今では人気観光地のバルト三国
フィンランドの南に並ぶラトビア、エストニア、リトアニアは、バルト三国と呼ばれています。バルト海に面する旧ソビエト連邦の一部だったバルト三国は、日本ではあまりなじみのない国々ですが、実は中世からの歴史的な街並みが残る街や教会などがあつまる人気観光地です。そんなバルト三国の旅行情報やおすすめの観光スポット、お土産などをご紹介します。
バルト三国はどんなところ?
バルト海に面するラトビア、エストニア、リトアニアの3カ国は、「バルト三国」としてひとくくりで考えらることも多いですが、実はそれぞれの国は言語も違い、それぞれ独自の歴史をもっています。大国であるロシアやドイツ、近隣の北欧の影響を受けて激動の歴史をへて、現在ではヨーロッパ連合に所属する3つの共和国となっています。
日本からバルト三国に行くには?
A Finnair A330 departing Helsinki. https://t.co/41mhKsgAvZ :copyright: Pasi R pic.twitter.com/RBZaB79o63
— JetPhotos (@JetPhotos) September 8, 2017
日本からバルト三国への直行便は運行していないので、どの国に旅行するとしても経由便を利用します。ヨーロッパの主要都市からはバルト三国の首都へのフライトがありますが、一番おすすめなのがヘルシンキ経由です。日本(成田・関空など)からフィンランド航空を利用してヘルシンキまでは12時間ほどです。そこからバルト三国へは40分から1時間強となります。
バルト三国に入国や移動するのにビザは必要?
日本ではあまりなじみのない旅行先としてのバルト三国ですが、90日以内の滞在の場合はビザは必要ありません。ラトビア・エストニア・リトアニア間の移動は、ヨーロッパ連合内の移動の自由が保障されるシェンゲン協定の対象になるので、国境でパスポートチェックなどはしません。
バルト三国観光の移動はバスがおすすめ
Right at the border between Valga (#Estonia) and Valka (#Latvia), another divided town. 1 town 2 states. I was also in #Transnistria Nicosia pic.twitter.com/qk1nTOXBrD
— Pere Alzina (@BeyondBCN) August 15, 2017
バルト三国は、どの国も面積が日本の1/6以下と小さな国なので、3カ国を旅行する場合はバスでの移動がおすすめです。エストニアの首都タリンからラトビアの首都リガまではバスで4時間、リガからリトアニアの首都ビリニュスまでは3時間半と、1日の間に3カ国を移動することも簡単にできます。
バルト三国旅行で利用するLux Expressバスの乗り方
バルト三国旅行で都市の間を移動するのに便利な長距離バスを運行するバス会社はいくつかありますが、こちらではその中でも人気が高くおすすめの「Lux Express」をご紹介します。Lux Expressはバルト三国だけではなく、ロシアのサンクトペテルブルク、ポーランドのワルシャワなど、計12カ国で運行しています。バルト三国だけではなく、東ヨーロッパ旅行には便利なバスです。
Lux Expressのチケットは、ウェブサイトと現地のバスターミナルで購入することができますが、現地で窓口が開いてないということも考えられるので、ウェブサイトで購入してプリントアウトしていくことをおすすめします。乗車は20分前には乗り場で待っているようにします。乗車の際にはチケットだけではなく、パスポートも手元に用意しておきましょう。
旅行者に人気のLux Expressはここがいい
Lux Expressで一番うれしいのは無料のWi-Fiです。長距離バスでの移動中にネットで情報収集などが出来るのは本当に便利です。バスによっては、座席ごとにタッチ・スクリーンのテレビ画面がついていることもあります。携帯電話を充電するためのソケットも、各座席についています。
長距離バスなのでトイレはもちろん完備されていますが、バスの中では無料のホットドリンクも提供されています。5時間以上の乗車になると無料でミネラルウォーターをもらうことができます。リクライニングができる座席も座り心地がよく、足元のスペースも広々としています。
バルト三国のおすすめ観光スポット①ラトビアの首都リガ
リガ大聖堂
The view from Pētera baznīca (St Peter’s Church), Riga, looking towards Rīgas Doms (Riga Cathedral) and the Daugava river. pic.twitter.com/6cn8sR9Ub2
— Matthew Paul Thomas (@mpt) May 20, 2017
ユネスコの世界遺産にも認定されているラトビア首都リガの旧市街にあるリガ大聖堂は、リガの中でも人気のある観光スポットです。1211年に木造建築で建設されたリガ大聖堂は、現在は赤いレンガが特徴の荘厳な外観で、バルト三国の中でも最大規模で、さらに一番古い大聖堂です。
リガ大聖堂のおすすめの見どころは、世界で4番目に大きいというドイツ製のパイプオルガンで、6700以上のパイプから出来ています。建設された19世紀には世界で最大のパイプオルガンだったそうです。大聖堂では毎日コンサートが開かれているので、観光の一休みにパイプオルガンの音色を楽しむのも良いです。
ブラックヘッド・ハウス
ブラックヘッド・ハウスは、14世紀からギルド(商人の組合)の独身男性がパーティーホールとして使われていた建物で、リガの中でも有名な観光スポットとしてランドマーク的な存在になっています。第二次大戦中にドイツ軍の爆撃によって破壊され、1999年に再建されました。現在はラトビア大統領官邸となっているので、内部の見学はできません。
聖ペテロ教会
Svētā Pētera Evaņģēliski luteriskā baznīca (Saint Peter's Church) Riga, Latvia pic.twitter.com/v3iUIdT2sm
— Sharon Hahn Darlin (@SharonHahnD) April 5, 2014
リガの聖ペテロ教会は15世紀初頭に建設された教会で、倒壊、焼失、戦火、落雷と何度も再建された教会です。聖ペトロ教会の最大の見どころは、市庁舎広場からも見ることができる、高さ123mの尖塔です。エレベーターで登ることができる尖塔の上からは、リガの美しい街並みを見渡すことができます。
バルト三国のおすすめ観光スポット②エストニアの首都タリン
タリン旧市街
エストニアの首都タリンの旧市街は、中世からの建物や石畳の道が残っていて、ユネスコの世界遺産にも登録されています。タリン旧市街の見どころは、なんといってもその周りを囲む城壁で、ところどころに内側に通じる門が開かれています。丘の上に残る中世の城塞の遺構など、見どころたくさんの観光スポットです。
ミューリヴァヘ通り
ミューリヴァへ通りは、旧市街の城壁の内側にあり、別名「セーターの壁」とも呼ばれています。城壁に沿って編み物専門の屋台がずらりと並んでいて、セーター、マフラー、手袋などの寒冷地には欠かせないアイテムであふれています。手編みの商品には、キャラクターやエストニアの伝統的な模様の入ったものまで、たくさんの種類があります。民族的な柄のアイテムはお土産にも喜ばれるかもしれません。
聖オラフ教会
聖オラフ教会の、300段越えの階段をひたすら登り、屋根から見た絶景!
