和歌山県九度山の慈尊院へ参拝に行こう!
和歌山県の九度山にある「慈尊院」は弘法大師・空海やその母公と深いかかわりがあり、弘法大師・空海が開山した高野山を参拝する時の登山口として有名です。また「慈尊院」は、乳がんや安産など女性が抱える悩みや病気にご利益がある事でも有名です。ここでは、「慈尊院」の歴史や見どころ等を詳しく紹介するので、「慈尊院」へ参拝に行きましょう!
和歌山県九度山の慈尊院とは
和歌山県の九度山にある「慈尊院」は、「万年山」という山号の高野山真言宗の寺院であり、仏塔古寺十八尊第6番です。弘仁7年(816年)に和歌山県にある高野山を開山した弘法大師・空海が、高野山に参詣する時の重要な表玄関として伽藍を創り政所を置き、宿所や冬期避寒修行をする為の場所として使用したのが「慈尊院」の始まりと言われています。
高野山金剛峯寺を総本山とし、国宝である御本尊「木造弥勒仏坐像」が祀られている「慈尊院」の宗派は「真言宗」です。この「真言宗」は、弘法大師・空海が唐・長安で恵果から学んだ「真言(仏の真実のことば)」に隠された深い意味や秘密の意味について教義する「密教」と呼ばれる教えを、空海が平安時代の初期頃の帰国後に広めた事から始まりました。
和歌山県九度山の慈尊院の歴史について
弘法大師・空海は、嵯峨天皇から高野山を頂き開山しました。また、「慈尊」が「弥勒菩薩」の別名でもあった事から政所は、「慈尊院」と呼ばれる様になりました。「慈尊院」の境内には「丹生高野明神社」も祀られています。当時、弘法大師の母公(玉依御前 ・ たまよりごぜん)は高齢でしたが、我が子が開山した山を一目でも見たいと思っていました。
しかし、高野山の7里四方は女人禁制だった為、弘法大師・空海の母公は山に入る事が出来ず麓の政所に滞在して御本尊の「弥勒菩薩」を尊崇していました。弘法大師・空海の母公が亡くなられた承知二年二月五日、母公が弥勒菩薩になられたという神のお告げの様な不思議な夢を空海が見た事から廟堂を建て、空海の自作の弥勒仏と共に母公の霊を祀りました。
弘法大師・空海の母公が「弥勒菩薩」になったと伝わる「慈尊院」は女人結縁の寺院として有名になり、多くの女人が高野山に参拝する事から「女人高野」と呼ばれる様になりました。文明六年(1474年)にご廟が現存する場所に移動、天文九年(1540年)には慈氏寺諸堂が紀ノ川の氾濫により大半が壊滅した為、政所の事務等も高野山の山上に移動となりました。
慈尊院のある和歌山県の九度山について
当時は高野山の7里四方が女人禁制であった為、高齢の母公は当時、政所だった山の麓の「慈尊院」に滞在して「弥勒菩薩」を尊崇していました。そんな母公に会う為に、弘法大師・空海は一月に9度と言われる程、頻繁に20数kmにもなる「高野山町石道」を行き来していました。この事から「九度山」という名称がこの土地に付いたと言われています。
和歌山県九度山の慈尊院のご利益
「慈尊院」では乳がん平癒のご利益、安産祈願のご利益、子宝成就のご利益、良縁成就のご利益、長寿祈願のご利益等、他にも色々な御祈願によるご利益を授かれます。御祈願には予約が必要で、当日は御祈願の15分前迄に受付を済ますようにして下さい。御祈願の料金は3000円で腹帯が必要な安産祈願は5000円です。「慈尊院」ではご供養も受け付けてます。
「慈尊院」では2つの胸が付いた乳がん撲滅の為の絵馬が有名で、全国から沢山の人がこの乳がん撲滅の為の絵馬を求めて訪れます。乳がんから守ってくれるピンク色の乳がんの為のお守り「乳がん平癒守(へいゆもり)」も有名です。日本だけで無く世界中で乳がんと戦っている女性は沢山おり、「乳がん平癒守」はその様な方達の強い味方になってくれます。
女人高野として知られる慈尊院
香川県善通寺から弘法大師・空海に会う為に高野山上まで足を運んだ母公・玉依御前でしたが、七里(28km)四方が女人禁制だった為、山の麓の「慈尊院」に滞在し御本尊「木造弥勒仏坐像」を崇拝していました。その為、弘法大師・空海の母公が亡くなられた際、「木造弥勒仏坐像」に化身したと言われ「女人高野」と呼ばれる信仰が始まりました。
