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モルドバはどんな国?
モルドバは、1991年8月にソ連崩壊により独立した共和国で、ルーマニアとウクライナに挟まれています。モルドバの国土は、九州よりやや小さく、肥沃な黒土に被われた丘陵地が多く、冬は短く夏は長く、古くから葡萄栽培が行われてきました。モルドバのワインや料理が堪能できる観光スポットについて、ご紹介します。
モルドバのワインとは?
モルドバのワインの歴史は古く、紀元前3000年頃には既にワインが製造されておりました。モルドバでは、昔ながらの伝統的な製法と最新技術を取入れ、良質なワインが生産されます。毎年10月に開催されるワイン祭りは観光客に人気があります。モルドバには100社を超えるワイナリーがあり、国の重要な産業の1つとなっています。
モルドバのおすすめ観光スポット1:Milestii Michi(ミレシュティ・ミチ)
ミレシュティ・ミチは、モルドバの首都シキナウから南に約16km、車で約30分の同名の村にある国営のワイナリーです。2007年には、世界一のワインセラーとしてギネスブックに登録されました。ミレシュティ・ミチのワインは、英国王室御用達ワインに指定されており世界中の注目の的になっています。
ミレシュティ・ミチのワインセラーは、石灰石の石切り場を改造し、30mから80mの地下に全長200km以上に渡り広がっています。ワインセラーの気温は12℃から14℃、湿度は85%から95%に保たれ、約200万本以上のワインが保管されています。これらのワインはオーク樽で3年以上熟成し、ボトル詰めされ更に熟成を続けています。
ミレシュティ・ミチの見学時間は約40分で、月曜日から金曜日は9時から17時で入場料は200MDLになり、17時以降や休日の入場料は300MDLになります。ワインとスナック付のツアーは350MDL、料理付きのツアーは550MDLから1500MDLとワインの本数や料理の内容によって異なります。
Happy #IndependenceDay MOLDOVA!
— Celux (@Celux01) August 27, 2017
Visit Mileştii Mici, the world's biggest wine cellars.
Astonish site!#Moldova #wine #Chișinău pic.twitter.com/OnozrSPAxf
ミレシュティ・ミチのワインセラーを見学するには予約と高さ2.7m以下の車(タクシー可)やバイクが必要になります。ガイドが車に乗車し、広大なワインセラーに1969年から現在まで保管されているワインについて説明をしてくれます。ガイドの言語は英語、ルーマニア語、ロシア語などから選べます。
モルドバのおすすめ観光スポット2:Chateau Prucari(シャトー・プルカリ)
シャトー・プルカリは、キシナウから南へ約120km、車で約2時間のウクライナの国境近く、プルカリ村にあるワイナリーです。プルカリは、フランス・ボルドー地方によく似た風土と気候で、総面積250haのシャトーは1827年に創立しています。シャトー・プルカリのヴィンテージ・コレクションには1948年まで遡れます。
プルカリのワインで有名なのが伝統的な技法で作られた「ネーグル・ドゥ・プルカリ」と新しな技法で生み出された「プルプリュ・デェ・プルカリ」になります。ネーグル・ドゥ・プルカリは英国王室御調達ワインとしても知られており、2007年からは日本やアメリカなどに限定輸出されています。
モルドバには何もないというようなことを書いてしまったが、モルドバワインは欧州最古の歴史があり、今夜はプルカリというウクライナ付近の村で造られるピノを飲んだ。特に才気走った主張をしてくるワインではなく、歴史と風格を感じる落ちついた味わい pic.twitter.com/NLNfrlE6Jb
— Archibaldo (@EnsayaUnCrimen) October 28, 2014
シャトー・プルカリのワインセラー見学はテイスティングが付いており、ソムリエガイドが約1時間程度で、ワインセラー、製造工程やラボを案内してくれます。当日でも見学ができるようですが、事前に予約しておくことをおすすめします。シャトー・プルカリには4つ星のレストランもあり、ワインに合う料理が堪能できます。
モルドバのおすすめ観光スポット3:Chateau Vartely(シャトー・バルテリー)
シャトー・バルテリーは、キシナウから北に約45km、車で約1時間のオルヘイ村にあるワイナリーで、敷地内にはレストランとコテージが併設されています。モルドバの中央部には150ha、南部には110haの葡萄畑を所有しており、ヨーロッパ品種の葡萄を中心に栽培されています。
Young but ambitious winery making waves in #Moldova - wine hotel & winery @chateauvartely https://t.co/Acf3RzWnc4 pic.twitter.com/NgsQHN7C6m
— winerist (@TheWinerist) March 15, 2017
シャトー・バルテリ-は、2004年に創立した新しいワイナリーですが、ヨーロッパの品評会やコンペティションで、数多くの受賞に輝いています。代表的なワインは土着品種フェテアスカ・レガーラを100%使用した白ワインで、2014年にはブレンドワインの販売を開始し、伝統を守りながら新しいワイン造りに取り組んでいます。
併設されているコテージは3タイプあり、モルドバの北部・中部・南部の伝統的な建物と内装が施されています。レストランでは、モルドバの郷土料理と欧風料理が楽しめます。レストランの地下にはテイスティングルームがり、シャトー・バルテリーの自社ワインと世界中から集めた他社のワインのテイスティングが楽しまます。
