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ベネズエラのエンジェルフォールとは?
ベネズエラにあるエンジェルフォールはカナイマ国立公園内にあります。世界最大の落差を誇るエンジェルフォールは、世界の人々を魅了するにふさわしい壮大なスケールの滝です。最近は何かと便利になり、行きたい場所にすぐ行けるようになってきましたがこのエンジェルフォールへの行き方は生半可ではありません。ではその詳細をご紹介していきましょう!
エンジェルフォールのあるベネズエラはどんな場所?
ベネズエラは1年を通して暖かい気候の土地です。年間の平均気温は22度前後で、高低の差も3度ほどです。熱帯気候の国なので夏が好きな人には嬉しい気温でしょう。そしてベネズエラは日本の国土の2.4倍の面積で、総人口は約3157万人と言われています。日本の人口が約1億2709万人なので、いかに日本が小さな土地に密集して暮らしているかがわかります。
現地の治安はどんな様子?
エンジェルフォールがある土地、ベネズエラは2013年に「世界一危険な国」として不名誉な称号を手に入れてしまった、旅人には危険が伴う国です。ベネズエラの正式な国名は「ベネズエラ・ボリバル共和国」と言って、南アメリカの北部に位置します。特に危ないのは、ベネズエラに入国する際に避けて通ることのできない首都カラカスです。
カラカスの街を歩く観光客は、皆金品を奪われる対象になります。決して大げさではなく、身の安全を守ろうと移動で乗ったタクシーの運転手に身ぐるみを剥がされたり、無事にホテルにたどり着いたとしてもすぐ目の前のスーパーにすら観光客は1人で買い物には出かけられないといった話は日常茶飯事です。
カラカスの街や空港付近が特に危ないと言われていますが、日中などはきちんと危機管理していればそこまで危ないこともありません。しかし、夜は絶対に出歩いてはいけません。警察も頼りになりませんし、万が一怪我をしてしまった時にも、医者自体が国外へ脱出してしまったりしているのであまり当てにできないそうです。
しかしその危険の可能性があるとしても何としてもこの目で絶景を拝みたい、という人たちが世界にはたくさんいます。それだけエンジェルホールには言葉では説明できない魅力と、人々を引きつけてやまないパワーが宿っているのです。人々の感じる恐怖よりも、「この目で見たい」という人間の探究心の方が勝っているということでしょうか。
しかしエンジェルホールがあるカナイマは首都のカラカスとは違い、とても穏やかでのんびりとした雰囲気に包まれています。治安も問題はなく自然をゆっくりと堪能することができるでしょう。カラカスでは信用できる人以外には常に警戒していないと危険が伴います。もちろんカナイマでも油断は禁物ですが、カラカスほどの警戒心は必要ないでしょう。
両替やカード利用にも最新の注意を!
両替は空港やその辺の両替所で行うと、大損をしてしまうそうです。日本人からすると安心だと思いがちな空港でも、とんでもない金額で両替されてしまうことがあるようなので、両替をしたい場合は、信用できる人と一緒に信用できる場所ですることが大切です。もしツアーなどで観光に行く場合はそのツアーガイドさんなどに頼むといいでしょう。
また、クレジットカード利用も気をつけてください。クレジットカードのスキミング被害もたくさんありますし、何より換金レートが非常に悪く、普通のホテルに一泊しただけで20万円になってしまうこともあるようです。そのため、ベネズエラに入国する際には必要な金額を全て現金で持っていかなくてはいけないので、少し大変かもしれません。
また、必要なお金をまとめて持っておいては万が一の時に一気に財産を失ってしまうことになります。現金はできるだけ分散して持つようにして、外出する際はなるべく手ぶらで出かけることがいいようです。そして現地の警察はドル紙幣が好きらしく、見つかると確実に没収されてしまうという話も聞きます。もしも危ない地域を歩く時は最新の注意が必要です。
ベネズエラのエンジェルフォールへの行き方は?
