福建料理を食べてみたい!
中華料理は日本人にとって美味しいと人気の料理の一つですが、広い中国のこと、地域によってその料理もさまざまです。これからご紹介するのはその中で、中国東南部にあるの福建省、および省都の福州を中心に食べられている福建料理です。どうやら、中華料理のなかでも美味しいと評判のもののよう。それではおすすめグルメをいくつか紹介していきます。
福州で味わうおすすめ福建料理1:閩北料理/仏跳墻
省都である福州が含まれる地域で、海岸線に近い地域から山がちの地域までを含むため、この中でも料理が多様です。乾物を出汁として使う、全体としてはあっさりした味わいでありながら、砂糖や酢、紅麹の酒かすである「紅糟」などを使い、味に深みを出すなどの特徴があります。
仏跳墻のスープの器の上にはデフォで布袋=弥勒さま 福田にて pic.twitter.com/IxbcRFUTi5
— 山田 絵里 (@Eriyamada1) February 25, 2017
「あまりに美味しい香りがするので修行僧がお寺の塀を飛び越えて食べに来る」という意味の名前を持つ、仏跳墻。陶器の壺の中に乾物を主体とした何種類もの高級食材と水を入れて、数時間から数日かけて煮込んで作る料理です。
そいや昨晩の流れで思い出した。
— 餌に熊 (@enigmata9) June 28, 2017
世界三大「聖職者が戒律破るほどうまそう」名前の料理な。
イマム・バユルドゥ(イスラム僧が匂いで気絶した)
ヤンソンス・フレステルセ(菜食カルト教祖も誘惑される)
佛跳牆(修行僧が垣根を飛び越えてくる) pic.twitter.com/gERRXtJyny
マンガなどでも取り上げられ、一度は食べてみたいと思う方も多いのでは。なんといっても中身の食材によって値段は変わり、現在でも中華でこれを食べようとすると数十万円という場合もあるとか。中国の皇帝が食べたものは現在の値段では億をくだらないものもあると言われます。まさに中華のグルメの神髄と言えるかもしれませんね。
中に入れる食材は干しアワビや干し貝柱などの魚介類、中華ハムや肉の赤身、干ししいたけなどがあります。これに朝鮮人参や枸杞子などを入れる場合もあります。材料を入れたあと、壺に蓮の葉や薄紙でふたをしてからさらに壺のふたをし、煮込みます。食卓に供する前にこの紙のふたに穴をあけ、紹興酒などをいれることで、食卓で壺のふたを開けたときにえもいわれぬよい香りがするようになります。
現在、福建省、台湾、香港などの高級料理店でこの料理を食べることができます。乾物を使うことから、それを戻すのに時間がかかるため、高級レストランやホテルなどでは予約が必要であることが多いです。観光客向けのレストランなどでは予約不要のところもありますが、可能ならば予約をとったほうがいいですね。
福州で味わうおすすめ福建料理2:閩北料理/太平燕
太平燕はアヒルのゆで卵を入れたスープワンタンです。「太平」は福州語のアヒルの卵を意味する「アッロウン」が戦乱を鎮める「圧乱」と同音であり、戦乱が終わり「太平になる」と言う意味、また「燕」は「宴」と同音であることから「太平宴」という意味で、宴席料理などで知られるようになりました。
なお、熊本県のご当地グルメである「太平燕」はこれが明治時代に華僑によって日本に伝わったものであり、日本で手に入りにくいアヒルの卵や扁肉燕を変更したことで、麺料理に変化したと言われます。日本の太平燕を食べたことがある方はぜひ食べ比べてことをおすすめします。
福州で味わうおすすめ福建料理3:閩北料理/焼麦(シューマイ)
福建麺は普通だが、Padang(芝生)点心は、なかなかイケる。 pic.twitter.com/brAxS4WQlX
— Goki (ゴウキ) (@gstokyo) January 14, 2016
福州を中心とする「閩北料理」の地域の中でも、福建省中部にある沙県は「沙県小吃」の名産地として知られています。ここでは主原料や包む材料の違いなどにより、200種類以上の点心があるとされ、専門店も多く並んでいます。またホテルなどには「小吃宴」と呼ばれるコースもあり、いろいろな点心を味わうことができます。