「女人高野」の信仰では、女人の高野参りは「慈尊院」までと言われ、子宝や安産、育児や授乳などのご利益を授かる為に乳房型をした絵馬を奉納したり、髪の毛などをお供えして病気平癒などを祈願します。また、「慈尊院」は日本だけでは無く世界各国の女性達にとって、最も関心が高い病気である乳がんに対してのご利益を頂ける事でも有名です。
文化財の宝庫・慈尊院1:慈尊院弥勒堂(ご廟)
国宝の御本尊「木造弥勒仏坐像」が弘法大師の母公と一緒に祀られている「慈尊院弥勒堂(ご廟)」は、鎌倉時代に建てられた桁行三間・梁間三間、宝形造・檜皮葺、一重の建築物で、1965年(昭和40年)の5月29日に建造物の重要文化財に指定されました。2004年7月には「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコの世界遺産にも登録されました。
文化財の宝庫・慈尊院2:木造弥勒仏坐像
「慈尊院」の御本尊である「木造弥勒仏坐像」は、1963年(昭和38年)7月1日に美術工芸品の国宝に指定されており、世界遺産である「慈尊院弥勒堂(ご廟)」内に祀られています。右手を上げ左手を膝上に置いている高さ91cmの「木造弥勒仏坐像」には、平安時代初期の代表的な彫刻方法を見る事ができ、当初の物である光背や台座と共に貴重な像です。
御本尊である「木造弥勒仏坐像」は、1963年(昭和38年)の7月1日に国宝に指定される前の1962年(昭和37年)には重要文化財に指定されました。また、弘法大師・空海の命日が21日だった事に因み、一度桧皮屋葺替の際に「木造弥勒仏坐像」が祀られている「弥勒堂」は、21年に1度のみ開扉されており、現在も21年に1度のみ開扉されています。
文化財の宝庫・慈尊院3:その他の文化財
その他にも、1994年(平成6年)6月28日に美術工芸品の重要文化財に指定された平安時代末期に造られたと見られる「絹本著色弥勒菩薩像」、1977年(昭和52年)と1997年(平成9年)の2度に渡り国の史跡として指定された「高野山町石」、1994年(平成6年)4月20日に美術工芸品の和歌山県指定有形文化財に指定された「木造四天王立像」等があります。
弘法大師・空海により建てられ1624年(寛永元年)に再建、1994年(平成6年)4月20日に建造物の和歌山県指定有形文化財に指定された「多宝塔」、「慈尊院」の境内の3方約250mを囲み和歌山県一の壁の古さと厚さを誇る北門・西門等を含む「慈尊院築地塀」も1993年(平成5年)4月13日に建造物の和歌山県指定有形文化財に指定されています。
また、樹齢が350年以上にもなる「ナギ」は天然記念物の九度山町指定文化財として大切にされており、承安元年(1171年)12月の慶幸俊厳の放火により焼失した数多くの経巻や道具類を偲んで建てられた「五輪石塔二基」は九度山町の指定文化財として、平安時代に法務権僧正定海により建てられた「下乗石」は町の指定文化財として大切にされています。
慈尊院のその他の見どころ
「慈尊院」には弥勒堂横に並ぶ約100体のお地蔵様、また、自分の体の痛む所を手で撫ぜるとご利益が貰えお釈迦様の弟子として本当に実在した「ビンズルソンジャ(ビンズリ)」、約21kmにも及ぶ「慈尊院」から「高野山」へ続く山道の参道「高野山町石道参」、その他にも「弁財天」や「稲荷明神」等が祀られており多くの見所があるので紹介します。
大師堂(四国堂)
「慈尊院」の境内にある弘法大師・空海が御本尊として祀られている「大師堂(四国堂)」には、脇仏として四国八十八ヶ所霊場の「御本尊八十八躯」が祀られている事でも有名です。わざわざ四国まで参拝に行かなくても、ここの「大師堂(四国堂)」に参拝すると、四国に参拝した場合と同じご利益を頂く事が出来るので、毎年多くの参拝者が訪れています。
高野山案内犬ゴンの碑
弘法大師・空海像の隣に立つ「高野山案内犬ゴンの碑」は、昭和60年代に「慈尊院」の付近に住み着いていた紀州犬と柴犬の雑種で、白い色をした雄の野良犬がモデルになっています。「慈尊院」の鐘の音を好んでいたので「ゴン」と呼ばれていたこの野良犬は、不思議な事に誰も教えていないのに高野山へ参拝する人々の道案内をする様になりました。
