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中正公園は基隆の人気観光地!
基隆市にある中正公園。日本では「蒋介石」として知られる軍人の名を冠した公園です。日本が統治していた時代、基隆の港は石炭などの物流と交通の中心でした。観音像だけでなく巨大な獅子像や壮麗な装飾の建造物があります。高い丘の上にありかなりの階段を上るので、運動不足解消に足で行く人も多い観光地です。
基隆の中正公園はおすすめがたくさん!
中正公園は基隆市の郊外、高い丘の上にあります。観音像に見下ろされるさまは、信心のある人なら一種の感慨を覚えることでしょう。中正公園入口からはるかに上を見上げる数の階段。いい運動になりそうです。初めの階段を上ると保育園に似た建物がまず姿を現し、さらに上に行く階段があります。
その階段の上に忠烈祠、主普壇、主普壇の正面に回ってさらに登ると名物の観音像のある大仏禅院にアクセスできます。主普壇の駐車場には「KEELUNG」と書かれた看板があり港を見下ろすことができます。大仏禅院の通りにある、微笑ましいお顔の僧侶の像も人気です。そこからまた階段、これも中正公園の名物、金色の布袋様の像があります。
基隆の「中正公園」はどんな所にある?
基隆市の中正公園へのアクセスは、基隆駅からタクシーで行けば10分ほどです。傾斜がややきつい山道なので、せっかくだから足を鍛えよう!という人は歩きもおすすめです。たどり着いたあかつきには、高台から見下ろす基隆港の眺めが待っています。ちなみに巨大観音像は中から登れます。観音様の眼のぞき窓からも下界の絶景が見渡せます。
中正公園のある基隆市は、台湾北部にある観光地です。高雄港の次に貨物取扱量の多い港でもあります。もともと周辺に住んでいた先住民族、ケタガラン族の呼称がなまって「ケラン」となったため「鶏籠」と表記されるようになり、現在でも地元では「基隆」=「鶏籠」の表記でよく使われるようです。中正公園の他、基隆廟口や廟口小吃(基隆夜市)も有名な観光地です。
中正公園と基隆の昔
中正公園のある基隆市。日本の統治下にあった時期からとても活気のある港町でした。軍事的な使われ方をしていた高雄と違い、商いをする人や一般の人がアクセスに利用していた場所だったのです。日本から台湾に渡ってビジネスを起こす人、台湾から日本に留学のために渡ってくる人、様々な人々が基隆港に降り立ち、そして去っていきました。
戦争が終わった後、家財道具も捨てて故郷に帰る日本人、台湾から出てきて統治国日本のために戦争に参加した兵士などもこの基隆港に降り立ちました。日本統治時代の古い建築物が観光のためにも残されています。基隆要塞司令官邸などは2018年に修復作業が始まり、現在も作業が進行中です。
中正公園は基隆の人気フォトスポット!
中正公園は、伝統的な建築のお寺に巨大な観音像、基隆港の眺めなど、写真に撮りたい観光スポットがたくさんあります。台湾のお寺は日本のそれとは対照的に、赤が基調のところが多く、彩り豊かで圧倒されます。また銅像は、なんとも表情豊かで微笑ましくなること請け合いです。
基隆の中正公園おすすめスポットその1:白衣の観音像
なんとも柔和なお顔の観音像。高さは22.5mあり、5階建て構造になっています。中から登って、観音様の目にあたるのぞき窓から広々とした基隆の街や港が望めます。金色の獅子像が手前両脇に控えていて、観音像の下には「慈航普渡」の文字が書いてあります。
慈航普渡というのは「この世は苦しいことの多い海のようなもの、慈悲を持って人々を救い、現世の苦しみ・悩みから解放させるのはそれぞれの行きたいところへ舟で運んであげるようなものだ」という意の仏教用語です。この4文字があるかどうかは分かりませんが、群馬県高崎市にも高崎白衣大観音といって非常によく似た人気の観音像があります。
群馬県高崎市の白衣(びゃくえ)大観音
こちらの観音像は、アクセスするのに高崎観音山の頂190mまで登ることになります。やはり中から登ることができ、肩の高さの最上階からは八ヶ岳までを望むことができます。通称高崎観音と呼ばれ観光客の人気を集めるこの観音像、建立されたのは1936年。実業家である井上保三郎が建立した当時は世界最大の観音像だったといいます。
