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チベット問題とは何?自治区を旅する前に知るべき事と注意点まとめ!

チベット問題とは何?自治区を旅する前に知るべき事と注意点まとめ!
投稿日: 2017年7月1日最終更新日: 2020年10月7日

仏教の巡礼地チベット。ここには、近隣諸国との悲しい争いの歴史がありました。そんな歴史を経た現在もなお、チベット自治区は政治的問題を抱えています。美しき仏教の聖地チベットの根深いチベット問題と旅行・ツアーの注意点をまとめていきます。

魅力的なチベット旅行の注意点見出し

アジア最大、仏教の巡礼地として知られる国、チベット。しかし歴史的な政治事情が複雑に絡み合い、現在のチベットはチベット自治区として中国の一部となっています。それに伴い、チベット自治区への旅行ツアーでは少し注意点があります。非日常の地チベットの旅行を楽しむ為の情報を、チベットの深い歴史と共にお伝えしてきます。

古き良きチベット見出し

チベットの始まりと歴史

チベット族の歴史は古く、旧石器時代、日本が土器を作りマンモスを狩っていた時代が始まりとされています。チベットに伝わる神話によると、一匹の猿と岩の精女が交わり、生まれた子供がチベット族の祖先だと伝えられています。しかし祖先たちが暮らした南方の森は、夏は雨と太陽、冬は雪と風にひどく悩まされ、食物もない荒れた土地だったのでした。

しかし祖先の親である猿と精女は、そんな境遇を哀れみ、彼らに大麦や米など六種の穀物を与えます。それにより少しずつ畑が作られ、また衣服も作られ、徐々に人間らしい生活をはぐくめるようになっていきました。ここからチベットの国としての歴史が始まっていきます。

盛んな仏教当時のチベット

7世紀になると、我こそが観音菩薩の化身だ!と称するソンツェン・ガムポという人物が現れ、武力によりチベットを統一します。そして彼は、中国(当時の唐)とネパールより友好の証として、王家の娘を嫁にもらったのでした。

1277年になると、当時最強だったモンゴルの元が、チベットを侵略しにやってきます。しかし、やってきたモンゴルの支配者は、チベット仏教の僧侶の教えに感銘を受け、結果侵略はせず、その文化を自国に持ち帰ったのだそう。時代が進み元が滅び明の時代がやってきます。しかし、チベットと中国(明)の間には、時折の外交関係がありました。

問題のない平和な土地チベット

17世紀になると、中国(清)よりチベット政治権力を認める地位ダライ・ラマを定め、中国はチベットのラサ地方に大使を置きました。またチベット近隣の河流域が寄贈され、中国(清)との明確な国境が定められます。古来中国の皇帝は、僧侶の話に耳を傾け、チベット仏教への信仰をしていました。まるでお寺と檀家の関係です。当時のチベットでは、その後チベット問題が勃発するなんて、想像もできなかったのでした。

チベット旅行の見所!観光スポットや行き方・人気の鉄道の乗り方なども! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]のイメージ
チベット旅行の見所!観光スポットや行き方・人気の鉄道の乗り方なども! | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
チベットへの観光旅行が初めての方もお楽しみいただけるように、観光スポットや行き方、鉄道の乗り方などご案内します。チベットをよくご存じなかった方も、旅行したくなること間違いなし!仏教への深い信仰心が息づく神秘の世界チベットの魅力を、どうぞご確認ください。

チベット問題へのカウントダウン見出し

問題勃発?チベット危険時代

18世紀末頃になると、当時インドを植民地化していたイギリスが、チベットに関心を寄せるようになりました。その頃チベットの周辺諸国達は、条約や協定などさまざまな問題を抱え、やがてイギリスに従っていく状況が繰り広げられています。チベットのダライ・ラマ13世は、イギリスに従わず独立することを貫徹していました。

チベット問題はすぐそこに

チベットを狙うのはイギリスだけではありません。南下してきたロシアに恐怖を抱いたイギリスは、中国(清)にチベットが我々に協力してくれるようお願いして欲しいと願い出ました。それがあり、問題な事にチベット側が何も関与しないところで、中国(清)イギリスによりチベットに関する条約が勝手に取り交わされていたのでした。これが後のチベット問題へと繋がっていきます。

始まったチベット問題

これは問題だと条約を否定したチベットは、中国(清)へ条約の破棄を訴えます。すると怒ったイギリスに、チベットは侵略されてしまいました。さらにダライ・ラマ13世もチベットから追放されてしまいます。これにより中国(清)はチベットへ自治を任せていた旧制を勝手に廃止。自国の軍をチベットに向かわせ中心部を占領、現地の人々の反対を無視し、チベットを中国に取り込んでしまいました。

これがチベット問題の始まりです。その後中国は、チベットの原住民の土地を荒らすような行動を次々に巻き起こしていきます。自国の遊牧民の土地を取り上げチベットに移住させ、そのまま住まわせようとしたり、現地の僧侶に僧侶を辞めさせ、経典を焼き払い、さらには仏像を持ち去って溶かしたり。中国のこれらの行動は、チベット問題としてその後も続いていく事となります。

