絶景の世界遺産、ペルセポリスへの誘い
21の世界遺産を持つ国イランの中で、絶景地として世界中の観光客に人気があるのがペルセポリスです。紀元前522年、ペルシア帝国の王となったダレイオス1世が、年に数週間だけ滞在するために建設した都市は、広大な敷地にいくつもの遺跡群を見ることができるおすすめの観光地。イランが誇る世界遺産ペルセポリスの魅力をご紹介します。
イランの世界遺産「ペルセポリス」の歴史
イランの世界遺産「ペルセポリス」は、紀元前6世紀、イラン高原一帯から西はエジプト、東はインダス川流域までを支配したペルシア帝国の夏の都でした。ダレイオス1世が造営し、その子クセルクセス一世によって完成されました。ゾロアスター教を国教としたペルシア帝国は、納税の義務を果たせば、宗教や民族の自由を認める国家でした。
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ペルセポリスの主な役割はペルシア帝国の新年祭を行い、諸民族にアケメネス朝の王権は神に認められた政権であることを示すことにありました。世界遺産となった遺跡の中には、王に貢ぎ物を届けにきた様々な民族のレリーフも残されています。天文観測所としての機能もあったと推察され、暦の制定に重要な役割を担ったと考えられています。
ペルセポリスの遺跡群の中には、権力の象徴とされたライオンの像をはじめ、貢ぎ物を持った使者を迎える巨大な門の他、天空にそびえ立つ無数の柱など、巨大な古代建造物が残されています。ペルシア帝国の威光を今に伝える建造物の多くが、紀元前330年にアレクサンドロス大王率いるマケドニア軍に破れて、破壊されてしまいました。
ペルセポリス観光おすすめの遺跡1:クセルクセス門
ペルセポリスおすすめの遺跡1は、クセルクセス門です。人の顔、鳥の翼、そしてライオンの体を持った二体の巨大な石像が絶景です。この門は、ダレイオス1世の息子であるクセルクセス1世が建造したことから「クセルクセス門」と呼ばれています。正しくは「万国の門」と言われ、各地から王の式典に訪れる貢ぎ物の使者達が通る門でした。
「ペルセポリス」紀元前500年頃アケメネス朝 ペルシャ帝国首都の遺跡。
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メディナ人~エチオピア人の23民族が謁見に来たこともレリーフに残っている。①クセルクセス門②頭が人間で体が動物の彫刻③グリフィン像 ④全体 pic.twitter.com/lKa5OwCnng
門に刻まれた碑文には「余は偉大なる王、諸王の王、全民族の王であり、大地の王である。余はアケメネス朝ダリウス大王の息、クセルクセス。余を護る神アフラ・マズダーの意志により、征服せる全世界の国々の記念門としてこの門を造る。余がなせる仕事は、神アフラ・マズダーの恵みによるものである」と記されています。
ペルセポリス観光おすすめの遺跡2:グリフォン像
ペルセポリス観光おすすめの遺跡2は、グリフォン像です。万国の門からまっすぐ続く道の北側にあります。世界遺産にふさわしい不思議な像は、ライオンの胴にワシの頭と翼を持つグリフォン。グリフォンは、想像上の怪鳥です。ペルセポリスには、様々な人獣一体となった像がありますが、グリフォンは、幸運と力の象徴と言われています。
グリフォンは、ペルシア語ではホマと呼ばれます。ホマはイラン航空のロゴマークにもなっています。中国などで見られる鳳凰はグリフォンがシルクロードを経て、中国や日本に伝わったという説もあります。ヨーロッパでは、ポーランド貴族の紋章や、ドイツの市章等に用いられており、ペルシア帝国が世界に与えた影響の大きさが伺えます。
ペルセポリス観光おすすめの遺跡3:アパダーナ(謁見の間)
ペルセポリスおすすめの遺跡3は、アパダーナ(謁見の間)です。アパダーナは、万国の門の南側の広場を隔てて広がる宮殿で、ペルセポリスの中心となる絶景の観光スポットです。王の即位や新年を祝う儀式がおこなわれた場所と言われていますが、玉座らしきものがないことから、謁見は別の宮殿で行われていたのでは?という説もあります。
The city of Persepolis underscored the immense power of ancient Persia https://t.co/ztHxSPHVlK pic.twitter.com/qlQ2p3TjFq
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ダレイオス1世が大まかな宮殿を造成し、クセルクセス1世が細部を完成したと言われています。高さ4mほどの壇上の中央に1辺が60mもある大広間があり、それを囲む正面玄関や、細長い柱からなる廊下が続いています。大広間の周囲には、36本の円柱、廊下には12本の円柱が建っていたとか。現在は、いくつかの礎石が点在しているだけです。
ペルセポリス観光おすすめの遺跡4:アパダーナのレリーフ
ペルセポリス観光おすすめの遺跡4は、アパダーナのレリーフです。先ほどご紹介したアパダーナの東階段には、ペルセポリスの繁栄を表すレリーフがあります。膨大なレリーフに描かれているのは、祝いの儀式に向かう使節団の行列です。服装や帽子、贈り物がそれぞれ違うことから、どの地域から拝謁に来たのかを伺い知ることができます。