— 黒帆 (@kuroho) May 6, 2017
街中の方向と、海の方向。
こう見ると、タリンって海に近いんだなぁ…海の向こうはフィンランド。 pic.twitter.com/ATuzbZZAZ1
タリンの旧市街のどこからでも見ることができるのが、聖オラフ教会の尖塔です。13世紀に建設された聖オラフ教会の尖塔は避雷針や海上からも見える目印として作られたといいます。現在では123mの地点まで登ることができます。尖塔の上から見渡す旧市街の街並みは一見の価値があります。
バルト三国のおすすめ観光スポット③リトアニアの首都ビリニュス
ビリニュス旧市街
ビリニュスの旧市街は、他のバルト三国首都の旧市街よりも規模が大きく、ビリニュス歴史地区としてユネスコの世界遺産にも登録されています。ゴッシク、ルネッサンス、バロックと色々な様式の建物が並ぶ旧市街には、聖ペトロ聖パウロ教会などの教会や、夜明けの門など、ビリニュスの人気観光スポットがあります。
杉原桜公園
リトアニア、ヴィリニュスには"日本のシンドラー"杉原千畝氏にちなんだ『杉原桜公園』と呼ばれている公園があります。 https://t.co/cYbGqSqNnD pic.twitter.com/JCV3orG3bL
— DTAC観光情報局 (@dtac_japan) April 22, 2016
ビリニュスには、「日本のシンドラー」とも呼ばれる外交官・杉原千畝の名前が付いた杉原公園があります、杉原氏は、1940年代にカウナスで領事代理をしていたときに、ナチスからの迫害を逃れて助けを求めた2000人以上のユダヤ人にビザを発給し、6000人以上の命を救いました。
当時、自身の身の危険も顧みずに、外務省の命令に背きながらもユダヤ人にビザを発給し続けた杉原氏の生誕100年を記念して植樹された桜と、彼の功績を称えるモニュメントが公園の入り口に建っています。モニュメントと桜は、杉原氏の母校である早稲田大学から寄贈されました。ちなみに、杉原千畝記念館は、総領事代理をしていたカウナスにあります。
聖ペテロ聖パウロ教会
聖ペテロ・パウロ教会は、ロシアからの解放を記念して建てられた教会で、1668年から始まった建築工事では完成までに30年かかったといいます。教会の最大の見どころである内部には漆喰塗りの壁に2000以上の彫刻がされ、聖人、天使、死神や獣など、さまざまなモチーフを見ることができます。
バルト三国のお土産のおすすめ
琥珀
Made this w/ #Amber bought in #Latvia. Keeping this, listing other Amber pendants soon! BeadedDelightsByStef #etsy pic.twitter.com/QVVSXobpiJ
— Stefania Lintonbon (@BeadedDelights) March 6, 2016
バルト三国の中でもリトアニアのお土産としておすすめなのが琥珀製品です。琥珀はバルト海沿岸部が主な産地なので、海岸近くの露店などでも、お土産に最適なリーズナブルな値段のものをゲットすることもできます。ただ偽物の琥珀も売られていることがあるので、全国展開しているショップなどで購入する方が無難かもしれません。
ニット製品
エストニアの首都タリンの「セーターの壁」は、編み物製品で有名なスポットですが、エストニアに限らず寒い国だけあってバルト三国ではどの国でも質の良いニット製品が手に入ります。お土産におすすめなのは、伝統的なモチーフがはいった手袋やセーターなどの小物です。
リネン製品
バルト三国のもうひとつの特産品と言えばリネン(麻)製品です。特にリトアニアのビリニュスには、リネン製品を扱うショップが数多くあり、種類も様々なものが販売されています。コースターやランチマットからショールなどの質の良いリネンはお土産にも最適です。
バルト三国旅行のススメ
"旧ソ連の遠い国"というイメージのバルト三国ですが、観光スポットの多さや物価の安さ、移動の簡単さなど、バルト三国をおすすめする理由はたくさんあります。どの国も中世の雰囲気が残る町並みは必見、石畳の道を歩いたり教会を覗いてみたり、歴史に浸ることが出来るのがバルト三国です。