高崎観音は高崎に当時駐屯していた日本軍の戦没者を慰霊し、また観光のためにも作られたものでした。現在は一年に5万人以上が拝観しています。内部には20体の仏像が安置されています。建立されてから64年後の2000年、国の有形文化財に登録されました。
基隆の中正公園おすすめスポットその2:観音像のある大仏禅院
もし中正公園の入り口から歩きで登ってきたなら、大仏禅院に着く頃には汗だくになっているでしょう。台湾の気候は暑く、9月ごろでも外をずっと歩いていると本当に汗をかきます。ちなみに3月初旬だと最高気温は摂氏20度前後となります。白衣の観音像があるお寺ですが、他にも写真に撮りたいユーモラスな像が幾つもあります。
中正公園の大仏禅院前へは裏道でアクセスできますが、野良犬がいたりするので立ち入らない方がいいです。バスでもアクセスすることができます。バスだと101XiangfengSt.、101ZhongzhengRd.、104XiangfengSt.等のバスで行けます。ただ本数が少ししかないため、発車時刻をしっかり確かめて行くようにして下さい。
基隆の中正公園おすすめスポットその3:主普壇
基隆の観光で有名な中元祭。中正公園の主普壇で行われる、観光客に人気の行事です。地官大帝という道教の神様の誕生日といわれ、色々な贖罪の行事が行われます。先祖の霊を供養する盂蘭盆会(日本語読みで「うらぼんえ」)が、7月13日から16日の4日間行われるのです。この中で、15日を中心に行事が開催されます。
今の日本では8月13日から8月15日をお盆として祖先の霊を供養しますが、昔は旧暦の8月13日から15日、即ち現在の7月13日から15日にお盆の行事を行いました。また先祖に対して供物を供えるだけでなく、お世話になった人に物を贈る習慣「お中元」はこの中元節からきているのです。
基隆の中正公園おすすめスポットその4:国民革命忠烈祠
中正公園に行くときに必ず通る場所の1つに、忠烈祠があります。今は戦没者を祀る祠となっていますが、日本が統治していた時代は基隆金刀比羅神社の名で創建されました。明治45年3月9日のことでした。大正4年に天照大神を含む三神が増祀されたときに、基隆神社と名前が変わりました。
台北の忠烈祠は衛兵交代式で有名ですが、そちらより小さい建物です。祀られているのは123人の烈士です。近くにはアクセスに便利なホテルが幾つもあります。中正公園を観光のメインにするなら、この周辺のホテルだと中正公園へのアクセスに便利です。
台北市中山区の国民革命忠烈祠
台北市の国民革命忠烈祠も、幾つかある他の忠烈祠と同様、戦没者を祀っている祠です。抗日戦争等の戦争で没した人、また伝染病の治療で亡くなった医師など国家に貢献された方々が祀られています。その数はおよそ33万人に上ります。大殿や鐘楼は中国の様式を反映しており、赤色の柱や絢爛たる彫刻で成り立っています。
台湾を日本が統治していた時期は、台湾護国神社という神社でした。世界大戦が終わった年に現在の名前に改称されています。建物の豪華さも素晴らしいですが、何といっても人気なのは衛兵交代式です。
国民革命忠烈祠の衛兵交代式は一時間ごとに行われます。半年毎に陸・海・空軍のいずれかで担当を交代し、制服の色はそれぞれの軍で分かれています 。この衛兵に選ばれるのは名誉なことだそうです。身長は178cmから184cm、体重は65kg前後でなければいけないといいます。この任務中に芸能関係者からスカウトされる人もいるそうです。
中正公園周辺のグルメスポット「廟口夜市」
中正公園に近い所でグルメといえば、見ておきたいのが廟口夜市。奠濟宮という寺院のある仁三路から愛四路の辺りまで夜市が賑わいを見せています。何といってもおすすめなのは、港ならではの海の幸です。よく知られた台湾料理はもとより、屋台の数の多さには圧倒されます。
基隆といえばここ!と言われるほどの人気の夜市へは、台鉄が通る基隆駅から10分ほど歩けばアクセスできます。日本が統治していた時期から続く夜市は、道教の神を祀る奠濟宮の周りに移動式屋台が集まり、数を増やしていったことから始まりました。一番歴史が長いのは仁三路といわれています。