日本の中華料理でおなじみのシュウマイ、もともとは中国全土で広く食べられている点心の一種です。しかし、福建料理のシュウマイは日本のシュウマイと違う点がいろいろ。まず、皮がタピオカ粉なので、半透明になっています。また、中にはひき肉なども入りますが、春雨が主として使われています。中華でシュウマイは食べる機会が多いので、食べ比べてみてもいいですね。
福州で味わうおすすめ福建料理4:閩北料理/脚跟糍
福建省北部の南平市に属する邵武市も「邵武小吃」が食べられる場所として知られています。脚跟糍は米を水に浸してすり、鍋で似て糊を作ります。それに草木灰でつくったかん水を加えて成形し、豚の三枚肉を乗せて蒸した料理です。唐辛子のたれで食べます。
福州で味わうおすすめ福建料理5:閩南料理/海蠣煎
そういえはむかし華南を旅行した時、どこで屋台文化に入るのかなと楽しみにしてたんですが、結論は福建省泉州。晋江を渡ると東南アジアが始まる気がする。
— 春秋迷 (@shunju_mei) March 13, 2017
上海、広州、ハノイ、ジョグジャカルタ… pic.twitter.com/SQSCTrRTMi
福建省南部のアモイ市などの沿岸部を中心にした地域の料理で、海産物のうまみをいかしたあっさりしたスープ類などが多く見られます。またこの地域は華僑などとして東南アジアとの交易が多かったことから、サテソースやサンバルソースなども入っており、これらが名物料理に使われるようになっています。
海蠣煎はカキの卵焼き、オムレツといった料理です。なお、台湾にある蚵仔煎も似た料理ですが、海蠣煎の方が大きく、しっかり焼き上げることと、たれがかからない、という違いがあります。蚵仔煎は上から甘辛いたれをたっぷりとかけて供されます。同じく香港や東南アジア各地に似たような料理がみられます。
福州で味わうおすすめ福建料理6:閩南料理/牛肉麺
台南では、たまたま出会った大陸福建省からのご夫婦、台中から来た旅行者の方と、台南のお母さんと、昨日1日台南市内を回りました。
— 里地帰(二胡) (@satochiki1207) May 10, 2017
ほぼ1日でこれでもかというくらいのご馳走を(笑)。
牛肉湯、擔仔麵、果物に海鮮、
まだまだ食べきれないくらい美味しいものがありますよ:yum: pic.twitter.com/HvoWsf3JM7
煮込んだ牛肉を小麦の麺にのせたもので、晋江市の名物となっています。牛肉麺そのものは台湾料理などでも食べられており、近年ではインスタントラーメンなども作られるようになってきました。各地に住む華人にとっては一般的で美味しい料理として人気が高いものです。
福州で味わうおすすめ福建料理7:閩西料理/長汀鶏腸麺
福建省の永定土楼の中の客家の家。築130余年の家は歩くとみしみしする。仏頂面だった住民もニーハオと言えば途端に表情が変わる。今流行りの体験型旅行か。遊び慣れたアラフォー、アラフィフに民泊は堪らないだろう。 pic.twitter.com/YDGSmApXOe
— yeyue (@yeyue820) March 30, 2017
閩西料理として有名なのは「客家料理」と呼ばれる伝統料理です。客家料理そのものは福建省のほか、台湾や香港、マレーシアなどにも広がっていますが、特に福建省では山間部の地域である閩西が中心です。山の地域ということで、山の幸や野生動物、米やさつまいもが主食となっています。
台湾の客家人に連れてきてもらって客家料理を初体験。
— HILO@TOKYO (@_HILO_) June 17, 2017
スープには昆布出汁使ったり、油も辛味も控えめでとても日本人の舌に合う料理ばかりです。
メインの蒸し鶏はお店専用養鶏場で飼われた安全なもので要事前予約。
台湾料理より広東料理よりよほど和食に近い美味しさでリピート確定です! pic.twitter.com/tQAiscl6Dv
