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九龍城砦はかつてのスラム街!現在は観光地に!治安は大丈夫?

九龍城砦はかつてのスラム街!現在は観光地に!治安は大丈夫?
投稿日: 2017年6月26日最終更新日: 2020年10月7日

香港にある九龍城砦はかつて「悪の巣窟」など呼ばれ、香港にあったスラム街として有名な場所でした。そんな九龍城砦は今現在は取り壊されており実物を見ることができませんが、観光地として人気の場所になっています。今回はそんな九龍城砦の治安や現在の姿を紹介していきます。

香港のスラム街「九龍城砦」をご紹介!見出し

Photo by Guwashi999

香港のかつては有名なスラム街「九龍城砦」は、現在は取り壊されその姿を見ることができません。ですが、取り壊したその後は観光地として栄えており、多くの外国人観光客が訪れています。今回はそんな九龍城砦で、香港の歴史や現在の観光地としての姿、そして治安情報までどんどんお伝えして行きます。ぜひ香港へ観光に行く時は参考にしてください。

九龍城砦の歴史見出し

九龍とは香港にある一部の地域の名前から取られており、九龍にはかつで本物の城砦が存在していました。清朝の役人や軍人が駐屯し、九龍の特産物である「塩」や「香り木」を保管する場所としても利用されていました。世界有数の巨大なスラム街としても有名で、当時は近寄りがたい独特の雰囲気があったことから「東洋の悪の巣窟」とも呼ばれていました。

塩や香り木を保管していた時代は、香港でも有数の港として繁栄しており、多くの人々で賑わっていました。ですが、その反面しばしば海賊に襲われるようになり、周囲の治安を脅かしていました。海賊に対抗するため、九龍城砦のあった場所に軍事要塞が作られ、要塞が完成したその後の1668年には砦として九龍の狼煙台が設置されました。

アヘン戦争から始まった中国からイギリスへの土地の割譲の一環で、1899年に香港が中国からイギリスへと渡されたとき、ここ九龍城砦だけは香港の中にありつつも中国領として認められました。なぜなら、香港の全領土を渡さないことで、中国側が渡したその後、99年後にイギリスと約束された香港返済のときに返済をスムーズに行うためと言われています。

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九龍城砦はどこの国にも属さない?見出し

アヘン戦争のイギリスと中国の条約で、イギリス側は九龍城砦の立ち入りを禁じられていました。そのために、イギリス、中国と合同で組織された香港警察ですら立ち入りを許されず、法律の届かない九龍城砦は世間から煙たがれるスラム街となりました。その後イギリス軍の圧力にもより、治安を維持していた清朝の兵隊は九龍城から逃げ出してしまいました。

中国側からも、戦争のその後役人を派遣することができず、結果九龍城砦はどこの国の法律も適用されない「無法地帯」となりました。映画の影響もあり、無法地帯と聞くと殺人やドラッグが当然のように飛び交う治安の悪さを想像する方が多くいると思いますが、元住民の方に聞くと日本の古き良き下町社会のように住民同士仲良く暮らしていたそうです。

九龍城砦の増築見出し

戦後に中国が社会主義となり、大陸側からの難民が香港へと殺到し難民を冷遇した香港市街から、この不干渉の九龍城砦に身を映しました。結果、多くの難民が移動したので九龍城内はパンク状態となり、市民たちの手でどんどんと増築が始まっていきました。もちろん、九龍城砦は無法地帯なので建築方法も市民独自のやり方、違法建築になっていきます。

最初は3階まで鉄骨を建てていき、その後だんだんと階を重ねていく手法もあったようで、まさに行き当たりばったりの建築方法でした。最後には3ヘクタールの小さい敷地に、約5万人以上もの人が暮らす高層スラムとなっていきました。人口密度は畳1枚に約3人もの人が住んでいる計算になり、実は世界で最も高い密度のスラム街となっています。

5万人以上が暮らす1つの街となった九龍城砦は、その後に病院や学校、食品加工が作られこのスラム街の中で人々は仕事をしながら生活をしていきました。ビル同士が密集している場所なので、昼間でも薄暗くまさにスラム街の印象がありますが、学校や病院は中庭があり日があたる設計になっています。スラム街とは言われているが、住民が子供とお年寄りを大切にしている証拠です。

九龍城砦の住人はどんな人?見出し

九龍城砦に住んでいるほとんどの方が、先ほど紹介した難民の方たちになり、他にはない家賃の安さに魅力を感じて住むようになります。九龍城砦は、衛生、財産、安全を守るものはなにもありませんが、無法地帯だからこそどんな仕事もできることも魅力の1つとなっていました。大げさに言うと、ここはやる気さえあればどんな仕事もできる場所でした。