では、軽い気持ちではなかなか観光しに行くことができない「エンジェルフォール」までの行き方をご紹介していきます。まず行き方の注意点で「個人で行くのは難しい」という点が挙げられます。「公共交通機関に乗ってドアtoドア」という行き方ではありませんので、なんらかのツアーに参加していく行き方が最もメジャーな行き方と言えます。
エンジェルフォールへの行き方は、まず玄関口であるカナイマ村に行くことから始まります。この村は外界から閉ざされた土地になっていて、陸路で行くことは不可能です。唯一の行き方は航空機のみです。カナイマ村にはわずかな民家と宿泊施設があるだけで、他は見渡す限りの美しい自然があるだけです。
エンジェルフォールまではボートで4時間
夜明け前のまだあたりが薄暗い中、滝の上流にある川のボート乗り場へ向かいます。一見4時間も乗るボートとは思えないような丸太のようなボートに乗り込みカラオ川を進んでいきます。薄暗い中美しい川を進むボートから見える景色はとても美しく、現実の世界ということを忘れてしまいそうです。幻想的で、夢の中にいるようなふわふわした気分になります。
エンジェルフォールという滝への行き方は、まだ始まったばかりです。薄暗かったあたりもだんだんと明るくなっていき、滝へ向かって進んでいきます。途中で川が浅くなる場所では一旦ボートを降りて20分程徒歩で進み、また船に乗り込みます。そして2時間程経った頃にオルキデア島に到着したら、お待ちかねの朝食タイムです。
その後再び滝に向かって行くためにボートに乗り込みます。チュルン川に入ると流れが急になり、水しぶきなどで体が濡れることがあります。しかしあたりの絶景と暖かな気候、そして何より今から見ることのできるエンジェルフォールという滝の絶景を想像すると、その水しぶきで濡れる過程も観光の醍醐味とも言えて楽しむことができます。
そして徐々に滝に近くに連れてテーブルマウンテンとそこに流れるエンジェルフォールが見えてきます。余談ですが、テーブルマウンテンは20億年前もの断層で、断崖絶壁のため下界とは完全に隔離されています。その為に生息する生物に天敵が少なく、独自の進化を遂げた生物が生息しています。ぴょんぴょんと跳ねることが出来ないカエルなどがいるそうです。
ボートの後にはジャングルウォークが待っている
ボートの次はジャングルウォークが始まります。世界最大の落差を持つ滝までの行き方はなかなかハードです。ラトンシート島に到着するや否やジャングルの中を道無き道を進みます。このジャングルウォークは足元に張り巡らされた木の根に足を取られたり、ぬかるみに足がはまったりしながら1時間半程の道のりを滝に向かって進んでいきます。
目の前に現れる絶景のエンジェルフォール!
ジャングルウォークの最後の方になると急に岩だらけの道を歩くことになります。普通の観光旅行では味わうことのないような体験ですが、このハードな道のりを超えた先には想像を超える絶景と世界最大の落差の壮大なスケールの滝を見ることができます。普段運動をしていないとくじけてしまいそうになりますが、希望を持って絶景を目指しましょう。
そして、岩を登っていくと急に視界が広くなる場所があります。そうすればもうそこは絶景に次ぐ絶景で、今までの辛かった道のりが一気に吹き飛ぶ程の感動を味わえます。壮大な自然を目の前にすると自分の小ささも感じますが、それ以上に自然の大きさに圧倒されて頭の中が真っ白になるでしょう。
エンジェルフォールの滝の落差は約1km
エンジェルフォールの滝の落差は、正確に言うと979mです。地上で1km先というとそんなに遠く感じないかもしれませんが、垂直の1kmというのは驚くほどの距離感になります。あまりにも落差があるために、水が下に落ちていく間に全て霧になってしまうため、通常滝の下にあるであろう滝壺は存在せず、その滝の下辺りはまるで暴風雨のようだと言います。
ちなみに約1kmの落差というのはどれぐらいの高さかというと、東京タワーの3倍もの高さになります。こう言われるとどれほどの落差があるのかがなんとなくイメージできませんか?そんなにも高いところから流れ落ちる滝は、いつまで見ていても飽きることがなく時間がたつのを忘れてしまいます。
ギアナ高地にはテーブルマウンテンが100個もある
テーブルマウンテンとは先ほどもご説明した通り、20億年前の断層がむき出しになっている絶壁の事ですが、このテーブルマウンテンが100個もあるのです。1kmも上空へ伸びる絶壁には、観光ではもちろん人間がたどり着く事が難しい前人未到の地になっています。その為テーブルマウンテンでしか見る事のできない貴重な生物などが生息しているのです。
エンジェルフォールの名前の由来は?