謁見の際には、一万人が入ったと言われる階段には、渦巻き帽子をかぶり、器や銀の壷を手に歩いているリディア人が描かれています。商業や金鉱で豊かな国から訪れたリディア人の貢ぎ物は、金の腕輪や器などで、レリーフの中には、幸福を呼ぶグリフォンの飾りと宝石で彩られた腕輪を持っているリディア人も描かれています。
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また、エラム人は、権力の象徴と言われたライオンを贈り物に携えています。心配そうに子ライオンを振り返る母ライオンの姿が描かれています。その他には、遠くから貢ぎ物を運ぶため、護衛のために刀を腰に差したスキタイ人の姿もあります。王との謁見の際には、代表者が上半身をかがめ、口を手でおおって挨拶する様子も描かれています。
ペルセポリス観光おすすめの遺跡5:王と従者の像
ペルセポリス観光おすすめの遺跡5は、王と従者の像王と従者の像です。クセルクセス1世の宮殿にある王と従者の像は、右手を挙げ、左手には古代の器の一種リュトン(角杯)らしきものを持った王と、王の後ろから従者付き添う二人の従者が描かれています。二人の従者のうち一人は日傘を持ち、もう一人はハエ払いを持っているのだとか。
ペルセポリス観光おすすめの遺跡6:百柱の間
Detail, The Apadana (main staircase to the audience hall), of Darius I at Persepolis, (founded likely 521, destruction331 BC) in Iran pic.twitter.com/hBHTSDm7c8
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ペルセポリス観光おすすめの遺跡6は、百柱の間です。百柱の間は、アバタナの東に位置する宮殿で、広大な敷地に、百本の柱が建っていたと言われます。百柱の間は、ペルセポリスの絶景スポットです。なぜ、謁見の間が近接して2つもあるのかは不明ですが、2ヶ所に分けなければならない程、参列者が多かったのかもしれません。
イラン中西部にある古代遺跡。紀元前518年にアケメネス朝ペルシャ第3代王ダレイオス1世により建設。首都として機能したとされるが徐々に国の中心はスーサに移っていった。紀元前330年マケドニアのアレキサンダー大王により滅ぼされた。宮殿跡やクセルクセス門などが残る。 pic.twitter.com/inYMUg4Yjc
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百柱の間の宮殿の規模はアバタナより広いですが、基壇がないため床面がアバタナより低くなっています。現在は、1辺70mの中央広間に並ぶ円柱の礎石と、長柱一本、広場側に作られた窓枠の一部が残るだけです。唯一の開口部であるである北側出入口を飾るレリーフは必見です。
ペルセポリス観光おすすめの遺跡7:ダレイオス1世の宮殿
ペルセポリス観光おすすめの遺跡7は、ダレイオス1世の宮殿です。アパダーナや百柱の間がペルシア帝国の公の場であるのなら、ダレイオス1世の宮殿は、王のプライベートな宮殿でした。ペルセポリスの遺跡のほとんどが柱が倒壊して基盤だけしか残っていないのに対し、ここにはまだ多くの柱がかなり良好な状態で残っています。
密集して建っている柱が絶景です。ゾロアスター教のシンボルや、有名な「雄牛を襲うライオン」のレリーフも見られます。この宮殿の役割には諸説があり、アパダーナの大きな宮殿に対する離宮であったり、宝庫も兼ねていたとも言われています。ペルシア帝国を支配した王がここに暮らしていたと想像するだけで歴史ロマンを感じます。
宮殿の南側には碑文があり「かつて、ここには砦は建てられていなかった。王ダレイオスが、この地にこの砦を建てた。余はアフラ・マズダーの恵みによってこの砦を建てたのである。」と記されている。この砦が、ダレイオス1世の宮殿を指すか、ペルセポリス全体を指すのか分かりませんが、この地が王の手で建設された証と言えるでしょう。
イランの世界遺産ペルセポリスへのアクセス
1979年に世界遺産に登録されたペルセポリスへのアクセスは、まず日本からイランの首都テヘランへ空路で移動します。トルコ航空等でイスタンブール経由等が一般的です。テヘランからは空路で、最寄りの都市となるシーラーズへ移動します。シーラーズからは、バスかタクシーなどを利用して、約一時間ほどとなります。
世界遺産ペルセポリスで絶景を見よう!
イランが誇る世界遺産ペルセポリスの観光情報はいかがでしたか?文中ではご紹介できませんでしたが、ペルセポリスには、王妃が暮らした木造の建物が博物館として再現されています。砂漠の中にある古代都市ペルセポリス。その絶景を一望すれば、歴史に埋もれてしまった巨大なペルシア帝国の繁栄を垣間見ることができるかもしれません。
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