最初の内は「九度山駅」と「慈尊院」の間を行き来するだけだった野良犬の「ゴン」は、その内、高野山町石道の約20kmもの道のりである「慈尊院」と「高野山上の大門」の間の道案内をする様になりました。驚いた事に早朝「慈尊院」を出発、夕方「高野山上の大門」に到着、そして夜には「慈尊院」に戻って来るというスケジュールを毎日送っていました。
多くの参拝者から愛された「ゴン」は2002年6月5日に息を引き取り、その死を惜しみ同年の7月23日に「慈尊院」境内の弘法大師・空海像の隣に「高野山案内犬ゴンの碑」が建てられました。実は、約1200年前の空海の時代にも同様の案内役の犬が存在していたとも言われ、「ゴン」は「弘法大師の案内犬の再来・生まれ変わり」として可愛がられていました。
みくじ石とみろく石
他にも、「慈尊院」の境内にあり、持った時の石の重さで占う事が出来る「みくじ石」もあり、願い事をしてから持ち上げてみて、軽いと感じたら大吉で願いが叶うそうです。重いと感じた場合は小吉だそうです。「みろく石」は弘法大師・空海の母公の化身とされており、「御本尊みろく仏」の石を撫でて祈願をして「御本尊みろく仏」と縁結びをします。
和歌山県九度山の慈尊院のお守り
「慈尊院」では多種多様なご利益のあるお守りを扱っており授与所にて購入する事が出来ます。女性の方なら誰でも心配な乳がんにご利益のある乳がん平癒のお守り、誰でも母子共に無事に生まれてきて貰いたいと願う安産にご利益のある安産祈願のお守り、特に若い女性に人気の縁結びのご利益が頂けるお守り、身体健全にご利益のあるお守りもあります。
家内安全にご利益のあるお守りや大事なペットにご利益のあるペットお守り、交通安全にご利益のあるお守りや厄除け等にご利益のあるお守りも扱っています。お守りの料金は乳がんのご利益を授かれるお乳型奉納絵馬が2000円、その他各種のご利益を授かれるお守りが500円です。各種お守りは「慈尊院」の授与所で8時から17時まで購入する事が出来ます。
和歌山県九度山の慈尊院の御朱印と御朱印帳
最近は若い女性の間で御朱印集めをしている人が大勢います。「慈尊院」では「弥勒佛」の御朱印と、仏塔古寺霊場第六番「弥勒佛」の御朱印の2種類の御朱印から選ぶ事ができ、御朱印の値段は1件300円です。御朱印帳は一冊1200円で多宝塔のデザインが入ったオリジナリティ溢れる御朱印帳やピンクの生地に本堂のデザインが入った御朱印帳があります。
和歌山県九度山の慈尊院へのアクセス方法
高野山町石道への入り口がある「慈尊院」へのアクセス方法には、電車でのアクセス方法やタクシーでのアクセス方法等があります。電車でのアクセス方法はJR和歌山線(五条方面行き)を使用し「和歌山駅」から「橋本駅」まで行きます。「橋本駅」から南海高野線に乗り換え「九度山駅」まで行きます。「九度山駅」から徒歩でのアクセスで約20分です。
「九度山駅」からタクシーによるアクセスだと約8分で行く事が出来ます。他にも高速バスでのアクセスや新幹線でのアクセス方法もありますが、上記のアクセス方法の方が安い値段でアクセスできて便利です。また、「橋本駅」や「妙寺駅」から臨時運行のアクセスバスも出ています。車やタクシーでのアクセスの方は門前まで車が入れ、駐車場もあります。
和歌山県九度山の慈尊院の基本情報
「慈尊院」への参拝時間は毎日8時から17時迄です。「慈尊院」への電話やFAXでの質問や予約などの受付時間も毎日8時から17時迄となります。平成27年(2015年)に弘法大師・空海の手により開山された高野山は1200年を迎えました。「慈尊院」にて高野山開創1200年を記念して販売されている高野山開創1200年記念御守は数に限りがあるので要注意です。
住所:和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832
電話番号:0736-54-2214
和歌山県九度山の慈尊院で有難いご利益を頂きましょう!
世界遺産であり、特に女性が有難いご利益を授かれる「慈尊院」を紹介してきましたがいかがでしたか?弘法大師・空海や母公と深いかかわりのある「慈尊院」で、全国でも珍しい乳がん撲滅や授乳等にご利益のある人気の絵馬やお守りに祈願をかけるのも良し、安産や子宝、良縁等に祈願をかけるのも良し。「慈尊院」に参拝して有難いご利益を頂きましょう!