1970年代は少しずつ治安が良くなってきていたので、家賃が安く、仕事がなんでもできる魅力的な街に憧れを感じる人もいました。新鮮な野菜などはありませんが、雑貨店などはこの密集した中にすべてそろっているので、住民からすれば、生活していて特に不便に感じることはなかったそうです。わざわざ仕事を辞めて引っ越してこられる方もいたそうです。

九龍城砦のライフライン見出し

無法地帯である九龍城砦で気になるのは、生活に必要な電気、ガス、水道になります。電気は住民がどこからか廃線を持ってきて繋いでいたので、電話などは利用することができました。ですが、狭い通りにはむき出しの電気の配線があり、またジメジメとした空間になるので時々ボヤ騒ぎがおきたりと決して安心して電気が使える空間ではありませんでした。

水道はまともに通っていなかったため、住民は業者を呼んで地下水をくみ上げていました。そのため、毎日生活する水を得るために九龍城砦内に何カ所かある給水地へ足を運ぶ必要がありました。ですが、その水もそのまま飲める水ではなかったため、火を通して沸騰させたりと人々は毎日水を得るのにも、調理するのにも苦労していました。

九龍城砦のメジャーな職業見出し

九龍城砦で一番メジャーだった職業が「牙科」、歯科医になります。もちろん無法地帯のスラム街なので、無免許で開業の可能ですが、ほとんどの方が中国で免許をもった医者ばかりになります。ですが、医師免許を持っていても九龍城砦以外で営業をすることができず、結局はこのスラム街で開業することになります。写真にも牙科と書かれた看板が数多く見れます。

美容院や教師などの生活に必要な職業はもちろん、現在で言うとコンビニのようなタバコやお酒の揃うお店があったりと約5万人以上の生活を守るための場所が数多くありました。また、先ほど紹介したように無法地帯のスラム街では、地元の方たちで自警団が結成され、治安を維持する取り組みも行われていました。それぞれこの街で生きようと働いていました。

九龍城砦の唯一のルール見出し

無法地帯のスラム街「九龍城砦」は、無免許医師や違法建築なども見逃されてきましたが、1つだけ国から決められたルールが存在していました。それが、1つ1つの建物の高さになります。実はこのスラム街のすぐ近くには、啓徳空港があり、飛行機が行き交う場所でもありました。なので、一定の高さ以上に建物があると飛行機が飛べなくなるトラブルが起きます。

現在ではその空港もありませんが、当時ではスラム街の唯一風と日があたる憩いの場屋上に出ると間近に飛行機を見ることができました。滑走路も屋上から見ることができ、空港を一望できる絶景を見ることができました。九龍地区の制限が6階まででしたが、ここ九龍城砦の建物は飛行機が当たらないギリギリの14階以上は作らないよう規制されていました。

九龍城砦の取り壊し見出し

世界一のスラム街も市民の反対を押しのけ、残念ながら現在ではその姿を確認するこはできません。1980年代に入ると99年契約の香港割譲が返還の年へと近づいていきました。返還の年が近づくと、イギリス政府は九龍城砦をイギリス領土として香港の法律を実施し、九龍城砦を取り壊すことを発表しました。またその後中国もこのことも黙認しました。

イギリス政府が発表したその後、九龍城砦に住む住民の猛攻撃の中、1993年から1994年にかけて取り壊し工事がはじまりました。建物はすべて壊され、現在は広い公園へと生まれ変わりました。そして記憶に新しい取り壊されたその後の1997年には、香港全域が中国へと変換されました。最後の最後まで粘った住民ですが、今では市街地にとけこんでいるようです。

九龍城砦の取り壊し反対運動見出し

取り壊しが発表され、多くの住民は反対行動へと動きました。夜中になると抗議集会がはじまり、商店街は九龍城砦の住民であふれかえっていたようです。また、通路のいたるところに香港政府を批判するようなビラが数多く張られており、反対運動の多くの人は、九龍城砦でお店を開いてる人たちになり、少ない補償金では他で営業できないという主張でした。

お店を開いている人たちは取り壊される寸前まで立てこもっており、警官隊と住民との戦いが繰り広げられていました。ですが、最終的には取り壊される形になり住民たちはそれぞれ市街地へと引っ越していきました。ですが、内部に残っていた大砲や扁額は、政府が香港歴史博物館へ展示する予定を住民の反対行動で、現在公園になった広場に置かれています。

