十分瀑布は台湾のナイアガラの滝？滝へのアクセスや見どころは？

台湾北域の平渓線沿いにある｢十分瀑布｣は基隆河の支流となる十分風景特定区の観光名所です。十分老街のはずれにある、台湾最大の滝として｢ナイアガラの滝｣と呼ばれる姿に興味をそそられます。また鉄道をはさんで商店が並ぶ、ランタン飛ばしで人気の十分駅周辺の様子やアクセス、老街の魅力もお伝えします。

平渓線沿い最大の人気スポットである十分駅から徒歩で約25分の場所に｢ナイアガラの滝｣と言われる十分瀑布はあります。幅40メートル、落差20メートルの半円を描く姿と豊かな水量をもつ、台湾最大の滝として国内外の観光客が訪れる観光名所です。アクセス路には吊り橋や自然公園があり、奇岩や断層を目にする豊かな自然が魅力です。

滝壺の断崖に沿ってビューポイントが点在しますが、正面に近い場所から眺めるとこんな姿です。スペックだけを求めるとナイアガラの滝とは比較になりませんが、半円を描くように流れ落ちる、いわゆるカーテン形状の滝としてナイアガラの滝と言われます。一枚の絵になる美しい景観の観光名所です。

一番近いポイントからは、浸食された岩肌に飛び散る飛沫が天然のクーラーとして、夏の涼を求める観光客に人気です。亜熱帯と大陸性の気候をもつ平渓地域では蒸し暑い夏にはぴったりの場所です。台湾映画のロケ地としても知られるようですが、十分老街の天燈飛ばしと十分瀑布のセット観光がおすすめです。

実際の現地は国内外の観光客で人の途切れない観光名所です。特に週末や祝日などには、十分駅から蟻の行列のような滝詣での混雑が見られます。そのため一時間に一本程度の平渓線は、十分駅から多くの人の流れが十分瀑布へと続きます。思い出の一枚を記録したい人は午前中に立ち寄られることをおすすめします。

基隆河では最大の支流流域にある十分瀑布は、豊かな水量を背景に早い流れによって浸食された奇岩や断崖が続く見事な自然の景観もおすすめポイントです。むしろ雑多な文化が入り交じる十分老街と対照的に、自然豊かな台湾最大の名瀑として、台北を訪れたら必ず見ておきたい観光名所です。

ナイアガラの滝に人々が惹かれるのは、その形状ではなく圧倒的な水量とスケールであり、地球規模の息吹を肌で実感できる豪瀑だからですね。姿形は形容できても、そのスケールを形容することは比較に過ぎません。十分瀑布はそんな形容などいらぬ台湾最大の美しい滝であり観光名所なのです。

住所:新北市平渓区南山里乾坑路10号(十分風景特定区) 電話番号:+886-2-2495-8409(十分旅客サービスセンター)

十分瀑布へ向かう遊歩道もきれいに整備されています。アップダウンのある散策路を歩きながら、やがて滝の音が聞こえてきます。台湾のナイアガラの滝と言われる名所に期待も膨らむ、マイナスイオンたっぷりの自然も楽しみたいですね。観光バスを降りてすぐみたいな場所ではないので、ヒールの高い靴は避けてください。

自然公園の中なので規制もあるのでしょうが、トイレや茶店もあります。海外からの観光客だけでなく、台湾の若者のデートスポットとしても多くのカップルが訪れます。周囲を囲む山並みは日本と同じような景観ですが、亜熱帯らしい蒸し暑い夏には、涼を求める人々が途切れない観光名所です。

台湾市内地下鉄(MRT)の平渓線への乗り継ぎ駅です。台北駅から約1時間でこの駅に到着します。一番早い特急の｢普悠瑪｣や｢自強｣などは予約が必要ですが、確実に座れるのでおすすめです。瑞芳駅から四つ目の｢十分駅｣まで約30分で到着します。一時間に一本程度のアクセスなので移動目的に応じて時刻表の確認が必要ですね。

台北市内地下鉄(MRT)だけでなく平渓線でも使える｢悠遊カード｣は券売機やコンビニでも購入できます。チャージすることで台湾滞在中の移動がとても楽になります。旅の終わりに残ったら窓口で換金でき、通常の乗車料金の二割引で利用できる優れものです。利用できない路線や車両もありますがおすすめです。