観光に行く先の土地の特性や場所の名前の由来なども気になるところですが、このエンジェルフォールの名前は一体なんでしょうか。美しい絶景を眺められる事から「天使の住む滝」と名付けられた、と思いがちですがそうではありません。実際にかつての原住民には忌み嫌われており、長い間「悪魔の滝」と呼ばれていたそうです。エンジェルとは正反対です。
このエンジェルフォールが不名誉な悪魔の滝という名前から「エンジェルフォール」に変貌を遂げたのはアメリカの探検飛行家の「ジミー・エンジェル」が世に紹介した為に、ジミー・エンジェルの名前をとって「エンジェルフォール」になったのです。彼のおかげで現在ではこの美しい滝にぴったりの名前が付き、世界中の観光客を魅了しています。
雨季がエンジェルフォールに行くベストシーズン
エンジェルフォールに観光しにいくベストシーズンは、雨季の4〜9月頃がおすすめと言われています。雨が降る雨季のシーズンでないと水が少なく、エンジェルフォールを流れる水も乏しくなるばかりか、エンジェルフォールにいく為の川の水も少なくなり、船を出す事ができなくなってしまいます。それでは十分に観光する事ができません。
その為、エンジェルフォールを満足に観光をするおすすめのベストシーズンは雨季になるのです。しかし、雨季には雨季の問題もあり、時にはエンジェルフォールに雲がかかってしまい、落差のすごいエンジェルフォールを下から眺めるには視界を邪魔してしまう事があるのです。日帰りの観光を選んでしまうと、満足に見る事ができないかもしれません。
乾季はエンジェルフォールをセスナから眺める
では、雨季でないとエンジェルフォールにたどり着けないのかというとそんなことはありません。乾季に観光で訪れる際にはセスナ機に乗って上から滝を眺めるという贅沢な観光の仕方ができます。セスナ機で行けば4時間のボートも、1時間半のジャングルウォークも必要ないので楽に絶景を眺める事が可能です。
エンジェルフォールがあるギアナ高地を楽しむためには?
せっかくベネズエラまで行ったらエンジェルフォールだけではなくギアナ高地を満喫してください。恐竜時代からの生き残りと言われているこちらのオレオフリネラを探してみるのもまた貴重な体験です。こちらのカエルは天敵がほとんどいない為ジャンプができない不思議なカエルですが、なんだか可愛らしい容姿をしていて出会えたら嬉しくなってしまいます。
また、このエンジェルフォールのツアーには、ヘリコプターで山の上に登り、そこでキャンプができるというツアーも用意されているようです。エンジェルフォールの水源を間近で感じられる頂上でキャンプテントを張り、そこで1泊して徒歩で下山するというギアナ高原を満喫するには十分な内容です。絶景の中で朝を迎えられるなんて感動的です。
エンジェルフォールまでの道中にトイレはある?
ここで、特に女性が知りたいのではないかと思われる「トイレ情報」についてお知らせいたします。エンジェルフォールまでの道のりはご紹介した通り大自然の中を進んでいきます。ですからトイレなどはもちろんなく、基本自然の中で済ますことになります。男性はそんなに抵抗がないかもしれませんが、女性には抵抗がある方もいるかもしれません。
しかし、生理現象は誰にでも起こることですし、我慢していては体に毒です。最初慣れないうちは抵抗があって恥ずかしいような気持ちになってしまいますが、自然の中で長い時間過ごしていればだんだん慣れてしまい、最後には何の躊躇もなくなってしまうかもしれません。こういった自然の中ではそういうサバイバル的な面も必要になっていきます。
一生に1度は間近で見てみたい絶景のエンジェルフォール
世界一の落差を誇るエンジェルフォールは頭の中で想像しているよりもはるかに美しく、はるかに壮大な滝です。実際に見てみないとその素晴らしさは理解できませんが、簡単に気軽な気持ちで行ける場所でもありません。時間もかかりますし多少のリスクも背負うことになります。でもそれをもってしても有り余るほどの感動を得られる素晴らしい場所なのです。
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