九龍城砦の日本への影響見出し

世界一のスラム街と言われるだけあり、1980年代には我が国日本にもその姿が公開され、たちまち一部の人たちから人気になりました。九龍城砦からは、日本にはない神秘的なイメージがあり、日本人観光者向けに「観光バスで現地まで行き、内部を探索するツアー」が存在したそうです。内部が迷路状態になっているので、ツアーに参加してみて回る方が数多くいました。

日本のマスコミなども現地へ赴き、そのビル群の撮影や中で生活している人々の取材を行ったりと日本のテレビ界では注目の場所ともされていました。取り壊しが発表された後も、日本人マスコミは現地に行きその様子を放送していました。なんと、九龍城砦の立ち退きの時に現地の人よりも最後まで粘ったのが、日本人のテレビ局員だと言われています。

日本のテレビでも取り壊された風景が報道され、その影響か、九龍城砦を舞台にしたアニメやゲームソフトまでもが開発され人気がありました。ホラーゲームの舞台となっているゲームもあり、今九龍城砦の姿を見れないで悔やむ日本人は数多くいます。1990年から2001年までもの約10年間、九龍城砦のブームは日本に根強くあり続けました。

九龍城砦の現在の観光地1:九龍寨城公園見出し

九龍城砦が壊されたその後は広い公園に整備され、現在は香港の観光地として人気があります。この公園が前は無法地帯だったとは思えないほど姿を変え、池や散策コースがあり、現在は市街の方も気軽にこの敷地を歩けるようになりました。観光目的とした公園なので、見どころが数多く点在しており、九龍城砦の跡が見れるおすすめの観光地です。

園内には九龍城砦の跡地も見ることができます。現在ではその実物を見ることができませんが、その跡地を見るだけでも世界一のスラム街の迫力がわかります。かつてのスラム街を想像しながら園内を歩き回るのもおすすめです。園内は入口が何個の設置されているので、あらかじめ地図などで場所を確認してから入場するのがおすすめです。

また、かつての九龍城砦と現在で違うのが、近くにあった啓徳空港が取り壊され、九龍城砦にあった飛行機の大きな音がしなくなったことです。なので、ここの公園は緑豊かでゆったりと散策できる観光地となります。周りは住宅街になり、この公園にも地元の方が観光しに来るので、ありのままの生活ぶりを垣間見ることができることでも人気があります。

九龍城砦の現在の観光地2:衙門見出し

公園の入口に位置している衙門には、かつての九龍城砦の写真やアヘン戦争のその後の歴史などが展示されている博物館になっています。また、九龍城砦の資料も飾ってあるので、かつての九龍城砦を詳しく知ることができる人気の観光地になります。どこか懐かしさを感じる瓦屋根の建物で、綺麗に整備されているので散歩がてら気軽に寄れます。

また、館内の廊下には、年代別に九龍城砦の歴史や写真が飾ってあるので、観光者向けにわかりやすく解説してくれています。また、写真撮影などはできませんが、その当時の建物を作っている写真や、住民の暮らしぶりを撮った貴重な写真があり、世界一のスラム街の全貌がよくわかります。九龍寨城公園にきたときはぜひ1度、足を運んでみてください。

九龍城砦の現在の観光地3:彌敦道見出し

九龍城砦の近くにある通りで、空港が無くなった今、通りには高層ビルが建ち始めています。その中にも空港があった時代の14階まで、と守られたビルもあり、昔と現在の街並みを楽しめる観光地です。お土産屋も多数並んでおり、レストランやショッピングもできるので、地元の方からも人気ある場所です。記念撮影の場としてもおすすめです。

また、世界的にも有名な香港のメインストリートでもあるので、多くの観光客で賑わっています。24時間眠らない街と言われている香港を象徴する通りにもなり、昼間と夜どちらも賑わう通りです。また、九龍城砦の跡のようなビル群も見ることができるので、現在で本物は実在しなくとも、そのスラム街の雰囲気が味わえると人気があります。

九龍城砦の現在の観光地4:九龍城廣場見出し

九龍寨城公園に隣接しているショッピングモールになり、2006年にオープンしたばかりの新しい観光地となります。九龍城砦の壊され、空港もなくなったその後に建てられた大きめの建物になります。外観も目立つので、香港の多くの若者が集う場所としても人気があります。駅は近くにないので公園を散策したその後休憩がてら寄るのをおすすめします。

タイ料理や香港馴染みの料理をはじめ、世界各国の料理を堪能することができます。特に暑い夏場はドリンクを飲む場所や、休憩がてら寄るのに観光の拠点としている方が数多くいます。また、館内には日本でおなじみのイオンが入っているので、日本人も安心して利用することができます。九龍城砦のその後の新しいビルも面白い発見がたくさんあります。