廟口夜市をかたち作る移動式屋台の多くは、夕方5時頃から廟口夜市に集まってきます。立ち食いやテイクアウトの持ち帰りだけでなく、テーブルについて食べられるお店が沢山あります。24時間営業というお店も多いので、お酒の帰りにもアクセスできるのが嬉しいところです。
廟口夜市のおすすめ店1:羊肉焿・羊肉魯飯
羊魯飯(25元)というこちらのかけご飯の一種、通常は豚肉を使われることが多いですが、このお店では羊肉で作られます。羊魯飯に使われているのは丹念に下処理をして臭みを取った羊肉、醤油、沙茶醤などの調味料。とても手間のかかる下処理ですが、本当に美味しい味を提供したいというコンセプトのためしっかりとされているそうです。
また羊肉を使ったかけご飯は珍しいので、遠くからもアクセスしてくるファンがいる大人気料理。この他に、羊肉清湯(60元)などもおすすめです。豚骨から取ったスープにしょうがの千切りと羊肉が入ったあっさり系のお料理で、お肉はソースをつけて食べます。お店は廟のすぐ前なのでアクセスに便利です。
廟口夜市のおすすめ店2:呉記螃蟹羹本店
呉記螃蟹羹本店も、廟口夜市を代表するお店に入る人気店です。開店20年になる呉記螃蟹羹本店は、なんと2つのメニューだけで勝負しています。その2つとは、中華おこわである油飯(25元)と螃蟹羹(カニのとろみスープ/60元)。油飯は干し海老や豚肉、椎茸が使われていてどんどん箸が進んでしまうお味です。
また日本人にはあまり馴染みのない細長いモチ米が使われており、甜辣醤と呼ばれるスイートチリソースをかけて食べると美味しさが引き立ちます。螃蟹羹は海藻・キノコ・蟹などが入ったスープです。蟹や海老の風味が絶妙で、油飯にぜひ合わせたい美味しさです。油飯は小ぶりのサイズなので、他店の食べ物と合わせるのにもいい量です。
廟口夜市のおすすめ店3:自製大腸圈
大腸圏はまるでソーセージのような外見ですが、豚の腸の中に焦がし葱いりのおこわが入った一品です。創業から30年という老舗の自製大腸圏では、注文するときに一口サイズにカットしていただけるので数人で食べるのにもいいです。甜辣醤(スイートチリソース)がけで食べることが多いです。
辛い物が好きな人はお店の特製ソースがおすすめです。にんにくと唐辛子のきいたソースでぴりっと刺激のある人気の味です。他に人気なのは酸菜豚血湯(30元)。酸菜というのは白菜の漬物ですが、豚の血を固めて発酵させたものを使ったスープがあります。
ぷりぷりとした豚の血は鉄分その他のミネラルが豊富な健康食材です。健康的なものを食べたい人にもおすすめの一品です。
廟口夜市のおすすめ店4:鶏捲大王
鶏捲大王も開店30年を越える老舗です。中でも人気なのは鶏捲という、湯葉で豚肉と玉葱の具を巻いた揚げ物です。外の湯葉のサクサク感と中のジューシーさがたまらないおすすめの一品です。甜辣醤をつけてビールのおつまみにすると最高です。
また炸魚片というサメの唐揚げも、新しく登場した注目商品。さっぱりとしたサメの白身はなかなか日本ではお目にかかれないと思います。廟口夜市に行く機会があれば、要チェックの一品といえます。
基隆の中正公園へのアクセスは?
中正公園へアクセスするには、複数のバスがあります。基隆駅(RenxiangClinic)のバス停から788番Jinguashih(GoldEcologicalPark)行に乗り、衛生福利部基隆医院で下車、そこから歩いて到着です。基隆市公車総のバス停から202番ShenmeiElementarySchool(FireStation)行でCityGovernment(KodakHotel)下車でもアクセスできます。
基隆駅から全部歩きでも1.5kmの距離なので、途中にある基隆慶安宮や仏光山極楽寺に道草して行くのも楽しいコースです。
住所 | 基隆市寿山路 |
電話番号 | 02-2422-3418 |
基隆の中正公園で楽しもう!
基隆の中正公園。そこへ行けば絢爛たる装飾の建物や、圧倒される観音像が待っています。周辺にも、合わせて味わいたい台湾の味や歴史ある見どころがありますから、合わせてみるプランを立てれば大満足することでしょう。今度台湾へ行くときには、中正公園もターゲットにしてみてはいかがでしょうか?