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千葉県名物ポッポの丘に行ってみよう!
千葉県いすみ市にあるポッポの丘。ここはメディアも訪れる一風変わった鶏卵牧場として知られています。この丘はもう路線でみられなくなった電車がいくつか展示されており、車両に実際はいって卵がけご飯や卵の詰め放題が楽しめるというのです。でもなぜ電車?今回はこのポッポの丘の営業時間やアクセスについて紹介します。
ポッポの丘ってどんなとこ?
ポッポの丘のあるいすみ市は千葉県で初となるひらがなを用いた市で、器械根とよばれる日本トップクラスの岩礁群がある場所として有名です。アワビやイセエビなどの魚介類が豊富な一方で、北東部では農業が盛んで梨栽培を営む農家も見られます。そんないすみ市にある電車をモチーフにした鶏卵牧場、それがポッポの丘です。
千葉県にあるポッポの丘は電車天国!
訪れると今はもう現役ではない車両の姿に思わず目を惹かれます。いすみ鉄道いすみ200型や万葉線デ7000形、銚子電気鉄道デハ700形や国鉄DE10形ディーゼル機関車の姿という鉄道好きが泣いて喜ぶ数々の展示車両。傍からみるかぎりどうみても鉄道博物館なのですが、ここは鶏卵牧場なのです。
なぜ鶏卵牧場に鉄道車両が?と疑問に思うかもしれません。それを説明するにはまず社長である村石愛二さんについて語らなくてはいけません。
ポッポの丘の村石社長は電車に興味がなかった?
ポッポの丘の社長である村石さんはバリバリの鉄道マニアかと思いきや元々鉄道に興味がない畜産業者の一人でした。この養鶏場はいずれ使うつもりで土地を買い、整備していたのです。そんなある日、知人のいすみ鉄道の社長と知り合いになり、使わない鉄道車両を200万円で買わないか、と持ちかけられたのがポッポの丘の始まりです。
苦労したポッポの丘ができるまで
車両価格200万円は車と同じくらい、そう思った村石さんは土地もあることで購入を決断、それがいすみ204です。しかしそこからが大変です。なにせ大型車両を移動する手間を考えていなかったのです。通常の洗濯機や冷蔵庫といった大型家電でも配送は送料が高くとられます。電車のような大掛かりなものならなおさらです。
結局国吉から9km程度運ぶのに200万円の運賃をとられました。さらに整備をすれば動くといわれたものの、肝心の線路がなければ電車は走りません。もうひと手間かけ線路をひくことでさらに出費がかさんでしまいました。ポッポの丘の船出は、順風満帆ではなく、いばらの道だったのです。
千葉も被災に苦しむ中した決断とは
買い取った車両は部品取りで中身がスカスカなものが多くブレーキやハンドルがついていませんでした。頭を抱えている矢先東日本大震災が起きてしまうのです。
震災の影響は千葉房総半島にも及びあらゆる客商売が苦しみます。しかし村石さんは一念発起。車両を使った直売所をやればいいと思い立ち、一台では心もとないため高岡の路面電車と北陸鉄道の車両を新たに加え、2011年の5月に鶏卵牧場ポッポの丘を開業することになったのです。これがポッポの丘伝説の始まりです。
今では千葉県に欠かせない名物スポットに
村石さんはお客さんを喜ばせるために車両の数を増やし続けます。同年8月には敦賀港で走行していたラッセル付きのディーゼル機関車を導入。線路をさらに100m延長して敷いて実際に動かせるようにしました。その後も次々と電車を仕入れていき、今では合計22台の電車がポッポの丘でスポットライトを浴びています。
ポッポの丘にある車両は肉牛の代わりに仕入れていた
これだけ車両を仕入れるとお金の面が気になります。村石社長にとって電車の購入費は本業の畜産業の肉牛を売り払ってあてていました。当時BSE問題や世界株安によって、餌の価格が高騰、震災の影響もあり本業のほうは赤字になっていたのです。そんな中従業員も多く抱えていたので一度に肉牛は減らせません、徐々に減らしていったのです。
村石社長は肉牛を一気に減らす事はせず、肉牛を手放した分だけ車両を増やしていきました。現在では牧畜の大量飼育はやめ、高級鶏の卵だけを販売する経営に切り替えています。
車両が牧畜よりも経費がかからないその理由とは