台北駅から瑞芳駅経由で十分駅(Shifen･Station)まで約1時間30分のアクセスです。この駅から十分瀑布や老街での天燈飛ばしなどの観光名所を満喫しましょう。もう一つの人気スポット九份へは瑞芳駅へ戻り、そこからバスかタクシーになりますが、タクシーでも205元(約820円)です。交通状況もあるので計画には余裕をもっておきましょう。

十分駅を出たら線路を右手に見ながら瑞芳駅方面へ戻る形で進みます。日本統治時代の名残を残す平渓線は単線で、ディーゼル車両です。すれ違い待機の駅なので構内に二車線あります。歩いて間もなく天燈などの店が線路を両側から挟み込む商店街があります。さらに十分瀑布へのアクセス路となる遊歩道が続きます。

十分瀑布の手前200メートルの所にある｢観瀑吊橋｣です。十分瀑布が見えるのではなく、橋を渡って振り返ると見える眼鏡瀑布です。流れ出る水流を鼻筋に両側のくぼみが眼鏡をかけた顔に見えるそうですが、よくわかりません。十分駅に到着直前に車窓から右手に見えた吊り橋を瑞芳駅方面に戻る形で滝を目指します。

観瀑吊橋からしばらく歩いて階段を降りた先に十分瀑布が見えてきます。口コミには滝までの所要時間が20分とか30分、40分かかったと様々な体験談があります。十分風景区など自然公園としての整備が進みますが、線路の左から行くルートが若干早いようですが、アップダウンもあり平均的には25分くらいです。駅からタクシーの選択肢も。

老街から十分瀑布にいたる十分風景区には自然遊歩道が整備され、基隆河には何本かの吊り橋があります。観瀑吊橋の手前には四廣潭橋があり、十分駅前から対岸に渡る静安吊橋など、意外に揺れる吊り橋の高さやスリルを体感できます。中心街だけでなく田舎町の川沿いを散策するのもおすすめです。

観光客の多い日でも橋の上がいっぱいになることは少ないですが、誰かが監視して通行制限をしているわけでもありません。表示がなければ何も感じないですが、耐荷重の目安でそれを超えたら落ちるわけではないけれど、口コミで｢団体さんが楽しそうにいっぱい歩いてた！｣なんて話を聞くとスリルは感じますね。

観光客の増加にともない十分風景区の中に遊歩道や自然公園を整備する取り組みが行われています。広場には馬や狛犬のような像がたくさん並んでいて、子供遊具のようには見えないけど、いい大人たちが馬に乗って遊んでいたり、ロダンの像やタイのお堂のような建物に白い象がいたりして、よくわかりませんが楽しそう！

十分瀑布の手前にあるビジターセンターです。周辺の観光案内のほか、充電器やトイレ、売店もあります。十分駅から滝行きのバスやタクシーに乗るとここが終着点で、ここから先は車両は通行できません。十分瀑布へのアクセスで片道バス、片道徒歩といった選択肢もできるので覚えておくと便利です。

住所:新北市平溪區南山里南山坪136號 電話番号:+886ｰ2ｰ2495ｰ8409

困ったことに場所がわかりにくいため、十分駅からタクシーをおすすめします。十分街のはずれに案内所があり、そこで入場券を払えば迎えの車が来るとのことですがアテにはなりません。統治時代からの炭鉱跡として60年代から90年代に最盛期を迎えた坑道や採掘の仕組み、トロッコにも乗車できる充実した内容のおすすめスポットです。

住所:新北市平渓区新寮里(十分寮)頂寮子5号 電話:02ｰ2495-8680

十分駅から続く線路沿いの両側に立ち並ぶ商店街の中をディーゼル車両が走る少し怖いようで不思議な空間は、天燈上げで知られる十分の人気スポットです。1時間に1本の車両が通過するほかは、線路上が歩行者天国になり、カラフルな天燈を上げる観光客で賑わいます。列車が来るとお店の人が退避誘導するルールが黙認されたエリアです。

｢禁止行人通行｣の看板さえも味方につけたカオス空間です。台北市が公認した訳ではないし、日本では考えられない飛び抜けた開放感が魅力です。日本統治の時代に石炭輸送路として敷設された平渓線の歴史に始まる町並みには、天燈の店やお土産屋、飲食店が軒を並べます。

列車が通り過ぎれば線路上に観光客がまたあふれ、メッセージの書かれたカラフルな天燈が、あちこちから上がります。昼も夜も列車の通行と集散を繰り返す線路上の観光客の中には近年、西欧からの外国人観光客も増え、十分瀑布と共に、この天燈上げが十分街一番の人気メニューになっています。