モルドバのおすすめ観光スポット4:Asconi(アスコニ)
Le #vin rouge de ce soir : « Asconi » #Merlot 2012, Puhoï, Laloveni, la République de #Moldova pic.twitter.com/wURqcdnNbg
— 100ans-de-solitude (@140cDeSolitude) April 29, 2017
アスコニは、キシナウから南東に約30km、車で約35分のプポイ村にあるワイナリーで、1994年に民間のファミリー企業として創立しました。約550haの葡萄畑をワイナリーから東に約8km離れたジャマナ村に所有し、ワインに使用する葡萄は全て自社の畑で収穫されたものになります。
ワイナリーの敷地内には、ワイン工場、テイスティングルーム以外にレストランとコテージも併設されています。敷地内の建物は、基本的に地元の木材が使用されおり、コンクリートや金属などの使用は最小限に止められています。伝統的なモルドバの建物で、ワインによく合う郷土料理が堪能できます。
モルドバのおすすめ観光スポット5:Cricova(クリコバ)
クリコバは、キシナウから北に約16km、車で約25分の同名の村にある1952年創業の国営のワイナリーです。クリコバは、モルドバで最初にスパークリングワインの製造を開始した先駆者です。白のスパークリングワインが主流の中で、カベルネ・ソーヴィニヨン100%や土着品種のスパークリングワインを手掛けています。
【モルドバ】長さ120kmのワイナリーへ!激安なのに美味な「クリコバ」の名を記憶せよ。 https://t.co/3WLVmxWkGN pic.twitter.com/iDCJZtmuGi
— kagshun/医師/ブロガー/世界一周 (@kagshuntravel) August 14, 2017
クリコバのワインセラーは、60mから80mの地下に全長120kmにも広がり、適切な温度と湿度が保たれています。ワインセラーには、100万本を超えるワインがコレクションされており、1902年の最古のワインまで遡れます。クリコバにはレストランと国際的なホールが5つ併設されており、国際シンポジュウムなどが開催されています。
クリコバには、観光客のみならず、世界中の署名人や首脳が訪れています。伝説によると、1966年には旧ソ連の宇宙飛行士ユーリィー・ガガーリンがワインセラーに入り、支援を受けて2日後に再興したそうです。また、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は50歳のお誕生日をクリコバで祝ったそうです。
モルドバのおすすめ観光スポット6:Vinaria den Vale(ヴィナリア・ディン・バーレ)
ヴィナリア・ディン・バーレは、キシナウから南東に約210km、車で約3時間のルーマニアの国境に近いスロボジア・マレ村にあるワイナリーで、1899年に創立した歴史ある民間のファミリー企業です。ワイン造りは200年から開始され、モルドバで最も日照時間が豊富なエリアに約1000haの広大な葡萄畑を所有しています。
モルドバ南東部に2つのワイン工場を所有し、国際ワインコンクールでも受賞に輝くワインを造っています。ヴィナリア・ディン・バーレのワインはヨーロッパ、アメリカ、中国、日本にも輸出されています。また、モルドバ航空の機内ワインとしても採用されており、モルドバを代表するワイナリーの1つです。
モルドバの治安は?
世界治安ランキングによると、モルドバの治安は世界76位になります。モルドバは旧ソ連からの独立に際し、公用語をモルドバ語から歴史的に文化や民族が近いルーマニア語に変更し、国旗のデザインもルーマニア国旗に類似させました。首都キシナウは、治安は安定しており、物価も安く問題ありません。
一部のウクライナ・沿ドニ国境では宇側にモルドバ当局が出張しているので、キシナウで審査なくても不思議ではないのですが…どうして仕切って誘導したのだろう。てか駅の出入国エリア稼働してたのね。 pic.twitter.com/nbZnIcaq0b
— たま@未承認国家鉄(帰国) (@fujifox1991) September 14, 2017
しかし、ロシア系住民が多く住むトランスニストリア地域と言われる、ドニエストル川東岸のウクライナ国境までの地域とドニエストル川の一部西岸地域には、ロシア系住民により独立前から「沿ドニエストル共和国」を宣言しています。このエリアは、モルドバ政府がコントロールできない状態で、治安はあまり安定しておりません。
モルドバ、キシナウ空港に到着した露人アーティストらが、沿ドニエストル共和国でボランティア活動に関わっていたとしモルドバ当局に拘束される。一方モルドバのドドン大統領は自身のフェイスブックで両国関係回復の動きを損なうとし当局の措置を謝罪https://t.co/jx7tyIwNRA pic.twitter.com/OUO7D4CLDa
— Jun / Джюн (@hitononaka) July 28, 2017
日本の外務省は、トランスニストリア地域の治安について、危険レベルを1としており、ウクライナからトランスニストリア地域を経由してモルドバへ入国する際に入国スタンプが押されない為、モルドバからの出国に支障を来す可能性があるとしています。このエリアの治安は不安的なので、十分にご注意ください。
モルドバ観光でワインと料理を堪能しよう!
今回は、モルドバの美味しいワインと料理が堪能できる、おすすめのワイナリーを中心に観光スポットをご紹介しました。近年日本でもモルドバワインが輸入されており、モルドバ料理が楽しめるレストランがオープンしていますが、実際にモルドバを訪れて、現地で上質なワインとモルドバ料理を堪能してみてください。