電車は牧畜と違い餌代がかからず人件費もいりません、病気にもかからず車両を増やせば博物館のようになり、口コミが広まり結果的にお客さんも増えていきます。人々が楽しく訪れて赤字にならない程度に維持できるならそれでいい、ポッポの丘はそんな村石社長の電車愛によって紡がれた場所なのです。
最近では車両の補修をはじめている村石社長。古い車両は痛みも激しく修復も大変ですが、鉄道会社の博物館と違い様々な車両が見れるこの場所に鉄道マニアがじわじわ増えてくるようになり、やりがいを感じています。最初は鉄道に興味がなかった村石社長、いまでは鉄道ファン以上の愛情をもって車両の手入れをしているようです。
ポッポの丘で展示されている車両について
それではポッポの丘で展示されているいくつかの車両について見ていきしょう。鉄道マニアにとっては涙がでてきてしまうような懐かしいフォルムですが、電車に疎い人からみるとどんな電車かわかりません。
車両の特徴と歴史を知ればさらに楽しく車両見学できるでしょう。ポッポの丘では車両の内装を改装している車両や警笛を鳴らせる車両もあります。電車に詳しくない子供たちがみても楽しめる仕様になっています。いくつか紹介しましょう。
ポッポの丘の車両1:鉄道いすみ100型気動車
まずはこちら、ポッポの丘はじまりの車両となったいすみ鉄道いすみ100型気動車です。ワンマン運転のため運転室のそばに運賃箱と整理券発行機を設置していた車両でした。ポッポの丘では車両内で鉄道グッズの販売をしている車両で、直列している隣の北陸鉄道のモハ3752を通り抜けられる仕様になっています。
ポッポの丘の車両2:国鉄183系電車
続いてはこちらは国鉄183系電車のクハ183-21(昭和47年製)とクハ183-1527(昭和53年製)です。1972年から当時の国鉄が設計した直流特急型電車で、昭和48年には鉄道の会ブルーリボン賞を受賞した経歴を持つ由緒正しき電車です。ポッポの丘には2013年12月にやってきました。
ポッポの丘の車両3:国鉄キハ38形気動車
こちらは昭和61年にかけて国鉄が製造していた一般形気動車の国鉄キハ38形気動車です。冷却性能が劣るため、車両内に扇風機が併設されている今では珍しい仕様の車両でした。これらの車両の運転席はギャラリーになっていて、子供たちはおお喜び。大人たちも懐かしい車両にわくわくすること間違いありません。
ポッポの丘の車両4:営団地下鉄丸ノ内線400形454
そしてこちらの赤い車両が昭和31年製営団地下鉄丸ノ内線400形454です。こちらの車両は操縦席から警笛を鳴らすことができます。普段鳴らすことのできない電車の警笛目当てに大勢の人々がこの丸の内線にやってきます。混雑中はきちんと順番を守り、また子供たちを優先させてあげましょう。
ポッポの丘では車両でカフェメニュー販売も
それではそんなポッポの丘の電車以外の楽しみ方も紹介しましょう、その一つがやっぱり食事でしょう。ポッポの丘では車両をレストランのように改装し、カフェメニューを展開しています。車窓から見える景色は雄大で、なんだか走っている食堂電車に揺られてる気分になること間違いなし。
メニューもいろいろあります。カレーライスやカルビ丼や牛丼といったスタンダードなご飯ものからお子様向けにアイスクリームやかき氷といったカフェメニューも用意してあります。もちろん食べ物だけではなく、喉が渇いた時用のコーヒーやジュースといったメニューも販売しています。
名物メニューは何と言っても卵がけご飯!
しかしポッポの丘の目玉といえばやっぱりTKG(たまごがけご飯)でしょう、こちらのメニューが大人気。味噌汁と角煮がついて562円で食べられます。
ポッポの丘にくるなら絶対TKG!と鉄道ファン以外にも大人気メニューがこちらの卵掛けご飯。房総半島の温かい気候の元、緑豊かな牧草地で元気いっぱいに走り回る健康な鶏が当日に産んだ卵をその場であつあつのご飯にかけて食べられるTKGカフェの人気メニュー。
卵の美味しさが絶品!
ポッポの丘は鉄道会社が運営しているのではなく、ファームリゾート鶏卵牧場の運営です。したがって卵の美味しさは折り紙付き。この採れたて新鮮卵はポッポの丘ならではの絶品メニュー、この地に来たら是非食べておきたいメニューです。
この鶏卵はそのままお箸でつかめるほど濃厚で、かきまぜると鮮やかな黄色に染まります。ご飯も程よい硬さでシャキシャキで、あっという間に平らげてしまう美味しさがあります。
もう一つの名物が卵の詰め放題!