原理は熱気球と同じ天燈ですが、メッセージや願い事、落書きなど何でもOKのペイントのあと、お店の人が火をつけてくれて、記念撮影までしてくれる楽しさがおすすめです。さまざまなランタンフェスティバルが近年注目されますが、十分や平渓では、毎日、天燈飛ばしができるお店がたくさん並びます。

家族やカップルで願いを空に飛ばす楽しさが天燈上げの魅力ですが、中国語やハングル文字など国際色豊かなメッセージにも注目です。｢幸福美満｣｢十分幸福｣など国は違っても願いは同じですね。中には｢減肥成功｣や｢money｣とか切実でストレートな願いも空に。言語は違えど何となく理解できる可笑しさも楽しめます。

カラフルな天燈が大空高く飛び去って行くのを見ながら｢どこまで飛ぶんだろう？｣｢山火事とか心配ないのかな？｣とか思いますね。これは台湾の消防法で天燈の規格が決められています。大きさのほか、燃焼時間は5分、飛行範囲は5キロ圏内と定めています。落下した天燈を回収するおばあさんを目にすることもあります。

台湾三大ランタンフェスティバルの一つとして、毎年2月の元宵節の日に合わせ、一週おきに計三夜、会場を変えて開催されるランタンフェスティバルです。十分公園は例年メイン会場として多くの人が訪れ、幻想的な光のショーが展開される観光名所です。まさにラプンツェルの世界を彷彿する忘れられない夜が待っていますよ！

十分駅かた徒歩10分の所に会場がありますが、MRTの文湖線･動物園駅からもシャトルバスが出ています。会場まで約50分のアクセスです。当日会場で天燈上げをしたい人は、会場で整理券が配布されます。午前中にはなくなるので、早めに現地に行って老街や十分瀑布を楽しんで、フェスティバルを待つのがおすすめです。

十分の街を歩くと、いろんな場所に願い事が書かれた竹筒がぶら下がっています。元々は平渓線の菁桐駅の駅員さんが、街の氷屋の女性店員に恋をして、その想いを竹筒に託したことが始まりです。今や天燈と並ぶアイテムとして、十分の街中で目にする｢許願筒｣にも願いを残しましょう！

多種多彩なランタン商品が並びますが、それぞれ｢幸運｣や｢恋愛｣などの文字が刻まれた｢ミニ天燈のお守り｣やストラップが人気です。カラー豊富な定番の土産として自分用に買い求める人が多いですね。LEDライト付きなど見ているだけで楽しい商品が並びます。友達や家族へのお土産としても最適です。

ネコは売り物ではありませんが、ポストのある土産物屋ではポストカードを親しい人に送りましょう！いい思い出になります。店の人に聞けば切手も購入でき、普通に住所を書いてジャパンと書いて投函すれば数日後には目的の場所へ着きます。日本の与那国島からわずか100キロの台湾は、日本の隣人なんですね。

十分駅の三つ手前の猴硐駅周辺にある猫村です。かつての炭鉱の町も過疎化の一途を辿り訪れる人もない静かな場所にたくさんの猫がいることが紹介され、一転猫好きや観光客が立ち寄る人気スポットになりました。駅舎から猫橋を渡り猫村に至る通路には、案内板やジャンプ台が備えられた猫一色のパラダイスです。

等間隔に並んだ猫トイレにキャットウォーク、猫小屋などすべてが猫仕様です。駅からカフェなどのあるエリアにいたる階段や通路にもたくさんの猫が迎えてくれます。首輪のあるものや野良などその個体数はわかりませんが、明らかに100匹以上はいます。雑貨店やカフェ、お土産店もあり、つい長居したくなる居心地のいい観光名所です。

住所:新北市瑞芳区柴寮路70号 電話番号:+886ｰ2ｰ2960ｰ3456

十分瀑布と天燈上げが人気の街ですが、どこにいてもローカル線の線路上が遊び場のような、不思議な魅力が十分の街には溢れています。そこは世界の人々が集う広場であり、レトロな鉄道車両が走り抜ける特別な場所、そしてスタンド･バイ･ミーの冒険を叶えてくれる、線路の文化が溶け込んだ街なんですね。

台北の十分駅を降りると天燈上げのできるお店が並び、線路上に集う観光客と雑多な文化が魅力の老街が続きます。ローカル列車が通り抜ける街のはずれには、台湾の｢ナイアガラの滝｣と呼ばれる十分瀑布があります。かつての日本統治の面影も残るレトロな老街など魅力いっぱいの十分の街へお出かけください。