大きくなるチベット問題

これには僧侶はじめ原住民たちも黙ってはいられません。チベットの人々は大規模な反乱を起こします。しかし多すぎる中国軍に鎮圧され、120万人にも上る死者を出し、チベットに残ったわずかな僧院も破壊される結果となりました。中国軍に従い生き残った者もいた一方、ヒマラヤ山脈を越え、隣国へ逃げ伸びた者も多くおりました。チベット問題はその後もまた続いていきます。

根強く残るチベット問題見出し

現在まで続くチベット問題

チベットにやってきた中国軍は、チベットの土地をチベット自治区とし、中国の文化を現地の人々へ伝えました。そして愛国教育と称し、チベットの指導者ダライ・ラマ法王をののしる事を強制され、それを拒否した僧侶達は僧籍を剥奪され牢屋で拷問を受けます。現地の僧侶達は、それに耐え続けていたのでした。

また、チベット自治区に暮らすチベットの原住民達には産児制限が設けられており、チベットでは原住民自体の人口が減り続けています。自由を奪われたチベット人達の中には、ヒマラヤ山脈を越えインドやネパールへ逃げていく人々が後を絶ちません。物理的に人口が減り続けているチベット自治区では、いずれ、チベット問題という問題自体が無くなっていくのかもしれません。

インドへ亡命したダライ・ラマは、現在も国際社会へ向けてチベット問題の解決を発信し続けています。しかし、その問題が解決する事はなく、現状維持のまま問題は起こり続けています。このような複雑な事情から、チベットを旅する際にチベット問題を口にするのはご法度、注意が必要です。しかし旅やツアーでこの地を訪れた際は、この土地にあった問題に目を向けてみてはいかがでしょうか。

仏教の巡礼地チベット見出し

チベット自治区と僧院

仏教の巡礼地として開かれたチベット自治区。ここは、人口の約20パーセントが僧侶という程信仰心のあつい場所です。自治区内の僧院へ訪れると、マニ車を片手に巡礼する人々や、大地に這いつくばり五体没地をする人々の姿を見かけることが出来ます。

チベット入境の注意点見出し

チベット問題を考慮?入境証

チベット問題の兼ね合いもあり、旅行でチベットへ訪れる際には入境証が必要になります。中国国家旅行局により外国人のチベット旅行に関する規定が定められており、旅行社主催のツアーでなければ入境する事が出来ません。問題が現在に残る自治区の為、チェックが厳しいのは致し方ないのかもしれません。

入境証の種類と取得方法

入境証の発行には、入境から出境まで旅のスケジュールが決まっている事、旅行会社主催のツアーである事、自治区内で発行しているチベット旅行許可証の取得が義務付けられています。また、発行している入境証には三種類あり、それぞれ用途が異なります。チベット問題のある自治区で安全に旅をする為には、この入境証が必須になります。

自治区の入境証は、自治区を訪れる目的別に発行されています。ラサ市内を観光目的で旅する為の書類、ラサ市内以外を観光目的で旅する為の書類、観光目的以外で旅する為の書類の3種類です。またチベット問題の残る自治区では、15日以上自治区に滞在する場合中国訪問ビザの取得が必要です。いずれもツアー会社を通じてのみ取得する事が出来ます。

チベットまでの入境ルート見出し

ツアーの入境ルート

チベット問題の残る自治区では、中国を経由して入境するのが一般的なルートになります。中国からは、飛行機・バス・列車を利用して入境する事が出来ます。またネパールからダムを経て入境する方法もありますが、こちらのルートでの個人入境はできず、ツアー参加・グループビザによる旅行が条件になっています。

チベットこんな問題に注意!見出し

高山症と乾燥問題

チベット自治区は高山地帯。標高3000m程の酸素の薄い地域です。その為、高山病問題は年中発生しており、現地に到着してすぐに発症してしまう方もいるんだとか。現地に到着後は、水分の補給と深い呼吸を心掛け、注意していきましょう。また、乾燥問題がひどいこの地域、リップクリームを持ち歩くのがオススメです。

チベット旅行中の注意点見出し

チベット観光を楽しむ為に

チベット問題のある自治区では、観光するにあたって、いくつか気を付けなければいけない事があります。宗教信仰の問題から次の3点です。牛や羊、タカやワシなど動物を追い払わないこと。許可なくタバコを吸わないこと。家の敷居を踏まないこと。動物を追い払ってはいけないのは、牛・羊などの動物達が、神へのお供え物だからという理由からです。

またモラルの問題から、現地の方を写真撮影する際は、許可を頂いてから撮りましょう。また一部の僧院や施設は、撮影禁止になっています。ガイドブックにOKと記載されている場合でも日によって撮影がNGになる場合がある為、その都度確認をするのがオススメです。

チベットを旅しよう見出し

悲しきチベット問題を抱えるチベット自治区。しかしここチベットには、壮大なヒマラヤ山脈と雄大な草原が広がっています。チベット独特のどこか懐かしい街並みを歩き僧院を巡礼すれば、日頃のストレスを忘れ、非日常の貴重な時を過ごすことが出来るでしょう。そんな巡礼の地チベットへ、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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