そしてメニューとは違いますが、ポッポの丘もう一つの目玉がこの卵詰め放題です。オレンジカラーの車両、鉄道マニアにはお馴染みの1961年製万葉線保有の路面電車車両デ702。この車両は中に入ることができ、中では卵の販売及び詰め放題に挑戦することができます。
卵詰め放題は読んで字のごとく卵を好きなだけ詰め放題できる取り組みです。ポッポの丘を運営しているファームリゾート鶏卵牧場で、売り物にならない訳アリ卵を指定のボックス内に好きなだけ入れられます。
詰め放題のコツとは
詰め放題なので何個いれても値段は変わりません。一段目の段ボールを傾けることで卵同士がかさばらないようにするのが詰め放題のコツ。この詰め放題は初心者でも50個ちかく、上手な人は70個くらい詰め込むことができます。
詰め放題は一回1350円。キズアリ卵一つ30円で販売されているので、50個詰めれば十分元は取れます。もしポッポの丘にきてみたら卵かけご飯の次に詰め放題にチャレンジしてみましょう。
訳アリ卵といってもそれは卵の殻の問題です。賞味期限が過ぎている、汚いといった品質への影響はありませんので安心して楽しみましょう。
ポッポの丘の営業時間と休日について
続いてはポッポの丘の営業時間と営業日について解説しましょう。営業時間はおおむね午前10時から午後16時までとなっています。なお、悪天候その他事情によって営業時間は変更となるので注意してください。せっかく営業時間内に訪れても事情によって営業していないことがあります。
変則的な休日に注意
営業日も変則的で、金曜から月曜日にかけて営業し、火曜日から木曜日までの平日は祝日以外お休みです。こちらも営業時間同様悪天候にあわせて休業となる場合もあるので注意しましょう。当日の営業時間と休日を確認したい場合は運営元のファームリゾート鶏卵牧場のホームページをご参照ください。
レトロぶーぶー館もおすすめ
なおファームリゾート鶏卵牧場は御宿町においてレトロぶーぶー館という旧車を展示する施設も運営しています。こちらも営業時間は10時から16時まで、悪天候は休業はポッポの丘とおなじです。ただ営業日が週末と祝日だけなので注意しましょう。営業時間はおなじですが、営業日が変わります。
こちらの施設では1966年産のジャガーや、昭和38年の日産ブルーバードなど、昔懐かしい貴重な旧車が展示されています。また、消防車や鉄道展示品なども展示されていて、休日になると多くの旧車ファンが足を運びます。もし電車以外に車も好きなかたはこちらのレトロぶーぶー館にも足を運んでみましょう。
千葉県のポッポの丘までのアクセスについて
それではポッポの丘までのアクセスも見ていきましょう。ポッポの丘といえば電車、したがって電車でアクセスをするとより楽しめるでしょう。最寄り駅はいすみ鉄道国吉駅。タクシーで15分、上総中川駅からであれば徒歩30分程度です。のどかな田園風景がひろがるいすみ市の道を歩いて澄んだ空気を吸いながらアクセスするのもいいかもしれません。
ポッポの丘はゴルフ場のすぐそば
車でアクセスするのであれば首都圏中央連絡自動車道から市原鶴舞インターチェンジで降車、いすみ市方面にアクセスしましょう。ポッポの丘は万木城カントリークラブのすぐそばなので、まずは万木城カントリークラブにアクセスしましょう。ビルだらけの都内と違い、のどかな景色が広がる優雅な土地なのでドライブ感覚で訪れることができます。
事前にホームページをチェックするのを忘れずに
遠方からアクセスする際は、事前に必ずホームページをチェックして、営業日かどうか、営業時間に変更はないか確認してアクセスしましょう。せっかく県外から訪れたのに休日だったではアクセスにかかった時間が無駄になります。館長はレトロぶーぶー館や牧場の仕事もあるので人出に限界があり、ひょんなことで休日になるおそれがあります。
住所 | 千葉県いすみ市作田1298 |
電話番号 | 0470-62-6751 |
電車と卵が名物のポッポの丘へ足を運んでみよう!
鉄道と卵詰め放題が人気のポッポの丘の営業時間やアクセス、メニューについての解説でした。電車に興味がなかったという村石さん、いまでは千葉一番の電車マニアと言っても過言ではありません。電車に興味がある人もない人も、ポッポの丘で新鮮な卵かけご飯をたべに是非ポッポの丘まで訪れてみてはいかがでしょうか?