九龍城砦の現在の観光地5:重慶大厦見出し

今九龍城砦は取り壊されてしまい、姿を見ることができなくなってしまいましたが、香港内には九龍城砦に似せて作った建物が数多くあります。その中でも1番人気のある観光地は「重慶大厦」です。上には密集した窓、そして入口側には何店舗も入っている店や店の看板の数は、かつての九龍城砦を思い出させる迫力ある景観をしています。

このビルには、一般住居や会社の事務所のみならず、飲食店や衣料店、雑貨店や低料金で泊まれる宿も入っており、いつも多くの観光客で賑わっています。九龍城砦の面影を求めて多くの外国人観光客が訪れており、古き香港を伝える歴史ある建物でもあります。外観の古びた感じとは違って、内装は増改築により近代化され、綺麗に掃除を行き届いています。

以前は犯罪が多く、治安の悪い場所として香港の中でも有名でしたが、2000年以降、館内には監視カメラがつき、警備員が常にパトロールを行っているため犯罪が減りました。今では特別危険な場所ではなく、観光客も安心して楽しめる施設へと変わりました。ですが、深夜は人気が少なくなるので、なるべく1人では出歩かないようにしましょう。

九龍城砦の現在の観光地6:九龍城街見出し

九龍城砦のある街、九龍城には数多くの商店街があり、そこには香港でも有名なグルメが並んでいます。地元の方はもちろん、観光者にも人気があり、香港の美味しいグルメを食べ歩きながら昔からある風景を眺めることができます。タイやインドネシアなど東南アジアの住人も多いので、各国の本場の料理を楽しめることでも人気がある街です。

九龍城砦ほど高い建物ではありませんが、約6階の高さに揃えられた昔からあるビル群がある街として散策するだけでも充分に楽しめます。九龍寨城公園を出てすぐの商店街なので、食べ歩きしながら公園を通ることができます。また、活気にあふれた地元の方々の姿は九龍城砦が取り壊される以前からある風景なので、香港の歴史を垣間見ることができます。

九龍城砦の現在の観光地7:黄大仙祠見出し

九龍城砦の跡地がある公園からほど近くにある、香港で1番有名な寺院になります。地元の方々から厚い信仰を受けており、毎日多くの信者がお祈りをささげています。九龍寨城公園の広場で運動をしてから、散策がてらこの寺院にお参りする方が数多くいます。日本と同じくおみくじ制度もあるので、お参りしたあとに1枚おみくじを引いてみて下さい。

中には本殿をはじめ、見どころが数多くあるので一日中楽しめる観光地としても人気があります。香港旅行の最初に願掛けをし、香港旅行の最後に訪れて旅の無事の終わりを感謝しにきている外国人観光客もよく見かけます。もしゆったりしている時間がないという方は、外観を見て回るだけでも充分に見応えがあり、楽しめる場所となっています。

九龍城砦の治安情報見出し

かつての九龍城砦をご存知の方は、そのイメージから取り壊された後も香港の治安状態が気になると思います。先ほども少し紹介したように、昔から九龍城砦は、無法地帯だからといって治安が悪いわけではありませんでした。無法地帯ならではの住み方で協力して住みあっていたので、治安が悪いという印象はありません。現在の香港の治安もそうです。

ミステリアスに包まれ、治安を心配した時代は九龍城砦の崩壊のその後になくなりました。今では商店街が並び、かつて九龍城砦があった場所は現在は広々とした公園があり、治安を心配するような場所はありません。もちろん治安が完全にとは言い切れませんが、思った以上に九龍城砦ができたその後も現在も治安は悪くなく、地元の方々も温かく出迎えてくれます。

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香港・九龍で行きたい観光スポット11選!屈指の繁華街を遊び尽くそう! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
香港の九龍エリアは香港で最も都会的なスポットですが、一方で昔ながらの建物や気さくな郷土料理を楽しめるお店などに溢れ、大変魅力的な観光スポットです。九龍の南端に位置する尖沙咀は、高級ホテルや数々のショップが林立し、観光にはもってこいのエリアと言えます。

九龍城砦の現在の姿を見に行こう!見出し

Photo by Ken OHYAMA

世界一のスラム街があり、治安が心配されていた九龍城砦ですが、現在では観光地としてどんどん発展を進めてきています。実物を見れないのは残念ですが、九龍城砦の跡地を散策できたり、高層ビルや街並みを見学したりと楽しめる観光地が数多く点在しています。ぜひ香港に観光の時は、かつてのスラム街「九龍城砦」跡地に足を運んでみてください。

投稿日: 2017年6月26日最終更新日: 2020年10月7日

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