客家料理そのものは福建省のほか、台湾や香港、マレーシアなど、客家が集団移動した地域で食べられており、それぞれの地域の食材や気候にあったものが多いと言われます。福建では唐辛子などで辛みをつけた料理が見られます。また、蒸し物や日本の餅のように、米の粉を搗いたものを使った料理などもあります。
福建旅行小吃レポートその3 厦门の、沙茶面です!スープ辛そうだが辛くなく、ピーナッツ味が濃い。自分でトッピングをいろいろ選べる。画像1枚目は、たっぷりの海鮮や猪血。真ん中の白丸はたぶん福州名物の鱼丸、なかにひき肉あん入ってておいしい。2枚目は肉系。 pic.twitter.com/TzTDAPCay8
— Fumiko_J (@Fumiko_J) December 22, 2016
一言で言うと「手延べうどん」になります。小麦粉をこねて粘りを出させ、それを手で伸ばして作っていくのですが、一本の長い麺を手で伸ばしながらゆでていく、という作り方をします。ウィグル族が食べるラグマンや中国の拉麵などもこの仲間です。日本の一般的なうどんは小麦粉をねったものを切って作るので、食べ比べてみるのもおすすめです。
福州で味わうおすすめ福建料理8:閩西料理/仙人粄
仙草と呼ばれる植物を使って作るゼリーです。仙草そのものは中国南部で育つ植物ですが、葉や茎を乾燥させて生薬として使うこともあります。この乾燥した葉や茎に重曹を加えて煮詰めてこしたものを固めたのが仙人粄になります。苦みがあるので、はちみつやシロップなどをかけて食べることが多いです。
仙草は暑気あたりなどに効果があるとされるので、このゼリーも暑い時期の美味しいデザートとして人気が高いです。フルーツやアイスクリームなどをトッピングして出されることも多いので、夏の旅行の時などに暑さ対策で食べるのもおすすめです。グルメ旅の〆に味わってみてください。
福州で味わうおすすめ福建料理9:台湾・海南料理/臭豆腐
台湾料理や海南料理は、福建料理の影響を受けつつ、その土地の食材をもとに発展した料理です。福建料理の中でも日本人が好む味が多いと言われています。海南料理で代表的なものは「海南鶏飯」で、東南アジア地域でも好まれています。
台湾料理は比較的淡白である上、日本料理の影響を受けていることもあって、日本人には美味しいと人気が高いです。台湾のグルメ旅を計画したことかあるという方もいるのでは。日本からの観光客も多く、有名な料理もいろいろとあるので、本場の味を楽しむのをおすすめします。
臭豆腐は華北地方でも食べられているのですが、ここで紹介するものは、豆腐を植物性の発酵液に漬けて風味をつけたものです。揚げてたれをかけ、屋台などで売られることが多いです。豆板醤のたれをつけて食べたり、「臭臭鍋」という辛い味つけの鍋にしたりして食べられます。
この臭豆腐、独特の強いにおいがあるため、地元の人でも食べられないというほど、好みがわかれると言われます。ただ、揚げることで香ばしくなるため、やや食べやすくなるとも。グルメ旅では一度挑戦してみることをおすすめします。
福州で味わうおすすめ福建料理10:台湾・海南料理/愛玉
愛玉は愛玉子といわれるつる性植物の果実から作るゼリーです。愛玉子はペクチンが多く含まれているため、種子を布袋に入れて水の中でもむことで、ペクチンが水のカルシウムと反応し、愛玉になるのです。
台湾の夏の風物詩と言えるデザートで、愛玉自体には味があまりないので、甘いシロップなどをかけて屋台やレストランのデザートとして供されます。また、タピオカドリンクを売る店の中には、これが入ったドリンクも売られているそう。グルメ旅の口直しに、美味しい愛玉子で一息、おすすめです。
福建料理を味わおう
福建料理は米や魚を多く使うこと、味付けが比較的あっさりしたものが多いことなどから、中華料理の中でも日本人が美味しいと感じる料理がたくさんあります。メインなどはもちろんですが、点心やデザートなどもいろいろありますので、ぜひさまざまなメニューを味わってみてください。