Kunstmuseum】
ここには侯爵一家のコレクションを中心とした、現代美術品が展示されています。元首である侯爵は、世界有数の芸術品や絵画の個人収集家、擁護者としても知られており、その膨大なコレクションの一部を、この美術館で一般公開しているそうです。その影響で、街中にも多くの芸術的に価値のあるオブジェを目にする事が出来ます。街角を散歩するだけでも芸術の世界に浸れそうですね。
Kunstmuseum Liechtenstein opens exhibition of works from the Hilti Art Foundation https://t.co/r26wWnDWwO pic.twitter.com/kZgWJlHaYh
— ArtDaily (@artdaily) December 17, 2016
侯爵一家のコレクションのみならず、国民有志からの寄贈からも成り立っているこの美術館では、19世紀以降の近現代絵画や彫刻、オブジェが主に展示されています。建物自体は、侯爵の居城であるファドゥーツ城と対照的である、モダンな建築。新と旧が入れ混じった街並もみどころです。シュテットル通り。リヒテンシュタインセンターとなりです。
リヒテンシュタインおすすめ観光スポット3:ファドゥーツ(サン・フローリアン)大聖堂
19世紀に建てられた、ネオ・ゴシック様式の教会で、首都ファドゥーツのランドマーク的な存在でもあります。この教会の時計塔は、時計盤がオレンジで時計針が金色と、とても人の目を引きますが、内部は素晴らしいパイプオルガンと、落ち着いて厳かな雰囲気に包まれています。
リヒテンシュタイン生まれの作曲家、ヨーゼフ・ラインベルガーの生家が、この大聖堂の隣にあります。7才という若さで、大聖堂のオルガニストを務めたことで有名です。また現存する教会のオルガンは、ラインベルガーによってデザインされたそうです。現在、ラインベルガーの生家は、国立音楽学校になっています。シュテットル通り南側すぐにあります。
Hoy cumpleaños no. 175 de #JosefGabrielRheinberger uno de los mejores compositores de la segunda mitad del siglo XIX pic.twitter.com/D8jahsymTi
— Green Hills School (@greenhills_) March 17, 2015
リヒテンシュタインおすすめ観光スポット4: 切手博物館
美しいデザインと卓越した技術で有名な、リヒテンシュタインの主要産業である切手をテーマにした博物館です。様々なかたちの切手が展示され、なかでも100年以上前に発行された切手が見所です。世界中から切手マニアがこぞって訪れる、観光スポット。入場無料なのも嬉しいところです。
【リヒテンシュタイン】
— ナツ°・:whale: (@nyanperonatsu) November 16, 2016
チューリッヒに行く途中で立ち寄ったリヒテンシュタインの切手博物館はものすごくかわいいし、古切手アソートに昭和初期の切手とかもはいってたよ#ヘタクラさんと繋がりたい#ナツワールドツアー pic.twitter.com/voXVpCcLn2
切手博物館内に限らず、メインストリートには、舗道のいたるところに切手のレプリカが埋め込まれているそうです。何とその種類は100種以上だとか!美しく様々なデザインの切手を眺めながらの散歩も、リヒテンシュタインだからこそ楽しめる観光目玉です。是非、時間を掛けて街歩きを楽しんではいかがでしょうか?シュテットル通り37。リヒテンシュタインセンターからすぐのところです。
リヒテンシュタインおすすめ観光スポット5: リヒテンシュタインセンター
この国の観光の全てを請け負うと言ってもいい場所で、観光案内だけでなく、リヒテンシュタインのロゴグッズも販売しています。人気シーズンの5月から10月のみの運行ですが、『シティトレイン』がメイン通りを運行します。一周35分で10.5スイスフラン。リヒテンシュタインセンターにてお問い合わせ下さい。
City train at Liechtenstein
— 吉里什 (@TravelIndia28) November 6, 2014
#eurotrip #photography #travel #vacation #Liechtenstein #bucketlist #EuropeanTour pic.twitter.com/aFlfMktNcH
5月から10月にリヒテンシュタインを観光するには「アドベンチャー・パス」を利用すると便利です。リヒテンシュタインのバスや美術館・博物館のフリーパスなど様々な特典が付いて、一日パスだと25スイスフランです。リヒテンシュタインセンターでお求めになれます。シュテットル通り37(ザルガンス)からのバス停からすぐです。
リヒテンシュタイン観光で人気のお土産はコレ!
記念切手がかわいすぎる!
リヒテンシュタインのお土産の代表と言えば、切手です。さすが主要産業の一つでもありますね。リヒテンシュタインの美しい自然やお城、民族衣装の描かれた切手は、本当に美しく、観光客が必ずといっていいほど手にするお土産です。何と言っても、セット購入したって、かさばらないところがいいですよね!
侯爵のワイン!
リヒテンシュタインのワインは原則輸出はしておらず、現地でのみ購入可能です。そして、リヒテンシュタインには、侯爵の経営するワイナリーがあります!侯爵の紋章がワインのラベルで、お土産にはもってこいですね。ワイン好きの方には、ワイナリーツアーや試飲コーナーもおすすめです。
入国スタンプ
How to get the #Liechtenstein Stamp in your Passport in #Vaduz https://t.co/c8CgEMui0i pic.twitter.com/wShBQHli06
— Lisa TheCarAddict (@TheCarAddict) August 2, 2017
もう一つのおすすめなお土産は、3フランを払うと、パスポートに王冠マークの入国証明スタンプを押してくれるサービスです。入国審査がないので、このスタンプ欲しさに、リヒテンシュタインを訪れる観光客もいる程ですよ。リヒテンシュタイン観光ならではのお土産間違い無しです。
リヒテンシュタイン観光への行き方は?
スイスからの行き方
リヒテンシュタインには空港はなく、最寄り空港はスイスのチューリッヒ空港です。スイスの鉄道駅、チューリッヒ中央駅から電車で、クール(Chur)行きの「急行」に乗り、ザルガンス(Sargans)で降ります(所要時間約1時間)。ザルガンス駅から首都ファドゥーツまでは郵便バスで約34分です。この行き方が一番メジャーのようです。郵便バスは黄色い車体が目印です。
オーストリアからの行き方
リヒテンシュタイン、オーストリアへ移動 旅人の木(荻窪のラーメン屋)店主の日記 : スイス旅行記 6日目 サルガンスへ移動 https://t.co/lB6gScPmfn pic.twitter.com/muPIxirRvS
— 旅人の木 荻窪のラーメン屋 (@_tabibitonoki) September 12, 2016
オーストリアの主要都市である、ザルツブルク、インスブルックなどからは、鉄道のフェルトキルヒ(Felddkirch)駅で下車。そこから首都ファドゥーツまで郵便バスで約48分です。このように、ヨーロッパ周辺国を訪れた際には、列車やバスを利用して訪れるのもいいですね。
リヒテンシュタインの観光スポットに行ってみよう!
最後までお読みいただき有り難うございました。リヒテンシュタインの基本情報とともに、この国の観光スポットを中心にご紹介いたしました。おとぎ話に出てくるような世界を観光して、侯爵のワインに舌鼓するのも素敵ですね。美しく豊かな自然に囲まれたヨーロッパの小国のおすすめ観光スポットに、是非あなたも行ってみませんか?